こっちゃんポイント ★
鑑賞環境 |
試写会 |
上映時間 |
101分 |
製作国 |
韓国 |
公開情報 |
劇場公開 (コムストック) |
初公開年月 |
2006/04/22 |
ジャンル |
アクション/歴史劇/ロマンス |
時は朝鮮王朝。世間を騒がす偽金事件を捜査するため、人々で賑わう市場に潜入した女刑事ナムスン(ハ・ジウォン)は、仮面の男の華麗な剣の舞に目を奪われる。次の瞬間、小さな金の仏像の受け渡しをしていた男たちが斬り捨てられる。犯人は仮面の男だ。ナムスンは男を追って剣を交えるが取り逃がしてしまう。残されたのは、仏像に隠されていた偽金用の鋳型と、割れた仮面から覗く哀愁を帯びた眼差しの面影。それが刺客「悲しい目」(カン・ドンウォン)との出会いだった。
(goo映画より抜粋)
ここにもいました、アン・ソンギ
気が付くとドコでも居るよな、アン・ソンギ
それでも魅せます、アン・ソンギ
何はなくとも、アン・ソンギ
でもね・・・ちょっとお喋り、アン・ソンギ
・・・だから、ナンやねん!(*`◇´*)/
それじゃあ、まずですね。
「コラーッ!狙いすぎじゃ!」と、いきなり怒って書き始めましょうか。
ハッキリ申し上げまして今回の感想はキツイです。言いたいことが山ほどあります。
もし 「この映画に少しでも希望をお持ちの方」、また「実際に試写会などでご覧になられ激しく感動された方」がいらっしゃいましたら、今すぐこのページは飛ばして こっちゃんの他の記事を読んで頂くことを強く希望します。
それが気分を害さない秘訣ですね。
そう一言申し上げた上で今回は書かせて頂きます。
まず、カントクさん。観客を無視すんなっ!
コレってもう着いていけない感覚じゃないですか。着いて行きたくないっていうか。
え?何がって?
自己満足の世界でしょ?どう考えたって。まるで”作り手側”のマスターベーションのような映画です。。。どーしてこんな作りにしちゃったのでしょ?
ここで再度申し上げますが、コレはあくまでこっちゃんの主観による感想です。
「違うよ」という方は、どーぞ相手になさらないで素通りして下さい。
しかぁーし!こっちゃんはコノ映画の上映終了後 あの”天下無敵”と言われる”韓流オバちゃま”がグチる光景に初めて遭遇しました!イケ面出てたら何でもOKのハズのオバちゃまが口にしていたのは あろうことか「しつこい映画ね。疲れるわ。」という信じ難い言葉でした。これは珍しい。”イケメンいればなんでもアリ”のオバちゃま軍団にもソッポ向かれるとは。
そうです。この映画は「しつこい」のです。言い方を変えれば「くどい」です。
一番の問題は映像編集にあるように思います。
どうして、コトあるごとに あぁも「スロー・モーション」に走らせるのでしょうか?
それは初っ端から始まります。そして最後の最後までそれで締めくくろうとします。延々と延々と。繰り返し繰り返しです。もう話はとうに終わり”決着”まで着いているのに、それでも止めようとしません。
お客サンが欲しがらないシーンを怒涛のごとく「これでもかッ!」と押し付けます。これは正直キツイ。
この話の時代設定は朝鮮王朝の頃。偽金(ニセガネ)が出回り、それを取り締まろうとする刑事役のハ・ジウォンと悲しい目の刺客役のカン・ドンウォンの恋物語がお話のメインです。
この話や設定自体にケチをつける気は一切ありません。ナンだカンだ言ってストーリーは結構好みの範囲です。こういうのはキライじゃありません。
ところがこの編集ときたら。なにもかもがブチ壊し。
一応、誤解の無いように申し上げますが、カン・ドンウォンもハ・ジウォンも韓国俳優の中では好きな人に入ります。ドンウォン君は「彼女を信じないでください」の情け無~い男の子役がとっても笑えましたし、ジウォンさんは「恋する神父」での明るい演技がとても好印象に映りました。
正直、この映画を観る前は「そんな二人が主役」というコトに一番の期待を寄せていたんです。
それが・・・・この二人の魅力を何と見事に踏み潰してくれたことか。
もはや監督の責任問題を徹底的に問いたくなります。
一番不満に思ったのは、あの殺陣(たて)。お世辞にも上手とは言えません。”軽いノリの韓国チャンバラ”として流すならアリかもしれませんが、コレはそういう狙いで作ってはいませんよね。「美しく仕上げよう」としているにも関わらず、「とりあえず役者まかせに演ってもらって、後はスローモーション編集で誤魔化そう」みたいな作り方はあり得ない。
もしこれを美しく見せたいなら、ドンウォン君とジウォンさんにもっと”要求”するか”指導”をすべきでした。そうすれば、あの二人ならもっと上手くやってくれたと思います。「LOVERS」や「グリーン・デスティニー」などの中国映画と比べてしまえば、見劣りもいいとこ。足元にも及びません。
しかも 潔くサラッ!と流せばもっと展開も早くタンタンと話は進んだでしょうに、そんないらないスローばっかり多様するもんだから、この映画の上映時間は104分になっています。普通の映画ならまだ短いとも言えますが、この映画には長すぎますよ。
一体 あの初っ端の市場での”捕り物劇”だけで、どんだけ時間を使ってるんですか!
伸ばして、伸ばして、更に引き伸ばして...。難しくもない展開をただ観難くしてるだけです。激しいBGMであおってるワリにはテンポが悪すぎます。
もしかして 狙いどころはハリウッドの編集技だったのでしょうか?トニー・スコットにでもなりたかったのでしょうか?それは些(いささ)か無謀というものです。
この映画「デュエリスト」では、カン・ドンウォンはひたすら無口な刺客を演じ、もの悲しげな雰囲気を全面に押し出します。そのすぅーっとした顔立ちはなかなかの美形。「もう少し散髪した方がいいんじゃないの?」と言いたくなるその髪(ヅラ?)は別としても、その奥から時折り覗かせる幼いカンジが かえってまた良かったりします。
これはドンウォン君の新境地と言っても良いかもしれませんね。(って、彼の全作品を観てるワケではないのですが)
一方で、ヒロイン役のハ・ジウォンは中々の男勝りな役どころ。見え見えの変装と尾行であちこち潜入&追跡を繰り広げるのですが、これがまた微妙なカンジのキャラクター。
何か気に入らないコトがあればすぐに自分の口を捻じ曲げ顔を歪め、「ぎゃー!」と大声で叫ぶ。これじゃあ感情移入出来ません。お陰でドンウォン君に心を惹かれて行く経緯に不自然さを感じてしまいました。
でも、何だかこれは役者のせいではないようにも思います。
きっと演出不足でしょう。いや演出下手と言うべきですか?
韓国映画にはもっと素晴らしいものがいっぱいあります。可笑しな編集に労力を使うくらいなら、もっと韓国本来の良さを盛り込みつつ真剣に演出に精を出すべきでした。
決して無名ではない人気俳優を起用しながら、勿体無い話です。
ただ こんな映画でも、アン・ソンギは光っていましたね。これは役者としての貫禄(かんろく)が成せる技なのかもしれません。この映画「デュエリスト」では意外にも腰の軽いカンジの役どころでしたが、それでもやっぱり「見せ場はシッカリ自分で作る」と言わんばかりの役者魂が感じ取れました。さすが名優です!
とは言っても この映画に興味を示す人たちが、アン・ソンギ目当てに劇場まで足を運ぶとは思えません。やっぱりお目当ては主役の二人ですよね。
カン・ドンウォンとハ・ジウォン。
「この二人のアイドル的映画」という観方なら まだ観る価値も見出せそうです。当然のごとく宣伝もソコをメインに持ってきているようですし。特に日本はね。
韓国のオリジナルのポスター(画像↓)と比べてみると分かると思います。ちょっとイメージが違いますよね。日本の宣伝チラシ(画像:このページのTOP)は甘ったるさを前面に押し出しているように感じます。
結局、ソコ狙いですか・・・。まぁ、それはそれで良いんですけど。( ̄∀ ̄*)
でもね、配給サン。もうイケメン俳優だけではそろそろオバサマは動かなくなるかもしれませんよ?少なくても、今回の試写会で全体の反響は良くありませんでした。帰りのトイレ付近のオバちゃまの毒舌からみれば、こっちゃんの酷評なんてまだ可愛いものかもしれません。とにかく、この映画を誉める言葉は一つも聞くことがありませんでした。
そんなワケで、今回は非常にキツイ記事になってしまいましたが、「タイフーン」のような良い映画を観た後にこういう映画を観ると、正直ガッカリもします。同じ韓国映画でこうも違うのかと。
もっと頑張れ!韓国映画!
こっちゃんの心がそう泣き叫んでいます。
《2006.08.16記事一部改訂-ポイント訂正》
【作品】デュエリスト