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ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

民事訴訟法改正案「オンライン」と刑法改正案「懲役刑廃止で拘禁刑」は野党も問題視せずに衆議院本会議、「本土復帰50年決議」は沖縄1区議員が反対のハプニング

2022年04月21日 15時28分07秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[画像]法務省・検察庁・東京地裁前。

 補正予算案が提出することになりそうです。財務省主計局は大型連休無し。初めて調べたのですが、国内のガソリンの流通量は「432億リットル」。25円補助で1兆800億円。たかが。念の為上限枠を多めにとって、軽油をあわせて4兆円くらい計上しても財源は何ら問題なさそうです。

 司法試験受験生はチェックが必要でしょうか。「オンライン民事訴訟法」が衆議院を通過し、「懲役刑をなくす刑法」が審議入り。「黒川弘務検事総長構想」「ウィシュマさん入管庁報告書」の置石がとれて、法務省関係が大きく動きました。

【衆議院本会議 きょう令和4年2022年4月21日(木)】

 「消費者契約法などの改正案」(208閣法41号)が採決。委員会では全会一致でしたが、本会議ではれいわ新選組が反対したので、賛成多数で可決し、参議院に送られました。

 きょねんの予算委や解散で廃案になった改正条項を束ねた「電波法及び放送法改正案」(208閣法18号)は維共れ反対、自公立国有賛成多数で可決し、参議院に送られました。これに先立ち、維新の対案である「電波オークション法案」(208衆法26号)は、自公立国共有れ反対、維賛成の賛成少数で否決し、廃案になりました。テレ朝のエースアナがトヨタ自動車に転職する時勢になんで今ごろという印象。以前も三宅博議員(他界)が初当選してからNHKの報道姿勢をずっと質問し続けていたことがあり、後年ご遺族は「本人はあれを国会でやりたかったようだ」と取材に答えたのを読みました。テレビと国会の質疑で維新はもう少し政党として時勢にあわせて収斂してほしい。

 「宅地造成・特定盛土規制法案」(208閣法45号)は修正すべきだとの委員長報告を全会一致で可決し、参議院に送られました。参議院議員にはA4判の追加の紙を挟んで法案が配られることになります。討論では3会派が賛成討論をしましたが、日本維新の会の足立康史さんが委員会での修正協議を批判する異例の展開となり、今後、議運の協議事項になるようです。

 「民事訴訟法などの改正案」(208閣法54号)は立共れ反対、自公維国有賛成多数で可決し、参議院に送られました。期日を半年間にする規定が労働審判・離婚訴訟で不利になる人がいることを懸念し、立・共などが反対に回りました。

 「農地バンクなど農業経営基盤強化法改正案」(208閣法55号)は共反対、自公立など賛成多数。「農村漁村活性化法案」(208閣法56号)は全会一致で可決し、参議院に送られました。

 この後、「刑法改正案」(208閣法57号など)と「立憲対案」(208衆法11号)が審議入り。古川禎久法相は「再犯は減っているが、まだ5割は再犯だ」とし、懲役刑・禁固刑を廃止して拘禁刑に改める規定を説明しました。これに対して「208衆法11号」の趣旨説明や答弁に立った立憲会派の鎌田さゆりさんや米山隆一さんは、「政府案の侮辱罪の規定だと、お前アホやな、○○議員は総理の器でない、という言葉まで侮辱罪で罰せられる恐れがある」とし、プロレスラー・木村花さんのフジテレビ「テラスハウス」をめぐるツイッター自死事件を取り上げ、「加害目的誹謗等罪」を提案し、今後、法務委員会で議論されることになります。

【衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会 同日】
 「沖縄の本土復帰50年及び沖縄問題の解決促進に関する委員会決議」が採択されました。本会議には上程されませんが、阿部知子特別委員長が関係先に手紙を送るてはずになります。決議は「沖縄の本土復帰50年を本年5月に迎える。国土面積の0・6%に、米軍基地の70・3%が集中。県民所得は7割。政府としては引き続き、沖縄の基地の整理・縮小につとめ、新しい沖縄振興特措法で地元の意見を尊重すべき。とくにコロナ感染症をめぐって、地域経済の影響を最低限にとどめるため、米軍基地から発生する諸問題の解決を求める。世界に広がるウチナーンチュのネットワークを活用した万国津梁について政府も私たちも一翼を担いたい」としました。ところが、異例の運営となり、委員会決議としては異例の討論が通告されました。沖縄1区選出の赤嶺政賢さんで「日米地位協定への言及がない」と文言を問題視し、反対しました。このため採決では、共産反対、自公立など賛成多数で採択される、委員会決議としては異例の結果となり、後味の悪さを感じました。

 これに先立つ一般質疑では、朝日新聞記者として沖縄駐在歴がある山岸一生さんが「沖縄問題では政治家の世代交代も必要。山中貞則さん、橋本龍太郎さん、小渕恵三さん、野中広務さんらが沖縄にかける思いを持っていた」とすると、西銘恒三郎大臣も「屋良朝苗初代知事は私の父の教師で、太平洋戦争に帝国軍で出征するときにあいさつに行った」と昔話を明かし、山岸さんに期待を寄せました。ところが、維新の吉田豊史さん(富山1区比例)が沖縄本島以外の離島も多く回った経験を話す際に「私の地元の富山の置き薬。意外と富山県内では見当たらないこともあるが、沖縄本島、さらには本島以外の離島でもとてもよく見た。やはり県外へ営業に行っているらしい」と話すと、西銘大臣が「それだけ医師が少ないということだ」と返すなど、沖縄県と本土の相互理解の難しさを感じさせるやりとりもありました。

【衆議院災害対策特別委員会 同日】
 「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災特別措置法改正案」(208衆法     号)が起草されました。内容は、被災地域が広大になるからと目的規定を書き加え、内閣総理大臣に対して最大規模の被災を前提にするよう求め、津波避難対策特別地域を新設する法改正。全会一致で可決すべきだと決まりました。

【衆議院憲法審査会 同日】
 先週から野党に配慮する議題に。改正国民投票法附則CM規制の参考人の意見陳述とそれに対する質疑だけで、自由討論はきょうはありませんでした。自民党側からすれば喉に刺さった魚の骨のような問題。参考人として出席した日本民間放送連盟専務理事は、過去の経緯を詳しく説明しました。最初の質疑者の自民党の新藤義孝筆頭幹事は「合計4回目で、しかも急な呼びかけにもかかわらずありがとうございました」と丁重に話し「法律以外に、民放連の自主的な取り組みについても聞きたい」と述べました。これに対して民放連専務理事が丁寧に説明した後「私だけでなく常務理事からも説明させます」と語ると、新藤さんは「手短にお願いします」と表情を変えました。次回は公報。

●衆議院国土交通、安全保障、地方創生特別の3委員会は理事懇。

【参議院内閣委員会 同日】
 「経済安全保障法案」(208閣法37号)の参考人質疑。連合審査会の呼びかけも決まりました。

【参議院総務委員会 同日】
 「地方公務員育児休業法改正案」(208閣法11号)を全会一致で可決すべきだと決めました。

【参議院文教科学委員会 同日】
 「教員免許法改正案」(208閣法34号)が趣旨説明されました。ちなみに、一般質疑で、共産党の吉良よし子さんかられいわの舩後靖彦さんへとつながる展開。私は吉良議員が毎回のように時間切れだと委員長から叱られてから、逆にトーンを挙げてまとめることをとがめたい思いを持ち、書きましたが、きょうの吉良さんはは時間通りまとめました。

【参議院農林水産委員会 同日】
 「みどりの食料システム法案」(208閣法32号)と「植物防疫法改正案」(208閣法33号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。

【参議院厚生労働委員会 同日】
 一般質疑。

【参議院経済産業委員会 同日】
 連合審査会の手はず。

このエントリーの本文記事は以上です。
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「オンライン民事訴訟法」が衆議院委員会通過で刑法改正案も成立の見通し、枝野幸男「バスタ大宮」の建設を大臣に直談判「大宮は主要な交通拠点」との答弁得る

2022年04月20日 22時04分58秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[画像]大宮駅前でぶら下がりに応じる枝野幸男代表(当時)。

 巡り合わせが悪くて「民事訴訟のオンライン化の法案」(208閣法54号)については構想段階から当ニュースサイトで書いてなかったのですが、政府原案通りにあす衆議院を通過するはこび。今国会での成立が確実になりました。あすの衆議院本会議では「懲役」をなくす「抜本的な刑法改正案」(208閣法57号)の審議入りします。

【衆議院法務委員会 きょう令和4年2022年4月20日(水)】
 「民事訴訟法改正案」(208閣法54号)の審議最終日は、オンラインをめぐって、クラウドサービスは日本の物であることを念押しする答弁に最高裁事務総局民事部長が「行政のガイドラインに沿うが、クラウドサービスを使う選択肢が有力だ」と答弁。最高裁事務総局は答弁に不慣れな点もありますが、オンライン化は各党の賛同を得ました。採決前の討論では、立憲と共産がともに、「迅速審理手続き」はオンラインと関係ないし、6か月以内となると労働審判や離婚訴訟で、陣立てが劣る個人の原告・被告が不利になることが懸念されました。採決は立憲・共産などが反対し、自公などが賛成して可決すべきだと決まりました。先月23日から4週間審議しましたが、「大臣のコロナ」と「ウィシュマさん入管」の問題で難航したので、オンラインについては問題点はほとんど出ませんでした。あすの衆議院本会議で可決し参議院へ送られます。

【衆議院国土交通委員会 同日】
 静岡6区・熱海の事件事故を受けた「宅地造成・盛土規制法案」(208閣法45号)。まず小宮山泰子さんが立維共国有れ6会派共同の「法律の地域外の盛土も検討する」とした修正案を提出。採決では自公も小宮山修正案に賛成して「全会一致で修正すべきだ」と議決し、本会議に報告し、参議院に送られます。国交での全会一致での修正は比較的まれ。静岡6区の渡辺周さんら国対が長い議員が立憲にいたことも関係あるか。足立康史さんが大阪の事件事故で提出した「208衆法18号」は採決されませんでした。
 委員会の最後に「航空法改正案」(208閣法44号)が審議入りました。
 この間に一般質疑がありました。立憲民主党前代表の枝野幸男さんが質問。地元の「バスタ大宮」構想を取り上げました。枝野さんは「国交省の官民プロジェクトバスタプロジェクトでバスタ新宿のように、大宮駅西口にもバスタが構想されている」としました=この記事冒頭の画像は同駅東口=。道路局長は「関東地整大宮国土事務所と、埼玉県、さいたま市、鉄道、バスの5者が構想している」としました。枝野さんは「令和3年5月から止まっている」とし、西口のバス停を集約した「グランドセントラルスさテーション」を大臣に直談判。「鉄オタ」斉藤鉄夫国土交通大臣は「大宮駅は新幹線6路線、在来線7路線が乗り入れる全国でも有数のターミナルで、幹線道路、高規格道路へのアクセスも容易で今でも一日170本の高速バスが周辺から発着する。首都圏全体で見ても主要な交通拠点だ」と最大級の賛辞で持ち上げました。

●大宮駅のようす、但し東口。



【参議院本会議 同日】
 まず、中田宏・自民党参議院議員が紹介され、経済産業委員会となりました。
 趣旨説明で「教育免許更新制廃止の改正法案」(208閣法34号)と代表質問がありました。
 採決。「改正旅券法」(208閣法29号)は全会一致で可決し、成立しました。「東日本大震災に係る特例旅券法廃止法」(208閣法30号)も全会一致で可決し、成立しました。財政金融委員長がコロナ罹患で自民党理事が報告した「改正関税暫定措置法」(208閣法59号)はれいわ新選組が反対し、自公立国維共などが賛成して可決し、成立しました。「改正外為法」(208閣法60号)は全会一致で可決し、成立しました。

【衆議院外務委員会 同日】
 「日本スイス租税協定」(208条約3号)「大阪万博外交特権条約」(208条約4号)「IPU憲章」(208条約7号)が審議入りしました。委員会の冒頭では、城内実委員長が「先日、ウクライナ周辺国の駐日ルーマニア大使、モルドバ大使、ポーランド大使館首席参事官をお招きした聞き取り会をした」とし「避難民にIDを発行し、サポートセンターを開設している」との取り組みをしているとし、日本国会でも認識を共有したい意向を示唆しました。次回は27日(水)9時。

【衆議院内閣委員会 同日】
 「こども家庭庁設置法案」(208閣法38号・208閣法39号)、「自公提出の基本法案」(208衆法25号)、「立憲対案」(208衆法8号)、「維新対案」(208衆法27号)が一気に審議入り。質疑は次回。

【衆議院農林水産委員会 同日】
 農地バンクの将来計画など「農業経営基盤強化法など改正案」(208閣法55号)は共反対、自公立維など賛成多数で可決すべきだと決まりました。「農村漁村活性化法改正案」(208閣法56号)は全会一致で可決すべきだと決まりました。

【衆議院経済産業委員会 同日】
 「省エネ法改正案」(208閣法43号)の参考人質疑。

【参議院地方創生・デジタル特別委員会 同日】
 牧島かれんデジタル大臣がペーパレスで趣旨説明し、「情報通信技術を利用した国の歳入等の納付に関する法律案」(208閣法22号)が審議入りしました。
【参議院国際経済・外交に関する調査会 同日】
【参議院資源エネルギーに関する調査会 同日】
 最終報告取りまとめ。

●参議院憲法審査会は定例日ですが開かれませんでした。
●衆議院文部科学委員会は開かれず、「10兆円大学ファンド法案」(208閣法35号)がやや遅れそうです。

【官邸 同日】
 自公党首が昼食を含めて懇談し、補正予算案を編成するかどうかの協議を再度幹事長・政調会長レベルに差し戻す異例の展開となりました。

【立憲民主党両院議員総会 同日】
 参議院別館5階の講堂という珍しい場所で、理由は不明ですが開かれ、ベテラン参議院議員も「初めて入った」と語りました。
 「略称・民主党」が報告され、一部議員から「地元で説明する経緯のペーパーがほしい」「国民民主党にうまく話してほしい」との声が出つつもコンセンサスを得ました。泉健太代表が自らパワポで参院選に向けた21兆円の緊急経済対策や生活安全保障について素案を説明しました。
 この会合には、岡田克也常任顧問、菅直人最高顧問、信越から打越さくら、羽田次郎両参院議員らも参加し、泉健太代表・西村ちなみ幹事長の発言に耳を傾けました=以下の画像3枚=。


 週3回ペースで質疑に立つ羽田次郎さんに、開始前に、一年弱ぶりに話せる機会があり、きょうは良かったです。

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山本太郎辞職承認、こども庁設置法案審議入り、建築物省エネ法追加提出表明、放送法改正案が委員会通過

2022年04月19日 17時53分26秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[画像]ウクライナカラーで衆議院本会議で質問する、立憲民主党の森山浩行さん、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 こども庁が審議入りし、刑法改正案も近く審議入りするため、今国会での政府提出法案の全成立が見えつつあります。刑法は政府もそこまで急ぐ必要もないので、ひょっとすると間に合わずに継続になるかもしれません。

【衆議院議院運営委員会 きょう令和4年2022年4月19日(火)】
 官房副長官が出席し、「建築物省エネ法」(208閣法おそらく61号)を追加で金曜日に提出したと伝達されました。見ようによっては朝日新聞の報道で発覚した、建設統計の改竄がもはや改竄慣れした国民の反応が薄かったからともいえそうです。政府が「検討中の12本」と示したうち「私大ガバナンス法案」と「建築物省エネ法案」の2本が提出されるはこびで、「入管難民法改正案」は引き続き先送りになりそうです。

【参議院財務金融委員会 同日】
 ロシア経済制裁のための「関税暫定措置法改正案」(208閣法59号)と「外為法改正案」(208閣法60号)が趣旨説明され、質疑。即日に採決され、全会一致で可決すべきだと決まりました。あす成立。天皇陛下の公布も早まるかもしれません。

【参議院外交防衛委員会 同日】
 「旅券法改正案」(208閣法29号)と「東日本大震災被災者の旅券法特例法廃止法案」(208閣法30号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。今国会で「廃止法」のタイトルは一つですが、法律廃止条項を盛り込んだ法案は多くなっています。

【衆議院消費者問題特別委員会 同日】
 「消費者契約法など改正法案」(208閣法41号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。「立憲民主党対案」(208衆法7号)は採決されず、このまま流れて、廃案となる公算。今回も大河原雅子さんが附帯決議の案文の朗読をしましたが前回よりやや長時間でした。

【衆議院総務委員会 同日】
 「電波法及び放送法改正案」(208閣法18号)と「維新対案」(208衆法26号)の質疑が終局。維新対案は維新のみの賛成で否決。政府案は維新・共産が反対し、自公立国の賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【衆議院本会議 同日】
 山本太郎さんの議員辞職が全会一致で了承されました。

 「改正道路交通法」(208閣法52号参議院先議)は共産・れいわ反対、自民・公明・立憲など賛成多数で可決し、成立しました。

 「薬機法改正案」(208閣法42号)は全会一致で可決しました。参議院に送付。これに先立ち、「立憲民主党対案」(208衆法5号・208衆法20号・208衆法21号)の採決は、立憲・れいわ・有志の会が賛成。3法案のうち1つだけ共産も賛成。自民・公明・維新・国民は3法案とも反対しました。否決されたことで、参議院には送られずに、廃案となりました。

 重要広範議案なので、野田聖子担当大臣と同期の岸田文雄首相もひな壇へ。
 「こども家庭庁設置2法案」(208閣法38号など)と「自民党対案」(208衆法25号)、「立憲民主党対案」(208衆法8号)、「維新対案」(208衆法29号)の合計5法案が趣旨説明されました。「自民党対案」は表現として変で「基本法案」と表現した方がいいかもしれませんが、一応こうしておきます。

 立憲民主党は3期の森山浩行さんが通算4度目の本会議登壇。「親ガチャのない、チルドレンファーストの社会を」求めました。首相はアダルトビデオ18歳・19歳取り消し権について「与党において議員立法の骨子を発表したと承知している」と述べ、自公が議員立法でリードしているとの主張をにじませました。この辺も、泉執行部が手柄をとられつつあるように感じます。

【衆議院農林水産委員会 同日】
 「農地バンクなど農業基盤改革2法案」(208閣法55号・208閣法56号)が審議されました。自民党の坂本哲志さんは「農地は7世紀の班田収授法以来、規制と自由化を繰り返してきたが、今回の法改正は規制でも自由化でもなく10年後の未来をともに見て担い手を考えるので画期的だ」と語りました。

【参議院農林水産委員会 同日】
 「みどり法案」(208閣法32号・208閣法33号)の参考人質疑。

【参議院法務委員会 同日】
 法案待ちになったので、一般質疑。

 




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立憲民主党「決算」に黒田東彦・日銀総裁を9年目で初めて呼ぶ、財務省「欠損・債務超過は日銀法がそもそも規定していない」黒田さんは「物価安定目標2%」を強調し逃げ切り有力

2022年04月18日 18時09分46秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]日本銀行本店、東京・中央区日本橋本石町、6年前の2016年6月、宮崎信行撮影。

 ウクライナ侵略と、米・欧の金融緩和終了とバランスシート圧縮・利上げによって、円安が進行。黒田東彦日本銀行総裁の10年間の任期が残り1年で切れることもあり、衆議院での「決算承認案の審査」に初めて日銀が呼ばれました。

【衆議院決算行政監視委員会 きょう令和4年2022年4月18日(月)】
 原口一博さんが委員長。「平成30年度決算承認案」「令和元年度決算承認案」の総括質疑となりました。

 立憲民主党は金城湯池「神奈川県連」の篠原豪さん、青柳陽一郎さんコンビが登場。この後、藤岡隆雄さん(栃木4区比例)が登場。この方はだいぶ前から名前を知っている印象ですが、意外にも初当選の1期生。たしか、みんなの党・栃木の渡辺喜美元金融相とともに売り出していた気がしますが、あくまでも立憲民主党公認で初当選したフレッシュな議員。

 藤岡さんは金融庁出身も含めてか、黒田東彦日銀総裁を参考人に呼びました。藤岡さんは「日本だけ量的拡大を続けて、利上げできないのは積み上げた金融政策のジレンマだ」と強調。鈴木俊一財務大臣が先週金曜日の会見で「悪い円安」と表現したことについて藤岡さんは審議時点で1ドル126円台と過去50年間で最も安くなっていると指摘すると、黒田さんはセクターごとで違うが、「過度の変化は、企業の事業計画の策定が難しくなる」との弊害があるとし、国民生活には言及しませんでした。

 藤岡さんは財務省の岡本三成副大臣に質問し「日銀法は剰余金が出た期はその5%を基金に積むことを義務付けているが、損失が出た期に繰延ができるかどうかについては規定がそもそもない」との答弁を得ました。鈴木大臣は「日銀の(バランスシートの)債務超過を禁じる日銀法の規定はない。そのときの金利や為替に左右されるので、財務省は念頭においていない」と応じました。

 そのうえで、藤岡さんが(量的緩和をやめるという)出口戦略がないのではないかと指摘すると、黒田さんは「いわゆる出口戦略うんぬんですが、2%の物価安定目標が達成されれば、議論する」とし「現状そういう状況はありませんので、現在の金融総動員を続けていく」と述べました。

 黒田さんは残り1年逃げ切れそうです。日米での為替と金利の差による影響が拡大しても、緩和マネーが余っているので、政府がさらに国債を追加発行してお金を調達して、国民に給付する余地はまだかなりあります。例えば日本人による運行の特約付きで新幹線を海外ファンドに売って現金を得る必要などまったくなく、政府はまだ数百兆円の国債を歳入にできるわけで、円安がさらに進む可能性はありますが、給付金で生活を底支えする余地はかなりあります。財務省と日銀で、五百兆円玉を発行してしまうなど方法論は多様です。

 しかし、黒田さんが衆議院決算行政監視委員会に呼ばれたのは合計2回目。前回は予備費使用総調書の審議時で、「決算承認案」の審議に日銀が出てきたのは、アベノミクス10年で初めて。

 財務省の執行残、巨大予備費など、量的緩和とコロナで財政民主主義は大きく変質しました。今後は、日銀の「政府の子会社化」がより進みますので、こういう機会も増えそうです。

 次回のこの委員会の日程は未定ですが、テレビ入りになると思います。

【参議院決算委員会 同日】
 「令和2年度決算承認案」の省庁別審査4日目となりました。ところで、予備費使用総調書が衆議院から送られましたが、まだこちらの審議入りは無いようです。

 省庁別審査は外務省、防衛省など。

 羽田次郎さんが、4月13日の憲法審査会、14日の外交防衛委員会に続き、きょう16日の当委員会にも登板。5日間で3回目の発言となります。第一委員会室ではありませんでした。

 羽田さんは「Tー4練習機の救命無線機の寸法が合わず、返品。その後に、翌年度も同じものを納入され、また返品したのではないか」と指摘し、岸信夫大臣は「情けないことです」との一言から答弁しました。他の委員からもつい先日、空自小松基地のFー15の主力パイロットら2名が離陸直後に機体がバラバラになった事故との兼ね合いから責任感が不足しているとの指摘が出ました。



 次回は1週間後。
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「薬機法」重要広範議案3本目も全会一致という超無風国会、「民事訴訟法」は「6か月期間限定訴訟は、やりたくなければやらなくていい」

2022年04月15日 15時56分31秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 与野党国対の紳士協定である「重要広範議案」の3本目で、首相入り委員会質疑の後、全会一致で「薬機法」の審議が終わりました。土日は、石川県区補選で各党首が金沢・七尾へ。

【衆議院厚生労働委員会 きょう令和4年2022年4月15日(金)】
 ワクチン承認の短縮を盛り込んだ「薬機法改正案」(208閣法42号)と「それに対する立憲対案3案」(208衆法5号・208衆法20号・208衆法21号)。岸田文雄首相に対する質疑が1時間10分行われました。立憲民主党の中島克仁さんは、コロナ禍で、病院でも療養ホテルでもなく、自宅で亡くなった人の遺族も傍聴していると強調。
 採決では、対案は3つとも、立共のみ賛成、自公維の反対多数で否決すべきだとの審査結果がまとまりました。この後、政府原案を採決。全会一致で可決すべきだと決まりました。

【参議院本会議 同日】
 まず「関税暫定措置法改正案」(208閣法59号)と「外為法改正案」(208閣法60号)が趣旨説明され、「本会議のみ重広扱い」として首相も答弁しました。
 そして採決。「第12次地方分権一括法案」(208閣法51号参先議が全会一致で可決し、衆議院に送られました。
 「改正裁判所職員定員法」(208閣法12号)は共産・れいわ反対、自公立国維の賛成多数で可決し、成立しました。政府は2月1日提出したので、多少難航したという印象です。
 「改正裁判官育休法」(208閣法13号)全会一致で可決し、成立しました
 「改正歳費法及び国会法」(208衆法29号)は共産などが反対し、自公立国維などが賛成して可決し、成立しました。文書通信交通滞在費が調査研究広報滞在費と改めた改正法。

【衆議院内閣委員会 同日】
 「道交法改正案」(208閣法52号参先議の法案審査1日目で、「電動キックボードの試乗会を委員会で行ったが、もともと高齢者向けに開発されたのではなかったか」との質疑が出ました。質疑はすぐに終結して採決となり、共反対、自公立維国の賛成で可決すべきだと決まりました。この委員会は来週火曜日の子ども庁設置法案の審議を待つ状態となりました。

【衆議院法務委員会 同日】
 今国会注目大型法案の1つ「民事訴訟法改正案」(208閣法54号)はようやく野党による法案審査の1巡目を迎えました。各党とも、「期間限定裁判」に質疑が集中し、「そもそもITオンライン化の改正法案に含まれたのか」との声も出ました。立憲民主党の鈴木庸介さんらが「仮に自分が被告になるとして、6か月間では慌ただしい」との問いに、法務省民事局長は「被告も原告も使いたくなくては使わなくていい」という意外な答弁をしました。法務大臣が受け取り「やめようと思えばやめられる制度で、仮に原告被告が期間限定裁判を望んでも、裁判長が通常の戻すという判断もできる」とし「法務省として三権分立の中で、裁判所の細かいことまだ定めるわけにはいかないので配慮してほしい」と語りました。質疑には、最高裁判所事務総局民事局長も参考人として参加しました。

【衆議院文部科学委員会 同日】
 「大学10兆円ファンド法案」(208閣法35号)が大臣から趣旨説明されました。次回は22日(金)10時。今後、私学ガバナンス法案を政府が追加提出して、この委員会で審議されそうです。

【衆議院環境委員会 同日】
 「特定外来種被害防止法改正案」(208閣法46号)が趣旨説明されました。環境省提出はすべて審議入りしました。

【衆議院経済産業委員会 同日】
 「省エネ法改正案」(208閣法43号)の法案審査。前回は立憲民主党の田島要さんが国土交通省が準備していた建築物省エネ法の改正案を出すべきだと主張し、政府も追加提出したい意向となりました。きょうの審議では大島敦さんが発電所の廃止の事後届出を事前届出にする理由を問いました。石炭火力発電、洋上風力発電の現状にくわえて、菅直人さんはFIT固定価格買取制度も自分の手柄を強調しつつ10年間の実績の説明を聞きました。次回は参考人質疑。

【鈴木俊一財務大臣の閣議後記者会見 同日】
 報道によると、「今、円安が進んで輸入品などが高騰をしている。特にウクライナの情勢も加わって、そういう傾向が強い原材料を価格に十分転嫁できないとか、あるいは買う方も、賃金がその伸びを大きく上回るような、それを補うようなところに伸びていないという環境については、悪い円安ということが言えるのではないかと思っている」と語りました。

【官邸 同日】
 国家戦略特区会議の新しい議員が官邸で、首相から手交されました。これにより、竹中平蔵議員は、3月31日付で特区会議から去りました。

【衆議院事務総長室 同日】
 れいわ新選組代表の山本太郎・衆議院議員(比例東京単独)が辞職願を提出しました。

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第208回国会はさらに「べた凪」に、「歳費法改正案」が衆議院通過で「維新も賛成」のヤジが飛ぶ、経済安全保障法案も参議院で静かに審議入り

2022年04月14日 18時46分17秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]山口俊一衆議院議員運営委員長、3年前2019年2月、自民党大会会場で、宮崎信行撮影。

 凪の国会は、コロナ高止まり、ウクライナ膠着、円安・原油高の転嫁踏みとどまりもあり、べた凪の国会となりつつあります。与党のノルマである重要法案の連休前の衆議院本会議審議入りも見えてきました。

 経済安全保障法案(208閣法37号)が参議院内閣委員会での審議も始まりました。あまり与野党が対立せず肩透かしを食った世論。その理由を、3月16日付の日刊工業新聞に載った、稲葉善治・日本工作機械工業会会長(ファナック会長)のインタビューに探りました。稲葉さんは経済安全保障による輸出規制について「大きなターニングポイント。10年後は立場が逆転する可能性もある」と言及。これがどういうことかというと「従来は西側諸国から中国に規制をかけた」が、EV(電気自動車)とAI(人工知能)に成功した中国が西側に圧力をかけるようになり、日本がふるまわされるリスクが今後10年間にあるかもしれないから、そのことを頭の片隅に入れておこうと業界に促した発言。今回の法案では工作機械の輸出管理規制の日本における国内実施法である外為法の改正条項はすべて閣議決定より前に落ちましたが、有識者が「米中30年冷戦を前提にした法整備」をもくろんだのに、工作機械業界が経産官僚の30年先を歩いていることに気づき、実効性を見いだせず、法案から落としたのかもしれません。

【衆議院本会議 きょう令和4年2022年4月14日(木)】
 「関税暫定措置法改正案」(208閣法59号)は「国際関係の緊急時」を書き込むだけの内容ですが、れいわ新選組が反対し、それ以外の会派が賛成して可決し、参議院に送られました。
 「外為法改正案」(208閣法60号)は「暗号資産」の定義などを書き込むだけの内容ですが、採決の結果、全会一致で可決し、参議院に送られました。
 この後、きょねん10月31日過ぎから小野泰輔議員のマスコミ取材や衆・予算委で話題となった文書交通通信滞在費を日割りにする法案が、寺田学さんらの実務者協議を経て、成案となり、山口俊一議院運営委員長から提案されました。山口委員長は「調査研究広報滞在とする内容だ」と説明。「歳費法及び国会法改正案」(208衆法29号)が採決され、共産党が反対し、自民党・公明党・立憲民主党・日本維新の会・国民民主党・有志の会・れいわ新選組が賛成して可決し、参議院に送られました。採決の際、「維新も賛成」と声を挙げた議員がいました。

 「児童福祉法改正案」(208閣法49号)と「それに対する立憲・国民対案」(208衆法28号)が厚労相と岡本あきこ(岡本章子)議員から趣旨説明されました。今国会では初めての国民民主党も提出に加わった対案のため、同党の田中健議員も答弁に立ちました。

【衆議院議院運営委員会 同日】
 理事会も含めて、来週火曜日に子ども庁設置法案(208閣法38号など)で、自民・公明の理念法案と立憲の対案、木曜日に刑法改正案(208閣法57号など)を立憲対案の趣旨説明をすることを、決定したり、合意したりしました。

【参議院内閣委員会 同日】
 「経済安全保障法案」(208閣法37号)が趣旨説明されただちに法案審査1巡目となりました。ベテラン野党参院議員も小林鷹之大臣のご高見を拝聴という雰囲気になりつつあります。

【衆議院憲法審査会 同日】
 今回から「改正国民投票法」の審議となりその1日目。きょねん5月31日に私が書いた記事は、日本維新の会・馬場伸幸幹事長(当時)にも引用ツイートされましたが、CM規制の再改正がないと2024年まで憲法改正発議ができないと読める附則が立憲民主党提案で付け足されたうえで、衆参両院で可決・成立しています。これをめぐり、立憲民主党は、山花郁夫さんが落選しましたので、奥野総一郎さんが「私が提案者だ」とし、CM規制をめぐる国民投票法改正がなければ改憲発議できないと主張。自民党の新藤義孝さんはそれと関係なく、改憲発議ができると主張しました。来週もこの議論が続きます。

【参議院法務委員会 同日】
 衆議院側での古川禎久法相の「ウィシュマさんのビデオと報告書の改竄疑惑」の容認と会期内の書面提出発言もあり、参議院側も正常化しました。「裁判所職員定員法改正案」(208閣法12号)は共産・沖縄の風が反対し、自公維国が賛成して可決すべきだと決まりました。あす成立。「裁判官育休法改正案」(208閣法13号)は全会一致で可決すべきだと決まりました。あす成立。

【参議院外交防衛委員会 同日】
 一般質疑がありました。きのう参議院憲法審査会に続いて、きょうも羽田次郎・立憲民主党参議院議員が発言・質疑しました。羽田内閣当時にアメリカ留学中で「内閣不信任案提出か」の短波ラジオを聞き、首相公邸のお母さんに「日本に帰国する」と電話したところ、お父さん兼総理大臣に電話が代わり「お前が日本に帰国しても何も変わらないんだから、勉強を続けなさい」と一喝されてから28年。1年前の補選で世襲を批判した質問に「アメリカで、人種差別された経験」で答えたのは私にとっても衝撃でしたが、その経験も踏まえての毎週の2連投だろうと思います。

 「旅券法改正案」(208閣法29号)と「東日本大震災に係る旅券発給特例法廃止法案」(208閣法30号)が趣旨説明されました。質疑は次回。

【参議院総務委員会 同日】
 「地方公務員育休法改正案」(208閣法11号)が趣旨説明されました。

【参議院農林水産委員会 同日】
 「みどりの食料システム法案」(208閣法32号)と「植物防疫法改正案」(208閣法33号)の法案審査は2日目で、1巡目の野党分2時間コースがありました。

【参議院財政金融委員会 同日】
 金融再生法の適用状況に関する政府報告に対する一般質疑がありました。

【衆議院総務委員会 同日】
 「電波法及び放送法改正案」(208閣法18号)と「維新対案」(208衆法26号)の法案審査1巡目がありました。立憲民主党の鈴木庸之さんが、NHKの首都圏センターの佐渡未和記者の過労死事件について取り上げました。NHKをめぐっては、小池英夫元政治部記者が専務理事兼大阪放送局長に昇進し、正籬聡副会長と元政治部記者が東京も大阪も現場トップの体制になります。この原則を後から知って、20代記者が政治部を志望するのは、少し厄介な気もします。

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参議院先議の4法案が可決し、衆議院に送付 盛土規制は立憲・共産・有志の会・れいわ4会派で修正案提出も採決にいたらず

2022年04月13日 17時59分21秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 参議院の憲法審査会はバラバラな内容でまとまりがない方向感となりました。経済安保は参議院で審議入りしました。

【参議院本会議 きょう令和4年2022年4月13日(水)】
 「経済安全保障推進法案」(208閣法37号)の趣旨説明があり、重要広範議案ですので、岸田文雄首相、小林鷹之担当相が答弁しました。
 「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律案」(208参法7号参先議)は賛成多数で可決し、衆議院に送られました。
 「障害者による情報の取得・利用・意思疎通の施策推進法案」(208参法8号参先議)は全会一致で可決し、衆議院に送られました。
 「改正自衛隊法」(208閣法26号)は共産・沖縄の風が反対し、自公立国維が賛成して可決し、成立しました。
 「自賠責保険法及び特別会計法改正案」(208閣法36号参先議)は、共反対、自公立国維賛成多数で可決し、衆議院に送られました。
 「道路交通法改正案」(208閣法52号参先議)は共反対、自公立国維賛成多数で可決し、衆議院に送られました。

【参議院憲法審査会 同日】
●参議院はあまりにバラバラで方向感乏しく
 定例である水曜日で、本会議が散会した後の午後1時に始まりました。
 衆議院側の1か月程度前と同じく「憲法56条第1項の出席に関する考え方」を議題にし、岡崎慎吾参議院憲法審査会事務局長と川崎政司参議院法制局長がブリーフィングし、質疑に答えました。
 まず、自民党で本部と会派の副幹事長である山下雄平さんが衆議院側と軌を一にするよう提案しました。
 共産党の吉良よし子さんは自らの第1子妊娠中に「平和安全法制の強行採決が入院と重なり投票できず、支持者からも意見があった」と述べました。
 立憲民主党の白真勲さんはオンライン出席について「紅白歌合戦で美空ひばりさんがAIで出演したのが本人かどうか確認するのが難しい」と話を横展開。思惑含みの衆議院議員たちと違って、山谷えり子さんが閣僚時代の自慢話を披露するなど、方向感がまとまらずに散会しました。

【衆議院財務金融委員会 同日】
 「関税暫定措置法改正案」(208閣法59号)と「外為法改正案」(208閣法60号)。法案質疑3時間コース。きのう、「重要広範議案扱い」と書きましたが、あくまでも本会議だけで、委員会での首相入り質疑はありませんでした。3時間で質疑は終局。ただちに採決され、全会一致で可決すべきだと決まりました。

 きのうの一部報道では、ロシアを名指しした時限法のように聞こえるニュアンスがありましたが、「国際関係の緊急時」と「暗号資産」を挿入する恒久の法改正です。施行日は208閣法59号が公布日翌日、208閣法60号が公布から20日後。

【衆議院法務委員会 同日】
●今国会最も長い19日間審議がストップし、法相「会期中に書面提出」

 既に記事で書きましたが、19日ぶりに開かれました。一部報道で古川禎久法相のコロナ感染で止まっているとされましたが、実際の理由は別にありました。さきほどの記事に全文を書きましたが、大臣は発言を求め「名古屋局における令和3年3月3日の記載についてウィシュマさんが自ら発言したとする虚偽の記載があるのではないかとのご指摘があり」とし、階猛さんが指摘したビデオにない発言が生煮えになっていたことを確認。法相は「そのような認識を生じさせるような表現となっている」とし「入管庁から補足説明の書面を理事会に提出させたい」「ビデオを全面開示をすることが困難であるとの見解について改めて検討し、法務省としての考え方を整理して今国会の会期中に理事会に書面で提出させたい」としました。

 この後、「オンライン民事訴訟法改正案」(208閣法54号)の3日目の審議となり、議員の対政府質疑の1巡目がありましたが、与党のみ40分だけで終わりました。あすは参議院で委員会が久しぶりに開かれます。次回の衆法務委は15日(金)。

【衆議院外務委員会 同日】
 ウクライナ問題で大臣が参議院第一委員会室に呼ばれやすく朝8時半開始が板につきましたが、水曜朝9時開議に戻りました。残り7条約承認案です。

 きょうは一般質疑だけで終わりました。既に記事に書きましたが、岡田克也さんは日米安全保障条約に基づき米軍が日本自衛隊の基地を使って海外に進むときに求められる事前協議制度に関して、日本の法律、国会法、内閣法、政令、NSC規則などのどこにも手続き規定がないことを述べました。岡田さんは1997年2月5日の予算委員会での橋本龍太郎首相・池田行彦外相・大森政輔内閣法制局長官に質問したことを披露。その後も手続法がないのは、1960年の藤山愛一郎・マッカーサーによる朝鮮有事に出撃できるとする密約のために、国内法制定をさけたのではないかと指摘しました。外相が一人で答弁し、運用だけで可能だとしました。

【衆議院国土交通委員会 同日】
 「宅地造成・盛土規制法案」(208閣法45号)と「それに対する維新対案」(208衆法18号。208衆法19号)。これに加えて、「政府原案に対する小宮山泰子さんらによる修正案」が提出されました。小宮山泰子さんら、立憲・共産・有志の会・れいわ4会派共同で、アセスメントや審議会の活用などが盛り込まれました。きょうにも採決との観測もありましたが、選挙区の渡辺周さんらが質疑し、散会しました。

【衆議院内閣委員会 同日】
 午後開かれ、道交法改正案(208閣法52号参先議)が趣旨説明されました。二之湯智国家公安委員長が読み間違えましたが、すぐに訂正しました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】
 重要広範議案の「薬機法改正案」(208閣法42号)と「それに対する立憲民主党対案」(208衆法16号・208衆法20号・208衆法21号)の質疑が続きました。

【衆議院経済産業委員会 同日】
 「省エネ法改正案」(208閣法43号)の法案審査1日目で、専門的な議員が質問しました。次回は15日(金)午後1時。

【衆議院農林水産委員会 同日】
 「農地改革関連2法案」(208閣法55号・208閣法56号)の参考人質疑。

衆議院環境委員会、衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会の理事懇談会が開かれ、今後の日程を協議しました。

【参議院地方創生及びデジタル社会の形成等に関する特別委員会 同日】
 「第12次地方分権一括法案」(208閣法51号参先議)を質疑し、全会一致で可決すべきだと決めました。

【参議院国民生活と経済に関する調査会】
 最終報告書に向けた自由討議がありました。芝博一会長(三重選挙区、今夏勇退)がどこかさみしそうでした。上述のNSCを法制化したときの特別委員会の理事が芝さんと福山哲郎さんで福山さんは京都選挙区(定数2)で再選を目指します。

【参議院情報監視審査会 同日】
 この審査会も芝さんが理事をした特別委員会で大枠が決まったものですが、シールドルームで開かれました。

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19日ぶり衆・委員会で古川禎久法相が階猛「改竄の疑い」認める、入管庁・名古屋ウィシュマさん衰弱死直前に「頭の中が電気工事をしているみたいに騒がしい。耳の奥で波の音がして聞こえづらい」

2022年04月13日 12時21分46秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]施設内で衰弱してきょねん3月3日亡くなったウィシュマ・サンダマリさんのご遺体、きょねん5月22日放送のTBS報道特集から、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の階猛筆頭理事がウィシュマさん死亡事案の報告書で、その衰弱死の直前に「頭の中が電気工事をしているみたいに騒がしい。耳の奥で波の音がして聞こえづらい。もう死んでもよい」と語ったとする記述について、ビデオでは「もう死んでもよい」との発言しか確認できないとして改竄の疑惑を追及したことをめぐりストップしていた衆議院法務委員会が19日ぶりに開かれ、会議の冒頭、古川禎久法相が発言をし、「そのような認識を生じさせる表現となっていることは理解できるところであり、真摯に受け止めたいと考えている」と語り、「今国会の会期中に補足説明の書面を提出したい」と述べました。

 階さんが指摘した不明朗な部分があることを、法相が認めた発言。

 この発言を受けて、きょう令和4年2022年4月13日(水)の衆議院法務委員会は正常化され、「オンラインの民事訴訟法改正案」(208閣法54号)の与党議員による初めての対政府質疑がありました。が、懲役刑・禁固刑を一本化する「刑法改正案」(208閣法57号など)の審議が今国会で間に合わない可能性が出てきました。さらに、ロシアによるウクライナ侵略でのウクライナ人避難民の「準難民」認定の法的根拠となる改正法案の作成の暗礁となりそうです。

 古川法相の発言は次の通り。

 「今般、名古屋局における死亡事案の調査報告書の令和3年3月3日の記載について、ウィシュマさんが自ら発言していない言葉を自ら発言したかの虚偽の記載があるのではないかとのご指摘があると承知しております。この点については、私自身も調査報告書の記載とビデオ映像の双方を確認しておりますが、そのうえで、調査報告書は客観的な資料に基づくものです。もっとも、当該記載がそのような認識を生じさせうる表現となっているとの指摘は理解できるところであり、真摯に受け止めたいと考えております。ついては今国会の会期中に調査報告書がこのような記載となった理由について整理し、委員長のお許しをいただいたうえで、入管庁から補足説明の書面を理事会に提出させたいと思います。また、国会へのビデオ映像の全面的な開示を求めるご意見があることを承知しており、法務省としてこれに応じることは困難であるとの見解をお示ししてきましたが、この点についても、改めて検討し、法務省としての考え方を整理して、今国会の会期中に理事会に書面を提出させたいと思います」。

 閉会中のきょねん12月24日に衆議院法務委員長室で理事と希望する委員がビデオを視聴。そして、3月23日に階筆頭理事や、共産党の本村伸子委員らが、ビデオと報告書を突き合せた結果だとして指摘し、記者会見していました。

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ロシア制裁2法案が先に審議入り、「子ども家庭庁」は来週火曜日以降に、きょねん12月に首相が高市さんに予算委で公約の「邦人輸送の自衛隊法」はあす成立

2022年04月12日 16時07分54秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 第208回通常国会は残り43営業日となりました。世代間格差が問題になっていますが、茨城のり子さんの詩「わたしが一番きれいだったとき 街々はがらがら崩れていって」「周りの人達がたくさん死んだ」「わたしはおしゃれのきっかけを落としてしまった」(岩波文庫版52ページ)のように、対ロシア経済制裁2法案の審議入りが優先され、子ども家庭庁の法案は来週火曜日以降に先送りされました。究極の世代間格差は戦争であることを国会が可視化しました。

【衆議院本会議 きょう令和4年2022年4月12日(火)】
 「地方公務員育児休業法などの改正法案」(208閣法11号)が全会一致で可決され、参議院に送られました
 「公認会計士法などの改正法案」(208閣法40号)が全会一致で可決され、参議院に送られました
 「教育職員免許法などの改正法案」(208閣法34号)が共産・れいわ反対、自公立維国有の賛成多数で可決し、参議院に送られました
 「令和2年度予備費使用総調書」は、一般会計部分は立共有れの反対、自公維国の賛成多数で承諾され、特別会計部分は全会一致で承諾され、参議院に送られました。きのうの当ニュースサイト記事で、一般会計部分は国民民主党が反対したと書きましたが、正しくは、国民民主党は一般会計部分も賛成しました。

 続いて、1週間前に持ち回り閣議で決定した「関税暫定措置法改正案」(208閣法59号)と「外国為替法改正案」(208閣法60号)が鈴木俊一財務大臣から趣旨説明され、岸田文雄首相らが答弁しました。野党議運理事は「重要広範議案扱い」としており、本会議で首相が答弁に立ちました。

 内容はともに「ロシア」の名指しはないものの、208閣法59号はWTOが求めた最恵国待遇を外す条件に「国際関係の緊急時」を挿入し、208閣法60号は「暗号資産」の定義を外為法に書き込む内容。

 代表質問では自民党でトヨタ自動車がある愛知11区選出の八木哲也さんが「ロシアによるウクライナ侵略は断じて容認できません。今もなお苦しむウクライナの方に寄り添って支援する」と政府を代弁し、首相も「一日も早い停戦のためには強固な経済制裁が必要だ」と応じました。

【衆議院財務金融委員会 同日】
 「関税暫定措置法改正案」(208閣法59号)と「外為法改正案」(208閣法60号)が衆・本散会直後に即時付託され、趣旨説明。あす9時から質疑。

●衆参の法務委員会はともにきょう火曜日が定例日ですが、開催されませんでした。

【参議院外交防衛委員会 同日】
 きょねん12月13日の衆議院予算委員会で首相が高市早苗政調会長に「公約」した、「自衛隊法第84条の4などの改正法案」(208閣法26号)が採決され、共産・沖縄の風が反対し、自公立国維が賛成して可決すべきだと決まりました。あす成立のはこび。

【参議院内閣委員会 同日】
 「道路交通法改正案」(208閣法52号参議院先議が採決され、共産反対、自公立国維賛成多数で可決すべきだと決まりました。田村智子さんは「電動キックボードを合法化する内容だが、海外では接触事故や駐車違反が問題となっており、業者の利益優先ではないか」と述べ反対しました。

【参議院国土交通委員会 同日】
 「自動車損害賠償保険法及び特別会計法改正案」(208閣法36号参先議が採決され、共反対、自公立国維賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【衆議院総務委員会 同日】
 「電波法及び放送法改正案」(208閣法18号)と「維新対案」(208衆法26号)が審議入りしました。次回は14日(木)。

【衆議院農林水産委員会 同日】
 「農地バンクを含む農業経営基盤強化法など改正法案」(208閣法55号)と「農村漁村活性化法改正案」(208閣法56号)の法案審査1巡目3時間コースがあり、農村振興局長らが答弁しました。次回は明日9時。

【参議院農林水産委員会 同日】
 午後開かれ、「みどりの食料システム法案」(208閣法32号)と「植物防疫法改正案」(208閣法33号)の法案審査1巡目与党のみ1時間コースがありました。19日(火)に参考人質疑をすることが決まりました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】
 「薬機法改正案」(208閣法42号)と「それに対する立憲民主党対案3案」(208衆法5号・208衆法20号・208衆法21号)の参考人質疑があり、梅田一郎・前ファイザー社長らが出席しました。次回はあす9時。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会 同日】
 「消契法など改正案」(208閣法41号)と「それに対する立憲対案」(208衆法7号)の参考人質疑があり「速やかに成立・施行すべきだ」との意見が出ました。次回は19日(火)9時。

【参議院厚生労働委員会 同日】
 既に先行して記事を書きましたが、「困難な問題を抱える女性の支援に関する法律案」(208参法 号参先議が起草され、全会一致で可決すべきだと決まりました。

 売春防止法の禁止規定・罰則規定はそのままにしつつ、第3章・第4章の「補導」「保護」を抜本的に改め、厚労省・市町村が「基本計画」をつくり「女性相談支援センター」「女性自立支援施設」を設ける法案。法務省の「婦人補導院」の廃止も盛り込まれました。再来年4月1日施行。

 さらに「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律案」(208参法 号参先議も起草され、全会一致で委員長が本会議に提出されることが決まりました。

 この質疑では、無風の参議院で久しぶりに「委員外質問」が許されました。れいわ新選組の舩後靖彦さんが「厚生労働委員会での質問の機会をいただき本当にありがとうございます」「とりわけご尽力いただいた野党筆頭理事の川田龍平先生に感謝します」と断ってから質問。舩後さんは「成立した場合、法律の具体的な例示を施行規則に書いたり、自治体へ想定問答集を提示したりしてほしい」と語り、内閣府は「必要な周知をはかってまいりたい」と答弁しました。

●今後の予定
 連休前に、金曜日の衆議院本会議はなさそうで、「金帰火来」ならぬ「木帰火来」も可能な「凪の国会」のようです。

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「売春防止法」66年ぶり転換、警察の「禁止」から厚労省・市町村「そのおそれのある女性の社会的福祉の支援」へ「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律案」全会一致で参議院委員会で起草

2022年04月12日 15時07分41秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 「売春防止法」(昭和31年法律118号)が制定66年経ったコロナ禍で、歴史的な転換点を迎えました。

 「売春防止法」は、有斐閣六法全書などで「刑事法」に分類され、「何人も、売春をし、又はその相手方となつてはならない」とし「六月以下の懲役又は一万円以下の罰金に処する」などとした、警察庁所管の内容を定めています。

 しかし、現行の刑事法の中で、売春防止法は罰則の後の条文が最も多く、「補導処分」「保護観察」が続きます。

 この「第3章 補導処分」と「第4章 保護観察」をすべて削除し、厚生労働省と地方自治体による「困難な問題を抱える女性への支援への支援に関する法律案」(208参法 号)が厚生労働委員会で起草され、全会一致で賛同を得ました。早ければ今月にも衆議院で可決・成立する見通し。施行は再来年4月1日になります。

 公明党の山本香苗参議院議員らがきょう(2022年4月12日)の参議院厚生労働委員会で起草案を朗読しました。

 山本さんは「現在居場所がなく家出した若年女性、性的搾取の被害者、家庭関係の破綻、生活に困窮する女性」に関して「売春防止法に基づく婦人保護事業がある」としました。「しかし、近年の複雑化で実態とかけ離れ、さらに新型コロナウイルス感染症の影響で支援が必要な女性が増えているとの現場の声がある」として、改革が必要だと強調。そのうえで「そのおそれのある女性に早期から切れ目なく社会的福祉が提供されるよう」に、厚労省や市町村が基本計画を立てて、女性相談支援センター、女性自立支援施設を整備するよう義務付ける法案だと説明。売春防止法の第3章・第4章を全削除し、第3章第17条に基づく法務省所管の「婦人補導院」も廃止するとしました。

 売春にいわば「虞犯女性」という概念が現行法規に入るのは、おそらく初めてと考えられます。

 父は昭和29年に初めて上京してから経済的に成功するなかで、よりどころとする地域社会を、古物営業法の監督官庁である、東京都・警視庁の防犯協力活動に求めました。この関係で私は生まれつき、必ず間に1人以上の人間を置いたうえで、東京の裏社会に詳しいのですが、売春防止法に関係する施設は、警察よりも保健所の権力が強い傾向があり、また経営権を所有する個人は超高齢女性で、郊外としての私の街に住んだり、貸しビルなどを経営したりしている傾向があります。このため、警視庁や国税庁も、保健所の顔色をうかがうという稀な権力関係になっています。警視庁は売春防止法ではなく風俗営業・適正化法に基づく日の出から午前0時までの営業時間の「日の出」規制が最大の取り締まりノルマとなる時期が長く、保健所の前には行けない現状。

 そして私たち古物商にとって一見客は経済的困窮者が多く、窃盗犯・経済犯のおそれのある者の背景に経済的困窮があることは、日々の生活の中で、火を見るよりも明らかです。このことを外で言うと、インテリから言葉で袋叩きにされて、私は早稲田政経卒の元新聞記者でありながらインテリを軽蔑する反知性主義者である下町の二代目社長という本来の地位に戻りました。

 また、ベトナム戦争終結後の、ベトナムのホーチミン市(旧・南ベトナム共和国サイゴン)の夜、母親が白いアオザイ姿の実娘を後部座席に乗せて売春を営業して回るバイクが大量にある光景に強い衝撃を得ました。さらに、私はベトナムでも集団監禁された経験があり、昼間に郊外の小屋で「彼女はシンガーだ」といういびつな英語表現ですすめられつつも当人の困惑の表情と、「姉だ」と名乗る似てない人に耐え切れず、全員に現金だけ渡して脱出したものの、顔を知られたことに恐れを感じたのか成人男性1人に都心部まで付け回されたこともあります。

 このように、犯罪の裏には経済的理由があり、お金の流れはとらえていると、かなり「虞犯人間」を「予防」「防犯」できるというのは経験的につかんでいました。つい最近もワクチン3回目接種まで時間が余ったという理由だけで所轄署の生活安全課防犯係にあいさつに行きましたが、桜田門に亡父や法人の名前を問い合わせたとたんに、おまわりさんの態度が良好になる経験もしました。


[写真]あまり役に立たなそうな外形的な印象の、警察庁・警視庁の浅草署吉原交番、テナントのため周辺の建物はすべて警察と無関係、東京・台東区で、宮崎信行撮影。

 「幼子1人を連れた女性」がたずねる吉原交番は頼りないけど、その周りには、住民票がない人が泊まれる「マンスリーマンション」があり、「福祉より風俗」だとみて取れます。

 しかし、コロナ禍でそもそも客が少ないので、吉原の問題ではない。今問題なのは、居場所がない若年女性の「非・管理売春」です。新宿警察署管内の歌舞伎町「トー横界隈」(現在は東宝がTOHOシネマコンプレックスを所有経営する東宝会館、以前の名称・経営者は「コマ劇」)。自主的に防犯活動をする若い男性は「体を売らない方がいい、一生カモられる」と、名前やアドレスの顕名による非・管理売春の危険性を説いています。私もまったくの一民間人として昼間にトー横界隈を歩き回る防犯活動をしましたが、それなりに効果があるようで、直後に買春グループの中心的な若者男(40歳代)が逮捕されました。

[写真]新宿警察署管内の「歌舞伎町トー横界隈」を頼まれもしないのに、勝手にパトロールする筆者、昨年末。

 映画「タクシー・ドライバー」のロバート・デニーロさながらのハードパワーの私ですが、「吉本の岡村さん」の予言の通り、コロナ禍は東京の第3次産業の女性に忍び寄ります。


[写真]コロナ禍としては初めて迎える1月3日(きょねん2021年)の午後9時半の東京・池袋で、「昼の仕事」を終えて帰る人の7割は女性。

 女性の第3次産業のメッカと言っていい「池袋」でも「昼の仕事」を終えて、9時半ごろに家路につくのが女性が多いのは一目瞭然。仕事を失えば「夜の仕事」かもしれません。

 コロナ禍で、私も含めて気づき、目覚めたことがあったのは、遅ればせながら良いことだし、経済的理由ということでは、コロナ禍はむしろこれからが本番だとの可能性を予見すべきです。

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「歳費法改正案」が起草され今週にも衆議院通過し月内成立「調査研究広報滞在費」に改称「文通費」

2022年04月12日 13時02分04秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 「歳費法改正案」(208衆法 号)があさってにも起草され、早ければ、その日の衆議院本会議にはかられ、可決し、今月内に参議院でも可決、成立する見通しとなりました。きょう(令和4年2022年4月12日)午後5時の政党間協議体で、実務者たちが自分の党に持ち帰っていた案に賛成を表明する見通し。

 きょねん11月の小野泰輔・日本維新の会衆議院議員の東京っ子らしい勇気ある告発から始まった、10月31日深夜当選なのに、100万円満額支給の文書通信交通滞在費問題。

 改正案では、「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」(昭和22年)の第9条「各議院の議長、副議長及び議員は、公の書類を発送し及び公の性質を有する通信をなす等のため、文書通信交通滞在費として月額百万円を受ける 」とあるのを、「各議員の議長、副議長及び議員は、調査研究・国民との交流・広報・滞在のため、調査研究広報滞在費として月額百万円を受ける」と改める見通し。

 また日割り規定を設けて、最短で、24日投開票の石川県区補選の当選者から提供したい見通し。

 私個人としては、十分な改正だと考えます。というのは、所得税課税・領収書添付となると、国税庁が見ることができるため、権力関係からして大問題。長年政治と深くかかわり、新進党解党以後の政党取材の着眼点や自ら東京23区の経営者一族の目線もあることから、例えば「あの産別議員が都連でなく県連に所属したそうですね」「そうだよ、だから県連の月会費5万円儲かった」と、聞いてもいないのに有力衆議院議員から政党の金の話になる私にとっても、「この部分の支出の原資は文通費の収入」というような話は一度も聞いた経験がありません。但し、やはり夏祭りを回って、屋台のフランクフルトを買うときに「領収書ください」というわけにもいかないし、フランクフルトを立って食べていて知り合いの有権者から話しかけられれば、十分「調査研究・国民との交流」と言えるでしょう。

 基本的には、こういうのを、国会議員と議員宿舎で同居の配偶者・扶養親族が黙っていようという空気が私は一番嫌です。22歳過ぎたら経済的に自立しろと言いたい。あと、初当選した議員に現金を置く衆議院事務局の姿勢もどうかと思います。日本維新の会の非国会議員・松井一郎代表を小ばかにする既存政党の関係者も第26回参議院議員通常選挙を前にして、いったんニュートラルな頭になるため深呼吸して、自分を見直してほしいところです。

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谷田川元に山村新治郎魂が乗り移る「アメリカではアズ・ア・タックスペイヤーで機密解除」令和2年度予備費は「ワクチン高い」「布製マスク反対」と野党反対

2022年04月11日 18時21分28秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[画像]衆議院決算行政監視委員会で、コロナ予備費を質問する、立憲民主党の谷田川元さん、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 今週の永田町は、追加経済対策の来週金曜日の決定に向けた自民党内のとりまとめで、茂木敏充幹事長と高市早苗政調会長の「茂苗戦争」が佳境に。

 コロナ禍の令和2年度予備費使用総調書の承諾案件では、立憲民主党がまとまった内容の質問をして、一般会計分は「布マスク」を問題視して反対しました。

【衆議院決算行政監視委員会 きょう令和4年2022年4月11日(月)】

 「令和2年度予備費使用総調書の承諾案」が審議されました。採決では、一般会計(当初と補正)の予備費使用総調書は立憲などが「ワクチン購入の情報非開示」「布マスク」を問題視し、立国共れ反対、自公維賛成で承諾すべきだとなりました。特別会計分は「雇用調整助成金は妥当だ」として、全会一致で承諾すべきだと決まりました。本会議に上程。参議院決算委員会へ送られます。

 質疑では、立憲民主党の谷田川元さん(千葉10区比例、59歳、3期)がまとまった質問をしました。谷田川さんは「今から30年前(松下政経塾からの派遣で)アメリカの議員の下で働いていたが、毎日200枚から300枚の手紙が来て、この予算どうなっているのか、納税者として文句を言いたい。アズ・ア・タックスペイヤーが決まり文句だった」とし、ときに軍事機密の情報不開示の指定解除を求めて返事の手紙を書くこともあったとしました。

 谷田川さんは、現在の厚生労働省健康局長がワクチン購入の交渉に参加していたとし、単価を言うよう迫りました。健康局長は「守秘義務があり、単価は明かせない」としましたが、谷田川さんはユニセフのホームページに各国の状況が載っているとしました。

 谷田川さんは、令和2年度8月豪雨での予備費の使い方について質問。防衛相は、即応予備自衛官のうち招集に応じた「充足率」は7割、予備自衛官は5割だったと明かし、自衛官の経験がなくても、予備自衛官から即応予備自衛官に上がれる制度をつくったとしました。

 議事では、中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬の経費の一部9634万円について、日本維新の会の議員が取り上げ官房長官は当時に記者会見で述べた通り妥当だとしました。

●谷田川元さんは千葉10区で善戦し通算3選

 谷田川さんは千葉10区で惜敗。千葉に限ると、選挙区のナンバーがあがると自民党保守王国になる傾向がありますが、千葉10区は前哨戦で、二階俊博幹事長の通訳とされ二回の入閣経験がある林幹雄さん(現在75歳)が早めに引退して息子の県議に譲ろうとしたところ、後援会長は「先生は、息子の行動を知っているのか」と探偵事務所に頼んだ行動報告書を突きつけられて、不倫ではないかとの疑念を払しょくできない行為が発覚。林さんが続けないといけない状況となりビハインドとなりましたが、最後は見えない力が働き辛勝し、谷田川さんは比例上位で3度目の当選となりました。きょねん10月当時、けっこういい加減な認識でもっともらしい分析を発表する人が多いものだとあきれていました。

 谷田川さんは、日本の親・北朝鮮勢力による「よど号ハイジャック事件」で、ソウルから平壌まで人質となった山村新治郎さんの元秘書で、遠い親戚だそうで、魂が乗り移っているとされています。民主党政権時代は、政権交代チルドレンが日本医師会長から拝聴する会合を設定したところ、まったくサプライズで、鳩山由紀夫前首相が現れたので、慌てて店を飛び出し、赤坂の路上を疾走するさまをテレビに取られたことで、菅直人・野田佳彦首相の信頼があつくなったとされています。千葉11区・千葉12区は無理でも千葉10区ならば野党が一本化すれば再度勝つことができるというコンセンサスが醸成されたんだろうと考えます。次回は18日(月)9時。

【衆議院北朝鮮による拉致問題に関する特別委員会 同日】
 3大臣(拉致、外務、国家公安)所信に対する一般質疑2時間半コースが開かれました。ここ数年では早い時期に開催されました。

【参議院決算委員会 同日】
 「令和2年度決算承認案」の4日目で省庁別審査3日目。財・経・金など。次回は18日(月)午後1時。

【参議院行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 同日】
 きょねんは公明党の小委員長でしたが、参院選に向けて連携したようで、自民党の北村経夫さんが小委員長となり就任のあいさつをしました。

 質疑では、沖縄の風の伊波洋一さんが、正職員と会計年度任用職員が半々の自治体もあるとし、法制化は評価しつつも、自治体が自ら官製ワープアをつくり、とくに女性の貧困につながっていることを「見て見ぬふりをしている」とし、総務省や公務員部長を批判しました。

 行政監視委員会ですので、「張り付き大臣」ならぬ「張り付き局長」の清水正博・総務省行政評価局長が答弁しました。この人は、福岡県出身で早稲田政経卒で昭和63年総理府採用。私が日経新聞官邸記者クラブ在籍中に、官邸事務所長付き秘書専門官をしていたようです。そのセクションにキャリア官僚がいるとは知りませんでした。その後、兼任として内閣官房内閣広報官室を兼ねて、橋本行革直前に総務庁・総務省に移ったようです。それで局長まで出世したことになります。総理府で採用して10年ほど経ってから、内閣官房に移籍させるというのは前世紀では官邸職員のキャリアパスでした。

●あすあさっての予定
 あさっての衆議院外務委員会では岡田克也さんも質問しました。あすの衆議院本会議は、子ども庁はさらに先送りされ、ロシア経済制裁2法案が先に審議入りします。国対のシナリオが大きく崩れながらも凪の国会という異例のパターンとなっています。

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「教員免許更新制廃止」の法案が衆議院委員会通過、改正博物館法・改正貿易保険法が参議院本会議で可決し、成立

2022年04月08日 18時35分31秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 ●衆議院法務委員会はきょうも開かれず。2週間開かれず。全面的なオンライン化を盛り込んだ「民事訴訟法改正案」(208閣法42号)の審議が止まっています。

【参議院本会議 きょう令和4年2022年4月8日(金)】

 まず意欲的な法案「みどりの食料システム法案」(208閣法32号)が金子原二郎農相から趣旨説明されました。おそらく国対戦術もあり、文科相、経産相らも呼ばれて答弁しました。法案は衆議院では全会一致で送られています。

 採決。「改正博物館法」(208閣法31号)は起立採決の結果、過半数が賛成して可決し、成立しました

 「農林水産物及び食品輸出促進法案」(208閣法53号参議院先議は、全会一致で可決し、衆議院へ送られました

 「改正貿易保険法」(208閣法28号)は共産党が反対し、自公立国維などが賛成して可決し、成立しました

 山東昭子議長が自らはかり、「参議院常任委員会合同審査会規定」の改定が発案され、全会一致で改定されました。議事録の配布をペーパレス化するものと思われます。

【衆議院文部科学委員会 同日】
 「教育職員免許法など改正案」(208閣法34号)。質疑の後、立憲民主党の牧義夫さんと共産党の宮本岳志さんが各々別々に「教員免許更新制廃止は賛成するが、研修の新設はいただけない」という趣旨の修正案を提出。採決では、各々の賛成だけで否決されました。政府原案は共が反対し、自公立維国などの賛成多数で可決すべきだと決まりました。

【衆議院財務金融委員会 同日】
 「公認会計士法及び金融商品取引法改正案」(208閣法40号)の法案審査1巡目。3時間の審議だけで終局。討論なく採決され、全会一致で可決すべきだと決まりました。

【衆議院内閣委員会 同日】
 一般質疑のみ。

【衆議院厚生労働委員会 同日】
 「薬機法改正案」(208閣法42号)と「それに対する立憲民主党対案」(208衆法5号・208衆法20号・208衆法21号)の法案審査2日目が4時間20分コースがありました。コロナ禍ではきょう東京は前週比で再び増えだしました。

【衆議院経済産業委員会 同日】
 「省エネ法改正案」(208閣法43号)の趣旨説明がありました。首相が昨夜、初めての石油備蓄の放出を発表しました。

【衆議院国土交通委員会 同日】
 「宅地造成・盛土規制法案」(208閣法45号)と「これに対する日本維新の会の対案」(208衆法18号・208衆法19号)の参考人質疑が比較的短時間で行われました。

●来週の予定
 今週火曜日の持ち回り閣議で決定したロシア経済制裁2法案「関税暫定措置法改正案」(208閣法59号)「外為法改正案」(208閣法60号)を4月12日(火)の衆議院本会議で趣旨説明を聞くことが決まりました。「経済安保国会」「子ども家庭庁国会」ではなく、「ウクライナ国会」の様相です。

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野党過去官僚が気を吐く、小沼巧さん「平成11年から法律間違っていたのを隠して改正しようとしている」指摘し与党委員長も激怒、有志の会本会議で「温対法」一会派だけ反対

2022年04月07日 17時27分51秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[写真]霞が関で、陽炎の中、青信号に向かって歩く人たち、おととし8月上旬、宮崎信行撮影。

 「経済安全保障法案」(208閣法37号)が衆議院を通過。米筋によると、露軍がウクライナの首都キーウ(キエフ)から撤退しているという情報もあります。石川県区補選の出陣式には茂木敏充幹事長が行きました。

 立憲民主党が55年体制の社会党化しているとの批判があります。まったく違う点があります。東大法学部などの大学から新卒で、人事院の国家公務員1首相の法律職などの試験に合格した官僚が、野党の議員をやっています。労働省出身の女性官僚が社会党の比例代表にいたり、非東大の農林官僚の社会党議員・大蔵官僚の民社党議員が複数人区選出で数人いただけです。過去官僚が野党議員をしているのは明治維新後最多の良い時代を過ごしています。

【参議院農林水産委員会 きょう令和4年2022年4月7日(木)】
 「農林水産物及び食品の輸出促進法改正案」(208閣法53号参先議の法案審査。1巡のみで質疑終局。採決され、全会一致で可決すべきだと決まりました。

 茨城県区2人区で立憲民主党公認で初当選した、元経産官僚・小沼巧さんが気を吐きました。小沼さんは改正法案(改め文)の中に、現行JAS法69条第1項第3号の「指定農林物質」を、今回の改正で「指定農林物資」に改める内容が含まれていると指摘。現行JAS法第2条は「この法律において農林物資とは」という定義規定があると指摘。農林水産省は2条の「農林物資」を69条で「物質」と書き間違え、平成11年から誤った状態が続いていたことを明らかにしました。大臣は「深くお詫びします」と語りました。

 小沼さんは「なぜ今まで気づかなかったのか」と語りました。小沼さんは長谷川岳委員長に善処策を理事会で協議するよう求めました。

 会議中に長谷川岳委員長が発言。「条文の誤りと大臣の謝罪があったが、委員会は各会派との信頼関係でなりたっているため、謝りがあった場合は委員会に報告するなど誠実な対応をとることを農林水産省に厳しく申し上げます」と発言しました。与党委員長が省に「厳しく申し上げます」と語るのは異例。

【衆議院本会議 同日】
 「経済安全保障法案」(208閣法37号)と「それに対する維新対案」(208衆法10号)が上程されました。立憲民主党は本庄知史さんが賛成討論をしました。採決の結果、208衆法10号は維新の賛成のみにとどまり否決され、廃案となりました。208閣法37号は、共れ反対、自公立維国有の賛成多数で可決し、参議院に送られました

 「地球温暖化対策推進法改正案」(208閣法28号)も上程。環境委員会では全会一致でした。きょうの本会議では賛成多数で可決し、参議院に送られました。有志の会が反対に回りました。有志の会の所属議員は吉良州司・北神圭朗・福島伸享・緒方林太郎・仁木博文の5名でうち3名は過去官僚(北神大蔵・福島経産・緒方外務)。今回の反対はおそらく株式会社の官民ファンド設立に関してと思われますが、前回の改正法は今月1日に施行したばかりで、パリ協定を国内法にしてまだ1週間という段階です。首相も代わり急ぐべき時期ではなく、上述のJAS法の細かいミスも起こりかねません。

 「旅券法改正案」(208閣法29号)と「東日本大震災に係る旅券発給特例法廃止法案」(208閣法30号)全会一致で可決し、参議院に送られました

 「衆議院規則などの改正規則案」が議運委員長から趣旨弁明され、次の第209回国会召集日から、各議員への官報配布をやめ、会議録もペーパレス化できるとする規定が全会一致で可決し、改正されました。

 この後、趣旨説明と代表質問がありました。「電波法及び放送法改正案」(208閣法18号)が総務大臣から、「情報通信行政の改革の推進に関する法律案」(208衆法26号)が中司宏・日本維新の会衆議院議員から趣旨説明されました。208閣法18号は前回の解散で完全廃案になった2法案の1つである、NHK中間法人の設立が束ねて盛り込まれました。

 維新は質疑答弁の演説で、新聞社と放送局は資本系列化されたクロスオーナーシップをとっており、NHKの年間収入8000億円から分かる通り、民放の電波使用料ももっと価値があるとみられ、電波オークションなどをとるべきだと主張しました。

【衆議院憲法審査会 同日】
 今回は大きな進展はありませんでした。まず会長が「前回は時間切れで質問したいのにできなかった議員がいたので、まず自由に発言してもらいたい」とし、自民党の4期の山田賢司さんが発言。この後、立憲民主党の中川正春さんはウクライナ憲法の緊急事態条項が話題になっていることを念頭に「ロシアのプーチンを見て、我が日本でも権力者・為政者の暴走を止めるしくみが必要。緊急事態条項を議論したいならば、権力行使の限界と運用プロセスを定めることを共通した基本理念としたい」と語りました。中川さんは付け加えて「改正国民投票票のCM規制の附則も議論すべきだ」と付け加えました。

 この後、各会派1名ずつの発言の中で、立憲民主党の奥野総一郎筆頭幹事が、議員傍聴席から安倍晋三元首相がヤジを飛ばしたと発言し、自民党の新藤義孝筆頭幹事が「元総理であっても、どの議員も発言は自由だ」とたしなめる波乱もありました。ひょとすると、会期中に改憲発議案がまとまることも念頭においていいのかもしれません。

【衆議院原子力問題特別委員会 同日】
 立憲民主党の菅直人さんが元総理としては異例の理事をつとめていましたが、野間健さんに交代しました。この後の質疑でも、菅さんが登場しました。

【衆議院消費者問題に関する特別委員会 同日】
 「消費者契約法など改正案」(208閣法41号)と「立憲対案」(208衆法7号)の法案審査1日目3時間コース。柚木道義さんは、自公で議員立法の作業が始まったAVアダルトビデオ18歳強要について、監督官庁をつくるべきだとし、内閣府男女共同参画局長も前向きに答弁しました。次回は12日(火)10時から参考人質疑。

【衆議院総務委員会 同日】
 「地方公務員育児休業法など改正案」(208閣法11号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。次回は12日(火)9時。

【参議院内閣委員会 同日】
 二之湯智国家公安委員長が「道路交通法改正案」(208閣法52号参先議を趣旨説明しました。この法案には特区法改正案が審議未了で廃案になったことによる人間が乗車しない自動運転特区の規定も盛り込まれています。

【参議院文教科学委員会 同日】
 「博物館法改正案」(208閣法31号)。質疑の後、れいわの舩後靖彦さんが反対討論をしました。採決の結果、れ反対、自公立国維共賛成多数で可決すべきだと決まりました。筆者が法人の立場で会員となっているいわゆる竜門社こと公益財団法人渋沢栄一記念財団は渋沢史料館を運営していますが、今次改正で、国立だけでなく、都道府県教育委員会の指導のもと私立博物館の活躍の余地が広がることから、渋沢史料館のデジタルアーカイブ化事業を既に始めました。再開された上野の国立西洋美術館をリアルで見てから渋沢史料館にはしごしたら日が暮れてしまったら、全国どこからでもリモートで。ちなみに、きょうの審議の附帯決議では、「私立博物館は過度に利益を求めないこと」が念押しされました。

【参議院経済産業委員会 同日】
 「貿易保険法改正案」(208閣法28号)は賛成多数で可決すべきだと決まりました。あす成立。反対した共産党の岩渕友さんは「貿易保険の利用割合は諸外国よりも高く、大企業が負うべきリスクを全国民に負わせている」と述べました。

【参議院国土交通委員会 同日】
 「自動車損害賠償保障法及び特別会計法改正案」(208閣法36号参先議)の参考人質疑。

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岡田克也「政府を信頼していない」大石あきこ「総理なんでやねん」小西洋之「オンラインは波動で伝わらない」梅村みずほ「紙の良さもある」

2022年04月06日 18時43分09秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
 きょうは、「板垣死すとも自由は死せず」に勝るとも劣らじ名言が野党議員から連発されました。

 「経済安全保障法案」(208閣法37号)が共れ反対、自公立維国と有志の会の賛成多数で衆議院内閣委員会の審議を終えました。

【衆議院内閣委員会 きょう令和4年2022年4月6日(水)】
 「経済安全保障法案」(208閣法37号)と「維新対案」(208衆法10号)が議題。政府案に対する立憲修正案がけさ提出されました。

 重要広範議案ですので、総理入り質疑がありました。立憲民主党は岡田克也さんが登場し、「法案は抽象的なところが残っていて、政令や閣議決定で国会以外で決められる。私はそんなに政府の活動を信頼していない。立憲の修正案のように国会報告を入れたらどうか」と語りました。

 れいわ新選組の大石あきこさんは「総理、なんでやねん」とし「今国会で最重要法案とされている。まだ分からないんですか」とコロナ禍での給付金などを優先するよう求めました。大石さんは質疑の中で「全方位外交」という冷戦終結後の日本外交では使わない言葉も使いました。

 討論では有志の会の緒方林太郎さんが「法案には賛成したいが、政府の淡々とした答弁を聞いていて、情熱を持って賛成できない」と述べました。

 採決の結果、まず「208衆法10号」は維新しか賛成せず否決すべきだと本会議に報告することが決まりました。政府原案は、共れ反対、自公立維国有賛成多数で可決すべきだと決まりました。

 筆者としては両親の戦後上京から2019年夏まで長きにわたり工作機械販売会社を経営してきたことから「東芝機械ココム違反事件」という大事件があったワッセナー協定に基づく外為法・輸出管理令の経産省の規制がまったくいい加減な締め付けだということを知っていたので、外為法改正規定が何らかの力が働き原案で全部落ちたことで、もはや利害関係はありませんが、恩返しできたかと思います。

 ところで、第一委員室で開かれた総理入り質疑は開始が13分遅れました。この間、岸田さんは第二委員室で待機したようです。衆議院の警務部などは柔軟な対応がお手の物ですが、普段とは違う動きで、総理、秘書官、警護官らは戸惑ったかもしれません。

【参議院憲法審査会 同日】
 赤坂幸一九大教授らの参考人質疑があり、参議院でもオンライン国会の審議がありました。この中で、わずか100日で改選を迎える小西洋之さんが「私は12年国会議員をやっているが、五感を持って全身全霊で審議する。波動でもって同僚議員の心を動かすのが議員活動だ」と独自の思いが伝わる主張をしました。小西さんに先立ち元栄太一郎さんも発言しました。

【参議院決算委員会 同日】
 「令和2年度決算承認案」は3日目で省庁別審査2日目。総務省、環境省など。

 維新の梅村みずほさんは「今週からこの委員会でもデジタルデバイスの持ち込みが認められた」としつつも「使って分かる紙の良さがあるので、それをお伝えしたい」。梅村さんは「きのうの農林水産委員会にパソコン1台だけでのぞんだところ、気づかずにエンターキーを押し続けて5ページが178ページに膨らんでしまった。チャレンジして分かるものがある。なので、きょうは紙の原稿を持ち、デジタルデバイスもあわせて持ち込んだ」としました。

 筆者個人の地元は区役所の所在地が「王子本町一丁目」で、渋沢栄一が「王子製紙」を創業した洋紙発祥の地。紙工業のまさに「メッカ」で軽工業なので80歳でも働けます。お詫び案件用の超高額菓子の「進物函」は高利益、「NHKの語学用雑誌とCDのパッケージ」は世界最高水準、「段ボール板紙」は世界的な成長産業。一方、日本製紙の「新聞ロール紙」が需要減で苫小牧の工場はおととし閉鎖され300人が職を失いました。私は何の利害関係もありませんが、言われれば私の言う通りだと分かるはずなのに、「ペーパーレスで生産性を上げる」という理論は破綻している。そのことを頭の片隅に入れていただきたい。

 第一委員室開催ながら委員は30名で塩村あやかさんが今日も質問しましたが、AVアダルトビデオ出演強要18歳取り消しに関する質問はありませんでした。最後に会計検査院長からの報告がありました。次回は11日(月)午後1時。

●衆議院法務委員会はきょうが定例日ですが開催されませんでした。ちなみに、参議院法務委員会は次回は来週木曜日4月14日(木)午前10時で与野党が合意しています。「オンライン民事訴訟」と「懲役刑・禁固刑廃止の刑法」が間に合うのでしょうか。

【衆議院外務委員会 同日】
 林外相がポーランドから帰国。この後、ブリュッセルに向かいます。きょうの委員会では、冒頭に城内実委員長が発言しました。「林大臣の負担を軽減するため、野党から4月6日の委員会は中止してよいと提案があり、与党も歓迎しました。しかし、政府から当初予定通り行いたいとの意向がありました」とし、政府が林大臣の帰国による答弁を求めたものだとしました。

 この後、林大臣からポーランドの報告で短い発言。

 「旅券法改正案」(208閣法29号)と「東日本大震災に係る旅券発給特例法を廃止法案」(208閣法30号)を各々採決し、ともに全会一致で可決すべきだと決まりました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】
 重要広範議案3本目、「薬機法改正案」(208閣法42号)と「それに対する立憲対案3本」(208衆法5号・208衆法20号・208衆法21号)の法案審査1日目がありました。5時間コース。次回は8日(金)9時。

【衆議院文部科学委員会 同日】
 「教員免許更新制の廃止の改正案」(208閣法34号)の法案審査1日目。

【衆議院農林水産委員会 同日】
 一般質疑の中で後藤祐一さんが特定生産緑地の指定の意向が「未定・未確認」の7%弱の人について問い、政府は、生産緑地法が失効した後に、宅地から特定生産緑地になることは可能だという初めての答弁をしました。

 「農地バンクなど農業経営基盤強化法改正案」(208閣法55号)と「農村漁村活性化法改正案」(208閣法56号)が趣旨説明されました。農地国会の様相です。

【衆議院国土交通委員会 同日】
 「宅地造成・特定盛土規制法案」(208閣法45号)と「それに対する維新対案2案」(208衆法18号・208衆法19号)。中根一幸委員長がおととい静岡・熱海を視察したと報告しました。法案審査3時間。次回は8日(金)9時で、参考人質疑。

【衆議院経済産業委員会 同日】
 一般質疑。

【参議院本会議 同日】
 午前中公開した記事の通りですが、きょうの山東昭子議長はウクライナ・ルックではありませんでした。

 「改正一般職給与法」(208閣法7号)は共れ反対、自公立国維賛成多数で可決し、成立しました。
 「改正特別職給与法」(208閣法8号)と「改正国家公務員育休法」(208閣法9号)は全会一致で可決し、成立しました。
 「改正防衛省自衛隊給与法」(208閣法16号)は維共れ反対、自公立国賛成多数で可決し成立しました。
 「改正歳費法」(208衆法13号)はれいわが反対して過半数で可決し、成立しました。
 「改正秘書給与法」(208衆法14号)は共れが反対し、過半数で可決し、成立しました。
 「改正国会職員育休法」(208衆法15号)は全会一致で可決し、成立しました。これだけで散会しました。

【参議院国際経済・外交に関する調査会 同日】
【参議院資源エネルギーに関する調査会 同日】
 開かれました。

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