【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

「羽田孜・普通の言葉が通じる政治」から30年「政治資金は公開し国民が判断」は挫折し「独立機関」へ 派閥パー券ノルマ超過分不記載、自民党の政策活動費の差額、茂木方式・岸田方式の抜け穴を埋められず

2024年06月06日 17時23分04秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]「裏金王」下村博文さんの地元「ときわ台駅北口」でビラをまく岡田克也さん、きのう2024年6月5日、宮崎信行撮影。

 岡田克也さんはきのう、「裏金王」下村博文さんの地元でビラをまきました。池袋駅に向かう通勤客のおよそ100人に1人しかとらず、反応は低調。そもそも東京で他人から物を貰ってはいけませんが、岡田さんより背の高い男性2人、他のボランティアに促された中年女性2人組、高齢女性1名などが手にとりました。


 30年ぶりの政治改革は目に見えないお金の話だから盛り上がらないのは当然ですが、半年前から危惧していた岡田克也さんの政治資金パーティー廃止法の件はかなり体にこたえてしまい、10日ぐらい尾を引きそうです。企業にとってパー券は経費ですから社員旅行費と同じです。パーティー・企業献金を廃止した場合、規模を問わず社長個人が社員旅行費と同じ多額の現金を政治家に寄付する分に回せないですよね。そもそも、個人献金のために役員報酬を上げたとしてもその時点で源泉所得税が発生し課税・納税されますから、個人献金して申告所得税控除をしてもパー券と同額を政治資金に回せるわけがありません。こんなの企業会計・法人税法・所得税法の基本中の基本だと思います。

 きょねん12月28日の記者会見(党本部公式動画無し)で私は次のように質疑応答しています。

【フリー】
それからもう1点、政治資金パーティーに関してですけれども、立憲民主党の中では、岡田さんと、松木謙公さんと、小沢一郎さんと、3人の議員だけだと思いますが、毎年同じ時期に大体同じ人にお願いをする政治資金パーティーを個人後援会で開かれてるかと思います。この法律案を出して成立してといった中で、岡田さんご自身はどうされますでしょうか。
【幹事長】
3人だけっていうのはちょっと、多分違うと思います。もっと幅広いというふうに思います。法案が通れば、それに従っていくということになります。

 かなり頭が混乱してしまい、うまく説明できないし、よって立つ経済水準が向上して低ギャラで原稿を書いたり話したりすることに耐えられなくなった今の私は、もう少し早く政治資金改革に関する自分の考えの論点洗い出しメモをつくっておくべきだったのかもしれません。

 序章に回想シーンから始まる物語よろしく、法案が特別委員会を通過した昨日朝は、30年前の選挙でビラをまいた「ときわ台駅北口」からのスタート。極端に記憶力がよく過去を水に流さない私は、共産党の地区委員から「いくらもらってるの?」「ボランティアです」「馬鹿言ってんじゃないよ」との発言を長く根に持っており、2005年ごろの5月3日に新宿駅東口で都議の大山女史か隣の女性が持っているビラを丸ごと叩き落とす蛮行につながってしまいました(謝罪済み)。しかし、今振り返ると、30年前の新生党は少なくとも東京・埼玉の多くの陣営で、公示後も運動員にお金を払っていました。共産党の地区役員には情報が入っていたのでしょう。この選挙区は共産党が当選し、新生党が落選しました。

 ユートピア研究会で最も資金が乏しかった鈴木恒夫さんの後継者鈴木馨祐さんのきのうの答弁「30年前に比べると相当政治献金の規模が少なくなっている」のが答えだと思います。また附帯決議に「複式簿記の検討」が入ったのは
望外のサプライズで前に進んでほしいところです。

【衆議院本会議 きょう令和6年2024年6月6日(木)】
 「漁業法改正案」(213閣法49号)が可決し参議院に送られました。これで、閣法はすべて衆議院を通過し、今国会は会期延長なく閉幕する公算が高まりました。
 「政治資金規正法改正案」は「213衆法13号の修正」を議決しました。
 討論で、公明党の中川康洋さんは討論で「立憲民主党は、今回いわゆる政治と金の問題を議論する政治改革特別委員会に政治資金パーティーの開催を全面禁止する法案を提出しておりますが、その委員会での審議の最中において、大串選対委員長が都内での政治資金パーティーを、またあろうことか岡田幹事長は、大阪での政治資金パーティーの開催を計画していることが明らかとなりました。この件に関しては、先月24日の特別委員会で答弁に立った立憲民主党の法案提出者は、違法に行っているかのような印象を与えかねない発言はお控えいただきたいとくぎを刺した上で、法案の成立施行前に、所属議員にパーティー開催の自粛を求めることはしないと答弁し、問題ないとの認識を示しておりましたが常識的に考えて、今回パーティの全面禁止法案を提出し、その法案を議論している中での党幹部による政治資金パーティーの開催計画は、あまりにも整合性が取れないのではないか、また、現行不一致と言われても仕方ないのではないかと考えます。また、5月30日掲載の朝日新聞デジタルでは、当初は同じく問題ないとの認識を示していた泉代表の発言録として、この岡田幹事長や大串選対委員長のパーティー開催について想定していなかった、ひっくり返ってのけぞった、おいそれは今この時期に幹部がやっちゃ駄目でしょうというのはあった、との泉代表自らを発言が報道されております」と語りました。

【衆・憲法審】
 「国民投票広報協議会その他国民投票法の諸問題を中心として」の自由討議となりました。
 これも付言したいのですが、フランス憲法第16条第6項に「30日間」との規定があります。資本主義の金利ある社会である日本で、「期限」に言及しないのは、ろくでもない。もう少し勉強してください。

●衆経済産業委は理事懇談会を開きました。

【参議院第1種常任委員会】
 おそらく今国会初めて、すべての第1種常任委員会が開かれました。
●内閣委員会では「銃刀法改正案」(213閣法30号)を可決すべきだと決めました。●総務委では「地方自治法改正案」(213閣法31号衆議院修正)が大臣と中司宏・維新国対委員長代理が説明しました。参考人質疑のてはずを整えました。●法務委は「育成就労2法案」(213閣法58号・59号衆修正)の対総理質疑、静岡視察の報告などがありました。●外交防衛委は「日独ACSA」(213条約2号)「日本クロアチア航空協定」(213条約6号)「日本オーストラリア社会保障協定」(213条約7号)「日本ブラジル刑事共助協定」(213条約8号)が審議入りしました。●財政金融委は「動産担保融資法案」(213閣法57号)を可決すべきだと決めました。●文教科学委は「学校教育法改正案」(213閣法35号)を可決すべきだと決めました。●厚生労働委は「再生医療法改正案」(213閣法41号)を可決すべきだと決めました。●参・農林水産委は「食料増産命令法案」(213閣法27号)「農地法改正案」(213閣法28号)「スマート農業推進法案」(213閣法48号)の参考人質疑をしました。●参・経済産業委は「スマホのアプリのプラットフォーマー規制法案」(213閣法52号)。●参・国土交通委は「建設業法改正案」(213閣法51号)。●参・環境委は「温対法改正案」(213閣法42号)の参考人質疑。

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