キリンのコロと、カピバラのノッポ(1)

2018-07-17 05:39:50 | 童話
ある動物園で、キリンに女の赤ちゃんと、カピバラに男の赤ちゃんが産まれました。
動物園では、2匹の名前をお客さんに決めてもらいました。

お客さんは、キリンの赤ちゃんは背が高いのでノッポに決めて、カピバラの赤ちゃんはコロコロしているので、コロに決めました。
動物園はあまり広くないので、キリンとカピバラはいつも同じオリの中で飼われていますから、キリンの子供のノッポと、カピバラの子供のコロも同じオリの中にいます。
動物園では、ノッポとコロの名前をみんなに覚えてもらうために2匹に名札を作ってあげました。

動物園の飼育係の人が、黄色の名札と茶色の名札を選び、首からかけられるようにしました。
飼育係の人が、キリンのノッポは茶色の名札に黒い文字でノッポと書きました。そして、カピバラのコロは黄色の名札に黒い文字でコロと書きました。
ノッポとコロは自分達の名前が気に入って、名札を首につけて仲良く遊んでいました。

しかし、キリンのノッポはお父さんやお母さんの体の色と名札の色が違うことに気が付いたので、お母さんキリンに言いました。
『私の名札の色もお父さんやお母さんと同じ色が良いよ。』
キリンのお母さんは
『飼育係の人が作ってくれたのだから我慢しなさい。』

そして、カピバラのコロはお父さんやお母さんの体の色と名札の色が違うことに気が付いたので、お父さんカピバラに言いました。
『僕の名札の色もお父さんやお母さんと同じ色が良いよ。』
カピバラのお父さんは
『飼育係の人が作ってくれたのだから我慢しなさい。』と言いました。

ある日、キリンのノッポとカピバラのコロはお話しをしました。
『ねぇ、コロ君、私はあなたの黄色の名札が良いなぁ。』
『ノッポさん、僕は君の名札の茶色が良いなぁ。』
そこで、2匹は名札を取り替えました。
『私の名札は、お父さんやお母さんと同じ色だわ。』
『わ~い、僕の名札は、お父さんやお母さんと同じ色だよ。』