こっちゃんポイント ★★★
鑑賞環境 試写会 上映時間 95分 製作国 タイ 公開情報 劇場公開 (ギャガ・コミュニケーションズ) 初公開年月 2005/12/03 ジャンル アクション 映倫 PG-12
デュー(ダン・チューボン)は国家特殊部隊に所属し、麻薬売買を取り締まる刑事。部隊長リーダムロンとともに、麻薬王ヤン将軍を逮捕するため組織への潜入に成功する。だが逮捕寸前にして正体を見破られてしまった。壮絶な大追跡の末、将軍を逮捕はしたものの隊長が命を落としまう。失意の日々を過ごすデューを見かねた妹ニュイは、兄を励まそうとトップ・アスリートの一団との地方慰問に誘う。穏やかな田園風景の中、傷ついた心を癒すデューだったが、その頃復讐に燃える麻薬組織は村を包囲していた…。(goo映画より抜粋)
CG隆盛の時流に逆らうかのごとく、高度で危険極まりないスタントに挑んだ「マッハ!」に続いてタイ映画界が放つアクション巨編「七人のマッハ!」には、なんと!CGが使用されていた!・・・あららっ?
でも宣伝通りアクションは『生身』でしたよ、今回も。えぇ。確かにスゴイアクションですとも、これは。しかし、まぁ。なんてタフなお国なんでしょうかねぇ。これでは真似しようったってマネできません。これなら誰も真似しようとしないでしょう。おっかないもん。
走るトレーラーからの転落ッ!
しかも轢かれる寸前の着地ッ!
マトモに脳天にヒットするムエタイ技ッ!
投げ飛ばされ柱に顔から当たるッ!と、まぁこんな危にゃいシーンの連続です。
更には、地面でもがくその頭上めがけてトラックがジャンピング!
スレスレのところでかわすだなんて・・・あわわ。
これが生身の人間を使用しての撮影だと思えば思うほど恐ろしくなります。
CGを使用しません!ワイヤーアクションを使用しません!スタント吹替えを使用しません!という2003年製作のタイ映画「マッハ!」から早1年。前作で武術指導だったパンナー・リットグライが、今度は監督として「マッハ!」の名がついたこの映画を作りました。今度は7人のヒーローを迎えての登場です。
しかもヒーローたちが身につける持ち技は「ムエタイ」のみならず、「テコンドー」「体操」「サッカー」「ラグビー」「セパタクロー」「器械体操」というムチャクチャな組み合わせ。こんなんで悪い奴らをやっつけろー!って言うんだからそりゃ可笑しな話でございます。おまけにこの方々たちはタイ全土から集められた本物の金メダル級アスリート達だというからお笑い・・・・いやいや、驚きです!
ストーリーは至ってシンプル。いかにもタイ風。
あのね、どーしてもこの主役がだんだん織田裕二に見えてきちゃうんだけど。適度に色黒な感じがね。しかもやたら熱血だし。
「事件は会議室でおこってるんじゃないっ!タイで起きてるんだっ!」
なんちゃって。
ともかく この映画は今回も”CG/吹替えスタントなし”のアクションに集中した出来上がり。劇中登場する数々の「?」シーンなどに気を取られてはいけません。「おや?パソコンの画面がハメコミみたい」とか、「え?何してるの?声紋分析って?」などと、そんな事どーだって良いんです。話の流れ、流れですから!
まるで95分のスタント番組を見ている感覚にもなっちゃうのですが、派手さでは完全に「マッハ!」を凌ぎます。アクションもそうですが、火薬の量も断然増えてますからね~。その勢いと来たら、撮影のために約3ヶ月もかけて作ったと言われる村をまるごと吹き飛ばすほどの力の入れようですモン。そらスゴイです~。
ただ、こっちゃんは映画としてならば「マッハ!」の方が好きです。
一番の理由はこの映画の「暗さ」。派手だけど暗い。「マッハ!」より暗いんです。村人が殺されるシーンは所々残酷で、腕がちぎれかかったり、死人の顔もアップになったりします。女・子供までもが狙われ、時には投げられたり撃たれたりするシーンもありました。派手で暗い映画というのも面白いかもしれませんが、やはりタイには根アカなアクションが似合うような気がします。
それでも撮影現場はノリノリで楽しそうな雰囲気♪エンドクレジットでメイキングとしてそんな風景を見せてくれます。観ている最中、アクション俳優のケガを心配しちゃうシーンの連続ですが、コレだけのアクションをやっておきながら、重傷、死亡一切ナシというのはさすがにスゴイですね。初めにこのコトを知っておくと結構安心して観れます。
最近のアクション映画の多くは、ビックリ・アクションシーンがふんだんに盛り込まれているにも関わらず、その割りにハラハラしないのも事実です。その原因はCGの多用によるため。撮影不可能なシーンまでもアッサリ実現できるCGの力は確かにスゴイですが、「そうと分かりきったニセ物」では人の心はハラハラしない」ということ。
「CGあり!スタント吹替え当たり前」の軟派なハリウッド・アクションに対する挑戦。
それがこの映画のテーマだったようにも思えます。
そう言えば、この映画の製作にプラッチャヤー・ピンゲーオなる人の名前がありました。
そんな彼の名前が、何故かしらブラッカイマーに読めてしまうこっちゃんなのでした。
《2006.08.03記事一部改訂》
【作品】七人のマッハ!
マッハ ! プレミアム・エディション ジェネオン エンタテインメント ここまでやってくれるとスカッ!としますネぇ |
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