虹の階段(2)

2017-12-08 21:40:33 | 童話
やがて、僕達は階段ではなく平らな所に着いた。虹の真上に着いたのだ。

『高い所から見るときれいだね。』
『そうだね、きれいだね。』
『なんだか泳げそうだね。』
『そうだね、泳いでみようよ。』
『うわっ、楽しいなあ。』
『すごく楽しいね。』

泳いで行くと体育館で使うマットが敷いてあり、ハムスターが平均台を渡っていた。
もっと泳いで行くと、今度は下り坂になったので、僕達は滑り台のように滑って下りた。
『泳ぐよりもっとたのしいね。』
僕達は滑り台の終点となったので立ち上がって周りを見たが全然知らない所だった。『知らない所に来たね。もう一度虹を上がって元の場所に戻ろうか?』
『そうだね、戻ろう。』
しかし、僕達が振り返ったが虹は消えて無くなっていた。
仕方なく、僕達は近くにある交番へ行き、帰り道を教えてもらった。
『ただいま。』
僕が家に帰るとお母さんが『遅かったわね。』と言って、半分に切ったおまんじゅうをおやつに出してくれた。テーブルの上にはお母さんがバレーの本を置いて有った。
そして、僕の飼っているハムスターが棒の上を渡っていた。

お母さんが『あんたの服がキラキラと光っているけれど、どうしたの?』と聞いたので、僕は『虹の中を通って来たんだよ。』と言うと『あらすてきね、昔から虹の中を通ると良い事が有ると言われているのよ。』と教えてくれた。
僕は虹の中にいたことを絵日記に書いて、また虹が出るのを楽しみに待っている。

    おしまい