【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

ウクライナ侵略1週間で林外相「日本自衛隊が重要影響事態で補給なら捕虜条約は対象にならず」衆・憲法審「報告を可決」衆・本「雇用保険」衆・特別委「沖縄振興法」

2022年03月03日 18時15分38秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]ベトナム戦争の遺棄兵器を見る筆者(右)ら、同国で、1995年撮影。

 まず、最優先にお知らせしますが、岡田克也さんがあす4日金曜日の衆議院外務委員会で朝9時10分から同50分まで質問し、「自衛隊法第84条の4など改正法案」(208閣法26号)を先取り質問します。来週火曜日の本会議で趣旨説明され、安全保障委員会に付託されると思いますが、一般質疑なのでタリバン、ウクライナとかけあわせて林外相に迫ることになります。

 ところで、蓮舫さんの実子が糸山英太郎・新日本観光オーナー(元自民党副幹事長・元日本航空筆頭株主)の養子になったそうです。変な話ですが、糸山さんが天寿を全うし、その1週間後に子も天寿を全うしてしまうと、蓮舫さんが2000億円を受け取ることもできる民法です。蓮舫さんは6年前の改選後に国籍問題で憤慨していましたが、これも憤慨するでしょうが、立候補前に説明が必要だと、私は考えます。

 ウクライナ(人口4000万人)侵略1週間で、40人に1人が難民となり、兵力10分の1が失われました。首都は一進一退。長期化と泥沼化でポーランドが要衝となったらバルト3国・北欧3国・ドイツに迫るので、第3次世界大戦の懸念も出てきました。

 写真は、日本円が最強だった1995年に、ベトナム社会主義共和国を訪れた際に見た、ベトナム戦争遺棄兵器の展示。国連総会決議は北朝鮮のみならず、中印越も棄権しましたが、ベトナムは民族独立戦争にソビエト・ロシアが武器を供与してくれた恩にはあがなえないと思います。戦争によるスキームの現状変更の恩義は世紀を超えます。

【衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 きょう令和4年2022年3月3日(木)】

 後述の通り、多くの委員会が同時に開かれたので、3時間の質疑応答を、午前9時から午後4時半まで散発的にやる方式となりました。

 維新の杉本和巳さんは「2015年平和安全法制のときは、私は国会を留守にしていたのでよくわからない」としつつ、日本自衛隊がウクライナ周辺で後方支援をするときにロシア軍などに拘束された国際法を質問。林芳正外相は、重要影響事態認定で後方支援する際は紛争当事国ではないので拘束されてもジュネーブ捕虜条約は適応されないとしました。存立危機事態のときは適応されるとしました。杉本さんは「積極的な外交に事態にならないようにしてほしい」と引き取りました。

 これに先立つ質疑で、西銘恒三郎・沖北相は辺野古新基地建設について「容認する」との考えだと答弁しました。

 「沖縄振興特別措置法改正法案」(208閣法21号)が趣旨説明されました。質疑は次回。

【衆議院本会議 同日】
 「警察法改正案」(208閣法2号)を全員出席で起立採決し、共産・れいわ反対、自民・立憲・維新・国民の賛成多数で可決し、参議院に送られました

 この後、「雇用保険法改正案」(208閣法14号)が厚労相から趣旨説明され、井坂信彦さんらが質問。厚労相、外相らが答弁しました。

【衆議院憲法審査会 同日】
 「憲法及び憲法に密接に関連する基本法制」の4日目の審議で、憲法56条第1項の「出席」の解釈について。「衆議院議長への報告案」を職員が朗読。討論があり、共産党の赤嶺政賢さんが「報告案に対する反対討論」をしました。赤嶺さんは「個々の憲法の解釈を審査会がするべきでないし、先週の参考人2人の意見とは違う内容だ」と批判しました。採決は共産党が反対しましたが、野党の一部は賛成したようです。

 これに先立つ議員の発言も、憲法56条第1項の解釈よりも今後の進行に先走りました。

 自民党の山本有二さんは「本会議の出席の前に、議運のオンライン化を検討すべきだ」とし、公明党の北側一雄さんは「出席もいいが、議員の任期について、統一地方選直前の阪神大震災の事例もあるので議論すべきだ」としました、維新の三木圭恵さんは「今、ウクライナ侵略を目の当たりにしている。まさに平和ボケを感じるので、自分の国は自分で守るという議論をしていくべきだ」と語りました。

 次回の開催は公報で知らせることにして散会しました。

【参議院予算委員会 同日】
 「令和4年度予算案」は7日目で、一般質疑3日目でした。あすも。

【衆議院議院運営委員会 同日】
 異例の午前10時スタート。「伊藤かつら人事官候補」と「山中伸介第3代原子力規制委員長候補」の所信とそれに対する質疑。本会議の段取り。

【衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 同日】
 金子総務大臣が「明るい選挙に向けて省を上げて取り組む」とあいさつし「第49回総選挙は投票率が2・25ポイント上がった」と報告。警察庁刑事局長は「違反件数と取り締まりは91件109人を検挙。第48回の41件46人から増えた。91件109人のうち買収が49件63人、自由妨害が11件9人、文書違反が5件6人、投票関渉が5件7人、詐偽投票が6件6人だった」と説明しました。これだけで散会しました。

【衆議院地方創生特別委員会 同日】
 所信的あいさつですが、大臣が変わりました。野田聖子・地方創生担当大臣と若宮健嗣デジタル田園都市国家構想担当大臣の2人。

【参議院第1種常任委員会 同日】
 参議院第1種常任委員会は定例日(火曜日、木曜日)のきょう、全大臣の所信的あいさつを聞きました。
●そのうち参議院外交防衛委員会
 林芳正外相と岸信夫防衛相が所信的あいさつ。委員長が岸大臣は今国会(6月15日まで)中着席で発言していいことになったと説明しました。省の政策よりも前に、林さんは「ロシアによるウクライナ侵略は力による一方的な現状変更であり、国際秩序の根幹を揺るがす明確は国際法違反であり、暴挙には高い代償が伴うことを示していきます」としました。岸さんも「小松基地でのFー15事故をお詫びする」と前置きしました。

【衆議院情報監視審査会 同日】
 開催。
【衆議院財務金融委員会理事懇談会 同日】
【衆議院環境委員会理事懇談会 同日】

 開催。
【官邸・経済財政諮問会議 同日】
 開催。
【与野党国会対策委員長会談】
 衆議院予算委員会でのウクライナ侵略の集中審議と、あすのまん延防止措置延長について。

●あすの予定
 まん延防止措置延長の議運があります。参議院議運委は国会同意人事とまん延防止の二本立て。

 今後の衆議院本会議は来週火曜日(3月8日)と来週木曜日(3月10日)。8日は「自衛隊法84条の4など改正法案」(208閣法26号)が審議される見通し。


[写真]ベトナム戦争の遺棄兵器を見る筆者(右)ら、同国で、1995年撮影。


[写真]外務省、2年前の2020年、宮崎信行撮影。

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