僕はどっちかな?(2)

2018-07-08 09:35:22 | 童話
ある日、僕は寝そべっているタロウに寄り掛かってお昼寝をしました。
そして、僕は体が重たくて目がさめると、タロウが僕に寄り掛かっていたので、僕は『ワン』と言いました。
するとタロウが『なぁに?』と言いました。
あれっ、前の夢の時と同じだなぁ、と思いました。
タロウが『何して遊ぶ?』と言ったので、『今日は駆けっこをしようよ。』と言いたかったが『ワンワンワン』と言いました。
また夢の中と同じだと思いました。

そして、僕とタロウは公園へ行き、駆けっこをしました。
タロウが『早くおいでよ。』と言ったので、僕は『ワンワン』といってタロウを追いかけました。
近所のおばさんが『二人とも元気ね。』と言ったので、僕は『ワンワンワン』と言いましたが、タロウは『そうだよ、二人とも元気だよ。』と言いました。
僕は夢の中ではないのに変だなぁと思いました。

家に帰るとお母さんが『あらっ、おかえり。』と言ったので、僕が『ワンワン』と言うと、タロウは『ただいま。』と言いました。
タロウが居ない時は普通なのに、タロウが居る時は僕が犬になっているのは変だなぁと思いました。
そして、このまま、僕が犬でタロウが人間になってしまうのかなぁと思いました。

ある日、タロウの『ワンワンワン』と言う声でお昼寝から目がさめました。タロウの方を見ると、タロウが人間の僕になっていて、『ワンワン』と言っていました。
そして、僕の姿を鏡で見ると犬のタロウになっていて、人間の言葉を話していました。

あれっ、いつの間に反対になったのかなぁ?
そして、お外へ行くと、近所のおばさんが『タロウは今日も元気ね。』と言ったので、僕は『うん、元気だよ。』と言いました。

人間になったタロウは毎日お母さんに注意されます。
『ちゃんと歯をみがきなさい。顔を洗ったら顔をブルブルッしないで、タオルで拭きなさい。お風呂ではよく洗うのよ。お野菜も食べるのよ。』
人間になったタロウが注意されなくなったある日、僕とタロウはお昼寝の夢の中で『ワンワン』、『なぁに』とお話しをしている時に目がさめました。
今度は、タロウが『ワンワン』と言って、僕が『なぁに。』とお話しをしました。

今は夢の中なのかどうか、僕は分かりません。
そして、僕とタロウは、また今度交代するか分かりません。
分かっている事は、僕とタロウは、いつまでも仲良しだという事です。

おしまい