こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

入院です。

2005年06月28日 | あてんしょんぷりーず

「おほん!え~。あ~。テスッ、てすっ!マイク入ってる?」

と言うわけで、急ですが、この度こっちゃんは入院が決定致しました!

これまで、こっちゃんブログを支えてきて下さった皆様。
先立つ不幸をお許し下さい・・・・って、たった1週間の予定なんですけど

ただの、検査入院ですからネ。

いきなりというコトもあり、皆様のブログに一人一人ご挨拶に伺えず、
誠に申し訳ございません

さらに、頂いたトラックバックやコメントもきちんとお返し出来ないまま、入院に至ることをお許し下さいませ。
帰ってきましたら、また少しずつ始めて参りますので、それまでどーかお許し下さいませ。

皆様におかれましては、こっちゃんがいない間も映画ライフを存分に楽しんで頂けますよう、心よりお祈り申し上げます。



※画像は、函館在住のカモメでいらっしゃるジョナさんです。本件とは関係ございませんが、彼に免じて許してつかーさいくぅ~っ!





マラソン (2005)

2005年06月28日 | ふつーMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★

試写会

上映時間 117 分
製作国 韓国
公開情報 シネカノン=松竹
初公開年月 2005/07/02
ジャンル ドラマ

20歳の青年・チョウォンは自閉症の障害を抱えており、5歳児程度の知能しかない。コミュニケーション能力に欠けている彼に社会生活は難しく、母親のキョンスクが常に世話をしていた。そんな中、キョンスクは息子が走っている間だけは、楽しそうにしていることに気づく・・・・。
(goo映画より抜粋)

 

韓国で500万人が号泣し、尚且つハッピーになったという、この映画。期待に胸を躍らせて試写会に。今回の試写会は若者中心でしたね。

この映画の主人公チョウォン役を演じるチョ・スンウは、「ラブストーリー」「H(エイチ)」で主役を務めた役者。若手ながらその芸の幅にあらためて感心します。さすが韓国。韓国映画はバラエティに富んでいるから、幅広い芸風が要求されるのでしょうね。この映画でスンウは5歳の心を持つ20歳の青年チョウォンの役を演じています。

幼い頃から自閉症により、感情の表現ができない彼。

「自閉症は薬では治らない。」という医者の言葉。母親は愛情の全てをこの男の子に注ぎます。「雨」「木」「風」と、ひとつひとつ自らの言葉で何度も教える母親。しかし、チョウォンの目はどこか遠くを見つめている。

20歳になった彼。大の「シマウマ」好き。動物園で迷子になった時もシマウマの檻を眺めていた彼は、TVでも動物番組に夢中です。そして彼は「走ること」も大好き。走っているときの彼は、何よりも楽しそう。

この物語は、そんな彼が42.195kmのフルマラソンに挑み、2時間台で完走するという快挙を遂げるまでを描いたお話。

さて___、この映画を観た感想は「ちょっと想像していた作りとは違うな。」と言ったトコロ。正直、「500万人が号泣」というのは、あまりにオーバーなキャッチ・コピーではないでしょうか?そんな気がします。

チョ・スンウの演技も、どこか「ギルバート・グレイプ」ディカプリオを連想させますが、やや不完全燃焼気味に映ります。先日観た「オアシス」ムン・ソリほどの気迫は感じられません。
話の構成、演出もちょっと好みと違いました。どこか無理に笑いに結びつけようとしているようなトコもありましたし。

母親とチョウォンの日常、コーチとチョウォンの関係、この辺りをもっと熱く演出して欲しかったな。母親役の女優さんは良かったですから。

ただしこの映画には、他の作品が敵わない無敵のショットがあります。それはラストに見せるチョ・スンウの笑顔。こんな素敵な笑顔を見たのは本当に久しぶり。ナンバー・ワン・スマイルな彼は実に良い。

地下鉄での暴行事件の時にチョウォンが何度も繰り返した言葉。
     
「この子は障害を持っています」・・・胸が痛みます。

シマウマと一緒に走るシーンが見どころ。実際の国際マラソンを撮影し、5台のカメラとヘリ撮影で6万人を大画面に納めたというシーンもなかなか。

 

《2006.07.11記事一部改訂》

 


【作品】 マラソン

 


バットマン ビギンズ (2005)

2005年06月27日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★★★

映画館

上映時間 140 分
製作国 アメリカ
公開情報 ワーナー
初公開年月 2005/06/18
ジャンル アクション/サスペンス/アドベンチャー

『ひとりの男が世の中を変えるには、どうすれば良いのか?』その問いはブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)の頭から片時も離れることはなかった。そして彼の脳裏に焼きついていたのは、目の前で両親を射殺された忌まわしい記憶。ゴッサムの路上で起きたあの晩の事件以来、ブルースの人生は一変した・・・・。
(作品資料より抜粋)

 

そもそも、そんなにアメリカンなヒーロー物に対して特別な思い入れはありません。
しかーし!これは面白い!
これなら、こっちゃんも楽しめるぞぉ!そんな映画。
新作「バットマン」はクリスチャン・ベイルが好演です。

バットマンの誕生に関する説には色々あるらしいですね。しかし、その”鍵”を握る出来事はある程度共通しているとのこと。そこにスポットを当てるというのが本作品の狙いのようです。ですからこの映画では、最初の1時間こそが【ネタバレ】禁止とでも言える様な作風だったようにも思います。大抵の映画はラストこそ【ネタバレ】なのでしょうけどね。

しかしねぇ。驚くのはその過去の暗さですよ。皆さんのレビューを読んでから鑑賞に臨んだのである程度の覚悟はあったのですが、こりゃあ確かに暗い。幼少の頃の数々のトラウマが、彼をこんな根暗なヒーローに仕上げてしまったのですね。
全身黒ずくめ。コウモリの羽のような大きなマントを着用、マスクで目と口意外は覆い隠す。しかし全部隠さないのが尚暗い!目立ちたいのか、地味に行きたいのか、コンセプトが良く分からないし。
おまけに、彼が発する言葉がまた暗い。「クスッ!」っと来るような言葉でもドスの効いたトーンで飛び出すのですから。
このスタイルは彼曰く、”必要な演出”であり”どうしても外せないパフォーマンス”なのだそうだ。

まぁそんなわけでこの映画、とっても暗面白い作品でなのでした。

【悪】に染まり腐敗しきったゴッサム・シティで、影のヒーローである彼を、脇で支える数少ない味方。中でも執事アルフレッド(マイケル・ケイン)の力は大きいですね。謎は多い彼ですが、どこまでも忠実に尽くします。ちゃーんとメンタルな部分までケアしてくれる彼の存在があったからこそ、バットマンはヒーローに成りきれたのですね。

燃え盛る豪邸の中で、火の付いた柱の下敷きになるブルース。そこへ来たアルフレッドが一言!

「坊ちゃま、今こそ腕立て伏せの成果を見せるときですゾ!」・・・なんじゃそれ?(笑)

思わず笑ってしまいましたね。

また、武器製造部門の担当とも言えるルーシャス・フォックス(モーガン・フリーマン)の存在もこの映画世界には不可欠。マスク、スーツ、マントにはじまり、ぴゅーん!とケーブルが飛び出す銃の設計製造、バットマン・カーまで武器のことならなんでもおまかせ。最後のキメの一言「メモ見たか?」にこれまた( ̄ー ̄)ニヤリ。

意外な正義役:ゲイリー・オールドマンも気に入りました。この町、唯一の善良巡査ですもんね。大いに応援したくなる愛しいキャラです。走り去るバットマン・カーを見て「わたしも欲しい・・・」とつぶやくあたりがツボに来ちゃいますもの。

渡辺謙サマのハリウッド進出第2弾作も意外な形となりましたが、まぁ良かったのではないでしょうか?世界的な知名度は益々上がりましたね。

キャスティング的には他にもいっぱい魅力のある方が登場します。リーアム・ニーソン、ルドガー・ハウアー、トム・ウィルキンソン、キリアン・マーフィー、ケイティ・ホームズなどなど。

こっちゃんは正直今までバットマンでは熱狂できなかったタイプ世間が盛り上がっている時にそのムードに乗り遅れてしまったというのが原因のひとつでもあります。そんなドンくさいこっちゃんに対して「さあ、ここからお入りなさい」と優しく手を差し伸べてくれたこの作品。お陰でバットマン嫌いを払拭できました。

ココ最近観た映画としては、本当に久しぶりにパンフレットまで買っちゃましたし。(笑)

《2006.07.11記事一部改訂》

 

【作品】バットマン ビギンズ

 


オアシス (2002)

2005年06月24日 | めっちゃ好きMovie

こっちゃんポイント ★★★★★
(いかした演技力大賞) 

鑑賞環境

ホール上映会

上映時間 132 分
製作国 韓国
公開情報 シネカノン
初公開年月 2004/02/07
ジャンル ロマンス/ドラマ

通常通りに生きるのが苦手な心優しい青年ジョンドゥ(ソル・ギョング)。刑務所を出たばかりの彼は、脳性麻痺の女性コンジュ(ムン・ソリ)と出会い、心惹かれるものを感じる。ふさぎがちだった彼女もジョンドゥによって次第に心を開き、二人は自分達だけの世界で純粋な愛を育んでいく。しかし、それを理解する者は誰もいなかった。そしてある時、事件が起こる・・・・・。
(作品資料より抜粋)

 

世の中には、絶対バカにしてはいけない映画があるのだと思います。例えば、この映画のように。今どきの韓国映画ですが、イケメンの韓流スターも出てなければ、信じられないようなドンデン返しもない。そんな作品です。
部屋の壁に掛けられたタイ製のタペストリーに、窓の外の木の枝の影がゆらゆらと不気味に映る。そして何処からか聞こえるラジオの声。この映画はこんなシーンから始まります。

そして、場面はバスの窓から外を興味深く眺める一人の男に移って行くのでした。見るからに彼は刑務所帰りと分かる風貌。頭は短く刈られ、頬はこけ、ポケットに手を入れ、貧乏ゆすりをし、シーシーと鼻をすする。冬だというのに夏の半袖シャツのまま出所した彼は、なけなしのお金で自分の服よりも母親の服を買い、我が家に向かいます。
この映画の主人公のジョンドゥは本当は心根の優しい男。しかし彼が戻った”我が家”はもうすでに引っ越した後。腹をすかせた彼は、無銭飲食で再び警察のごやっかいになってしまう始末。結局、署に迎えに来たとやっと新しい”我が家”に帰ることが出来たのです。

この一連のエピソードを見ても、ジョンドゥがいかに不器用で、型どおりの生き方を出来ない男なのかが良く分かりますね。 そんな彼がコンジュと出会ったのは、自分が起こした交通事故の遺族にお見舞いに行ったとき。コンジュはその事故で亡くなった清掃員の父の娘でした。
この映画は、重度の脳性麻痺を抱える彼女と、出所したての不器用男の恋物語。兄夫婦にも見放され、不自由な体のまま一人暮らしをすることになってしまうコンジュを慕うジョンドゥ。始まりはなんと、強姦未遂まがいの行為でした。まさに前代未聞の恋愛劇とも言えるこのドラマ。これが結構、純愛です。

とにかく圧倒されるのはコンジュを演じたムン・ソリの演技。一度観ただけで脳裏に焼きつきます。一年間 重度の脳性麻痺の方と一緒に過ごし、身体表現や感情表現を学んだという彼女。そこから身につけた迫真の演技に、グイグイと引き込まれてしまいます
そしてジョンドゥ役のソル・ギョングの上手いこと!さすが名優。「シルミド」でのリーダー役が記憶に新しい彼ですが、この映画ではまるで別人生きるのがヘタクソで、情緒不安定な韓国男性になりきっています。

この作品を脚本から自らの手で作り上げた監督の力量はスゴイですね。世間が目を背けようとしがちなこのテーマに真っ向から取り組み、一本の映画にまで仕上げる努力は大変なものだったと思います。心から拍手を贈ります。

この映画は、”お涙ちょうだい”な作りではありません。感覚的にはファンタジーに出会った時のような優しい気持ちになれる映画。随所に希望が散りばめられています。

コンジュの部屋を飛びまわる鳩と蝶々。電車の中や、電話のときのイメージ。渋滞の高速道路のダンス。部屋の中で再現されるオアシス。乗り遅れた地下鉄のホームで歌う彼女。木の枝が見えなくなる【魔法】・・・。その1コマ1コマが心に残ります。

二人の愛は周囲に理解してもらえず、歓迎もされませんでした。周りには身障の彼女を利用する身内や、自分の罪を他人に着せるズルイ人間ばかり。それだけに二人の純粋さを心から応援したくなるのですね。

ラストで、部屋の掃除をするコンジュ。明るい日差しが差し込む部屋の中を舞うホコリが、キラキラしてとっても綺麗でした。何が間に入ろうとも、きっとこの後も二人の愛は続いて行くのでしょう。

とても素敵なエンディングです。

《2006.07.10記事一部改正》

 


【作品】 オアシス

 

 


キャント・バイ・ミー・ラブ (1987)

2005年06月22日 | しびれるMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★★★

こっちゃんシアター

上映時間 95 分
製作国 アメリカ
公開情報 ジョイパック
初公開年月 1988/03
ジャンル コメディ/青春

高校の最終学年進級を目前に控えたロナルド(パトリック・デンプシー)の夏休みは芝刈りアルバイトの毎日だった。新学期が始まると、彼は幼なじみのケネス(コートニー・ゲインズ)ら“ボケ"と呼ばれるグループでトランプをする日々。ロナルドは、チアリーダーのプリンセス、シンディ(アマンダ・ピーターソン)に憧れているが、声もかけることができない。
(goo映画より抜粋)

 

掘り出し物とも言える作品を一つ。この作品との出会いは、全くの偶然でした。っていうかただ間違って借りただけなのですが。(笑)家に着いてら何故か借りていないビデオが袋に入ってる!焦るよ。(笑)理由は定かではありませんが、多分欲しいと思った隣のビデオを取ってしまったとか、そんなトコでしょうね。ま、せっかく借りてしまったんだから観るしかないな、と。

するとコレが良いんだナァ~。ひたすら主人公が悩んで終わるだけの青春モノより10倍以上も良い。う~ん、青春、青春。甘酸っぺーってカンジ?(笑)
どうやらこっちゃんの他にも、この作品の根強いファンがいるらしいのですが、20年近くも経った今も一向にDVD化される気配を見せない。DVDになったら買うのになと思いつつ。

そんなわけで 「愛はお金ぢゃ買えないよ。」という映画です。

ピンとくる方も多いと思いますが、ビートルズの歌に(ずーとるびじゃありませんよ)この映画のタイトルと同じものがありますね。「キャント・バイ・ミー・ラブ」って。そう、それがそのまま主題歌。

チョット背伸びをして人気者になりたいなんて思うイケテない高校生。それが主人公ロナルド。ひょんなことから彼は、憧れの学校一の美女シンディに金銭的に貸しを作り、代わりに彼女に「1ヶ月だけの恋人のフリ契約」を持ち掛けます。

みんなの憧れの的の女性と付き合えれば、人の見る目が変わる。人気者になれるんだ!」それがロナルドの野望。おいおい、そんなことで人気者になれるのかよ?と思いつつ観ていると、彼の思惑はあっさり大成功!(ありえん、ありえん)

そしてその人気が頂点を迎えた頃、二人にとっての契約期限が訪れるのですが・・・。
ボケ扱い→偽恋人契約→有頂天→偽契約解消→状態維持→偽り発覚→ドン底人生。
これがこの映画のコースになります。まぁお約束ですね。

この物語の主人公ロナルドは、観ているコチラが歯がゆくなるほど不器用な男の子。ただ人気者になりたかっただけの彼は女の子の本心にも気がつかず、大切な友人まで裏切ってしまう。そして有頂天になった彼を待ち受けていたのは手痛いしっぺ返し。これが何倍にもなって跳ね返ってくる。当然です。嘘をついたのですから。

人気者の座に居続けた後に迎えたつらい廃人生活。そして彼は、ようやく自分の愚かさに気が付くのでした。そして本当に大切なことを感じ取ります。

教訓めいたところもありますが、お話は単純明快。
ビートルズの軽快な歌に乗せて「背伸びなんかしなくて良い。あるがままを受け入れるのが一番なんだよ。」と、そんなふうに教えてくれる映画です。

ラストはとても良いですよ。夕焼けをバックにしたラストシーンが心に焼きつきます。

《2006.07.10記事一部改訂》

 

 
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ギルバート・グレイプ (1993)

2005年06月21日 | めっちゃ好きMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★★★(永久保存版)

こっちゃんシアター

上映時間 117 分
製作国 アメリカ
公開情報 東北新社=アスミック提供/シネセゾン
初公開年月 1994/08
ジャンル 青春

人口千人ほどの田舎町、アイオワ州エンドーラ。24歳のギルバート・グレイプ(ジョニー・デップ)は、大型スーパーの進出で、はやらなくなった食料品店に勤めている。日々の生活は退屈なものだったが、彼には町を離れられない理由があった・・・。
(goo映画より)

 

冒頭のトレーラー軍団を待つギルバート(ジョニー・デップ)と弟のアーニー(レオナルド・ディカプリオ)
走ってくるトレーラーが見えると、アーニーは歓喜の声を上げます。年一回通り過ぎるトレーラーの大群を、アーニーは楽しみにしていました。そして優しく美しい旋律のメロディーが画面いっぱいに広がっていきます___。

ラストにもつながるこのシーンは、こっちゃんが大好きなシーンです。
このオープニングを観るたび、再び感動できる予感にもう包まれてしまいます。

この映画では家族の絆が、とても興味深い視点で表現されていますね。ハンデを持つ弟。自殺した父。身動きも満足にとれないほど太ってしまった母親。そんな家族の世話をする長男ギルバートと二人の美人姉妹らを通して、「家族愛」というものが優しく自然に、そしてゆっくりと描写されていくます。

この物語のギルバートは、確かに家族想いですが聖人君子ではありません。自分が働くお店の配達先の人妻と不倫だってしちゃいます。そんな彼の町を訪れたベッキー(シュリエット・ルイス)。たまたまこの町でトレーラーが故障してしまい、部品が届くまで待機生活することになってしまう彼女は、ギルバートと交流を深め、次第に心を寄せて行きます。

いつかトレーラーが修理されれば、彼女は再びこの町を離れて行く。
「私をひきとめたい?」そう聞いた彼女にギルバートは「行くなら行けよ。」とそっけなく答えますが、もしあの時、彼が「Yes」と言っていたらどうなっていたでしょう?もしかしたら彼女はこの町に留まったのかもしれません。この二人の別れのシーンは胸につまるものがありますネ。

町を去る彼女と、悩みつつ町に留まる彼。ギルバートは今まで何度こんな思いをして過ごして来たのでしょうか?

この作品のユニークなところはその後の展開。なんとギルバートと家族にとっての一大事が起こってしまいます。そして家族想いのギルバートが家族のためにとった行動。これにはただ驚くとともに、暖かい想いがしっかりと胸の奥にまで届きます。

家族に対する愛情や優しさをこんな風に表現した映画を他に見たことがありません。

まさしく名作ですね。爽やかな余韻の後に訪れるエンドクレジットの間、思わず拍手を贈りたくなる作品です。

ジョニー・デップ、レオナルド・ディカプリオ、ジュリエット・ルイスの三人は良いですねぇ。そして脇も良いですよ。名脇役のジョン・C・ライリー、それに「最近だれも死なない」と嘆く葬儀屋のボビーは、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、マイケル・J・フォックスのパパ役だった人。何より凄いのはこの物語の中心にどっかり腰を下ろす母親役。ダーレーン・ケイツという新人さん。大型新人ですね。(笑)意味違いますが。どうやら当時TVのトークショーで発掘された女優さんらしいですが、その存在感はたっぷり!実に重量級の熱演ご苦労様でした

思えば、今のこっちゃんの感傷的な感覚の原点になっているこの作品。
もはや30回近くは観ているこの作品について語りたいことは山ほどありますが、何度観てもこの作品の『空気感』は新鮮で、観るたびいつも深呼吸したくなります。

もう『からだの一部』とも言っても良い、心の作品です

《2006.07.09記事一部改訂》

 

【作品】ギルバート・グレイプ 【主演】ジョニー・デップ
【監督】ラッセ・ハルストレム 【名演】レオナルド・ディカプリオ
【原作】ピーター・ヘッジズ 【黒髪共演】ジュリエット・ルイス
 

飛べ、バージル/プロジェクトX (1987)

2005年06月20日 | いかすMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★★

こっちゃんシアター

上映時間 109 分
製作国 アメリカ
公開情報 FOX
初公開年月 1987/08
ジャンル アクション/SF

ウィスコンシン大学心理学研究所のテリー(ヘレン・ハント)は、チンパンジーのバージルに手話を教え、人間と動物のコミュニケーションに成功した。ところが、その研究費が打ち切られ、バージルはロックリッジ空軍基地に送られてしまう。そこではチンパンジーを使って“プロジェクトX"という極秘の実験が進められている。そのチンパンジー達の飼育係に任命されたのは、元パイロットのジミー(マシュー・ブロデリック)だった......。
(goo映画より)

 

このタイトルを初めて耳にしたとき「え?ジャッキー・チェンの映画?」って思った。
それって「スパルタンX」+「プロジェクトA」だよね(笑)

1987年もの。のっけから登場するヘレン・ハントの若さにビックリです。この頃はシワ一つ無くチョットふっくら顔。もう一人の主役はマシュー・ブロデリックです。印象としては非常に良くまとまった映画。

そもそも、マシュー演じるジミーがチンパンジーの世話係になったのは、彼女をナンパするために空軍の飛行機を盗んで降格処分になってしまったから。とんでもない落ちこぼれ君デス。マシューってオチコボレ君とか、情緒不安定君が良く似合う。こっちゃんの中では永遠のトッチャンボーヤですから。(笑)

今回、彼が極秘任務ときいて意気盛んに付いた配属先はチンパンジーの世話係。でも内容はちょっと特殊。チンパン君に飛行機操縦訓練をさせるというもの。一体何のためにそんなことを?その背景には背筋が寒くなるような真実が隠されているというわけです。

とにかく映画そのものの組み立て方が非常に上手い。古い映画ですが、これは今観ても楽しめるレベル。笑いどころアリ、泣かせどころアリですからね。実に心得たつくりなのです。

一番の見どころはチンパン君たちの名演技!今なら安易にVFXでしょうが、この時代はそうは行かない。この映画はチンパンジー役者あっての作品と言えますね。

手話を使い自分の意思をはっきり表現するチンパンジーのバージル新入りメスパンジー(女の子のチンパンジーの事 ^^)にリンゴをあげたり、頭を痒がってるセンパイジー(先輩のチンパンジーです ^^;)にブラシを取ってあげたり。とにかく優しいんですね。”青ひげ”のシーンは、もう本当に泣いてるように見えちゃう。上手いな、てかスゴイな。

最後までタバコを欲しがるゴライアス君のシーンに涙、涙。あれは本当に可哀想な場面でした。

《2006.07.11記事一部改訂》

 

 
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マイ・ブラザー (2004)

2005年06月19日 | いかすMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★★

映画館

上映時間 112 分
製作国 韓国
公開情報 UIP
初公開年月 2005/05/28
ジャンル ドラマ/青春

ソンヒョン(シン・ハギュン)とジョンヒョン(ウォンビン)の二人は、性格が正反対の兄弟だった。頭がよく、成績も学年トップの兄と、乱暴で毎日喧嘩に明け暮れる弟。ジョンヒョンは人気者の兄が疎ましく、反抗するかのように不良グループと付き合っていた。高校を卒業すると、兄は医大に進学、ジョンヒョンは浪人生となった。そんな時、母親が自分の店を出すために貯めたお金を、不動産会社が持ち逃げしてしまう。母親を助けようと、ジョンヒョンは借金取立ての仕事を始める。次第に危険な男達とつきあうようになった弟を、兄は止めようとするが・・・。
(作品資料より抜粋)




ここ最近、韓流ブームも幾分治まってきた感もありますが、まだまだ良い韓国映画はあるもので。チョット感動の映画と出会いました。 韓国には他にも邦題で”ブラザー”が付く映画があります。「ブラザーフッド」「オー!ブラザーズ」なんかがそれですが、この「マイ・ブラザー」はその2作品に比べると、より自然でストレートな兄弟の姿を描き出しているように感じます。

父は早くに病死し、母は一人で病気を持つ兄とヤンチャ坊主の弟を育てる。成長して行く過程で性格が正反対に育った兄弟。 兄の病気は唇の上が二つに割れてしまうというもの。この病気を幼い頃から持ち、何度も手術を受けてきたようです。

母はそんな兄のために手術代を貯めようと、節約をしながら金貸し業に精を出す。一方で、五体満足に生まれ育っているはずの弟は、兄だけが特別扱いされているように感じひがむ。だから弟は兄を決して「兄さん」とは呼ばない。そしてそんな気持ちを態度にも表します。

兄が母から買ってもらった偽バーバリーのジャケットを横取りしたり、二人で乗るように言われ与えられた自転車を、一人で乗って学校へ行っってしまったり。とにかく力関係は弟の方が上。でも、そうは言っても兄弟なんですよね。この兄弟の間には言葉だけでは語れない兄弟愛っていうのが、ちゃぁんと存在するんですよ。

ある女子高生を巡って同じ学校の不良と喧嘩になったとき、ボコボコにやられそうになる弟を助けようと、ひ弱な兄は恐れず不良に食いかかり逆にヤラレてしまう。そして今度は弟が兄を助けようと、ブロックの塊で不良の頭を一撃!結果的に、不良の男子生徒は大怪我を負ってしまうのですが。
どんなときも毅然とした態度で息子達を見守る母親が良いですね。その後で二人の息子に言った言葉がスゴイもの。

 「今度もし一人がやられるようなことがあったら、必ずもう一人が助けなさい。それが兄弟というものよ。」

すべてはこの言葉に集約されています。それは、当然ながら暴力肯定なんていうバカげた発想ではなく、『兄弟』のつながりが持つ本当の意味であると、しっかり伝わってきますから。

この映画の良いところは、決して暗く湿っぽくなり過ぎず、生き生きと明るいタッチで二人の姿が描写されている点。弟役のウォンビンはこの撮影の後、兵役に入ってしまいましたが、ここでの熱演ぶりは眩いばかりの輝きを放ちます。一時映画界を去るにあたり、出し惜しみをせずありったけをぶつけてくれた感じがして、観ているこちら側もとても気持ちが良いのです。
兄役のシン・ハギュン母親役キム・ヘスクも上手いですよね。ヤクザの兄を持つ女子高生役イ・ボヨンは今作が映画初出演。ヒロインとしてちゃんと華を添えてくれました。

兄との思い出の場所で、弟が最後に語る兄への本当の気持ち
出来上がった兄の写真を見て口にする「ぼくのお兄さん」という言葉。
そんなシーンに胸が詰まり、思わず涙がホロリ
男性、女性を問わず多くの観客が泣いてたようです。

タイトルやテーマのイメージから、「これはオトコの映画かな?」と思っていましたが、決してそうではありません。
ウォンビンという俳優を知るにも良い作品だと思いますよ。

《2006.07.10記事一部改正》


【作品】 マイ・ブラザー

 


約三十の嘘 (2004)

2005年06月17日 | ふつーMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★

こっちゃんシアター

上映時間 100 分
製作国 日本
公開情報 アスミック・エース
初公開年月 2004/12/18
ジャンル ドラマ/サスペンス/コメディ

3年前、ある出来事がモトで解散してしまった詐欺チームが再集結した。一行が目指すは、北海道の札幌。そこでの大仕事が成功すれば、1億3千万円もの大金が転がり込む。荒稼ぎ目的の5人が乗った豪華寝台特急トワイライト・エクスプレスは北へ北へと向かうのであった。しかし、3年前のチーム解散のきっかけになった出来事の渦中の女性が京都からメンバーに加わり・・・・・。
(作品資料より抜粋)


嘘は映画に取り上げられやすい素材のひとつだと思います。「生まれてから今まで一回も嘘をついたことが無い人ぉ、手ぇ上げてっ!」って言われて、元気に「はぁ~い!」なんて答える人がいれば、それがもう嘘ってもんでしょう?嘘はそれだけ、人間にとって身近なものなのですねぇ。

これはそんな嘘のプロ集団のこんな映画。 このメンツでも、ソコソコ面白い映画は出来るんですね~というのが正直な感想ですネ。

タイトルの「約三十の嘘」とは、”一つ嘘をつくならば、それを隠すために三十の嘘を用意しなければならない”というトコロから来ているらしいです。ナルホド、たしかにそうかもしれません。何気なくついてしまった嘘も、人に聞かれ行き当たりバッタリで説明しているうちにドンドンつじつまが合わなくなって来るコトってありますもんね。だから初めから三十個の嘘を用意してから嘘に臨まなきゃいけない。嘘を嘘で塗り固めるわけです。

この映画は、殺人が起こるわけでもラストに大きなドンデン返しが待ち受けているわけでもありません。それどころか、一行が口にしている札幌での詐欺イベントの光景すら出てこない。舞台はひたすら列車の中。そこでのやりとりONLYです。
しかも登場人物はほとんど6人しかいない感じに等しい。それ以外は列車の車掌さんや、タクシーの運ちゃん(引越しのサカイのおっちゃんでした♪)くらいなものですからね。

延々と、この仲間同士のやり取りだけです。 

 「みんなで団結」をしきりに訴える宝田(中谷美紀)は、はじめからカラ回り気味。3年前の失敗で「死人扱い」されている元リーダーの志方(椎名桔平)は、のど飴中毒でいつもオチャラケ。「騙しの心理学を学んだ」という新チーフの久津内(田辺誠一)は初めからどこか頼りなく、そんな連中に3年前の”仕事”で稼いだ金を持ち逃げした男と消えたというボインの女性、今井(伴杏里)が加わる。若手ですぐに熱くなる元アル中、佐々木(妻夫木聡)は、やたらと志方に毒づく。さらには、今回新たに加わったメンバーで霊感商法のベテラン横山(八嶋智人)は、妙に調子の良いテンションでひたすら浮きまくる。

こんな6人がまとまるワケがないぢゃない!

一行が乗り合わせたのは寝台特急トワイライト・エクスプレス。その狭い車内でのユニークな個性の掛け合いが、これまたどうして中々笑えるのですよ。そもそも”詐欺団の団結”ってあってないようなモノでしょ?みんな騙す商売のプロなんだもの。(笑)何かあればすぐに足の引っ張り合い、化かし合いですよね。メンバーはお金という共通の目的だけのために表面だけを取り繕い、そんな微妙なバランスでチームは保たれているのですからね。

コトが終われば、ホナサイナラですわ。

詐欺イベントは大成功!バッグには7千万円という大金が。そこで聞こえ始める悪魔のささやき。 「仲間ヲ出シヌケ」言うとります。

でもこの映画は、嘘だの騙すだのという映画にしては妙に嫌な気分にならないのね。それはキャラ全員がどこかマヌケで、根っからの悪人に見えないってのもあるでしょーねぇ。詐欺集団が自分達で「ボクたちって普通じゃないよね」って認識するあたりが、クスリと笑える。(笑)

たしかに「もう一つヒネリが欲しいなぁ」とか、「つまらないね」という意見もありそうな映画ですが、なぁんかね。列車に揺られながら人の嘘も一緒に揺れるっていうこの感じがね、なかなか馴染んでくるのですよね。
オープニングも、エンディングも好きなパターンではあります。

要所要所に流れるクレイジーケンバンドの音楽が、この映画の雰囲気を決定付けますね。

《2006.07.10記事一部改訂》


【作品】約三十の嘘

 


今年はエアコン買ったぞぉ!

2005年06月16日 | だいあり
こんにちワン!こっちゃんです。

最近、どうも忙しくてマトモな記事がUP!出来ないのです。
映画は観てるんですけどね~、毎日

そこで、今日はこんなもので誤魔化して、ムリヤリな記事で済ませようかと思っております。

上の絵画はルーブル美術館秘蔵と噂されている(ウソ!ウソ!)名画の一つで、
「イルカに乗ったこっちゃんと、ズル賢いペンギン、そしてエアコン」
と呼ばれている作品です。←どこでだ?

しばし、こちらで疲れきった心を癒して頂ければ幸いでございます。
「え?なに?余計に疲れるって???」

......それは、きっと気のせいです


人気映画・TVBLOG ←最近、調子良く急降下中!あっはっはやっぱ、毎日更新しなきゃダメかしらね~っ!


ダニー・ザ・ドッグ(2005)

2005年06月14日 | いかすMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★★

試写会

上映時間 103 分
製作国 フランス/アメリカ
公開情報 アスミック・エース
初公開年月 2005/06/25
ジャンル アクション/サスペンス

5歳の時に誘拐され、闘犬として育てられたダニー(ジェット・リー)は、高利貸しのバートに連れられ、取り立てと闘いに明け暮れていた。首輪を付けられ、感情さえも忘れていたダニーは、ある日、事故で視力を失ったピアノ調律師、サム(モーガン・フリーマン)と出会う。数日後、バートとダニーが乗る車にトレーラーが突っ込み、なんとか車を這い出したダニーは、サムの元へ辿りつく。回復したダニーは、サムと、サムの娘ヴィクトリアの元、次第に人間らしさを取り戻していくのだが...。
(goo映画より抜粋)

心拍数が上がりまくりデスッ!圧倒的なカンフー・シーンを惜しげもなく立て続けに見せ付けるこの作品。いったい何なんだあ~ッ!ジェット・リー・ファンならもちろん必見!ファンならずとも”彼”という俳優を知るにはもってこいの作品だと言えるでしょう。

何だかいまだに頭がクラクラしています。(笑)だって映画が始まって1分経ったか経たないかのうちにジェット・リー鋭いカンフー・アクションが炸裂しまくるのですから。ロクな台詞も発する前にですよ。(笑)すっかり面食らってしまいました。

そうそう。ダニーの首には鉄製の重そうな首輪がハメられています。犬の首輪のようなやつ。彼は人間でありながら飼犬同然。闘犬系ね。
白いスーツのボス男が『それ』を外し、耳元で「殺せ」とささやけば、途端にダニーの表情は険しく変わり、目の前の数人の男達に片っ端から拳や蹴りを雨のように降らします。一瞬にしてやり込めて行くのです。

その技の早いこと、早いこと!

【目にも止まらぬ早さ】とは、こういった光景を見た人が最初に使った言葉でしょうね。こりゃたしかに「ジェット」だわ!(笑)次々と繰り出される技のスコールに、すでにこっちゃんの心臓は爆発状態!久々に映画で悶絶しそうでした。

高利貸しの飼い主に、ボロボロの服を着せられ、首輪をハメられ、地下室で飼われ、食事は缶詰の中身を手でつかんで食べるダニー首輪をハメられている時のダニーは、とてもオトナシイ。車の中から外の景色をボーッと眺める彼の目はどこか悲しそうにも見えます。
しかし、ひとたび首輪を外し、ご主人様が「殺せ!」と命令すれば、相手に対して容赦なく牙をむく猛犬に変わるのでした。

この映画におけるモーガン・フリーマンは、ゆっくりと人間らしい心を取り戻していくダニーのドラマに重みを持たせる非常に大切なポジションの役をこなします。「ミリオンダラー・ベイビー」で片目を失明したスクラップの役だった彼は、皮肉なコトにこのダニー・ザ・ドッグでは、とうとう全盲に。これがまたなかなか似合うのです。またピアノを貴婦人として扱い失礼のないように声をかけてから調律に入るなんて、結構お茶目なキャラでもあります。

このモーガンがね、普通の人間から外れてしまったダニーの心も手探りで調律して行くのですよ

”家族(ファミリー)の絆”というものの大切さダニーに優しく教えるモーガン・フリーマン。そんな姿に「あ、いいなこれ」って気分になっちゃいまして、またまた素直に感動したのでございます。

脚本は「レオン」、「ニキータ」リュック・ベッソン。監督にトランスポータールイ・レテリエ。アクション演出はマトリックスを担当した演出家です。優秀なスタッフが持ち味を潰し合わず快作に仕上げたという感じでしょうか?うわぁ~コラボやがなぁ。

ジェット・リーがラストで見せる、幸せに満ち溢れた眼差しがたまらなく良い
彼の全てをここに注ぎ込んだような素晴らしい表情だと思います。

《2006.07.09記事一部改訂》


【作品】 ダニー・ザ・ドッグ

 


ミリオンダラー・ベイビー(2004)

2005年06月13日 | いかすMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★★

映画館

上映時間 133 分
製作国 アメリカ
公開情報 ムービーアイ=松竹
初公開年月 2005/05/28
ジャンル ドラマ/スポーツ

「自分を守れ」が信条の老トレーナー、フランキー(クリント・イーストウッド)は、23年来の付き合いとなる雑用係のスクラップ(モーガン・フリーマン)と、昔ながらのジム、ヒット・ピットでボクサーを育成している。有望株のウィリーは、教え子を大事に思う余りタイトル戦を先延ばしにするフランキーにしびれを切らし、別のマネージャーの下へと去ってゆく。そんな折、フランキーの前に現れた女性ボクサー、マギー(ヒラリー・スワンク)。マギーはフランキーの指導を乞うが、昔気質のフランキーは女のボクサーを認めようとしない。だが連日ジムに通い詰めるマギーの一本気さに、やがてフランキーの心も揺り動かされ始めるのだった・・・・・。
(goo映画より抜粋)

正直、この映画を観るのが怖かった。漠然とした、例えようのない怖さが観る前から付き纏っていました。

公開後、ちょっと日数が経った事もあり、こっちゃん宅のご近所シネコンはついに一番小さなスクリーンの上映。そこで観ました。しかしこの映画の感想を書こうにも、パソコンのキーが重く感じるような・・・。とにかく”例えようの無い脱力感に満たされているのでございます。

もう、この映画のレビューはあちこちで読むことが出来ますね。こっちゃんは、観るのが遅すぎたくらいです。皆さんのレビューはどれも大絶賛!いったい、どれほどの映画だったのでしょうか?こっちゃんは皆さんの感想の通りに感銘を受け、そして涙することが出来たのでしょうか?静かに物語は幕を開けます___。

ボクシングの映画は実に痛々しい。右、左と対戦相手に向けられていくパンチが、まるで観ているこちら側のハートにヒットするかのような感覚に捕らわれてしまいますからね。この作品もやはりそう。これは自分の選んだ道を信じてボクシングの道を突き進む女性マギーのお話です。

前半は、彼女のサクセス・ストーリー的な展開

「オンナは取らない。他所へ行け。」と言い捨てるフランキーの言葉に尻込みせずジムに通い続けるマギー。レストランのウエイトレスとして働く彼女は、客が残したステーキを自宅で口にするほどの貧乏生活。彼女にとってはボクシングこそがただ一つの目標であり、また支えでした

フランキーのもとで勝利を勝ち取り賞金を手にするようになった彼女は、そのほとんどを貯金に回し、やがて離れて暮らす母親と妹のために一軒の家を買います。しかし驚くのはこの時の母親の態度ですね。もはや肉親とは思えません!どんな時もマギーを見守るクリント・イーストウッドの優しい眼差しがとても対照的に映ります。

後半は、この二人のがテーマの中心となって進んで行きます。 

いつも静かに優く流れてくるBGMと飾り気のない演出。ヒラリー、モーガン、イーストウッドの演技だけがクッキリと浮き上がって見えます。三人がそれぞれに語り合うシーンだけでも、もう十分に引き込まれてしまうほどですからね。
モーガン・フリーマンの名前どおりのスクラップ人生を感じさせる低音の声。マットに叩きつけられ声まで磨り減っってしまったかのようなクリント・イーストウッドしゃがれ声。これだけでもう十分ですね。もう何も、いりましぇん!
もちろん代役ナシでこの演技に挑んだヒラリー・スワンクも素晴らしい。彼女が時折り見せる笑顔は言葉の10倍以上も伝わるものがありました。

このように、この映画は単にストーリー的にだけではなく、随所に見ごたえがある素晴らしい仕上がりを見せています。

しかしながら、ここまで感銘を受けながらも、あえてこの映画のもたらす結末には全く賛同は出来ません。これは色んな意味でキツイ終わりかたです。

『愛』あっての事とは理解できるも、「正しいか?」と言われればそうではない。もっとも、その場に直面した者だけが理解できるであろう苦しみと、その挙句に犯してしまった過ちであるということも分かりますが、これはこっちゃんが望んでいた結末とはまるで正反対

決してこの作品を否定しているのではありませんイーストウッド作品も到達すべき境地に足を踏み入れてしまった凄さを、一方ではヒシヒシと感じました。
ただこれは、あくまで自分の中の感情的な問題。冒頭でお話した”例えようの無い脱力感”とはこのコトです。

とうとうこの作品に★★★★★五つ星をつけることが出来ませんでした。
この作品の本当の「評価」は、ご覧になった方の胸の中だけにあるのではないでしょうか?

《2006.07.09記事一部改訂》


【作品】 ミリオンダラー・ベイビー


奥サマは魔女/魔王の陰謀(1997)

2005年06月11日 | ふつーMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★

こっちゃんシアター

上映時間 102 分
製作国 フランス
公開情報 シネマパリジャン
初公開年月 1999/05
ジャンル コメディ/ファンタジー

モーガン(ヴァネッサ・パラディ)は、魔界でただ一人魔法でベビーを作ることのできるスペシャルな魔女。彼女は生後11ヶ月の息子アーサーのパパ選びに大忙し。なぜなら、アーサーを普通の人間として育てるためには、1歳になるまでに代理パパを探して、魔法を解く儀式をするのが魔界の定めた哀しい掟だったのです・・・・。
(作品資料より抜粋)

ニコール・キッドマン「奥さまは魔女」が公開間近ということで観ました。ニコールの「奥まじょ」は、劇場で予告編を目にするたび、思わずニンマリしてしまいます。だって監督はあの、「めぐり逢えたら」「ユー・ガット・メール」ノーラ・エフロンですもんね。こっちゃん的には、今年一番のワクワク映画かなぁ?なあんて、勝手に期待しちゃってるんですヨ。

それはともかく、同タイトルのフランス映画。こちらは1997年モノ。ちなみに本家のアメリカ映画とはまったく関係ナシ。紛らわしいですね。しかしながらヴァネッサ・パラディはもとより、あの名作「レオン」の主演で世界を沸かせたジャン・レノまで出演。観る前から見所ありそうと期待もしてしまいます。

さてさて、この映画におけるジャン・レノは、モロクという悪い魔法使いの役。彼は小太り気味の体形と髭面で悪役のイメージを作りだします。でも生意気に真っ赤なスポーツカーを乗り回したりしちゃってる悪魔法使い・・・そんなのいるか?(笑)
一方、ヴァネッサ演じるモーガンは良い魔法使いグループの所属。自分の愛しい赤ちゃんアーサーを、非魔女化させる(よーするに人間にするってコト)ために、惑星直列が起こる6月14日の午前6時生まれの普通の人間の男性を生贄に儀式を行わなければならないらしいですね。ま、なんだか良くわかりませんが忙しそうではありますね。

陽気なアメリカン・コメディチックなタイトルから入ると、こちらは「ずいぶんダーク」と思ってしまいます。でもコレはコレでなそこそこ楽しめますよ。こう見えても設定が細かくて、ストーリー展開もなかなか巧みに仕上がってますからね。文字通り魔法にかかっちゃったみたいに自然と引き込まれて観てしまいます。映画らしいシッカリとした展開で楽しませてくれる映画ですね。

それとこれはフランス映画ですので、アメリカとは質感が違います。好みにもよりますが、オシャレ度なかなかのモノです。モーガンと、夫のマイケルの乗るレトロチックな二人の車が、田舎や街並みを走り抜けるシーンなんかは、とっても綺麗で絵になってました。

あ、予想外のカー・アクション・サービスまでありましたね。そんなの全然期待してなかったからこれにはちょっとビックシ!ジャン・レノの最期もなかなか壮絶でした。思う「ターミネーター2」か?とツッコミたくなるほどですからね。(笑)

ただこの映画での見所はそんなアクション・シーンよりも、愛を感じるストーリーそのものでしょうね。
描かれてるテーマはロマンチックですよ。

魔女は決して、【本当の恋】をしない。でも...ね。

呪文も、魔法の薬もいりません。恋こそがこの世で最高の魔法なんですね。
互いを愛する心こそが全ての不可能を可能にする。

そうです。魔法なんて人間だったらはじめから誰でも持ってるものだったんです。

あなたは 最近『魔法』をつかってますか?

《2006.07.09記事改訂》


【作品関連はこちらからどうぞ】 奥サマは魔女/魔王の陰謀


50回目のファースト・キス (2004)

2005年06月10日 | いかすMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★★★

試写会

上映時間 99 分
製作国 アメリカ
公開情報 SPE
初公開年月 2005/06/18
ジャンル ロマンス/コメディ

常夏のハワイで旅行者を次々とひっかけるプレイボーイ・ヘンリー(アダム・サンドラー)は、ある朝カフェで地元の女の子ルーシー(ドリュー・バリモア)に声をかける。その場で二人はすっかり打ち解けたのに、翌日ヘンリーがルーシーに近づくと、彼女はなぜか冷たい態度。混乱するヘンリーに、カフェの店員が教えてくれる。彼女は一年前にあった交通事故の後遺症で、一晩寝ると前日起きたことをすべて忘れてしまう記憶障害なのだ、と。しかし彼女を本気で好きになったヘンリーは、翌日忘れられるのを覚悟の上で、毎日彼女を口説きはじめるのだが・・・。
(goo映画より)

うう~ん♪とろぴかるぅぅぅぅん ちょっとだけ評判の良い、こんな映画を観てきましたヨ。
何でも、アメリカでは興行収入が1億2000万ドルにも上ったとか。一足お先に試写会で楽しませて頂きました。

ハワイを舞台に繰り広げられる爽やかなラブコメ作品記憶が1日しか持たない彼女を、どやって愛するの?ってなテーマが、明るく楽しく、テンポの良いタッチで描かれています。 何故かしらここ最近映画界に広がる記憶喪失ブーム(?)に便乗したような作品にも思えますが、たとえどこかで聞こうが聞くまいが舞台と登場人物が変わればいくらでも楽しめるのがまたラブコメのイイトコでもありマス。

今年に入り「きみに読む物語」「エターナル・サンシャイン」「フォーガットン」など、数々の記憶喪失ドラマを観てきましたが、この映画の感傷的な部分だけを取れば、「きみ読む」に近い感じでしょうか。ただ「きみ読む」のように終始しんみりとは違います。エンドロールが流れても涙が止まらないような困った作品とは違いますからね。

この映画は、笑わせながらちょっぴり切なくしてくれて、その後はちゃ~んとハッピーなエンディングを用意してくれました。観客を幸せな気分にさせてくれる心配りがなされています。
とにかく、こっちゃん的には「フォーガットン」と同じ結末が待ち受けていなくて本当に良かった!と胸をなでおろしました。ドリューが空に飛んでいったらどうしよう?なんて、イヤですもの。(笑)ま、ないでしょうけど。

ストーリー的には、十分先読み可能でも楽しいといったところ。次の展開はおのずと読めますが、その通りに事が運んで思わずニンマリしてしまうカンジです。そこがまた良いんでしょうね。

この映画に水族館の獣医の男性役として出演するアダム・サンドラーはメチャメチャプレイボーイ!それが不思議なほどイヤミに映らない。これってハワイ効果?そんな彼が本気の恋に目覚めるのでした。「短期記憶喪失障害」を持つ女性ドリュー・バリモアにね。これが結構タイヘンなんだ。

出合ったその日に恋に落ちた二人が、翌日の約束をして別れる。しかし、再び出会ったときには、彼女の記憶の中には「彼」はいないのですからね。
二人が出会う前に遭遇した交通事故の日以来、ドリューは何度も何度も同じ日をなぞる生活。まるで傷ついたレコードのような彼女の記憶。朝が来たらまた同じところに針が戻ってしまう...。
来る日も、来る日も同じ曲を再生するようなものです。

そんな彼女をあの手、この手で毎日口説き続けるアダム・サンドラーの姿が良いんですよねぇ。やっと結ばれた二人はベッドの中で結婚の「約束」をしますが、この「約束」のなんと儚いことか・・・・。「約束」というのは、人の記憶が前提となって初めて成り立つものなんですね。

アダムが言う素直な一言___「ぼくを忘れないで」という言葉に心を締め付けられます。

エイティーズのトロピカルなカバーが良いですね♪

《2006.07.09記事改訂》


【作品関連】 50回目のファースト・キス

 


家具も入って・・・・

2005年06月08日 | だいあり
みなたま。こんにちワン!
休み休みやってます、こっちゃんブログですが、
どうにかお部屋のほうも少し片付いてきました。

それにしてもここ1週間で出したゴミの多さにビックし!

皆たまもゴミは溜めないようにネ。

そんなわけで、今日もまだまだお片付け。
夕方からは久しぶりの試写会に行ってきま~す

明日書けたらレビューします。
何を観るかって?・・・・そりは言えないなあげこげこ。

オーディオの配線に汗を流すこっちゃんの画像でカンベンしてネ

人気映画・TVBLOG←どうやらココを押すとイイことあるらしい・・・・・・ホント?

【かずろぐさん】【はんなさん】度々「評価」ありがとううれしぃ~ッス