こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

ホテル・ルワンダ (2004)

2006年11月06日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 122分
製作国 イギリス/イタリア/南アフリカ
公開情報 劇場公開 (メディア・スーツ=インターフィルム)
初公開年月 2006/01/14
ジャンル ドラマ/サスペンス/戦争

1994年、アフリカのルワンダ。そこでは長年続いていた民族間の争いがついに大虐殺にまで発展し、100日で100万人もの罪なき人々が惨殺されていた。世界中が黙殺したこの悲劇のなかで、ひとりのホテルマンが、殺される運命にあった1200人の命を救う。後に"アフリカのシンドラー"と呼ばれるようになった彼の名は、ポール・ルセサバギナ(ドン・チードル)。ルワンダにある高級ホテルの支配人を勤めていたポールは、行き場のない人々をホテルにかくまい、ホテルマンとして培った話術と機転を駆使して、彼らの命をたったひとりで守り抜く…。

(NTT-X store解説より抜粋)

同じ肌の色、同じ目の色の人の間で、大量虐殺があったという事実。
肌を切り裂けば、当然同じ色の血が流れる。

ポール・ルセサバギナ。

『愛する家族を守りたい』という強い思いから、1200人もの命を救った一人のホテル・マン。
彼の姿を通して、この映画はそこにあった恐怖を生々しく描きだす。

ネクタイが結べない・・・。
ドン・チードルのこのシーンだけで、どれだけ深いか。

家を焼かれ、殺戮から逃れ、絶望することすらできず、ただ身を寄せ合う難民たち。
そして、そんな人たちをかくまう彼もまた弱い。
彼はこの狂気の中、”人間”であることを決して忘れなかったひとりに過ぎなかったのでしょう。

この映画を観て泣きました。

しかし泣くことができるのは、今自分が生きているからこそ。
もし自分がこの場にいるような運命を持ち合わせていたならば、
泣くことすら出来ず、ゴキブリのように殺されていたのかもしれない。

殺すという事は、その人の涙すら奪ってしまう事。

これは凄い。

観終わったあと、声に詰まってしまう作品です。

 

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DEATH NOTE デスノート the Last name (2006)

2006年11月04日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  ワーナーマイカル小樽 
上映時間 140分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (ワーナー)
初公開年月 2006/11/03
ジャンル サスペンス/ホラー/犯罪

死神が地上に落とした“デスノート”を拾ったのは、天才的な頭脳を持つ大学生、夜神月(藤原竜也)だった。刑事局長を父に持ち、強い正義感に貫かれた月は、ノートを使って凶悪犯を粛清し、自らの手で理想の世界を創りあげようと決意する。人々の間でささやかれ始めた救世主「キラ」の存在。一方、一連の「キラ事件」を解明するためにICPO(インターポール)が送りこんできたもうひとりの天才、通称L(松山ケンイチ)。神がかり的な推理力でキラの正体に迫ろうとするLに対し、知略を尽くして捜査網から逃れようとする月。そして、2冊目のノートが舞い降りる…。

(goo映画より抜粋)

【2006.11.03:公開初日の鑑賞日記】

『※ネタバレする場合がございます』...と書いておりますが、ネタバレなしで参ります。

この映画に関しては、前編であんな終わり方をしてしまったため、
つづきがどうなってしまうか楽しみにされてる方が、さぞや多かったのでしょうね。
その事実を、この目でハッキリと見て来ました。

なにしろ、どんな話題作ですら一度も混むところを見たことのなかったこっちゃん行きつけの映画館が、
この映画に関してだけはブッチギリの大盛況!

ハッキリ言って、あの映画館であんなに人を観たのは初めてです!(笑)

よほどみなさん、この物語の結末がどうなってしまうか楽しみだったんですね。
「原作にないエンディング」
原作を既に読まれている方も、きっとそこを確かめたくてウズウズしていたはず。

もちろん、先週『後編』の公開にむけてTV放送された『前編』を観て、
そこで初めてこの映画のファンになった方も多いでしょう。
また、逆に「こんな話か」と冷めてしまった方も・・・。(*ノωノ) イヤン

原作が少年誌の漫画だけあって、ストーリーはとっても漫画漫画してるこの世界。

名前を書けば死ぬノート、死神、どこの国の?のFBI、そしてヾ(ーー )ォィォィの日本警察・・・
とまぁ「あり得ん、あり得ん」のテンコ盛りなのですが、そんな話に引き込まれちゃうのは、
「え?」「なに?」「それでどーするの?」の連続だからでしょうね。

単純なこっちゃんは、まんまとココに乗せられてしまうワケです。

まるでチェスの指し合いのような駆け引き。
部分的に「おや?」とは思うものの、この話の転がり具合はとにかく面白い。
そしてその勢いは『後編』で一気に加速したように思います。
今回はちょっとコミカルなシーンが少し多めに差し込まれていましたね。
場内からは笑いが出るほど。

これはこれでヨカッタですよ。

はっきり申し上げて『前編』で盛り上がっちゃった方なら、絶対この『後編』が気に入るはず。
そして前作がダメだったかたは、やはり今回もダメでしょう。

キラとLは最後どーなっちゃうの?

さぁ、どうなっちゃうんでしょうね。(笑) 衝撃の結末はご自分の目で確かめて下さい。
誰の名前が最後にそのノートに書かれるのかも・・・。

ただ一つだけ言わせてもらうのであれば、この結末はとても気に入りました!

最後の最後まで転がる転がる。
設定は少々複雑化してゆくので、もしかするとこのクライマックスで少し混乱するかもしれません。
時間軸も多少動きがあります。
それでも良く考えたなあと唸っちゃう脚本でしたね。

演出も巧みです。
ミサミサの意外な頑張りに感心し、キラの狂気に寒気を覚え、Lに涙する。
気がつけばそんな自分がおりました。

『後編』でLが好きになりました。そして最後はとても悲しい気持ちになりました。

この先は、時期をみて少しずつ追記していこうかな・・・と。

最近のテレビ局製作の映画は、
”フジ”よりも”日本”の名の入ったものの方が面白いと感じる今日この頃です。

 

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リリイ・シュシュのすべて (2001)

2006年10月27日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 146分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (ロックウェルアイズ)
初公開年月 2001/10/06
ジャンル ドラマ/青春

ある地方都市に住む中学2年生の蓮見雄一(市原隼人)は、剣道部入部をきっかけに秀才・星野(忍成修吾)と仲良くなる。夏休みになり、雄一や星野は仲間達と一緒に沖縄に旅行に行くが、それを境に星野の人格は豹変。部活も辞めて雄一をイジメるようになり、雄一はひったくりや万引きをして星野にお金を上納する日々を送る。ある日、星野から同級生の津田詩織(蒼井優)の尾行を命じられた雄一は、彼女が星野から援助交際を強要されていることを知る。窒息しそうながんじがらめの日々の中で、雄一の唯一の希望は、カリスマ的アーティストのリリイ・シュシュの歌声だった。ところがそんな彼をさらに悲劇が襲う…。

※監督自らが主催するウェブサイト上で、一般参加者との対話から生まれた
  インターネット小説の映画化という異色のスタイルでも話題になった作品。

(NTT-X store解説より抜粋)

この映画をひとことで言うならば、「語るのが怖い映画」だという事のような気がしている。
この感想も3日がかり。
とにかくペンが重い。いやパソコンのキーが重いというべきか。

しかし逆に、自分の感想として何かを吐き出さなければならないような気にもさせられる。
不思議な気分。自分でも理解し難い「何か」がここにはある。

『リリイ・シュシュのすべて』は、自分にとってそんな映画となった。

ただ、この映画に対する”否定的”な気持ちは、まったく無い。
むしろ、あまりに痛々しい中学生の姿を描いたこの映画の中に 美しさすら感じたし、
ただボーッと画面を無機質に近い眼差しで見つめながらも、時折り鳥肌が立つほどの衝撃を受けた。

とにかく心が動く。

それは堪らなく嫌なものであったり、救いを求めるものであったり、
理由も分からずただ叫ぶだけのものであったりするのだが、
この映画の中の皆が口にする”エーテル”というものが、うっすらと理解出来たように思えた。

この映画の中の【エーテル】とは、リリイ・シュシュが使う精神世界に近い言葉で、
”この世をみたしている物質”を表現する言葉らしい。
ファンたちの間でも、リリイの音楽を語る上で、とりわけこの“エーテル”という言葉は重要な意味を持つ。

”リリイ”とは、この映画の中に存在する架空アーティストのこと。


映画の中で、彼女を崇拝するファンによるインターネットの
書き込みに、こんな言葉があった。

《彼女は音楽を妊娠し、出産する。》
《エーテルという名の羊水が》
《彼女の音楽をはぐくむ。》
《ただそれだけだ。》

なんという凄い言葉だろうか。
これはもう単なる”文字”の羅列ではない。
そんな印象すら受ける。

リリイはまさにそういうファンの頂点に立つ存在なのだ。

 

映画を監督した岩井俊二氏は、この映画を「遺作を選べたら、これにしたい」作品だと言う。
一人の映画監督がそれほどまでに想いを込めたこの作品。
この映画をこの世に産み落とすに至ったその心情や情熱は、
凡人である自分が想像もつかぬほどのものであったのだろうと推察する。

これは凄い映画だ。

”鬼才”とも呼ばれる岩井俊二監督の代表作としては、『Love Letter』『花とアリス』『スワロウテイル』
などが挙げられるが、
そのどれもが彼独自の映像センスと情景的美学に裏打ちされた美しさを放っているように思う。

自分が彼の作品を観ていつも印象に残るのは、作品の中に存在する柔らかい光だ。
例えばこの『リリイ・シュシュのすべて』で言うならば、あの教室を後ろから撮った授業のシーンで、
窓から明るく差し込んでくる真っ白い光のような。 そんな光のこと。

いじめ。自殺。レイプ。援助交際。

映画の中で、目を覆いたくなるような日常に直面している中学生たちを、その明るく柔らかい光が包み込む。
何気ないこんなシーンがいつも最後には印象に残るのだ。

理由は自分でも分からない。 どうしてだろう? それはどこか安らかな気持ちにも繋がって行く。

実際、岩井監督もこの映画を「心地よい映画」だと言っている。

「痛々しい映画とは思いますが、そう作ってあるし。
ただ映画って感情のバイオリズムみたいなものをマジックのように
コントロールしていくものなので、必ずしも痛いもの、苦しいもの、
つらいものが、そう痛くもなく、つらくもなくある。
ただ、つらかっただけでは、自分の中では作りたいものじゃない。
そこに何か対立するイメージというか、常に意識しているんですが、
つらいけど心地いいとか、ハッピーエンドなのに切ないとか、
(観る人を)ちゃんとした着地をさせないというところで作っている。
微妙な仕上げのニュアンスを常にイメージしていて、
えもいえないところを探しているので、
痛いというより心地いい、ということでもあるのです」

(岩井俊二監督 インタビューより)


深い・・・。

一度でこの作品をすべて感じ取るのは無理だ。
そして、何度観たところで、この作品に対して正しい答えを出すことなど自分には到底無理だとも思った。

ただ、この岩井俊二という監督の凄さを漠然と感じ取るには、あまりに十分過ぎる作品なのだろう。
これ以上の作品もないだろうという気もしている。

これを観た人の多くが、この映画を「好きになれない」と言うのかもしれない。
しかし、その逆もまたいるだろう。
インターネットではこの映画のファンによる専用サイトまでが立ち上がる一方で、
レビューの掲示板では容赦ない書き込みもまた見られた。

この映画の中の出来事を、そのまま現在の中学生に置き換えることは確かに無謀だと思うが、
かといって「まるであり得ない話」と言って、掃き捨てることなど出来ないとも思う。

日々、報道で目にする嘆かわしい現実は、確実に”今”の少年少女たちの心の闇を浮き彫りにしてゆく。
現実もまた残酷であり、容赦ない。
そしてその先に日本の未来があるという怖さ。
まったくもってこの映画は、そういった現実の同軸上、あるいは隣合わせた存在なのだろうと思う。
誇張され、増幅された部分があるにしても。

少年、少女の心の中に潜む闇をテーマにしたこの作品は、良くも悪くも波紋を呼び続けるはず。
しかし、これを観て感じることこそが大切なのだと思った。

ベルリン国際映画祭国際アート・シアター連盟賞を受賞したというこの作品。
果たしてその賞がどれほどのものか分からないが、
他では観ることの出来ない若手俳優達の瑞々しい演技は新鮮で良かった。
特に伊藤歩の意気込み溢れる姿に拍手を贈りたい。

Salyuところで、この映画のカリスマ的歌姫”リリイ・シュシュ
【Lily Chou-Chou】”の歌を唄っているのは、
Salyuという女性アーティスト。

この映画のオリジナルアルバムとして『呼吸』を
リリースしている。
もちろんSalyuではなく、現代の巫女リリイとして。

そのアルバムの中の収録曲「回復する傷」が
クエンティン・タランティーノ監督の映画
『KILL BILL Vol.1』に使用されるなど、ちょっとビックリ
のニュースもあり。
彼女の歌声はタランティーノの耳にも届いていた。

【CD】呼吸 【Lily Chou-Chou】


 

1. アラベスク
2. 愛の実験
3. エロティック
4. 飛行船
5. 回復する傷
6. 飽和
7. 飛べない翼
8. 共鳴(空虚な石)

9. グライド

 

 


とにかく、この映画を観て、「もっと岩井俊二を知らなければならない。」・・・そう思った。

あまりにも痛々しい。しかしそれ故に美しい。

『リリイ・シュシュのすべて』はそう感じさせられる映画だったのだ。

 

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ヒストリー・オブ・バイオレンス (2005)

2006年10月24日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 96分
製作国 アメリカ/カナダ
公開情報 劇場公開 (ムービーアイ)
初公開年月 2006/03/11
ジャンル ドラマ/サスペンス/ミステリー
映倫 R-15

アメリカ・インディアナ州の田舎町。小さなダイナーを経営するトム・ストール(ヴィゴ・モーテンセン)は、妻のエディ(マリア・ベロ)や2人の子どもとともに、愛に満ちた幸せな日々を過ごしていた。そんなある夜、彼の店が2人組の強盗に襲われてしまう。そこで隙をついて強盗の銃を奪い取り2人を撃ち倒したトムは、一躍ヒーローとして扱われることに。しかしそのことがきっかけで、彼の過去が明らかとなっていく・・・。

(goo映画より抜粋)

エド・ハリスが気色悪い。

以前に見たときよりもシワは増え、毛髪は明らかに減少している。
顔の左目まわりには傷があり、その片目は視力を失い白く濁る。
こんな容姿だ。

聞けばその昔、ジョーイ・キューザックという男に有刺鉄線でえぐられたそうな。
なんともエグい話ぢゃないか。

この映画の主人公、トム(ヴィゴ・モーテンセン)が消し去った過去。
しかし自分の身に降りかかった”ある強盗事件”をきっかけに、
その忌まわしい過去が再び世間に、いやまだ何も知らなかった家族の目の前にさらされる。
と、まあこんな話。

エログロセンス極まるデヴィッド・クローネンバーグ監督にしては、確かにオトナシイものの、
これはちょっとした問題作。 そして評判通り面白い映画。
子供に銃口を向けるオープニングからもう、一気にショッキングだった。

過去に浴びた殺人の血___。
赤い色は洗い落せても、その匂いまでは決してシャワーでは流せない。
どんなに身を清めたつもりでも、かすかに香るその血臭を嗅ぎ付けて、再びバイオレンスが訪れる・・・。

まったく、そういうものなのかもしれない。

まったく血の匂いってヤツは鮫を呼び寄せることもあれば、ドラキュラを呼び寄せ、
ゾンビを呼び寄せることもある。
今度はエド・ハリスを呼び寄せた。

あんた、ジョーイ・キューザックやろ?(セリフに多少アレンジあり)」と付きまとうエド・ハリス。
とにかくシツコイ。 
トムだと言ってるのに、一歩も引かない。

どうせ言っても聞かないのだから、いっそのことヴィゴも、
「トムはトムでもトム・クルーズです。」とか「小柳トムです。」で笑いを取れば良かったのに。
それか自分の名前にヒッカケて、「ヴィゴ、モーテンセン(もうしません)」と
ダジャレ混じりに詫びを入れたほうが、よっぽど良かったかもしれない。

そうすればエドも笑って帰っただろうに。(帰るか!)

トムの中のバイオレンスが再び目を覚ますとき、家族の愛は壊れかけてゆく。

因果応報。
家庭を持ち、家族を愛し、田舎町でマジメに暮らしても
自分の中に流れる汚れた血までは消せはしない。
やがて彼は全てのケリをつける為にフィラデルフィアへ向かう。

おおおおおぉ。クレイジー・ジョーイ・・・。やっぱり血塗られた過去があったのか!

「私の夫は本当に何人もの人を殺してきたの?」と悩む妻。
腕の立つ弁護士ならもっと早く気がつきなさい!・・・いやいやそういう話じゃなくて。

やがて大人しく見えていた息子にも芽生えるバイオレンス。
それを目の当たりにする父親。
これには思わず「うわっ」と声を漏らしてしまいました。
まったくなんというシーンなのか。

家族は一家の主のそんな過去を、いったいどのように受け入れてゆくのだろう。
かずろぐさんも言っていたが、ここがまさにポイントだと思う。

う~ん。すごいぞ、クローネンバーグ!
たった96分の中に、訴えたいことをシッカリ収めてる。
しかも、それがギュウギュウ詰めに感じない。 的が絞られてるから。
これって相当上手いってことじゃないだろうか?

夫婦の愛情を”10代で出会えなかった埋め合わせのコスプレ”で表現する感覚も何とも可笑しかった。
マリア・ベロは、ある意味熱演だったですね。

寡黙なヒーローの過去は、狂った殺人者・・・。
自分に降りかかった災難が、過去の自分の罪を世にさらすことになるという皮肉。
抑えていた”ダーティハリー”が顔を覗かせる場面に悪寒が走る。

エログロを控え目に仕上げたところで、「クローネンバーグはクローネンバーグ」さね。

お見事です!ぶらっぼ~♪

ところで。 久々に観たウィリアム・ハートのボス役も中々のものです。
しっかし、良い芝居するなあ。
思わず「アンタね、もっと銃の練習しておきなさいよ!」とツッコミたくなるほどの愛しいキャラ。 
サイコーですっ!面白すぎッ!
あんなに撃っても当たらないのはもうほとんど病気に近い。
子分に向かって怒鳴った「どうすりゃ失敗できるんだよ!」はそのままアナタに返したい言葉ですよ。
ねぇウィリアムさん。

マア、そんなのもアリ、こんなのもアリで、文句なしの★★★★★です。ひゃほー!

注:・・・って、決してハシャギながら観る映画ではありません。

 

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クライング・フィスト 泣拳 (2005)

2006年10月23日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 120分
製作国 韓国
公開情報 劇場公開 (東芝エンタテインメント)
初公開年月 2006/04/15
ジャンル ドラマ/スポーツ
映倫 PG-12

かつてアジア大会において、銀メダルを獲得したこともある、人気ボクサーのカン・テシク(チェ・ミンシク)。だが、後に事業に失敗し、莫大な借金を抱え、妻子にも逃げられてしまう。生活の目処が立たなくなったテシクは、路上で"殴られ屋"をするようになった。一方、19歳の青年ユ・サンファン(リュ・スンボム)は、ケンカとカツアゲに明け暮れる、荒んだ日々を送っていた。強盗に失敗して少年院送りになった彼は、そこでボクシング部に入り、次第にボクシングの魅力にハマっていく。そんな2人が、同じ新人王戦のリングに上がることになり…。

(NTT-X store解説より抜粋)

殴られてナンボ。まさに身体一つの商売。

「赤字で嘆いている社長さん。借金を踏み倒されて眠れない夜を過ごしている奥様。
恋人に捨てられて落ち込んでいるおねえさん、おにいさん。その他うっぷんがたまっているすべての皆さん。
私が皆さんの人間サンドバックになります!

冒頭、人通りの多い商店街の真ん中で行き交う人に向かって拡声器で叫ぶチェ・ミンシク
早くも惹き込まれてしまいます。

彼が演じる”殴られ屋”は、「実は日本に実在した人物がモデルだった」ということが
メディアで取り上げられ、公開時にちょっと話題になった映画です。
今こうしてDVDで観ても、実に味のある、見応えたっぷりの映画でした。

そして、チェ・ミンシクのあっぱれ演技ぶりについては、これまで何度も語ってきましたが、
この映画には、目を奪われるもうひとりの主人公がいます。

彼の名はリュ・スンボム


  (左:チェ・ミンシク、右:リュ・スンボム)

凄いです、彼。 
チェ・ミンシクの余裕たっぷりの演技とは対象的に、
ワンシーン、ワンシーン、自分の持てるものを全力でぶつけてくるかのようなあの気迫。
刑務所の中でケンカで相手の耳を食いちぎる時のあの形相ときたら・・・。

す、ス、スゴイ。 只者じゃない!
チェ・ミンシクの相手役として申し分のないその演技に、心から拍手を贈りたいですね。

リュ・スンボムをはじめて観たのは『ARAHAN アラハン』という痛快アクション映画でしたが、
この『クライング・フィスト』で見せた顔は、その『アラハン』では見れなかった物。
あのトボケた警察官役から一転し超シリアス路線。見事な完全脱皮です。
その凄みのある表情演技に、一回りも二回りも成長したものを感じましたね。
なかなか肝の据わった芝居です。

ボクシングを捨て、借金まみれで家財道具一切を差し押さえられ”殴られ屋”として日銭を稼ぐ男と、
真面目に生きられず、ついには人を殺めてしまい、少年院で初めてボクシングに出会う男。

そのボクシングに未来を託し、人間再生、家族再生を目指そうとする二人の姿。
二人の背景には、家族との絆や、心の葛藤がシッカリと存在していて、
ボクシング映画の枠に収まりきらないドラマが展開して行きます。

新人王戦に出場。
リングの上で初めて出会う二人の男の時間が重なり合い、拳を交える。
見守る家族。 取り戻したい未来。 もう二人とも後には引けない・・・。 
これはどちらも負けられない試合。先に進むしかありませんでした。

ラウンドを重ねる毎にボロボロになり、血と汗にまみれて行く痛々しい姿。
それでも彼らの心は戦い続けます。
赦し”を乞うかのような癒しの音楽に包まれた最終ラウンドのシーンは、深く、深く心に刻まれました。

それにしても韓国映画の殴り合いシーンは、本当に痛々しい。
本当に殴り合ってるでしょ、あれ?
効果音こそカブせてあるものの、パンチも蹴りも容赦無い。手加減なしに見えます。
(実際にはちゃんと考えてるのでしょうが、マジでそう見える)
しかし、ここが韓国映画の優れた部分だといつも感心します。

ケンカやファイトのシーンは、本気に敵う演出無し!
この映画でも二人の試合シーンは、
まるで筋書きのない本物の試合にも見えてきてしまうほどでしたからね。
ド迫力というわけではありませんが、そこから巧みにリアルさを引き出した、という感じの仕上がりです。

動きのあるシーンを敢えてザラついた荒めの画質にし、飛び散る水しぶきなどを一粒一粒描き加えるなど
(冒頭のリュ・スンボムが警官に追われる場面など)
地味に映像にもなかなか凝ってたりして。
ロケに使われた韓国の街並みも寂れ方が実に良い雰囲気でした。

劇中”殴られ屋”チェ・ミンシクは、脳に損傷を負い、目などに異常を感じるようになってしまいます。
そんな体でトレーニングを積み、尚且つリングに上がるのですが、
ここを試合の場面でもっとクローズアップした演出だったら違った良さが出たのに、とも思います。
でもその時はきっと悲しいお話になっちゃうでしょうね。

それよりも二人がそれぞれの家族と抱き合い、涙に包まれたラストをこの映画は選びました。
それはそれで、また感動的。 子役に泣かされましたよ~。(つд⊂)エーン

と、いうわけで良い映画です。

あ、ただし、やっぱり”韓国映画”を感じる場面がこの映画にも・・・。
少年院と言ってるのに、ごく普通の刑務所に見えてしまう。
だから、「え"っ?どこに少年が?」ってハナシですよ。(゛ `-´)/コラッ!

 

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フライド・グリーン・トマト (1991)

2006年10月20日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 130分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (アスキー)
初公開年月 1992/06/
ジャンル ドラマ

エヴリン・カウチ(キャシー・ベイツ)は40代の太りぎみの専業主婦。夫のエド(ゲイラード・サーティン)は彼女よりもテレビに夢中で夫婦仲は倦怠期そのもの。エヴリンは自己啓発セミナーに通ったりして何とかしようとしていたが効果がなく、殆どチョコレート中毒で情けない毎日を送っていた。ある日エヴリンは夫と出かけたローズヒル・ホームで、そこに暮らす老女ニニー・スレッドグッド(ジェシカ・タンディ)と出会う。彼女が始めた昔話は不思議に魅力的で、エヴリンはニニーの話を聞きに頻繁にホームを訪れるようになる。その物語は今から50年も前のアラバマ州の女性イジー(メアリー・スチュアート・マスターソン)の話だった・・・。

(goo映画より抜粋)

キャシー・ベイツというその名を聞けば、泣く子も黙る。 ってか、もっと泣く。(つд⊂)エーン
演技も体格も貫禄たっぷりの、そんな女優像がすぐさま頭に浮かびます。

キャシーと言えば、過去観たS.キング原作の映画化『ミザリー』でのインパクトがあまりにも強烈。
彼女の前では迂闊な行動を取らぬが一番。 『ミザリー』とはそう思い知らされる映画でした。
万が一、彼女に拉致されるような機会があったら、ジタバタせず早々に観念しちゃって、
見ザリー 聞かザリー 言わザリー 動かザリー」・・・これに限る!とあの映画は教えてくれたわけです。
なるほどタイトルの『ミザリー』とはそういう意味でしたか。(違います) (/ω\)ぷしゅ~

そんなこんなで、未だミザリー恐怖の呪縛から逃れられないでいる今日この頃。

この映画でも、キャシーは駐車場横取りのギャル車に腹いせに体当たりし、
「キャ~~~~ッ!」と狂喜するなど、なかなかミザリーな一面を見せてくれています。
その後で「オバンは保険に入ってるのよ。( ̄ー ̄)フッ」とギャルに向かって吐き捨てる。 中々ブキミ。

お陰で、「なるほど!このためのキャスティングだったか!」などと勝手に思い込ませてもらいました。
同様にダンナの許可なしに自宅の部屋の壁をいきなりハンマーでブチ壊す姿にもやっぱり、
ミザリーな寒気を覚えます。

しかし、大好きなハリウッド女優の一人なんですよねぇ、不思議なことに。(笑)

 

それにしても早々に差し込まれる蒸気機関車のシーン...。

何度観ても、この場面の演出には鳥肌が立ってしまいます。
長閑なBGMと、楽しいひとときの後に訪れるこの場面はあまりにショッキングでした!
もうここで目が釘付けです。( ̄□ ̄;)アングリ

この映画は人を惹きつけるのが上手い。
それこそがまさに、ニニーお婆さんの話し上手ぶりを表わしているのでしょう。
静かに、しかし軽快に語る彼女の昔話に耳を傾けるエヴリン。
そんな彼女と一緒に、いつしか老婆の話に聞き入ってしまいました。

昔話の中で登場するわんぱく娘イジー役には、
『恋しくて』のメアリー・スチュアート・マスターソンがキャスティングされていますが、
これがまた見事なハマり具合。
やはり『恋しくて』同様、男勝りな役どころなのですが、こんな役をやらせたら彼女ってピカ一ですね。

あのハチミツを採るシーン・・・あれって、どうやって撮ったのさ?
蜂だよね、あれ? ホンモノの蜂だよねッ!
あまりに無防備な行動にビックリです!?!∑(゜Д゜ノ)ノ
”ビー・チャーマー(蜂に好かれる人をこう呼ぶらしい)”にもホドがありますってば。

 

また、お兄さんの一件から家にも帰らず、他人を寄せ付けなかったイジーの心を開く女友達ルースを
メアリー=ルイーズ・パーカーが演じています。
日焼けしたイジーのボーイッシュな服装に対して、色白な彼女はいつも女性らしいワンピース。
そんな彼女の存在はより一層メアリー・スチュアートを引き立たせますね。
まるでハリウッド版「オセロ」。

終盤、老婆の話は一気にミステリー色を増します。
長閑に比較的明るく語られますが、これは殺人事件が絡んだ話。
そしてその背景にはDV(家庭内暴力)、黒人差別などが・・・。

被害者の男のトラックが川から引き揚げられる。 しかし死体はどこにもない。
やがて映画は法廷劇も交えつつ、一つの事実を浮かび上がらせます。
これがまた、とんでもないコトでして!

エエッ!そうくるか!ですよ。 (((( ;゜д゜)))アワワワワ

この映画を観た人は分かると思いますが、
事件を追い続けたジョージア州の保安官は知らず知らずしてとんだ災難。
なんという皮肉。・・・っていうかブラック。

まさかこんな事実に辿り着くとは・・・ですよね。

 

ドラマの中心は、回想シーン。
つまりこの映画の主人公はメアリー・スチュアート・マスターソン。
しかし、その合間合間に差し込まれるキャシー・ベイツの”現在”シーンにこそ味がある
といった感じも受けます。
毎日ちょっとづつ続きを聞く彼女が、話しの中のリジーの姿に影響を受け変わって行く様は
最高に面白いですね。
チョコバーに依存する哀れな姿も印象に残ります。

彼女に話を延々と語る老婆役を演じているのはジェシカ・タンディ
80歳にして『ドライビング Miss デイジー』でアカデミー主演女優賞を受賞。
これはアカデミー賞の主演女優賞としては最年長だそうです。
その後のこの映画でもアカデミー助演女優賞にノミネート。
しかし残念ながら1994年に他界しています。
名おばあちゃんのご冥福を心よりお祈りいたします。

映画そのものが辿り着く結末も素敵なものです。
病室が片付けられている場面では思わず泣きそうになったんですが・・・。
いやあ。あれにはヤラレタ~って感じですね。

でも、ひとしきり物語を話した後で
「あの人たちはあなたの記憶の中で生き続ける」と言ったお婆ちゃんの言葉に
なんだかジ~ンときてしまいました。

お婆ちゃんの正体は初めからバレバレですが、良い映画です。(*´ー`*)

 

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ラブ・レター パイランより (2001)

2006年09月28日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★

鑑賞環境 こっちゃんシアター
上映時間 116分
製作国 韓国
公開情報 劇場公開 (シネカノン)
初公開年月 2003/06/14
ジャンル ロマンス/ドラマ
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一人暮らしの中年男性・カンジェ(チェ・ミンシク)は、ある日、妻の訃報に接する。身に覚えの無いカンジェは、かつて金欲しさに中国人女性と偽装結婚したことを思い出す。一度も会ったことがない妻・パイラン(セシリア・チャン)の遺体を引き取りに、彼女が暮らした町を訪れたカンジェ。そこには、パイランがしたためた最後の手紙が遺されていた…。

 

(NTT-X store解説より抜粋)

 

静かな波の音からはじまるこの映画。
そんな穏やかな波のように、心にジワジワと深く染み入るような作品です。
観終わると、涙で顔がグシャグシャになっていました。

「う"ーん、カンドーした!」 (*`◇´*)/ by 純一郎

いや冗談はさておき、ホントこれは泣かせます。実に秋向きの映画ですね。
というわけで、またまた”オータム・センチメンタル・セレクション”(勝手にネーミング)からの一本です。
いまや、レンタル屋さんに何本も置いてあるような派手な作品とは違いますが、
きっとこの作品は、あなたに借りてもらえるのを 静かに待っていると思います。
もし気が向いたら、ぜひ手に取ってみて下さい。

さて。

この映画の主演は「オールド・ボーイ」「シュリ」「親切なクムジャさん」「クライング・フィスト」と
主役・脇役問わず話題作に出演の多い韓国俳優チェ・ミンシク
本作では、とにかくうだつの上がらないヤクザの役です。

肝っ玉は小さい。根性も無い。だらしない。その上、天下のお人好し。
こんな風だから同期で入ったダチにも先を越され、今やそのダチを「兄貴」と呼ぶザマに。
まったく こういうカンジをやらせたら、チェ・ミンシクはやっぱ圧倒的に上手いですねえ。
他の追随を許さぬほどの上手さ。
さすが、その持ち味の深みでは、同じく韓国の名優ソル・ギョングを凌ぐほどです。

それともうひとりの主演は、香港女優のセシリア・チャンです。
真田広之、チャン・ドンゴンらと共演した映画「PROMISE」でのヒロインですね。
「小林サッカー」(こばやしサッカーではありません)なんてギャグ映画にも出てたりします。

彼女は今回、韓国での不法滞在を隠すのにヤクザの職業仲介所で偽装結婚をさせられ、
その時に出来た諸々の借金返済に充てるため、オバチャン経営の小さな洗濯屋で
住み込みスタイルで働く破目になるという中国女性の役。
これがなんとも。
ノーメイクな可愛らしさでググッと涙を誘います。

髪を後ろで結わえると、その髪型の雰囲気から菊川怜ともややカブり気味の彼女ですが、
あまりに映画自体のストーリーと演出が良いので、観ているとそんなコトも気にならなくなります。
(気にする方がおかしいか?)

まず、この主演二人の組み合わせがとにかく良いですね!
お陰で、非常に感情移入しやすい映画です。

ある日、独身のはずの男に届く ”妻”の訃報___。

その時、男は自分が金目当てで1年前に偽装結婚していたことを思い出すのでした。
ただの一度すら顔合わせもせず、別々の暮らしに入った二人。
男はそのままコトを忘れていましたが、女の中にはゆっくりと愛情が芽生えてゆきました。
そんな二人を結びつけたのは、妻自身の病死の知らせだったという、この皮肉さ。

男は遺体を引き取りに行った先で初めて、
それまでいかに 自分が彼女に愛されていたかを知ることになります。

「イタズラか?ふざけているのか?会ったこともない男を愛するだと?」
はじめはその程度にしか思っていなかった男。

しかし男は彼女によって書かれた”手紙”によって、彼女の偽りのない心を知ることになったのです。

男は後悔します。 今まで彼女を迎えに来なかったことを。
男は後悔します。 今まで自分が真面目に生きてこなかったことを。

そして最後は・・・あまりにも悲しい結末が待っています。

しかし、これで良かったのかもしれません。
そんな風にも思えます。
この方が二人にとって幸せだったのかもしれませんね。
色んな考えが頭を過ぎる結末です。

両親を亡くし、頼みの綱の身内にも会えず、異国の地で23歳の若さで死んでいったパイラン。
彼女にとっては、カンジェだけが心の拠り所でした。
たとえそれが、うだつのあがらぬヤクザだとしても。
たとえそれが、一度も会ったことのない 戸籍だけの夫だとしても。

カンジェの証明写真を小さな額に入れていつまでも眺め、優しく語りかけるパイラン。
使われることのない夫の歯ブラシを自分のと一緒に買い、並べて置くいじらしい姿に、
ますます切なくさせられます。

気がついたら 海辺で彼女の手紙を手にし、声を上げて泣くチェ・ミンシクと一緒に
わんわん泣いている自分がいました。

この話は1998年に「ラブ・レター」として 日本でも映画化されていることからも分かるように、
元々は日本のお話。
浅田次郎氏による著書『鉄道員(ぽっぽや)』の中に収録された短編小説がモトになっています。
どうやらこの韓国映画は”リメイク”ではなく、同じ小説を別々の国で映画化したという
位置づけらしいのですが、日本版とは一味違った良い味が出てますね。
日本版の方は中井貴一主演ですが、そちらもかなり良いですよ。
もちろん、この韓国版も巧みな演出が利いていて、とにかく泣かされる作品です。
ちなみに こちらの韓国版。監督は「力道山」のソン・ヘソンです

ストーリー自体は、「気がついた時には全てが遅すぎた」という悲しいお話なのですが、
この映画を観た後は、きっとそばにいる愛しい人をもっと大切にしたくなるはずです。
観終わった後に、何故か温かいものが残る・・・そんな映画でもありました。

「愛してます。」という”ありきたり”などではなく、「感謝します。」というこの言葉。
これこそ究極のラブ・レターなのかもしれません。

観ておいて損はない作品ですよ。

 

それでは、【こちゃ和尚:ありがたい今日の一句】でございます。

 やっぱり「PROMISE」のあの声は吹替えだったか!

 

(○ ̄ ~  ̄○) ウーン調子が出てきたのでもう一句・・・。

 意外とミンシクは私生活でも持ってたりして・・・

 

以上、今日の二句でした。

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【監督】ソン・ヘソン 【パイラン】セシリア・チャン
【原作】浅田次郎
【日本版】ラブ・レター(主演:中井貴一)

 


ラブストーリー (2003)

2006年09月27日 | しびれるMovie

ラブストーリー (廉価版) こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 129分
製作国 韓国
公開情報 劇場公開 (クロックワークス=メディア・スーツ)
初公開年月 2004/01/24
ジャンル ロマンス/ドラマ

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引っ込み思案で恋に不器用な女子大生ジヘ(ソン・イェジン)は、ある日、家の中で古ぼけた小さな木箱を見つける。中に入っていたのは、35年前に書かれた手紙と1冊の日記帳だった。ジヘは母ジュヒがこの手紙と日記を時折読み返しては涙していたことを思い出し、その2つを手に取る。だがその手紙は母が亡き父と交換していたものではなく、父の親友である男性との秘められた初恋を綴ったものだった。自分の知らない母の姿に驚くものの、ジヘは次第に、身分差や時代に翻弄され、ある事件をきっかけに想い人との仲を引き裂かれてしまった若き日の母に思いを馳せていくようになる。それがやがては、ジヘの運命をも変える結果になり…。

(goo映画より抜粋)

夏はホラー。秋になるとロマンスものが観たくなります。
枯れ葉舞い落ちる秋は、もうすぐそこですね。
そこで、こんな映画でチョットおセンチになってみましょう。うるうる

物語は、年頃の娘が母親が大切に仕舞い込んでいた箱を開くところから始まります。
それは、母が時折り開いては涙していた古ぼけた木箱。
そしてその中に詰まっていたのは、たくさんの手紙と一冊の日記

手紙には、それまで知ることのなかった母の淡く切ない初恋の想い出が綴られていました。

娘は母の意外な一面を知ることになります。
「お母さんだって”恋”をしていた。」 ・・・しかも父以外の人に!

夕立から逃げる二人。スイカを割って食べる。ホタル。雨上がりの星空。蛙の鳴き声。
そんな光景が箱の中の日記を読むように語られて行きます。

トロけてしまいそうな美しいBGM。 この作品は音楽が命。
これで泣かされます。
実はこの映画のBGMは日本のあちこちのバラエティTV番組などでも使われていますね。
この映画の韓国での原題は「THE CLASSIC 」でした。
タイトルはセピアな想い出とクラッシク音楽をかけたものでしょうが、
そのタイトル通り色んなクラッシク音楽が効果的に使われています。
パッヘルベルの「カノン二長調」が心地良く耳に残りますね。

監督は「猟奇的な彼女」のクァク・ジェヨン
娘と母の若い頃を「私の頭の中の消しゴム」「四月の雪」のソン・イェジンが演じます。
コミカルな演技で引っ込み思案のキャラクターをサラリと二役で演じた印象が残ります。
そして若き母が想いを寄せる男性に「マラソン」のチョ・スンウ
”オッサン高校生”はびこる韓国映画ですが、スンウの高校生はまだまだ許せる方ではないでしょうか?
童顔が幸いしてますね。実はこの時もう23歳のはずなんですが。( ̄∀ ̄*)

ソン・イェジンだって人のこと言えません。彼女だって当時21歳だったはず。
なのに持ち前の清潔感と三つ編みだけで高校生に見せるというこの大胆さはお見事!
また、それがまんざらでもなく見えるのが笑わせます。

そこが、やっぱり韓国なのねえ。(笑)

それでも映画の出来としては中々良いです。
やりすぎ感はあるものの、描き方に嫌味がなく、ヒネて観なければ十分浸れる。
雨の使い方が上手ですね。

ラストのもって行き方は、クァク・ジェヨン監督らしい運び方でした。
「んな、アホな」と言いつつも、これは誰もが望んでしまう結末なのかもしれません。
こっちゃんも嬉し泣きです。
「猟奇的な彼女」のオチが好きな人ならきっとコチラも気に入るでしょう。

でも・・・

「実らない恋ほど美しくいつまでも色あせない。」
なあんてコレ観て泣くのは、きっとそれなりのお歳の方だけなんだろうなあ。

実る恋だって、十分美しいものですよ。(笑)

 

 若気の至りとはいえ逆さモヒカンとは・・・

 

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【監督/脚本】クァク・ジェヨン 【ジュナ】チョ・スンウ
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ピアノ・レッスン (1993)

2006年09月25日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境 こっちゃんシアター 
上映時間 121分
製作国 オーストラリア
公開情報 劇場公開 (フランス映画社)
初公開年月 1994/02/
ジャンル ドラマ

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19世紀のニュージーランド、エイダ(ホリー・ハンター)は9歳の娘(アンナ・パキン)を連れて愛用のピアノと共に英国から嫁いできた。6歳のときからしゃべることを止めたエイダは言葉の代わりにピアノで話す。しかし、新しい夫のスチュアート(サム・ニール)はエイダのピアノを、重過ぎて運べないとして浜辺に置き去りにする。ある日、エイダに密かな思いを抱くベインズ(ハーヴェイ・カイテル)が、彼女にある提案をした。ピアノ弾きたさに、条件をのむエイダ。一方、夫はエイダの心情が次第に変わってゆくのを知り…。

(NTT-X store解説より抜粋)

色んな観かたはあるでしょうが、
個人的には、これほど褒めるに苦労しない映画も、そうザラにないという思いです。

いくつもの印象的なシーンがしっかりと脳裏に刻み込まれ、それを想うたび心を揺さぶられる。
これぞ名作という感じですね。

これを撮ったのはジェーン・カンピオンという女性監督
それを聞けば、ストンと胸に落ちるものがあります。
これは男の感覚では到底撮りえないであろう作品。
凄いですねえ。エグリかたが。(笑)
普通、指落すまでやりますか!

物語は自らの意思で言葉を捨てたエイダが、幼い娘を連れて
スコットランドから開拓期のニュージーランドに嫁いでくるところから始まります。
しかし他の無教養な顔面刺青男に心を奪われ、やがてそれがモミアゲ夫にも知れてしまう、というお話。
母親よりも娘の方が分かっているというか、冷静に状況の良し悪しを判断出来ているのが
妙に可笑しいのですが、じつはコレが悲惨な結果を招くことに。

雨の多い天気。ぬかるむ足元。そのどれもがこの物語の大事な要素となっていましたね。

ピアノを言葉代わりにしてきた彼女が奏でる旋律は、美しくも悲しすぎる。
浜辺に置き去りにされたピアノを弾くエイダ。それに合わせバレエを踊る娘。
何よりこのシーンが大好きです。

主演は、ホリー・ハンター。
ハーヴェイ・カイテルとサム・ニールのキャスティングも見どころです。
なんと今観ると、娘役は「X-MEN」シリーズのアンナ・パキンだったんですね。
ビックリしました。
彼女、当然幼いんですが、顔・・・変わってない!(笑)
顔はそのままで身体だけ大きくなったって感じです。
そういう意味では安達祐美とカブります。

主演のホリーについては、この官能映画の主役を演じるにはちょっとゴツゴツした感はありますが、
実は当初、このキャスティングは全くあり得ないものだったそうですね。
監督は、もっとスラッと背の高い絶世の美女をイメージしていたのだと。
しかし、そこにホリー自身がやってきて「どうしてもオーディションを受けさせろ!」と熱烈なオファー。

これに関して、「まったくもって拾い物だった」と言う監督。
何しろこの映画の中ではホリー自らがピアノを弾いています。
彼女、10歳の頃からピアノを習っていたそうですね。
弾けるんです、彼女。

そうして出来上がった映画のなんと美しいことか。

マイケル・ナイマンの音楽がとにかく良いですね。
それまでマイケルといえば「ジャクソン」か「富岡」くらいしか知らなかったこっちゃんが
彼を知ることになった思い出の映画でもありました。

海の底で奏でられるあの旋律は、永遠に心の中でリピートします。

 

  それこそ何をしとんじゃ、って話ですよ。

 

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ボディ・スナッチャーズ (1993)

2006年09月13日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 88分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場未公開
ジャンル SF/ホラー

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フォート・デイリー米軍基地で、科学者として働くことになった父親と一緒に引っ越してきたマーティ(ガブリエル・アンウォー)と弟のティム、そして義母のキャロル(メグ・ティリー)。しかし、彼らが新しく生活を始めた基地は、どこかしら不穏な空気に満ちていた。ある夜、バスルームでうたた寝してしまったマーティは、不気味でグロテスクな植物に襲われる。驚いた彼は、バスルームを飛び出し、父の寝室に駆け込むが、そこで彼が見た物は、その植物に覆われ、瀕死状態になった父のおぞましい姿だった…。

(NTT-X store解説より抜粋)

こりゃ、たまらない。
何しろ人間がスナッチされ、街がスナッチされ、行く行くは世界がスナッチされてしまうのだから。

スナッチ【snatch】とは、『ひったくる, さっと取る』の意味。
文字通り、これは地球外生命体に人類そのものが盗まれてしまうという、とんでもないお話。
ジャック・フィニイのSFノベルズ「盗まれた街」の三度目の映画化作品です。
監督は「フューネラル」、「(ハーヴェイ・カイテルの)スネーク・アイズ」などのアベル・フェラーラ。
まあ、三度も映画になるだけあって、この話がなかなかどーして面白い。
ちょっとホラー寄りのSFなのですが、この巧みな画面の構成、恐怖演出によって、
十分盛り上げてくれる作品です。

エイリアンが地球を乗っ取るなんていう題材で一番手っ取り早い手段としては、
やっぱり「宇宙戦争」のように『攻撃侵略コース』が適当なのかもしれませんが、
この映画のエイリアンはなんと、一人一人、人間と自分たちの仲間を入れ替えるという、
なんとも実に几帳面な手段を取ります。

出来そこないの貝類のようなエイリアン本体は、人間が寝てる間にちゅうちゅうと”人間汁”を吸い、
その養分で新しく、元の人間そっくりなエイリアンを一体だけ生成する。
一見何も変わりない生活の中で、
ある日突然、ママがママじゃなくなり、パパがパパでなくなるという訳でして。
こうしてジワジワとゆっくり街の人間をエイリアンに入れ替えて行くわけです。

って、なんて地道なエイリアンなんじゃ!(*`◇´*)/

「一体、ダレに気を遣ってこんなに手間ヒマかけるのか?」と言いたくなる気もしますが、
これがいわゆる「奴ら」流の巧妙なやり口な訳です。
(ま、あんな貝みたいな体では戦えないからね)

こんな憎まれ口を叩いておりますが、実はこれ こっちゃんの結構お気に入り映画でして。
この映画をジャケ買いして以来、かれこれ10回以上は観ております。
(こんなジャケット見て衝動買いするのは如何なものかと自分でも思います、ハイ)

主演のガブリエル・アンウォーは「ラックス・スーパーリッチ」のCMに出るほどの美人ですが、
この映画ではなんと!オールヌードで体当たり演技するほどの気の入れよう。
当時彼女は23歳の若さです。

それと、特筆すべきは継母役のメグ・ティリー
彼女は無敵の性悪セクシー(まだ言ってる)ジェニファー・ティリーの妹。
さすが姉の血は彼女の中にも存在するのだと妙に実感。
お姉さんよりは弱冠、線がシャープですね。

その他のキャストとしては、「ゴースト・ドッグ」のフォレスト・ウィッテカー以外
あまり知った顔の登場しない映画なのですが、それはそれで さほど気になりません。

とにかく個人的には、何故日本で未公開だったのか不思議なほど楽しめた作品。
許しがたいチープな特撮が一箇所だけありますが、それでも★★★★★です。

メグ・ティリーの「逃げるって何処へぇ~?」というセリフの薄気味悪さに、
思わず半べそかきました。(つдT)グスン

 今日の一句。 侵略の恐怖を切々と詠んでみました。

 

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【監督】アベル・フェラーラ 【キャロル】メグ・ティリー
【原作】ジャック・フィニイ 【コリンズ少佐】フォレスト・ウィッテカー

ミッドナイト・エクスプレス (1978)

2006年09月11日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 121分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (COL)
初公開年月 1978/10/
ジャンル ドラマ

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アメリカと中東諸国との間で緊迫した国際情勢が続いている70年代、アメリカ人旅行者ビリー・ヘイズ(ブラッド・デイヴィス)はイスタンブール空港からアメリカへ麻薬を運び出そうとしていた。だがこの時、彼は麻薬不法所持、密輸の罪でトルコ当局に逮捕され、現地の刑務所に投獄されてしまう。恐怖と寂寥感に苛まれるも、所内で出会った2人のアメリカ人ジミー(ランディ・クエイド)とエリック(ノーベルト・バイザー)に励まされていくビリー。ところが、駆けつけてきた父や弁護士、アメリカ領事館の助けを借りて挑んだ裁判で、4年の刑を宣告されてしまう…。

(作品資料より抜粋)

これが実話だっていうんだから、怖い。

他所の国のことだし、その時代の情勢も絡んでいたとはいえ、
この主人公の体験を自分に置き換えるとゾッとします。
とは言っても、彼が罪人なのは事実なのだけど。

異国の地の裁判で4年の刑期を言い渡され、刑期終了間近にあろうことか裁判のやり直し。
幾度も彼の希望は踏みにじられ、
無情にも刑務所の中での生活が彼の精神をも破壊してゆく。

頼みの綱の弁護士は調子が良いだけ。父親もあまりに無力。
面会に訪れた恋人の目の前で、自慰行為に至る主人公の心境は、見ていてあまりにも痛々しい。

原作者本人の実体験を綴った著書を、オリバー・ストーンが脚本として起こし、
鬼才と呼ばれるアラン・パーカーが1978年に映画化。
映像も音響も当時のレベルなのでしょうが、ここから伝わってくるものは相当重いです。
米国・英国アカデミー、カンヌ、LA批評家協会、ゴールデン・グローブなど、
数々の賞にノミネートされ受賞したというのは、今観ても納得できますね。
ヤクチューの囚人役、ジョン・ハートの演技は実に味があります。

ちなみに主人公のブラッド・デイヴィスは、1991年、41歳の若さでこの世を去っています。
エイズでした。

 今日の一句 『お~い、こ茶』入選・・・なんちゃって。

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X-MEN2 (2003)

2006年09月09日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境 こっちゃんシアター
上映時間 125分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (FOX)
初公開年月 2003/05/03
ジャンル SF/アクション

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プロフェッサーX率いるミュータント集団"X-MEN"が、人類抹殺計画を企てたマグニートーらを倒したことで、人類と平和共存する社会に一歩近づいたかに見えた。しかし、ミュータントに対する偏見や嫌悪は変わることなく、人間社会による不当な差別がX-MENの苦悩を深めてゆく。そんなある日、瞬間移動の能力を持つミュータントがホワイトハウスに現れ、大統領暗殺未遂事件を起こす。ミュータント対策担当官にして彼らの撲滅を企むストライカーは、すぐにミュータント狩りを始め、プロフェッサーXの運営する学校に武装した兵隊を差し向ける…。

(NTT-X storeより抜粋)

最終章『X-MEN3:ファイナル ディシジョン』、本日公開記念ということで、この映画を観ました。
・・・いえ、たんなる復習なんですけど。( ̄∀ ̄*)

ミュータントvsミュータントの戦いを描いた前作に続き、
今回はミュータントvs人間様の戦いを中心に描かれています。
そのため悪党だったはずのマグニートー(イアン・マッケラン)とX-MENが
手を組む場面もあったりして、
これは全く持って予想を裏切った展開だと言えますね。

クライマックスのカギを握るのは、プロフェッサー(パトリック・スチュワート)が操る”セレブロ”。
念のため申し上げますが、”アメブロ”ではありません。
セレブのブログの意味でもありませんから。

”セレブロ”というのは、これを一度プロフェッサーが操れば、
世界中の人間やミュータントと脳内で繋がることが出来るという
途方もないスケールのマシーンらしいです。
もしかしたらアナタの頭痛の原因は、このセレブロによるものかもしれません。

さて映画は、「1」同様 ( ̄ー ̄)クスッと笑わせるトコなんかもチラホラありまして。
構内を歩き葉巻でうろつくウルヴァリンは、「6歳の女の子に変えちゃうぞ」って
プロフェッサーに脅されるわ、
マグニートーはガキんちょに「超カッコ悪いヘルメット」などと突っ込まれるしで、
トホホな場面もあったりします。

一方、アクション的見せ場の超能力技としては、”火炎使い”の彼が凄いですねー。
パトカーを吹き飛ばすほどの勢いで、警官ススだらけ。あれはカッコ良かとです。
あと、瞬間移動キャラのテレポーテーション・イメージはインパクトありますね。
シュボッ!シュボッ!と出ては消え、そのたび地獄の煙のような残像が残るなんて
アレいったい誰が思いついたんでしょ。
やっぱブライアン監督かな?

それと、女の爪はオトコのよりも怖いと分かました。だって、振り回し方がヒステリックなんだもん。
キーーーーッ!となったら、ためらわずグサッと行くし。ウルヴァリン、メッタ刺し。

それにしてもコレだけの複雑な因果関係を、今回もまた良く2時間強に収めました。
あっぱれ、ブライアン・シンガー!
ウルヴァリンの過去の謎にも、また一歩踏み込みましたね。
「ファイナル」ではその辺がシッカリ明かされるものと期待します。

でもね、やっぱ一番盛り上がったのは、マツダRX-8の疾走シーン!
( ̄ー ̄)フッ、良い音してるぜロータリーエンジン。(ロリータエンジンじゃないんだぞ!)
またしてもサイクロプスの所有物を拝借してしまうウルヴァリンなのでございました。
ちゃんと満タンで返せよ。
って、いうかあれ、ボストンに置き去りじゃない?(・o・ノ)ノオットオ!

・・・なんだかんだ言って、またクルマネタで盛り上がってしまう悲しい自分。

 

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ゴーストワールド (2001)

2006年09月08日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境 こっちゃんシアター
上映時間 111分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (アスミック・エース)
初公開年月 2001/07/28
ジャンル ドラマ/青春

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幼なじみで親友のイーニド(ゾーラ・バーチ)とレベッカ(スカーレット・ヨハンソン)は、高校を卒業した今も、進路も決められないまま毎日好きな事だけをして過ごしていた。そんなある日、2人は出会い系の広告に載っていたレコードマニアの中年男・シーモア(スティーヴ・ブシェミ)を呼び出して、待ちぼうけを食っている惨めな姿を眺めて楽しむ事にする。だがイーニドは、ダサいけれど独特な世界を持つシーモアに興味を持ち、友情にも似た奇妙な交流を持ちはじめる。一方、レベッカは自立を目指してカフェで働きはじめ、イーニドとレベッカは互いに距離を感じるようになる…。

(NTT-X store解説より抜粋)

仲良し女子高生二人が卒業したところから始まるこの映画。
この二人みたいなコンビ、なんかどこの学校にも居そう。
たしかに高校のとき、レズってわけでもないのに、いつも一緒にいる女の子 いたいた。

やりたいことが見つからない。
そんな女の子の思春期物語なのですが、これが意外や、意外。
男が観ても楽しめます。
めっちゃツボりました!

生活のすべてにおいてセンスが独特な女の子イーニドに「アメリカン・ビューティ」のゾーラ・バーチ。
冷めつつも現実を受け入れて行く友人に「アイランド」のスカーレット・ヨハンソンです。
この二人の組み合わせが実に良い。なあんか、憎めないんだよねえ。

人を外観で悪魔崇拝者(サタニスト)と決め付け、勝手に跡をつけたり、
イタズラでデートを仕組んで男を呼び出し、んでもってやっぱり跡をつけたり。
そんなイタズラにアッサリ引っ掛かっちゃうのが、ハリウッド一のヘンな顔男スティーヴ・ブシェミで。
オマケに今回、冴えないレコード・オタクで。(つД`)・゜・゜。アアッ ナサケナイ...

50年代風ダイナーのブキミ君。今どき流行らないパンク色ヘアー。明らかにセンスの悪い美術教師。
全国タムシ基金。異星人解剖。ヌンチャクの客。映画館のバイト初日、アダルトショップ初体験・・・。

とにかく、この世界にハマれる人なら笑いどころは満載!
こっちゃんは、ブラッド・レンフローのコンビニ君がアイスを落すとこあたりからもう爆笑でした!
子供泣かしてるし。(>∀<)ノシ ウキャキャ!

この映画には、2年前に廃止になった路線の停留所で、来るはずのないバスを待つ老人が登場しますが、
笑いながら観ていると、じつは、この人が最後に物語の鍵となります。
ここで思わず「あっ・・・」と声が。

「この物語の先には、果たして明るい未来が待っているのか?」と、ふと考えてしまいますよ。
観ている途中は、どこへ辿り着く話かと思っていたけど、これが意外にも深い余韻を残す終わり方。
でも良いですねえ、この映画は。もっと早く観るべきでしたよ。

ところで、エンドクレジットの後にもまるで幻覚のようなオマケがつきます。
未成年の女子に散々振り回され、挙句にセラピーまで受けさせられたブシェミ。
最後くらいはカッコよく行きたかったってコトでしょうか?(笑)

 

【作品】ゴーストワールド 【イーニド】ゾーラ・バーチ
【監督/脚本】テリー・ツワイゴフ 【レベッカ】スカーレット・ヨハンソン
【原作/脚本】ダニエル・クロウズ 【シーモア】スティーヴ・ブシェミ

X-MEN (2000)

2006年09月05日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 104分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (FOX)
初公開年月 2000/10/07
ジャンル SF/アクション

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200X年、すべてのミュータントに登録を義務づける『ミュータント登録法案』が立法化されようとしていた。これは、DNAの突然変異によって超人的なパワーを身に付けた"進化した人類(ミュータント)"を差別・迫害するためのものだった。人類とミュータントの共生を目指すプロフェッサーXによって組織されたミュータント集団"X-MEN"。世界征服を目論む敵・マグニートーと彼らの壮絶なるバトルが始まる…。

(NTT-X store解説より抜粋)

初めてのチュウでカレシがピクピクします。
「まあ、よっぽど良かったのね。」ってちゃうわっ!(*`◇´*)/

人間であって人間じゃない。ベンベン。バケモノのようでバケモノじゃない。ベンベン。
それは何かと訪ねたら。あソレ、(ノ´▽`)ノみゅーたんと♪みゅーたんと♪

全く意味不明なノリで書き出してしまいました。

なんと意外にも重々しいオープニングで始まるアメコミヒーロー。
「X-MEN」シリーズの映画化、これが第一弾でえす!
急激な進化によって得た特殊能力を持つ”ミュータント”のお話はここから始まったのだー。

普通の人種に疎まれる中、「共存」を望む者と「戦い」をもくろむ者に分かれる彼ら。
そして一世一代の内輪もめに。

思えば、ヒュー・ジャックマンを最初に観たのがこの映画でした。
ただの毛深い兄ちゃんかと思いきや、手からナイフがびよよーん!て、エルム街の悪夢か?( ̄□ ̄;)!!
暴走バイクではしゃぐ姿が妙に可愛かったりして。

それにしてもこの映画、各キャラごとの特殊能力の見せ方が上手い!
説明がましさを感じさせず、さりげなく高品位のVFXを駆使したストーリーの中にそれを織り込んでゆく。
中でも目を見張るのは”青い女の七変化”。
敵キャラにしておくには勿体無いほどの力の入れよう。
さすがブライアン・シンガー、ってなもんです。

ファムケ・ヤンセンも出る映画によってはたいしたことないのに、この映画ではやたら目立つ。
ハリー・ベリー(ハル・ベリー)よりも前面に出ちゃってます。

イアン・マッケランやパトリック・スチュワートのカブリものはちょっと笑えた。

あんたら真顔て・・・。( ̄∀ ̄*)モウ エエトシナンヤカラ

 

【DVD】X-MEN 【ウルヴァリン】ヒュー・ジャックマン
【監督/原案】ブライアン・シンガー

アンダーワールド:エボリューション (2006)

2006年09月01日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
鑑賞環境 こっちゃんシアター 
上映時間 106分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (SPE)
初公開年月 2006/04/22
ジャンル アクション/ファンタジー/ホラー
映倫 R-15

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ヴァンパイアの処刑人セリーンは、家族の命を奪った長老ビクターを倒したことから、マイケルと共に同族から追われる身となっていた。必死に逃れる2人の前に、休眠から蘇ったもう一人の長老マーカスが現れる。ライカンの血が入り、混血種となったマーカスは、その力をさらに増大させていた。しかもマーカスは、セリーンの知らない秘密を握るだけでなく、マイケルが持つペンダントを奪おうと2人に襲い掛かってくる。1000年の時を越え、創世にまつわる両種族の秘密が解き明かされるなか、宿命のバトルが始まるのだが…。

(NTT-X store商品解説より抜粋)

エボエボアザラク。エボエボザメラク・・・。 黒井ミサかよッ!(*`◇´*)/

どこかどん臭そうなイメージのあるケイト・ベッキンセイルの
ニューウエーブ・ヴァンパイア・アクション「アンダーワールド」シリーズ。

一作目の「アンダーワールド」から約2年半の時を経て届けられた続編は、
前作のエンディングから全く時間の経過を感じさせないほど
自然な繋がりを見せます。

ただ、ここが変わったなと思うのは、
血色の悪いケイトの美しさが今回は微妙に健康的な肌色に見えたこと。
例えば逃げ込んだ工場のシーンとか。
まるで人間と変わらない顔色の良さでした。

これは意図的だったのか?
ひょっとして単なる錯覚か?
もしかしてライティング・ミスか?
それともファンデーションの節約か?

そんなアホな憶測はさて置いて、
この続編は単なる「2」とは呼ばず”エボリューション【evolution】:進化”というのが既にカッコイイ。
もちろん映像だって、そのカッコよさに磨きがかかってマス。
確かにエボ。

走るトラックを空から襲うヴァンパイア:マーカスのシーンなんかは、
もはやコッポラの「ヒューマン・キャッチャー」を観ているかのようですし、
作品全体にかなりクリーチャー度がUPした感を覚えますね。

そして「1」には一切なかった”らぶしーん”もついに登場!
これがまた、時間こそ短いものの「官能映画か?」と言いたくなるほど生々しく美しい。
前作で抑えていた部分についに足を踏み入れてしまいました。
おお、エボ。エボ。

前作では人間界をほとんど無視して”ヴァンパイアvsオーカミ男族の争いにのみ焦点を当てる”
という異色設定の魅力に加え、その脚本の面白さがあまりに光ってましたから
こっちゃん実は、今回の続編でその辺のベクトルが下がるのを非常に懸念しておりました。

ところがどっこい!スットコドッコイ!これ前作と比べても格段に面白いじゃないですか!

ストーリー、演出、テンポとも申し分なし。
これまた十分エボを感じる手応えに思わずコーフン!
モチロン、凝りに凝ったダークな美術も健在でございました。

ただし、前作をスッ飛ばしていきなりこの続編から入ろうなどと横着を考えちゃったひとは、
きっとまったくこの作品に着いて行けなかったでしょうね。
「そんな人間にこの作品は牙をむく」、と言ったところでしょうか。(と、大層に言うほどでもないけど)
ま、2年も経てば、前作の記憶も細部に至っては怪しくなるでしょうから、
「1」を観ている場合でも、もう一度「1」をレンタルし立て続けにコレを観るのがヨロシといったトコですね。

”未来”を肌で感じ、ケイトの頬を涙がつたう。ここ名場面ね。

ダークなこの世界観を嫌うひとも多いかもしれませんが、一度ハマルと何度でもエボりたくなる作品です。

 

【DVD】アンダーワールド:エボリューション 【セリーン】ケイト・ベッキンセイル
【監督/原案】レン・ワイズマン 【マイケル】スコット・スピードマン