【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

微妙な空気・白けたムードで岸田文雄・木原誠二「野党はしご外し」国会閉幕、「風力発電法案」は参議院で継続審査へ

2024年06月21日 21時34分04秒 | 第213回通常国会 令和6年2024年1月召集
[写真]岸田文雄首相、林芳正、村井英樹正副官房長官、浜田靖一、佐藤茂樹自公国対委員長の閉会の挨拶を受けた、立憲民主党の泉健太代表・岡田克也幹事長・安住淳国対委員長、きょう2024年6月23日、国会内で、宮崎信行撮影。

 第213回通常国会は、日曜日(令和6年2024年6月23日)に閉会します。

 自民党代議士会も立憲控室への岸田文雄さんの挨拶も、微妙な空気・白けたムードが漂いましたが、岸田さんは全く意に介していないようすでした。
 
 閉会後、岸田文雄首相、林芳正、村井英樹正副官房長官、浜田靖一、佐藤茂樹自公国対委員長が立憲民主党の控室を訪れると、午後6時からの記者会見で発表の電力・ガス料金の一部事前報道を念頭に、泉健太代表が前日の党首討論で指摘したエネルギー補助金を実現するよう求めると、緊迫した雰囲気に、林長官が総理よりワンテンポ早く後ずさりして退散のそぶりをみせると、首相は表情一つ変えずに再度礼をして次の部屋に向かいました。

 国民民主党は「揮発油税法のトリガー条項凍結解除」で、日本維新の会は「政治資金規正法とあわせた調査研究広報滞在費の歳費法の改正」で、岸田首相・木原誠二実務者コンビに騙されはしごを外されて、代表の党内への求心力が下がると同時に、次の第50回衆院選後の自公過半数割れでの維新、国民を取り込んだ連立の構想が漂流しました。

 今国会は「離婚後共同親権の改正民法」が成立。戦後初めて「離婚5条件」が一つ削除され、先取特権で子の養育費の順位が上がりました。安倍晋三さんの旧統一教会被害者(元信者)による暗殺から大きく動いた今の政治ですが、針小棒大ですが弟子である柴山昌彦議員らの「統一教会の家族観」を民法に反映させる立法プロセスが進行したとみるのが今国会の歴史的な俯瞰です。会期中に経団連が提案した「選択的夫婦別姓」の法制化も難航することが予想されます。YouTubeと文字媒体によるネット言論で雨後の筍のように誕生するインフルエンサーたちも「家父長制は昭和の家族観」と切って捨てるのではなく、徳川幕府と朝廷で相続法制が違ったことなど、社会学・法学・そして何より経済学として家族法・相続法の制定過程を勉強する時期だと考えます。

 事実上の最終日となったきょうは、衆議院を全会一致で通過しながら、参議院で追加提出の「日本版DBS法」を優先したために内閣委員会で審議入りできなかった「洋上風力発電推進法の改正案」(213閣法53号)を参議院で継続審議にすることに決めました。

【衆議院本会議 令和6年2024年6月21日(金)】
 まず、委員会で有識者の参考人のオンライン出席を可能とする「衆議院規則の改定」が山口俊一議院運営委員長から提案され、議決しました。額賀福志郎議長が、岡田憲司事務総長の辞任を発表。岡田さんが向かって左側から議場を退室し、築山信彦事務次長が議長の隣にすわりました。そして、築山さんが事務総長に選ばれました。

【参議院本会議】
 総務省行政評価局(旧・総務庁行政監察局)の年次報告に対する質疑がありました。公明党の四国のベテラン山本博司さんの「半島や離島の持続可能性を高めるための取り組み」の問いに、斉藤鉄夫国土交通大臣は「能登半島地震では、地理的特性も背景としてインフラの大規模損壊によるライフラインの寸断途絶などを甚大な被害が生じました」とし「離島も四方を海などに囲まれており、これら半島離島地域は全国を上回る人口減少、高齢化により、地場地域産業の低迷、コミュニティ機能の低下などの課題に直面しております」としました。そのうえで半島振興法が今年度末に10年に1度の改正時期を迎えることから「議員立法ではありますが、国土交通省としましても、現在、国土審議会において、今後の方向性に関する議論を重ねているところでございます。能登半島地震での教訓も踏まえて、引き続き検討を進めてまいります」としました。具体策として「先端テクノロジーの積極的な活用が期待されます。このたびの地震におきましても、石川県能登町では、ドローンを活用して車で配送困難な高齢者施設に食品日用品などを輸送する取り組みが行われました」としスマートアイランドの取り組みを紹介しました。総務省行政評価局は地方支分支局を持つ強みがあるので、半島、離島での情報収集に今後も期待したいところです。

 この後、上述の通り「洋上風力発電整備法改正案」(213閣法53号)が継続調査にすることが決まりました。

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