【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

谷田川元に山村新治郎魂が乗り移る「アメリカではアズ・ア・タックスペイヤーで機密解除」令和2年度予備費は「ワクチン高い」「布製マスク反対」と野党反対

2022年04月11日 18時21分28秒 | 第208回通常国会 令和4年2022年1月
[画像]衆議院決算行政監視委員会で、コロナ予備費を質問する、立憲民主党の谷田川元さん、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 今週の永田町は、追加経済対策の来週金曜日の決定に向けた自民党内のとりまとめで、茂木敏充幹事長と高市早苗政調会長の「茂苗戦争」が佳境に。

 コロナ禍の令和2年度予備費使用総調書の承諾案件では、立憲民主党がまとまった内容の質問をして、一般会計分は「布マスク」を問題視して反対しました。

【衆議院決算行政監視委員会 きょう令和4年2022年4月11日(月)】

 「令和2年度予備費使用総調書の承諾案」が審議されました。採決では、一般会計(当初と補正)の予備費使用総調書は立憲などが「ワクチン購入の情報非開示」「布マスク」を問題視し、立国共れ反対、自公維賛成で承諾すべきだとなりました。特別会計分は「雇用調整助成金は妥当だ」として、全会一致で承諾すべきだと決まりました。本会議に上程。参議院決算委員会へ送られます。

 質疑では、立憲民主党の谷田川元さん(千葉10区比例、59歳、3期)がまとまった質問をしました。谷田川さんは「今から30年前(松下政経塾からの派遣で)アメリカの議員の下で働いていたが、毎日200枚から300枚の手紙が来て、この予算どうなっているのか、納税者として文句を言いたい。アズ・ア・タックスペイヤーが決まり文句だった」とし、ときに軍事機密の情報不開示の指定解除を求めて返事の手紙を書くこともあったとしました。

 谷田川さんは、現在の厚生労働省健康局長がワクチン購入の交渉に参加していたとし、単価を言うよう迫りました。健康局長は「守秘義務があり、単価は明かせない」としましたが、谷田川さんはユニセフのホームページに各国の状況が載っているとしました。

 谷田川さんは、令和2年度8月豪雨での予備費の使い方について質問。防衛相は、即応予備自衛官のうち招集に応じた「充足率」は7割、予備自衛官は5割だったと明かし、自衛官の経験がなくても、予備自衛官から即応予備自衛官に上がれる制度をつくったとしました。

 議事では、中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬の経費の一部9634万円について、日本維新の会の議員が取り上げ官房長官は当時に記者会見で述べた通り妥当だとしました。

●谷田川元さんは千葉10区で善戦し通算3選

 谷田川さんは千葉10区で惜敗。千葉に限ると、選挙区のナンバーがあがると自民党保守王国になる傾向がありますが、千葉10区は前哨戦で、二階俊博幹事長の通訳とされ二回の入閣経験がある林幹雄さん(現在75歳)が早めに引退して息子の県議に譲ろうとしたところ、後援会長は「先生は、息子の行動を知っているのか」と探偵事務所に頼んだ行動報告書を突きつけられて、不倫ではないかとの疑念を払しょくできない行為が発覚。林さんが続けないといけない状況となりビハインドとなりましたが、最後は見えない力が働き辛勝し、谷田川さんは比例上位で3度目の当選となりました。きょねん10月当時、けっこういい加減な認識でもっともらしい分析を発表する人が多いものだとあきれていました。

 谷田川さんは、日本の親・北朝鮮勢力による「よど号ハイジャック事件」で、ソウルから平壌まで人質となった山村新治郎さんの元秘書で、遠い親戚だそうで、魂が乗り移っているとされています。民主党政権時代は、政権交代チルドレンが日本医師会長から拝聴する会合を設定したところ、まったくサプライズで、鳩山由紀夫前首相が現れたので、慌てて店を飛び出し、赤坂の路上を疾走するさまをテレビに取られたことで、菅直人・野田佳彦首相の信頼があつくなったとされています。千葉11区・千葉12区は無理でも千葉10区ならば野党が一本化すれば再度勝つことができるというコンセンサスが醸成されたんだろうと考えます。次回は18日(月)9時。

【衆議院北朝鮮による拉致問題に関する特別委員会 同日】
 3大臣(拉致、外務、国家公安)所信に対する一般質疑2時間半コースが開かれました。ここ数年では早い時期に開催されました。

【参議院決算委員会 同日】
 「令和2年度決算承認案」の4日目で省庁別審査3日目。財・経・金など。次回は18日(月)午後1時。

【参議院行政監視委員会国と地方の行政の役割分担に関する小委員会 同日】
 きょねんは公明党の小委員長でしたが、参院選に向けて連携したようで、自民党の北村経夫さんが小委員長となり就任のあいさつをしました。

 質疑では、沖縄の風の伊波洋一さんが、正職員と会計年度任用職員が半々の自治体もあるとし、法制化は評価しつつも、自治体が自ら官製ワープアをつくり、とくに女性の貧困につながっていることを「見て見ぬふりをしている」とし、総務省や公務員部長を批判しました。

 行政監視委員会ですので、「張り付き大臣」ならぬ「張り付き局長」の清水正博・総務省行政評価局長が答弁しました。この人は、福岡県出身で早稲田政経卒で昭和63年総理府採用。私が日経新聞官邸記者クラブ在籍中に、官邸事務所長付き秘書専門官をしていたようです。そのセクションにキャリア官僚がいるとは知りませんでした。その後、兼任として内閣官房内閣広報官室を兼ねて、橋本行革直前に総務庁・総務省に移ったようです。それで局長まで出世したことになります。総理府で採用して10年ほど経ってから、内閣官房に移籍させるというのは前世紀では官邸職員のキャリアパスでした。

●あすあさっての予定
 あさっての衆議院外務委員会では岡田克也さんも質問しました。あすの衆議院本会議は、子ども庁はさらに先送りされ、ロシア経済制裁2法案が先に審議入りします。国対のシナリオが大きく崩れながらも凪の国会という異例のパターンとなっています。

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