アリの小さな魔法使い(3)

2018-07-26 05:48:22 | 童話
そして、温かくなってきたら、僕達魔法使いがまた集まり、生まれたばかりのアリの先生をするんだ。
前からいるアリはエサ集めに忙しいので、僕達魔法使いが先生になって、いろいろと教えるんだよ。
アリ地獄のように危険な生き物や、水たまりの様に危険な場所などを教えるんだよ。
巣の外は危ないからね。

だけれど、人間は大きくて、歩いたり、走ったりするのが早いので、人間に踏まれないようにするのは難しいんだ。
だから、人間に踏まれそうになった時は、僕達魔法使いが、人間が転ぶようにしているんだ。

それからね、大きなエサの運び方なんかも教えるんだけれど、たくさんのアリが、みんなで協力してエサを持たないといけないので、みんながエサのどこを持つのかをみんなで考えるんだ。
魔法使いはね、その決める方法を教えるんだよ。

そして、普通のアリは、僕達魔法使いの決めたエサの見つけ方や、エサを運ぶ方法を、みんなでやるんだよ。
僕達アリは、みんな仲が良いので、全員でやるんだ。
そして、ケガをしそうになった時は、僕みたいな魔法使いが、ケガをしないように、いつもみているんだ。
君達のお父さんやお母さんも、君達のことを、ちゃんとみているんだよ。

だから、僕達魔法使いは忙しいんだ。

あ~、忙しい、忙しい。

     おしまい