【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【掲載のお知らせ】「週刊アサヒ芸能」2024年6月27日号に当ニュースサイト主宰の政治ジャーナリスト・宮崎信行のコメントが掲載されています

2024年06月19日 18時40分49秒 | 宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
 当ニュースサイト主宰の政治ジャーナリスト、宮崎信行のコメントが、きのうごろ発売の「週刊アサヒ芸能」2024年6月27日号(徳間書店)の32ページ付近から掲載されています。

 

泉健太「解散求める」馬場「総辞職求める」田村「経団連会長も」岸田「明日の憲法審開いて」の党首討論を前に、改正政治資金規正法「確認書作成」成立する

2024年06月19日 18時02分50秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
 150日間ミスは5つ未満でしたが一つミスがありがありました。「海洋再生可能エネルギー法改正案」(213閣法53号)は衆議院で全会一致で可決し、参議院に送られていましたが、今国会で成立しない見込みとなりました。閣法成立率100%は崩れそうです。

 改正政治資金規正法が成立。党首討論では、泉立憲代表が「解散」、馬場維新代表が「総辞職」を求めました。首相は「明日の憲法審査会を開いてほしい」と中長期的には支離滅裂な発言。十倉・経団連会長(博覧会協会会長)が明示した「選択的夫婦別姓」を泉さんと田村共産委員長が働きかけ「虎に翼・保守分裂」を求める異例の構図となりました。馬場さんは「平場である自民党議員も総理に不満を述べている」と語りました。

 蛇足ですが、立憲民主党内の各機構間の資金繰りの相談に乗っていたので、代表が「企業・団体献金全廃解散をしましょう」と言い出さないか心底心配していましたが、杞憂でした。

【参議院事務総長室 きょう令和6年2024年6月19日(水)】
 維新がきのう単独提出した「岸田総理大臣問責決議案」を本会議に上程しなかったとして、「浅尾慶一郎議院運営委員長解任決議案」を提出しました。

【参・本会議】
 「地方自治法を改正する法律」(213閣法31号衆議院修正)が可決し、成立しました。第33次地方制度調査会の2段階目の答申にもとづく2年連続の抜本改正法。ところで2000年地方分権一括法と小泉内閣の三位一体の改革を混同している議員がいましたが、一括法から四半世紀で中央集権に戻る転換点ではあります。

 「漁業法を改正する法律」(213閣法49号)が可決し、成立しました。
 経済産業委員長の審査結果報告に基づき、「消費生活用製品安全法を改正する法律」(213閣法36号)が可決し、成立しました。
 「日本版DBS法」(213閣法61号)が成立しました。正式名称は、学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律。
 「こども貧困解消法にする改正法律案」(213衆法22号)が可決し、成立しました。こどもの相対的貧困率という言葉は、この法律の規定で厚生労働省が計算して発表するようになったもので、こども家庭庁新設も含めて一歩踏み込んでいく内容です。
 「政治資金規正法を改正する法律(案)」は「213衆法13号衆修正」だけが上程されていました。内容は(1)代表者が会計責任者の説明等の確認書を毎年つくる(2)パーティー券の公表を5万円超に引き下げる(3)党から個人への政策活動費の領収書を10年後に公開するーーの内容です。

 審議では維新の音喜多駿さんが調査研究広報滞在費の改革で「セットで法改正されなければ、法案に賛成できません。衆議院と参議院で採決態度が異なることは、おかしいとの声もあります。しからば、参議院の存在意義とは何でしょうか?現状では二院制が敷かれるなか法案審議を行う過程で新たな事実や状況の変化がわかれば、法案に対する対応も変わる。今回の総理および自民党が参議院の審議中に見せた今国会中の歳費法改正を諦めるという不誠実な態度は、法案に反対しまた総理に対する問責決議を出すに十分な理由を与えるものだと確信をしています。そして現在我が党から提出した異例とも言える総理に対する問責決議案は、野党の皆様からは理解が得られたにもかかわらず、与党の意向で審議採決せず宙吊りにされています」と語りました。
 採決で可決・成立。30年ぶりの政治改革国会は政活費をグレーからホワイトにして、確認書で政治家の責任を東京地検特捜部に丸投げできる法律をつくり、なんら実態解明されずにいったん幕を閉じます。

【両院・国家基本政策委員会いわゆる党首討論(QT)】

●立憲代表「政治決断を迫る」
 泉さんは「立憲民主党の泉健太です。思いのほか近いですね。私と総理は初めての党首討論」とし、予算委・本会議では「なかなか本音が聞けない何をしたいのかが伝わってこないという場面がありました。それはどうしても答弁書を読んでいるというところが大きかったのかなと思ってます。今日は答弁書があるかどうかわかりませんが、ぜひですね、政治家同士、大将同士の討論ですから、私は26分ですが、ぜひ総理には政治決断、政治発言もありうるということをまず冒頭、その言葉をいただきたい」と述べました。
 私の感想としては、岸田さんはアドリブに弱く、国対委員長経験者なのに、用語の誤用も多かったです。
 泉さんは冒頭「この3年間でもずいぶん世界が変わってきた。今回経団連の十倉会長がお話をされた選択的夫婦別姓、これについて経団連がやるべきだと言ったってのは大きな変化だと思います」「自民党の方針はいろいろあるんだろうけれども、総理として、この選択的夫婦別姓は、先送りできない課題なのか、それとも先送りをしていいと思ってる課題なのか」と決断を迫りました。
 首相(自民党総裁)は「3年間、度々国会で議論してきました」との自説を述べ「この課題をぜひ国会としてもこの議論を深めていくこうした努力は重要だと考えております」とお茶を濁しました。
 泉さんは「政策活動費はどの党も全面公開だ、廃止だと言って、自民党に迫ってきた」とし、地方議員などに配っている疑惑を提示し、裏金のイメージを強調しました。泉さんは「私はですね、この政治改革のことで今日全ての時間を使うということも考えたんですが、やはり私はこの野党の代表として、26分という最長の時間をいただいています。その意味では国民生活のことについても必ず触れなきゃいけない」とし、賃上げとインフレ、電力ガスへの補助金の期限切れを取り扱いました。

●維新代表「自民党議員と平場で話すと岸田さんの不平不満だらけ」
 馬場代表は、総辞職を迫りました。馬場さんは「自民党の議員さんと、平場でいろんな話し合いをしたら、皆さん、(岸田)総理の不平不満だらけです。ですからね、大変僭越でありますけれども私は岸田内閣もう、万策が尽きていると思います。もはやこれまで。立憲民主党さんはね、解散を迫っておられますけれども」「総理ね。あすあさっての間にも内閣総辞職して、総理を変えてください。責任を持って仕事ができる、総理にバトンを渡してください。ぜひお願いします。どうですか」と述べました。

●共産委員長「経団連に敬意を表したい」
 初登場の田村委員長は「経団連が夫と妻、おのおのが希望すれば、生まれ持った性を戸籍上の姓として、名乗り続けることのできる制度つまり、選択的夫婦別姓の早期実現を求める要望書を政府に提出するに至りました」「ジェンダー平等を求めるムーブメントがついに経済界も動かしたことに心からの敬意を表したいと思います」と語りました。

●国民代表「総理は四面楚歌」
 玉木雄一郎・国民民主党代表は「憲法改正にしても相当我々、協力をしてきましたが結果が出ていません。半分自民党のせいだと思いますよ。私は結果が出ないことそして四面楚歌になっていることの理由はですね、総理トップが責任取らないからです」と総辞職を迫りました。
 一方岸田さんは「あすは憲法審査会の定例日があります」「具体的な起案について協力をお願いしたいと思いますし、これからは憲法について議論をしたら国会を止めるなどということはしない、こういったことはぜひお願いしたいと思っております」と24時間以内の未来について、今国会の姿勢と齟齬がある発言を複数回しました。

【衆・法務委】 【衆・経済産業委】【衆・国土交通委】先月亡くなった滋賀の保護司への黙祷や、能登への派遣の報告、政府に対する一般質疑がありました。
【参・災害対策特別委】
 一般質疑。総論ではドローン活用・暑さ対策などの質問もありましたが、各論としては1月1日の能登半島地震の対応のみに集中しました。

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