僕とお兄ちゃんと(3)

2018-07-21 09:26:42 | 童話
そして、今度はお母さんの時よりもうまくできたので、お兄ちゃんからオヤツをいつもよりたくさん貰えました。
僕もうれしいですが、お兄ちゃんもうれしそうに僕の頭と体をいっぱいなでてくれました。
お兄ちゃんが
『ポチは何でもできるからえらいね。』
とほめてくれたので、僕はコックリ、コックリとうなずいて、体全部で喜びました。

みんなに何がうまくできるようになったか教えてあげるね。それはね、後足だけで歩けるようになった事だよ。
チンチンは立ったままだけれど、僕は歩けるようになったんだよ。
お兄ちゃんやお母さんは両足で歩いているのに、僕だけできなかったんだ。

えっ、犬は四本の足であるいて、人間は二本の足で歩くんだって?
うん、いつも公園で会う犬は四本の足で歩いていたけれど、人間の僕は二本の足で歩いていなかったんだ。
ええっ、僕は人間ではなくて犬なの?
だって、僕は家の中でご飯を食べたり、寝たり、ソファの上にお母さんと一緒に座ったりしているし、お外へはクツを履いて行くし、お兄ちゃんやお母さんと同じだよ。
僕はしゃべれないだけだよ。

だけれど、僕は今、しゃべる練習をしているんだ。ウ~ウワン、ワンワワワワン、ウ~ウワウ、ウ~~~ウン、ウワウワウン。
まだ、みんなには分からないみたいだけれど、もう少ししたら、みんなとお話しができて、お兄ちゃんに
『ポチは何でもできるからえらいね。』
とほめてもらえるように頑張っているんだ。

      おしまい