【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【11/5】第203回臨時国会「ワクチン」首相入りで衆・本会議質疑へ、参・予算委の菅首相初登場は森裕子筆頭理事率いる立憲は108分遅れの健闘

2020年11月05日 17時52分09秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]マスク姿の菅義偉さん、先々月2020年9月、宮崎信行撮影。

 参議院予算委員会初日、野党「立憲民主党会派」は108分遅れに追い込みました。

 衆議院では、来週11月10日火曜日午後1時から2時間、「新型コロナウイルス感染症ワクチンの予防接種法など改正案」(203閣法1号)について、菅首相、田村厚労相らが登壇して、趣旨説明と各党代表質問をすることに決まりました。一方「日英EPA承認案」(203条約1号)は大臣に対する質疑にとどまりそうです。「ワクチン」は衆参厚生労働委員会で、総理入り質疑も1時間程度かかりそう。予防接種の努力義務規定については、厚労省は政令を柔軟につくれる知恵がある法文の書き方をしていますが、立憲幹部は「国民のみなさんのマスクなどコロナに関する経済との両立についての意見を聞いて、党の国民運動の始まりとしたい」としており、会期内成立は確実ですが、充実した審議が期待できそうです。

 「日英EPA承認案」(203条約1号)は総理はいませんが、茂木外相と岡田克也外務委員の「茂木・岡田論争」がテレビ無しの外務委員会で期待できそうです。

 あす11月6日(金)午前11時、衆議院議院運営委員会を開き、会計検査院検査官候補から、所信を聞くことも決まりました。元事務総長の岡村肇さんになりそうです。参議院予算委員会の裏番組となります。

【衆議院 令和2年2020年11月5日(木)】

 上述の通り、きのうに続き、議運理事会がありました。

【参議院予算委員会 きょう】

 既に午前中に記事を書きましたが、菅内閣初めてのテレビ入り基本的質疑がありました。

 理事を外れた蓮舫さんがトップバッター。筆頭理事の森裕子さんがしめる格好で、立憲だけで午前9時から午後4時1分までかかりました。

 午前の記事と一部重複しますが、蓮舫さんは日本学術会議について細かくプロセスを問いただしました。首相は105名の名簿と99名の名簿が添付された決裁文書にサインしましたが、名簿は見ていないと答弁。おそらくそうなんでしょうが、「杉田官房副長官に懸念を伝えていた」ともしており、赤旗など新聞も報じなかった、闇に埋もれたままだった前回の経緯も含めて検証が必要でしょう。蓮舫さんは10月1日付人事に関する公文書をすべて予算委員会に提出するよう求め、山本順三委員長(自民党)が理事会で協議することを確約しました。

 蓮舫さんは、サービスデザイン推進協議会について、梶山経産相に質問。梶山さんは『先の通常国会でもいろいろご懸念いただいた」と述べました。蓮舫さんは「小泉内閣以降、官から民への流れがある。一般社団法人を迂回して、再委託されている。例えば、2006年の公益法人改革でうまれ所管官庁の許可もいらない一般社団法人であるSIIは、会費5万円で会員になれる」と指摘し、場内から拍手を浴びました。私も2016年夏頃の一連の流れで蓮舫さんにきれていた時期がありますが、蓮舫さんの「仕分けの女王」健在ぶりがうれしかったです。首相は「是正すべきは是正すべきだ」と中身のない答弁をし「それぞれの省庁が責任をもってもらうことだ大事だ」と縦割り排除の内閣方針と違うことをいい「(省庁が発注時に)確認することが大事だ」と工場長のようなことを繰り返しました。蓮舫さんは、国会法105条により、参議院予算委員会が会計検査院に要求するよう求めました。

 マイナポータルをめぐって、武田良太総務大臣が蓮舫さんにタメ口でやりとりすることがありました。武田さんは早大文学部で蓮舫さんと同い年のようですので、蓮舫さんと手塚仁雄さんらとバブルの渋谷の夜の遊び仲間だったのかもしれません。

 白真勲さんは核兵器禁止条約を質問。黒田東彦・日銀総裁にも迫りました。

 無所属改め、立憲民主党の党員となった小西洋之さんは日本学術会議について。

 森さんは筆頭理事らしく、まとめの質問。「自助・共助・公助」と言うが、頑張り切れないひとり親世帯や、12月ボーナス払いができない住宅ローン債務者らを念頭に、生活保護を受けることは恥ずかしくないことだとテレビ入りで首相が明言しろとしました。首相は、自助・共助・公助について「まず、自分でやってみる」と本会議同様の中身のない精神論。おそらく記者会見でもあまり深く考えないで言ったのだと思います。田村厚労相が助太刀し、「働いていただくことは大事だ」と切り出しています。財源論ではなく、コロナ禍での雇用をめぐって、与野党とも世論とずれだしている感じがします。与野党・官僚とも「税金で食うとる奴は極楽」(河村名古屋市長)という感じがしますが、だからといって、減給しても意味がなく、とにかく解散総選挙まで突入するしかないような気がします。

 森さんは、持続化給付金が来年1月15日までなのに、サービス推進協議会が不備解消要求書を送り、2週間たったら打ち切ると通告したことを問題視。梶山経産相が認めました。急に打ち明け話になりますが、筆者も宮崎機械社長の立場でこの書留郵便を受け取っています。3月期決算を5月7日という創業40年来で最短の決算をしながら、何度パソコンで、画像をアップロードしても不備のメールが来ます。売上台帳の鉛筆が薄くて読みづらいのかなとも思いますが、その理由が書かれていないので、明日午後1時から、都内の不備解消会場に行くことにしています。実は祖業の機械販売事業部門を廃業したので、計算上200万円満額が「コロナ等」でもらえることになるのですが、11月まで持ち込んでしまいました。私の会社は過去に「芸大の研究室」以外は、官公需も補助金ももらったことはないと思いますが、安倍内閣発足時の復興特別法人税の廃止と一般会計からの穴埋めで、偶然同業組合系の株式会社が自社ビルを売却したうえで解散した清算金の源泉徴収分が莫大に還付され、反自民党なのに安倍ちゃんありがとうといただきました。今回もたまたま創業者死亡退職による祖業廃業と時期が重なったのですが「コロナ等」ですので、200万円いただけると思います。これも補助金ではないと思います。自由のために、官公需や補助金は受けない考えです。クリスマスキャロルが流れる前にはいただきたいので、明日の午後の予算委員会の記事は遅れるかもしれません。

 委員室に戻って、息子は落選しながらも本人は閣僚待命ポストの「参議院政審会長」についた、二之湯智さんが自民党トップバッター。108分遅れて登場し、80分間の持ち時間(片道方式の往復の想定時間)を60分に短縮しました。第2次特別定額給付金で麻生太郎財務大臣は「一律10万円だったが、今思えば、貧しい方に30万円行った方が可処分所得に回ったのではないか」と語りました。第1次補正予算はこの構想を止めて組み直しとなりました。これにより、岸田文雄・政調会長がつまづき、総裁選で失速しました。ただし、古賀誠さんとの絶交を求めて麻生さんがはしごをはずした印象だったので、この政策論をめぐっては、闇があるなと感じます。富豪の80歳ですが、麻生さん陰湿に感じます。麻生さんと二階さんは派閥を太らせたお金を回収しようとしているのでしょう。

 午後5時過ぎに登場した、自民党の上野通子さんも質問し、午後5時45分ごろ散会しました。

 なお、この秋からも、長年の参議院の伝統と違い、「2人会派」を予算委員会から締め出す慣行は続くようです。私としては国民不在の合従連衡のきっかけとなっていたので、2人会派締め出しは大いに賛同したいところです。

【政府・与野党 きょう】

 政府与野党とも大きな動きはありませんが、政府の法律を与党発議で改正する議員立法の動きが自民党内で活発化しているようです。細かい変な改正がないように目を光らせていく必要があります。

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Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
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