夢の向こう(1)

2019-02-09 11:05:51 | 童話
君達はどんな夢をみるのかなぁ?
僕はね、前にみた夢と同じ場所で迷子になる夢をみることがあるよ。
それとね、パラグライダーで高い空を飛んでいる夢や、すごく高い空の上を走っているモノレールに乗っている夢や、幅が広くて、高く大きなエスカレーターで、みんなが駅から滑って降りてくる夢をみたこともあるよ。

夢って、ふしぎだよね。
君達はどんな夢をみるのかなぁ。

僕はある日、友達が向うから歩いてやって来る夢をみたんだ。
その友達は『僕は夢の向うから帰って来たんだよ。』と言って、夢の出口から出て行ってしまった。

次の日、その夢の話をしたが、友達は『そんな夢はみなかったよ。』と言った。

僕はもう一度、夢の中でその友達に夢の向うのことを聞いてみることにした。
しばらくして、また夢の中で友達が向うから歩いて来たので『夢の向うから帰って来たの?』と聞いたら『そうだよ。』と言って、夢の出口から出て行ってしまった。

その友達に、夢の向うのことを聞く前に、その友達は夢から出て行ってしまったので、僕は自分で夢の向うを探検することにした。
そして、夢の中を歩いて行ったけれど、いつまで歩いて行っても、夢は続いていて、夢の向うには行けなかった。そして、朝になって目がさめた。
『残念だなぁ、夢の向うは、まだ遠いのかなぁ?』