僕の電車のお客さん(1)

2019-02-27 05:28:04 | 童話
僕のお父さんは毎日電車に乗って会社へ行きます。
お母さんはお買い物をするのは近くのスーパーですが、時々電車に乗って遠くのデパートへ行きます。
だけど、土曜日と日曜日は、お父さんもお母さんも、僕の電車のお客さんになります。
昨日は新幹線だったので、日曜日の今日は蒸気機関車にしよう。
僕が運転手で、助手は犬のシロです。

そして、ホームのアナウンスがありました。
『左の方から蒸気機関車が入って来ます。お客さんは切符を買って、客車がちゃんと止まるまでお待ちください。』
『シュッ、シュッ、シュッ、シュッ。』
『停車位置よ~しっ。』
『今の駅、今の駅。』
『皆さん、今の駅に到着しました。乗る人は、降りる人が終ってからお願いします。』
『ルルルルルル。』
『皆さん発車しま~す。次は「次の駅」、「次の駅」で~す。』
『シュッ、シュッ、シュッ、シュッ。』
『ポッポ~ッ。』
『シュッシュッ、ポッポ、シュッシュッ、ポッポ。』
『ポッポ~ッ。』
『上り坂になったので石炭をたくさん燃やします。』
『シュシュッ、ポッポ、シュシュッ、ポッポ。シュシュッ、ポッポ、シュシュッ、ポッポ。』
『トンネルに入りま~す。わ~っ、煙がいっぱいだ、シロ、大丈夫かい? お父さんとお母さんは大丈夫かな?
そうか、客車は窓が閉まっているから大丈夫だね。』
『やっと上り坂の頂上になりました。』
『シュッ、シュッ、シュッ、シュッ。』
『ポ~ッ、ポ~ッ。』
そして、蒸気機関車は「次の駅」に着きました。お父さんとお母さんはこの駅で降ります。

『はい、ありがとうございました。切符はこの箱に入れてください。』
僕とシロが運転する蒸気機関車はもっと遠くの駅へ走って行きました。
『シュッ、シュッ、シュッ、シュッ。』
『ポッポ~ッ。』
『シュッシュッ、ポッポ、シュッシュッ、ポッポ。シュッシュッ、ポッポ。ポッポ~ッ。』