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引越しいたします。

鳥越俊太郎、またもウイグルについての問題発言「中国がテロでっち上げする目的がわかんない」

2008-10-12 00:10:50 | テレビ番組

10月13日更新
10月2日 テレビ朝日スーパーモーニング、「テンポアップ」

http://higasitoyokazu.iza.ne.jp/blog/entry/744974/
「偽善者キツイこのブログ」さんに動画リンク

かなり時間がたった番組で申し訳ないが、10月2日放送された、テレビ朝日の朝のワイドショー風の情報番組「スーパーモーニング」においての話である。
9時13分ごろの、ニューステンポアップというコーナーで、北京オリンピック開催直前の8月4日の「ウイグル人過激派」による人民武装警察に16人の死者を出したカシュガル「テロ」事件に対して、ニューヨークタイムスが目撃者の証言を引用しつつ武装警察官同士の争いではなかったかと疑問を呈した9月29日付記事を話題として、「五輪直前テロ事件がでっちあげ?米・NYタイムズが報道」と表題を打ってその内容を紹介している。
その記事の内容は当ブログで、全文を転載しているが、テレビ朝日スーパーモーニング取材班はこのカシュガル市事件現場の対面のバロニーホテルからの目撃証言とほぼ同じ内容、つまりは「警官同士の殴り合い」を見たという証言を日本人観光客から得ていた。もしかすると同じホテルに宿泊していたのかもしれない。
その日本人観光客は現場の写真を何枚か撮ったが、一枚を残してNYTの証言者とはちがい警察に没収されたことを語っている。
詳しくはリンク先から動画を見てもらうとして。

問題は「ニュースナビゲーター」の鳥越俊太郎の以下のようなコメントである。
081002torigoe_spmmain
「ウイグル族の警官もいますよ」@テレ朝

(鳥越さんNYTはこのように報じていますが、どういう風にとらえますか?)

鳥越俊太郎:うーん、えーとね中国がでっち上げたというでっち上げのその目的が、よくわかんない。

(メリットがどこにあるのかということですね?)

鳥越俊太郎:うん、メリットがね。それからね、ウイグル自治区ではねウイグル族の、出身の警官もいるってことですね。(人数多いですよね。)警官の中に、何も漢民族だけが警官をやっていてウイグル族はその警官になれないことはないんで。
まーあ、ひょっとしたらそのウイグル族出身の警察官の中にま、工作をされて、テロ、テロリストから工作をされてですね、えーまあ、たまたま反抗したと、反乱をおこしたというところをまぁあの見られた、写真に撮られたと、それは困るというので没収、全部消して回った、ということはいえるかもしれませんね。

(NYTとしても疑惑と言う部分で)
石丸幸人:ま事実はもちろんわかんないというところで。当時そのメディアに対しての規制がやっぱりされたということを覚えていますね。


注、カッコ内は佐々木亮太アナウンサーの発言

注、独断雑記さんにより詳しい書き取り記事がある
http://ameblo.jp/kyouikusituke/day-20081004.html

鳥越俊太郎は以前にも新疆ウイグルについてピントずれしたコメントを何回もしていた。
今回のコメントにも問題点がある。
「ウイグル族の出身の警官もいる」というコメント。確かにウイグル人の警官も多数存在する。しかし、この事件で襲撃にあったのは国務院公安部指揮下の公安警察ではなく公安部と中央軍事委員会の二つの管轄下にある人民武装警察である。ちなみに公安部はグレーか青の制服、人民武装警察は緑の制服であり、一目瞭然。

Wikipedia人民武装警察
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E4%BA%BA%E6%B0%91%E6%AD%A6%E8%A3%85%E8%AD%A6%E5%AF%9F%E9%83%A8%E9%9A%8A

Wikipediaにあるように、装備は軍隊により近く暴動などの鎮圧や辺境警護が主な任務であり、単なる犯罪捜査をおこなう警察とは性格を異にしているのである。鳥越俊太郎はそのことを全く認識していないと思われても仕方がない。
新疆通の識者に聞いたところでは公安警察の全体からのウイグル人比率に比べ、人民武装警察のウイグル人比率はとても少ないということだ。

そして、もちろん最大の問題点は鳥越が「中国がでっち上げをする目的がわからない」などと呑気に発言していること。
だいたい、NYTは「テロ」に疑問を呈しているだけで「でっちあげ」なる言葉を使っているのは引用した共同通信やスパモニであるのだが。

鳥越俊太郎は外国人がテロ事件を警戒してウイグル自治区へ入国しなくなることや、カントリーリスクの増加などを想定していっているのかもしれないが、そんなことを考慮に入れても「過激派のテロ活動の喧伝」はあまりあるメリットがある。
この事件があってからウイグル人はカシュガルを中心として何千人も逮捕拘束され、宗教的、文化的抑圧などの弾圧、厳打政策がますます激しくなっていることがWUCなどの報告で明らかになっている。
中国は「オリンピックに対する東トルキスタン分離主義者の大規模なイスラムテロ」を報道することで、それに対する闘争を大義名分として西欧諸国からの批判を沈黙させることができるのである。今年に入っては現実に事あるごとにそうである。しかし、どのような事件があっても断片的に「報道」されるだけであってその真相は拗として、発表されない。
世界ウイグル会議、WUCも在米ウイグル人協会も何度もそのことを声明で上げている。
http://www.uyghurcongress.org/jp/PressRelease.asp?ItemID=-934086021&mid=1096144499
http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20080806
鳥越はウイグル人はイスラム教徒だからテロリスト、なる思い込みをほとんど事実のチェックも行わずに巻き散らかしているどうしようもないニュースナビゲーターであるといっても仕方あるまい。
これは声を上げていかなくてはならないだろう。

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