【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【第49回衆院選】たぶんみんな頭に引っかかっていたと思いますが「任期は9月まで」の菅さん総裁選よりも前に解散明言、2回連続で「クールビズ総選挙」

2021年05月07日 21時41分49秒 | 第49回衆院選(2021年10月 岸田続投 枝野辞任)
[写真]前回の10月の衆院選のようす、兵庫6区で、宮崎信行撮影。永田町・霞が関の「留守番」の参議院議員である政務三役らは「クールビズ」期間中ですが、新人候補者はさすがにネクタイ姿。

 これみんな頭に引っかかっていたと思います。

 きょう発売の月刊誌「リベラルタイム」に掲載された菅義偉首相・自民党総裁のインタビューで「自民党総裁任期が終わる9月末までの間には、いつか、ということで考えている 」と述べ、総裁選よりも前、2021年9月より前に解散総選挙を明示した、とNHKなどが報じました。

 首相はこれまで「9月までが任期なので、その中で考えていく」と語ってきました。衆議院議員の任期は10月までなので「9月」は誤った認識。今、官邸の公文書を検索したら、すべて「秋まで」に修正されたようです。「9月まで」は自民党総裁の(安倍総裁の残り)任期が9月まで。筆者は政権交代ある政治を志向してきたので、半世紀にわたる自民党総裁たる首相と同じく、その地位が総選挙でなく総裁選で左右されるという深層心理は残念なところ。

 とはいえ、派閥が15人しかいない首相が総裁選より前に衆議院解散に打って出るのは、第4派閥だった中曽根康弘元首相・総裁のように、至極当然でしょう。

 石破さん、岸田さんの芽はなさそうですし、菅さんが電撃辞任して河野首相・野田首相にかえることは、まずできないでしょう。菅首相対枝野代表の一騎打ちに近い総選挙になりそうです。

 2005年と2009年は真夏、2012年と2014年は年末でしたが、2017年、2021年はクールビズ選挙(5月1日から10月末まで)となります。

 以上です。


【5/7国会まとめ】今国会初の強行採決「後期高齢者2割」が委員会可決、羽田次郎さん初登院

2021年05月07日 16時12分59秒 | 第204通常国会令和3年2021年
(初公開は16時前)

[写真]「この先下り坂急カーブにご注意願います」の看板と厚生労働省、先月23日、宮崎信行撮影。

 今国会で初めて後期高齢者2割負担の法案が強行採決されました。共産と維新にとっては、きのうの国民投票法改正案の修正案に続いて2日連続だという認識かもしれません。今夜7時から首相会見、週明け月曜日は午前9時54分頃から枝野代表、午後1時半から蓮舫さんが菅首相にテレビ入りで迫りますが政局への大きな影響はなさそう。

 羽田次郎さんが初登院しました。

 昨秋復活した「立憲民主党の羽田」「最大野党の羽田」という金看板が完全なものになりました。世襲批判の偉い先生方もようやく完全に黙りました。

 私は今回、長野県内無所属町議さんを切り崩しました。というか、お願いしますとメッセしたら、期日前投票初日にもう投票済みですよ、ということでした。東京都内に住んでいても、町議さんを切り崩すことができ、明治維新に乗り遅れたご先祖(元から徳川天領で、大正時代に巻き返そうとして嫡男が現在の信大繊維学部である上田蚕糸専門学校を出たのにどういうわけか20代で逝去した)も喜んでいるでしょう。とくに私の祖父が村の収入役になった日は、立憲民政党が解党した翌日で、大政翼賛会が結成される一か月前、二大政党崩壊の翌日に自治体特別職になりました。

 ところで人生カジノ経済界に育った私は大変な倹約家ですが、それゆえ、他人のお誕生日を何人も記憶しています。記憶するだけならタダ。そのせいで、女性の友人の親から勘違いした大袈裟な手紙が来ないように自ら戒めていますが、議員バッジ嫉妬症がひどくなったここ2年は、「初当選した娘をお育て下さい」と嘆願する手紙が来て「そんな金あるか」「こんな変な親の持ち主を公認するな」と怒り心頭に。きょねん10月に、「どうやら我々は、一生ノーバッジだけど、長野ルーツの次男坊どうし長野・東京で頑張ろう」と誓い合った次郎さんが参議院議員になったわけですが、親から変な手紙が来ることはないので安心です。

 新型コロナウイルス感染症ワクチン接種について、同居の老母の予約がとれましたが、1か月以上先になります。会場は、財務省の施設を遠隔地にある医療法人が払い下げて運営する民間病院で、国がノウハウがある事業者に売却したけど、ワクチン調達がこんなに遅いということは、「改革、改革」と言っていたインテリも限界を感じるべし。ある元キャリア官僚が書いた記事に「売上高を穴埋めする持続化給付金」という表現がありますが、「タイム・イズ・マネー、マネー・イズ・タイム」で、法人当座現預金が尽きなければ、事業者は月次売上高をゼロにする権利があります。

 日本の第二の敗戦とは関係ありませんが、ベトナム人夫妻の友人が3月に帰国し、永住した、と連絡をくださいました。各々、大阪大学と、立教大学の4年制を卒業して日本で知り合ったご夫妻で、ハノイの近郊の出身どうし。旧ハノイなど日本でみるベトナム経済のイメージと違い、ハノイは首都ながらもその近郊はほとんど寒村だそうですが、日本帰りでハノイ「市」に2人のお子さんと4人で永住するとのこと。夫は群馬県にある、日本人ならみんなが名を知る樹脂加工品メーカーで金型を書く仕事でしたから、ハノイ市ではそうとうな高学歴美男美女夫妻になられるでしょう。赤羽で昼からワインを飲む、世界な憧れ自由な日本を楽しみながら、中大法卒の女性の友人と「日本はオワコン。経済は下がる一方だ」と力説していたんですが、阪大・立大卒で・金型をデザインできて、ハノイ「市」での同居で家族をつくっていくのは初めてすから、日本を選んでよかったのではないでしょうか。

 ベトナムでは今週、コロナ感染者が数人発生してニュース速報。シンガポールでもチャンギ空港近くの陽性者が年齢とともに報じられました。国際的に孤立する台湾ではワクチン接種率は0・1%にもならないようです。

【参議院本会議 きょう令和3年2021年5月7日(金)】

 「議席番号347番」として羽田次郎さんが紹介されました。


[画像]羽田次郎さん、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 「地球温暖化対策推進法改正案」(204閣法47号)の趣旨説明と代表質問がありました。立憲民主党の徳永エリさんは「地球規模の気候危機とたたかっている」とし、パリ協定2050年カーボンニュートラルは、災害対策などにも通じるとしました。参・環境委で審議へ。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 「後期高齢者窓口自己負担を2割に引き上げる健康保険法改正案」(204閣法21号)と「立憲対案」(204衆法11号)。現役会社員の後期高齢医療制度への支援金が月2万円になっている人もあり、現役の負担軽減は国家の永続のために絶対必要。しかし、コロナ禍で自己負担を倍増させること以外にも方策はあります。官邸におかれた「全世代型社会保障検討会議」の中間報告を、公明党が半年遅らせてほしいと求めて、このタイミングでの法案審議となりました。一方で、204衆法11号は、長妻昭さんが提出した対案ですが、こちらは高所得の後期高齢者は1割から3割に引き上げる内容が盛り込まれており、ルサンチマンにも思えます。

 審議の後、とかしきなおみ委員長が、自民党の大岡敏孝さんを指名。「204閣法21号の質疑を終局して直ちに採決するよう」求めた動議を提出しました。長妻昭筆頭理事らが委員長に詰め寄る中、採決され、動議が認められました。


[写真]動議提出を受けて、とかしきなおみ委員長席に詰め寄り、強行採決に反対する立憲民主党の長妻昭筆頭理事ら、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 法案の採決では、自民党・公明党・国民民主党の議員が起立しました。立憲民主党は大島敦さんらは自席にとどまり起立せず。賛成多数で政府原案通り可決すべきだと決まりました。

●審査報告書の委員長一任も採決

 以前の厚生労働委員会での強行採決で、共産党委員が動議には従うけれども、委員長による本会議への審査報告書の作成委任には賛同できないとすることがありました。そのためか、3度目の採決として、とかしき委員長が本会議への審査報告書を作成することを一任するかどうかも採決されました。


[画像]審査報告書の作成の一任についての採決で起立する与党委員ら、同。

 強行採決観測を受けて、後ろの傍聴席の出入り口付近に記者が来ていました。次回の開催は未定。今後は「特定B型肝炎ウイルス感染症給付金支給特別措置法10年延長案」(204閣法22号)と「育児・介護休業法及び雇用保険法改正案」(204閣法42号参先議=全会一致で衆送付)の2つが議論されます。

【衆議院法務委員会 同日】

 「入管難民法改正案」(204閣法36号)の対政府質疑。立憲の山花郁夫さんと階猛さんが、スリランカ人女性が病気で収容中に亡くなった事案について仮放免すべきだったとしてビデオの公開を要求。これについて、休憩となり、理事会で協議されました。これについて上川陽子法相は「保安のため公開できない」としました。この「保安」という言葉は、行為者の将来を鑑みて犯罪者になるかもしれないので倫理上処分しないことを保安というようです。ですから、出入国在留管理庁職員が「特別公務員暴行陵虐罪」になりかねないから、「保安」上理事会に提出しないという意味あいになります。次回の開催が決まらずに散会し、理事会が再び開始。来週にかけて、この件が採決の前提となりそうです。

【衆議院経済産業委員会 同日】

 「産業競争力強化法改正案」(204閣法23号)の対政府質疑。

●衆議院本会議は定例日ですが、ありませんでした。

【参議院地方創生及び消費者問題特別委員会 同日】

 「国家戦略特区法改正案」(204閣法34号)の対政府質疑。いつも通り、国民民主党の田村まみさんの質問中に、他の議員から嘲笑がわきました。あまり心地よいものではありませんが、理由はいろいろあるのかもしれません。

 討論では立憲の岸真紀子さんが「オリックス重役の竹中平蔵氏が規制改革推進会議にかかわっている」と利益相反を批判しました。採決は立共国反対、自公維賛成多数で可決すべきだと決まりました。来週成立。

【衆議院議院運営委員会 同日】

 理事会では、報道によると、来週火曜日(5/11)の本会議で「重要施設周辺及び国境離島における土地等の利用状況の調査及び利用の規制に関する法律案」(204閣法62号)が審議入りするようです。なぜか公明党が慎重姿勢を示したため、国会提出が3月26日にずれ込んだ法案です。

 委員会。

 大阪府の緊急事態宣言の延長や、三重県へのまん延防止等重点措置など期間の延長や地域の拡大などについて、西村康稔大臣の事前報告。

 たどたどしいしゃべり方ながらも評価が高い3期生、自民党の井野俊郎さんは「コロナと共生する経済対策」を求めて、西村大臣は「夏の骨太の方針に盛り込む」と答弁しました。立憲の泉政調会長は「東大チームの未来予測では、東京で1日100人以内にしないと、再宣言が必要になる」と指摘し、西村さんはその先生たちとはよく話していると、西村話法で反論しました。

【参議院議院運営委員会 同日】

 本会議の段取りの後、緊急事態宣言などの期間延長、地域拡大についての政府事前報告とそれに対する質疑。

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