【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

高市早苗政調会長毀誉褒貶、閣法58法案締め切り内に全提出も、森林環境税の令和6年1月施行前の廃止論浮上

2022年03月14日 21時50分58秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]「共同通信きさらぎ会」で講演する高市早苗・自民党政調会長、ことし2022年1月、宮崎信行撮影。

 政府は第208回通常国会に58法案を提出したいとの「件名・要旨調」を出しましたが、自民党国対が締め切りに設定している3月上旬、先週火曜日の定例閣議で全58法案すべて国会に提出しました。たいてい1本ぐらい与党の事前審査で残るのですが、高市早苗政調会長が、「所得税法など改正案」(208閣法1号=参議院財政金融委員会で審査中)のやり直しがありましたが、手際よく収めたことになります。一方、高市さんが総務大臣の時代の実績だとした「森林環境税」は令和6年1月の施行より前に、廃止を議論する方向性が、自民党の江藤拓元農相らから上がっています。

【参議院予算委員会 きょう令和4年2022年3月14日(月)】
 「令和4年度予算案」は14日目で、そのうち集中審議4日目。タイトルは3日目と全く同じ「現下の諸課題」となっており、与党は「議論が煮詰まってきた」との印象付けかもしれません。7時間コース。

 立憲民主党の森裕子参議院幹事長は、経済安全保障法案(208閣法37号)について、前室長が多摩大学教授で防衛装備品にかかわる人物とメールを交換していたと初めて明らかにしました。森さんは大川原化工機冤罪の新聞記事と思われるパネルを出したところで、時間切れで「こうなりますよ」といっただけで終わりました。

 立憲民主党の長浜博行さんは、政治改革派では「日本新党元役員室長の長浜さん」というキャラ付けでしたが、皇室と政権交代ある二大政党政治について問いました。長浜さんは非改選です。ところで、最近「共産党は天皇制を認めるか、認めないか」という論点がありますが、「天皇制」という言葉自体にバイアスがあり、「皇室制度」と呼ぶのが、社会の常識です。

 日本維新の会の石井章さんは、オートバイについて質問。バイクの販売量が減ってきたのは、地元茨城県の農家の高齢男女が町道で駐車違反をとられるのですたれたとしました。2009年政権交代チルドレンの石井さんは、オートバイと組織化がお好きだと聞きかじりましたが、今の任期では最後のテレビ入りでバイクを取り上げました。6年前の維新での当選の際には、大阪府議団から「全国比例で大阪組が全くゼロ人だから誰か当選者一人辞めさせて大阪組を繰り上げ当選させろ」との声が出たようです。けっきょく大阪組をなだめているのは、同じく大阪にいる松井一郎さん本人の才覚のようです。衆議院でも躍進して、維新での6年間の任期がきます。

 山形選挙区で、自民党はきのうの定例党大会で公認内定者をお披露目しませんでした。党本部遠藤利明選対委員長は、同県連。国民民主党の山形県区現職の舟山康江さんは、森林環境税を質問。上述の令和6年1月1日施行前の廃止論にはふれませんでしたが、既に始まっている法定剰余に関して、人口割部分が多くて、山深い森林があるだけの自治体にお金が回っていないと問題点を指摘しました。

 あすは、特別委員会への委嘱審査になります。

 日本共産党元書記局長の市田忠義参議院議員はSNSで、あさって水曜日の環境委員会で20分間質問するのが議員生活おそらく最後になるとしました。

【衆議院 同日】
 きょうはありませんでした。あすは本会議・委員会が動きます。衆議院厚生労働委員会の「雇用保険法改正案」(208閣法14号)は日本における派遣労働者など非正規雇用改悪の第一人者、八代尚宏・昭和女子大学教授がおそらく維新の推薦で登場。

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