こっちゃんポイント ★★★
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凄惨な戦場で写真を撮影するうちに、自分の中に眠っていた野獣の血を目覚めさせられた通信社の元カメラマン・伊達邦彦。管理された現代社会で従順に生きる人々を"ドブネズミ"とあざ笑う彼は、仲間に引き入れた真田と共に冷徹な完全犯罪を成し遂げていく…。
(NTT-X store解説より抜粋)
「その男の胸にピストル! ピストルがあるのよぉーッ!」
そう言えば最近、”ピストル”って言い方あまり聞かない。やっぱ”拳銃”だよね。
25年以上も前の映画を観ると色んな発見があって面白いものです。
特に邦画は。
ナイフで人をさせば「ズブッ!」、パンチは「バシッ!」、銃を打てば「バキューン!」
まるで三文漫画から飛び出してきそうな、そんな分かり易い効果音もまた楽し。
この映画を観て、
「鹿賀丈史のアフロヘアーっておもしれー!」とか、「風間杜夫、小さすぎない?」とか、
「小林麻美って今トシいくつだ?」とか、「岩城滉一、髪黒い!」とか、
「泉谷しげる、昔と今 いったいドコが変わったんだ?」
などと、そっちの方に気を取られちゃったら大失敗。
これは松田優作という俳優を見る映画。
彼がこの役を演じるためだけに体重を8kg落とし、奥歯を4本も抜いたというのは
あまりに有名な話。
痩せこけた頬にイッテる目。
大音量でクラッシックのレコードをかけ、ソファで自分のコメカミに銃身を当てる優作。
一分超のこのシーンを、彼は瞬きすることなく演じ切る。
あまりに印象的なシーンです。
観てるこちらだって、つられて瞬きが出来なくなるほどの名演技。
「松田優作という俳優は、スクリーンの中では永久に死なない。」
そう思える名場面でもありました。
映画的にピークを迎えるのは電車の中。
ただし、それ以降はもう意味が良く分からなくなってきて・・・。┐(´へ`)┌
『怖いのか?無理もない。だけどそれでいいんだよ。
それはね、 「ひと」一人を殺したからじゃないんだ。
君自身が、「ひと」を殺すことに快感を覚え始めた自分に戸惑ってるだけなんだ。
そうだろ?
何も心配することはない。ぼくも最初はそうだった。
不安は直き消えます。だって、君はいま確実に美しいんだもの。
それは悪魔さえも否定できない事実。
君はいま”確実に美しい”。 それは神さえも超越している!』
彼の口を突いて出る数々の印象的なセリフに、
ところどころ ”優作主演の新劇舞台”を観ているような気分にもなりました。
【DVD】野獣死すべし(松田優作版) 【監督】村川透 【主演】松田優作