[画像]質疑する前川清成さん、2015年7月30日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
【平成27年2015年7月30日(木)参議院我が国および国際社会の平和安全法制に関する特別委員会】
「2015年日米防衛協力ガイドラインの国内実施のための安保2法案」(189閣法72号、189閣法73号)が議題になりました。4日間連続のNHK中継入り。きょうは集中審議の位置づけです。
民主党の前川清成さん(奈良選挙区=来夏改選)は、武力攻撃事態対処法の第2条の「武力攻撃」「武力攻撃事態」「武力攻撃予測事態」に続いて、第2条第4項に書き込もうとしている「存立危機事態」について質疑。
改正条文では、
「存立危機事態とは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由および幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」
とあります。
●存立危機事態の「国民」の定義が日本国籍なら、海外旅行者まで守るのか?
これについて前川さんは「国民」の定義について質疑。中谷防衛相が「日本国籍がある人だ」と答弁。前川さんは「150万人の日本人が海外でくらし、(年間)1800万人の日本人が海外旅行をしているのに、すべての国民を守るために集団的自衛権を使うなら、世界の警察官になってしまう」と語りました。
●「密接な他国」が貿易相手国ならば、中国になってしまう
「密接な他国」については、「日本にとって、輸出入の最大の相手は中国だ」と指摘。この表現では「全然限定になっていない」とし、同盟国などの表現に法案を修正し、法案を出し直した方がいいのではないかと水を向けました。
●首相が殴られたら、とっさに本能で対応するが、鴻池委員長が殴られたら首相はいったん考えるーー集団的自衛権の事態認定の難しさを強調
個別的自衛権と集団的自衛権との事態認定について分かりやすいたとえ話を披露。「安倍総理がこの第一委員会室で殴られたら、とっさに身をよけるか、体を防御するか、(刑法36条の正当防衛で)なぐり返すだろう。いわば本能で対応する。しかし、(隣の)鴻池委員長が殴られたら、昔お世話になったかとか、昔いじめられたからと、とっさに考えると思う」とし、集団的自衛権の事態認定は難しいと強調しました。
無所属の水野賢一さんは、きのうの質疑のフォローのために、委員長・理事らの差配で2分間登場。「海外にいる自衛官が法律に違反したら罰則がいる。政府も法律案の穴に気づいたようで、別途検討する、と答弁しているが、法案に不備・欠陥がある。法案の撤回を求める」としました。
中谷防衛相は「国内では、武器を山に向けて撃ったり、自分に向けて撃ったりした倍は、自衛隊法の処罰規定が適用されている。国外では上官の指揮命令のもと懲戒処分にしたり、刑法の殺人罪などを適用したりできる」とし、今後も検討を続けると強調しました。
45人委員会で議論が進んでいます。
【同日 参議院厚生労働委員会】
「労働者派遣法改正案」(189閣法43号)の法案審査が始まりました。新聞見出しで言う「実質審議入り」です。
国会全体としては質問時間が積み上がっているとはいえ参・委員会では初めてですが、早速猛スパート。
日本共産党の小池晃理事は、「パソナグループの南部会長」と具体的な名前を出し、業界団体関係者が労政審分科会にオブザーバーとして参加したと指摘。この業界団体は、当時の自民党厚生労働大臣だった、A衆議院議員に政治献金をしていた、と語りました。
地方公聴会について、具体的な日程、具体的な地名が報じられていますが、きょうは委員派遣の委員長一任が全会一致で決まったうえで、散会しました。
3度目の提出になりますし、一般質疑ではさんざん「先取り質問」がありました。しかし、参委員会での審査は初めてで、質問時間は「たったの6時間」ですから、今後も丁寧な審議が必要です。
なお、衆議院維新の党による「修正」とされる、「同一労働同一賃金推進法案」(189衆法22号)は趣旨説明済みですが、きょうは議題とならず、あくまでも閣法の審査を優先しました。
25人委員会で意外と少ないんですね。
【同日 参議院農林水産委員会】
「農協法改正案」(189閣法71号)の法案審査が続きました。また、ハワイでの閣僚会合でいよいよ最終大筋合意の観測が高まりつつある、TPP(トランス・パシフィック・パートナーシップ自由貿易条約)についての質問も相次ぎました。きょうは質疑だけで散会しました。20人委員会で省庁対応の常任委員会では最も小さい委員会です。
【同日 衆議院】
審議はありませんでした。
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