[写真]岸防衛相と中山泰秀副大臣、きのう、東京都千代田区大手町で、宮崎信行撮影。
緊急事態宣言と東京五輪ばかり注目されますが、枝野幸男さんの文春新書「枝野ビジョン」も売れているようです。私はきのう読みました。
95%前後の成立率が確実な「全人代国会」ですが、参議院内閣委員会が渋滞を始めました。
【参議院内閣委員会 きょう令和3年2021年5月25日(火)】
「障害者差別禁止法改正案」(204閣法59号)が坂本哲志大臣から趣旨説明されました。このため「65歳定年の国家公務員法改正案」(204閣法63号)の審議は後回しとなりました。衆議院から送られてきた順はこの通りでした。また、両案とも短時間の審議で全会一致で衆議院を通過してきました。但し、衆議院内閣委員会であすも審議する「土地規制法案」について、自民党・公明党の間でも異論がくすぶっているようで、野党国対としては明確に反対でないけれども、与党内の混乱で審議未了廃案などになればいいなという程度の軟弱基盤は作れていることになります。
【衆議院議院運営委員会 同日】
大島理森衆議院議長が高木毅議院運営委員長に対して、政治分野における男女共同参画について、IPU列国議会同盟がつくった検討項目リストを活用して日本の国会の問題点を洗い出すよう指示しました。
【衆議院議院運営委員会国立公文書館・憲政記念館建設小委員会 同日】
小委員会が開かれました。民主主義のインフラ「国立公文書館」を、7年後をめどに、現在の憲政記念館の近くに合築するプランを練ります。憲政記念館や国会前庭と呼ばれる土地は衆議院が単独で所有しています。この場所に新しい憲政記念館・新しい国立公文書館ができると、国立国会図書館とも一体となった地域になります。アメリカ公文書館はアーキビストが積極的に情報を探しに行き、それを活用してジャーナリストが書いた著作は2万冊を超えるそうですから、半世紀回顧録を書き続けるキッシンジャーのように情報は資源だという認識が確立する、かなりいいきっかけとなりそうです。期待しています。
【衆議院本会議 同日】
「自然災害義援金差押禁止恒久化と東日本大震災などでの5特措法を一本化する法律案」(204衆法18号)が全会一致で衆議院を通過し、参議院に送られました。
「改正公選法」(204参法28号参先議=発議者関口昌一自民党参議院議員会長)は立憲民主党、維新、国民民主党が反対し、自民党、公明党、共産党が賛成多数となり可決され、成立しました。
「改正海上交通安全法」(204閣法49号参先議)は全会一致で可決し成立しました。2か月以内の政令で定める日から海上保安庁が施行。
「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律案」(204衆法19号)が全会一致で可決し、参議院に送られました。萩生田光一大臣が提出を見送りながらも、超党派の議員立法で全会一致で可決。萩生田さんの政治センスが光ります。
「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」(204閣法61号)が全会一致で可決し、参議院に送られました。環境省はまだ法案があります。
今週はもう本会議はありません、次回は来週火曜日。
【衆議院決算行政監視委員会 同日】
「平成30年度・令和元年度決算承認案」について財務大臣が趣旨説明(概要説明)をして、審議入りしました。会計検査院長がFMS、租特などを説明。今国会のうちに、全閣僚入り質疑がありそうです。
【参議院外交防衛委員会 同日】
「コニハク」こと、立憲民主党の白真勲さん小西洋之さんが中山泰秀防衛副大臣の2分間遅刻とイスラエルとともにあるツイッターを追求し、維新の鈴木宗男さんが政府と立憲の両方に吠える今国会最も対立色の強い委員会となりました。
きょうの審議は3階建てで、中山副大臣の発言とそれに対する質疑、議案審議入り、ワクチン集中接種に関する集中審議となりました。
白さんは、参議院委員部に確認し、外交防衛委員会に政府側が遅刻した事例は過去に見当たらないとの答弁を引き出しました。小西さんは中山副大臣が防衛省全体の情報共有の責任だと発言したことをなじりました。鈴木宗男さんは、「当日は、松川るい防衛大臣政務官(自民党参議院議員)が、今どこどこを通過しましたと実況をして教えてくれたことを、あなたたちは理事だから知らないだろう」となぜかキレ、過去に、片山さつき委員長が理事懇に遅刻したほか、小西さんも質問当日に遅刻したと激しくなじりました。
「日本セルビア租税、日本ジョージア租税、同投資条約の承認案」(204条約5、6、7号)「日本におけるOECDの特権条約の改定承認案」(204条約11号)が趣旨説明され、次回に対政府質疑がされることになりました。
また、鈴木宗男さんは法相も要求し、副大臣が出てきましたが、どういういきさつか、衆議院法務委員会に出ないことも多かった、佐々木聖子・出入国在留管理庁長官(法務省国家一種キャリア官僚)が出てきました。鈴木さんはウィシュマさんがなくなった「報告書を出すのはいつなのか」を繰り返し問いましたが佐々木長官は逃げ切りました。「ビデオを出さない保安上の理由」の「保安」について「収容施設の映像の質やカメラの位置などが特定されるからだ」と田所嘉徳法務副大臣が答弁し、「あなた、官僚が書いたもものを読んでいるだろう」と迫り、衆議院議員としての未来は無いと切り捨てました。
【参議院文教科学委員会 同日】
「著作権法改正案」(204閣法57号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。これに先立つ質疑で、ALS患者であるれいわ新撰組の舩後靖彦さんが文字パネルを使って質問して介助者が代読するのですが「障害者にとっての著作権法の在り方」というようなやや大上段からの質問が多く、太田房江委員長(自民党)が「え、誰」と戸惑いながらも、萩生田大臣が引き取り、そつなく答弁しました。萩生田さんは2019年9月から大臣なので、この2年間、舩後さんの質疑に答弁する大臣はすべて萩生田さんだったんだろうと思います。
【参議院厚生労働委員会 同日】
「後期高齢者2割負担の高齢者医療法や健康保険法などの改正案」(204閣法21号)の審議が続きました。成立は動かない公算ですが、採決に向けた世論の変化があるかもしれません。
【参議院環境委員会 同日】
「地球温暖化対策推進法改正案」(204閣法47号)は、会派に属しない平山佐知子さんも含めた全会一致で可決すべきだと決まりました。2050年カーボンニュートラルに向けた税制改正事項も入っており、菅内閣9月発足時の「グリーン」「デジタル」が早々に規定化。旧民主党政権は福山哲郎さんが中心になってまとめた「地球温暖化対策基本法案」を満を持して提出し、衆議院で可決されましたが、鳩山由紀夫首相・小沢一郎幹事長ダブル辞任による混乱で、参議院で審議未了廃案となり、その後は審議できず、もともとあった温対法の改正で政策がプログラムされています。
【参議院農林水産委員会 同日】
「農林水産業貯金・保険法改正案」(204閣法58号)が趣旨説明され、次回質疑。
●参議院経済産業委員会は定例日ですが開かれませんでした。「産業競争力強化法改正案」(204閣法23号)はあすの本会議での代表質問後に付託される見通し。
●参議院法務委員会は「改正少年法」の成立に前後して「入管難民法改正案」の衆議院での審議をせず廃案にすると与党が決めたため手持無沙汰となり今日は開かれませんでした。「LGBT差別禁止法案」(未提出)は内閣委と法務委のどちらで審議されるのでしょうか。
●参議院総務委員会は開かれず、65歳定年の法案を国家を先に審議入りさせる全体の日程だと思われます。
●参議院財政金融委員会も開かれませんでした。
【閣議】
【経済財政諮問会議】
閣議は午前8時55分スタートと余裕のある朝。また、経済財政諮問会議で、経済財政運営と改革の基本方針いわゆる骨太の方針2021の骨子案が了承されましたが、安倍・菅政権前半に比べれば、小ぶりなものになりました。
【自民党役員連絡会】
記者会見で、二階俊博幹事長が五輪開催について判断する時期が近づいているという趣旨の発言をしたようです。
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