【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

[きょうの国会]共謀罪法案が実質審議入り、知ってる人だけ得をする「特区法案」も審議入り

2017年04月19日 17時45分47秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[画像]金田勝年法相と林真琴法務省刑事局長、2017年4月19日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 共謀罪法案はいきなり首相1時間審議から始まりましたが、刑事局長の出席をめぐって対立しました。森友・加計で、ようやく、知っている人だけ得をする法律だと気づいた人が多い、特区法改正案がまた審議入りしました。

【参議院本会議 平成29年2017年4月19日(水)】

 「地方分権7次一括法」(193閣法36号)が投票総数237、賛成222、反対15の賛成多数で可決し、成立しました。条項ごとに公布日や30年4月1日などに施行されます。

 「裁判所法を改正して司法修習生の給付金を復活する法律」(193閣法5号)は投票総数237、賛成237、反対0の全会一致で可決し成立しました。資力により、給付金や貸与を選ぶ形の復活で、非行があった修習生を最高裁判所がクビにする条項も、束ねて法制化。

 「住宅セーフティーネット法」(193閣法8号)は投票総数237、賛成237、反対0の全会一致で成立しました。この法律には条項として、市が生活保護者の家賃を大家に直接渡すことができる条項があり、後々、対象が広がるのかもしれません。

 これに先立ち、「福島復興再生特別措置法案」(193閣法19号)が今村復興相から趣旨説明され、各党が代表質問しました。

 会議の冒頭で、伊達議長は「元本院副議長本岡昭次君」がさる10日逝去したと伝え、弔詞を朗読しました。

【衆議院法務委員会】

●不条理な法案には、不条理な抵抗でたたかいが始まる

 「共謀罪こと、テロ等準備罪こと、組織犯罪処罰法を改正する法律案」(193閣法69号)が実質審議入りしました。いきなり首相入り質問が1時間。これは、竹下国対委員長によると、「成立させる意気込みを見せるため」だそうです。

 珍しいことに、鈴木淳司委員長が、「政府参考人として法務省刑事局長を出席させること」を採決し、自公の賛成多数で可決しました。これは、民共が林真琴・法務省刑事局長(検察官)を登録するな、と要求していたもので、委員長席を取り囲む事態となりました。ただ、午後の審議になると、刑事局長とのやりとりが多くなりました。不条理な法案には不条理なやり方で反抗するのは国会の美しい姿です。

 午後の部では、民進党の枝野幸男さんが、「外相の出席を求めたら、自民党側の理事から事務所同士でやってください」と異例の提案を受けたと説明。この経緯については、理事会で後でまとめて回答することになりました。

【衆議院国土交通委員会】

 岩手県岩泉町の水害では観光名所が復活できそうだ、との朗報が最近ありましたが、平屋建ての福祉施設「たまゆら園」での溺死事案を受けた、

 「水防法改正案」(193閣法25号)が質疑されました。政府参考人として、気象庁長官、総務省、農林水産省も呼ばれました。質疑が終わり、採決。全会一致で可決しました。

【衆議院外務委員会】

 バイラテラル二国間の租税協定5条約(193条約5号ないし9号)が審議され、採決しました。

 このうち、条約5号から8号までは共反対、自公民など賛成多数で承認すべしと決まりました。日本とバハマが脱税情報を共有する条約の改定案(条約9号)は全会一致で承認すべしと決しました。相手国は、スロバキア、ベルギー、ラトビア、オーストリア、バハマです。

【衆議院経済産業委員会】

 「外為法(外国為替及び外国貿易法)改正案」(193閣法41号)が6時間半コースの審査をへて採決。全会一致で可決しました。

【衆議院地方創生に関する特別委員会】

 「特区法改正案」(193閣法14号)が審議入りしました。

 山本幸三規制改革相は「提案理由及び内容の概要を説明する。今後も成長戦略を進めるため、自治体や産業界からの提案のうち、会議で選んだものを、日本再興戦略2016に盛り込んだ」として、その法案化だとしました。私が当ブログで批判していた、以前の改正による、「地域限定保育士試験」について、実施できる団体を増やすもの。これは「地域限定」に加えて「期間限定」ですから、はやく限定をとってほしいところです。都内では目に見えて増えている、小規模認可保育所の対象年齢を2歳から5歳までに引き上げる条項など、「知っている人だけが得をする特区」が満載となっています。


【衆議院厚生労働委員会】

 「厚生労働省設置法を改正して、次官級の、医療技監を設ける法案」(193閣法16号)が審議入りしました。「医官」というのは厚労省にしかない言葉ですが、次官級として、「医療技監」を設けるものです。仮に大学助教授→厚労省課長→大学教授、という現行の箔付けキャリアに変化があるならば、それでいいのですが、焼け太りになるかもしれません。

【衆議院文部科学委員会】

 いろいろな議員立法の噂がある委員会ですが、きょうは、「学校教育法を改正して専門職大学・専門職短大を設ける法案」(193閣法56号)について、21日9時から、参考人質疑をすることだけを決めて、散会しました。

【参議院国際経済・外交に関する調査会】
【参議院国民生活・経済に関する調査会】
【参議院資源エネルギーに関する調査会】

 参考人から話を聞きました。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

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