日本維新の会の結党以来の悲願である、大阪港南部の、夢洲(ゆめしま)へのIRカジノ施設(統合リゾート)建設に向けて、パチンコ依存症の調査を求めました。
平成29年2017年1月27日(金)の衆議院予算委員会で、同党の丸山穂高さん(大阪19区選出)が問いました。
丸山さんは「ギャンブル依存症患者の割合は、日本が4・8%、アメリカが1・4%、イギリスが0・8%、オーストラリアが2・1%だ。なぜ日本は多いのか」と問題提起し、「日本のギャンブル依存症患者の9割がパチンコ依存症だ」と論を進めました。
厚生労働大臣は「自ら答えてもらうアンケート調査の結果だから、そのようになったのかもしれないが、省の外郭団体が大学病院と協力して調査している」と語りました。安倍首相は「昨年末にギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議を立ち上げた」として、調査、対策に前向きに姿勢を強調しました。
丸山さんは「パチンコ店への入場規制を求めたい」としました。これは、IRカジノ施設をめぐって、依存症・マネーロンダリング対策として、マイナンバーカードの提示を求める構想があることを、逆手にとった提案と思われます。
丸山さんは「生活保護でパチンコをしているという批判がある。たしかに、受給日にパチンコ屋に客が集まっているようだ」と話しました。これも、厚生労働大臣が「実情を把握したい」と、対策に前向きなかまえをみせました。
丸山さんはさらに、パチンコ業界の収益が北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に送金され、核開発に使われているとの観測を取り上げました。丸山さんは、1993年委当時の武藤嘉文外相が記者懇談会で指摘し、新聞記事になっていると紹介しました。これについて、現外相は「把握していない」ととうべんしました。
ただ、安倍首相は「私は官房長官時代に、北朝鮮の法執行状況を確かめる、各省庁のチームをつくったことがある」とし、現行の国連経済制裁も勘案して、パチンコ業界から北朝鮮への送金について関心を寄せていることを示唆しました。
維新としては、「カジノ批判」を「パチンコ批判」へとうっちゃって、夢洲カジノ構想の実現に全力を挙げる国会戦術をとることになりそうです。具体的な法案は、今年の、秋から年末にかけて、第194回臨時国会で議題になる見通しです。
この記事の本文は以上です。
(C)2017 宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
(http://miyazakinobuyuki.net/)
[お知らせはじめ]
宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。
「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)
衆議院議案(衆議院ウェブサイト)
今国会情報(参議院ウェブサイト)
各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)
日本法令索引(国立国会図書館)
予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)
インターネット版官報
[お知らせおわり]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます