こっちゃんポイント ★★★
鑑賞環境 |
試写会 |
上映時間 |
120分 |
製作国 |
日本 |
公開情報 |
劇場公開 (東映) |
初公開年月 |
2006/01/28 |
ジャンル |
ロマンス/SF/戦争 |
ドジで不器用な少女・ちせ(前田亜季)と無愛想だけど気持ちの優しいシュウジ(窪塚俊介)。二人は小樽の同じ高校に通うクラスメート。ちせの突然の告白を受け、交換日記を始める事になった二人は、お互い戸惑いながらも、ぎこちない交際がスタートしていった。ある日、シュウジは友人のアツシ(木村了)とアケミ(貫地谷しほり)と一緒に買い物に出かける。休日で賑わう札幌で楽しげな時間を過ごす3人の上空に突然無数の爆撃機が飛来し、街を攻撃し始めた。足を痛め動けないシュウジの目前に落ちた爆撃機の翼が迫って来る。危機一髪のところで「何か」に救われた気がした時、背中から鋼鉄の翼を生やし、変わり果てたちせの姿があった。
(goo映画より抜粋)
”最終兵器彼女”なんて言うから、見るからに凄い”カノジョ”が出るのか、と。
北斗晶とか?・・・まさかね。( ̄ー ̄;)フッ
ダンナに自分の部屋も与えず、主導権は一切握らせない。亭主関白などもっての外。ヘタなことを夫が口走れば、いつ竹刀が飛び出すかわからない。今の世の中、一番強いのは女性なのでございます。あ、ちなみにこの映画に北斗晶は出てませんでした。確認済みです。
そんなワケで(いつもながらどんなワケ?)この映画の試写会に。
窪塚俊介クンが主役です。ヒロインは前田亜季ちゃん。そうです、そうです。『リンダ リンダ リンダ』のドラムスの娘。ちょっとだけ大人になりましたかね?微妙ですが。
実は、主役の二人を見ていていると、どうしても映画とはまったく関係ないことに気を取られてしまい、こっちゃんは邪念を払い除けるのに必死の2時間となってしまいました。
それはこんな感じ。
邪念1:どーしても窪塚俊介に兄の面影を追ってしまう
左がお兄さまの洋介。右がこの映画にご出演の弟・俊介。
あのね、似方がびみょ~なんですよね。
別に、似てないなら似てないで結構、似てるなら似てるで尚結構なんですが、言うなればコレ、「もしかしたら薄っすら似てるかもしれないような、そっくりとも言い切れないような微妙な相似顔ではあるが、それは気のせいかもしれないし、またそうとも言い切れない・・・」そんなハッキリしない感じがします。かなりモヤモヤする気になり具合。
ちなみに画像は、比較的似てる写真を探してはみました。それでもびみょーだもんなあ。これ実際に声とか聞くと、さらに微妙度がUPしますからね。弟・俊介は、兄キよりも太目の声。言い回しは常に喉の奥に言葉が引っ掛かるような感じ。比較的地味な演技。横顔や仕草にどこか兄の姿を見る程度・・・。
映画そっちのけで、なんかそんなコトばかりチェックしてました。
邪念2:前田亜季と長澤まさみがカブりる
左がエプソンカラリオの長澤まさみ。右がこの映画の前田亜季。
姉妹でもなんでもないこの二人が妙にカブる。でも、多分これはこっちゃんだけ。そりゃ、よ~く見ればそりゃ分かりますけど。ほんとです。でも正直パッと見でちょっと迷うところまではキテますね。(笑)それってダメじゃんて話ですが。
この調子で行くと近い将来、「タッチのみなみちゃん役ってこの人だよね」と言いながら、前田亜季を指差す日も近いですね。こっちゃんは大丈夫か?
・・・とまあ、こういうことです。
実はこの映画の撮影は、こっちゃんの住む北海道が舞台。映画のシーンは札幌、小樽と見慣れた景色ばかりでした。
札幌駅前のDAIMARU、丸井今井、MALSAなどにはじまって、水族館、運河など小樽のロケも。エンドクレジットを観て知ったのですが、夕張でのロケもあったようですね。どのシーンかは分かりませんが。
この映画の原作は、あのTVドラマにもなった「いいひと。」(草 剛クンが主役でしたネ)を描いた漫画家・高橋しんの同名漫画です。彼は優しいタッチの絵とストーリーで人気のある漫画家。原作はビックコミックスピリッツ連載なのですが、その着眼点について表現するならば、”奇抜”という言葉意外ちょっと見つからない感じもします。
突然日本が世界を敵に回した戦争を引き起こし、その原因ともなったのがこの「彼女」。何故ならばその彼女は、日本が防衛の要として開発した保持することが許されない”秘密兵器”だったからというお話しです。
まさに最終兵器ともいうだけあって彼女の攻撃能力は絶大。
多方向ミサイル同時攻撃で一瞬にして敵をやっつける。恐ろしい破壊力。
しかし、そんな彼女は普通に高校へ通う女の子。
「自分は兵器なんだ」と納得しつつも、一方で”普通”でいたいという淡い想いも持ち続けます。
って、「はぁ?」ですよね。(笑)
加えて、「これは事実に基づいたお話しです」と言ったらもっとビックリしませんか?
ご安心下さい。そんな事実はありません。(←だったら言うな!)
これは無茶苦茶な話。そしてきっと誰もが「あり得ない」と言う話です。
この頃流行の女子高生~ 背中がジェットの女の子~
こっちを向いてよチセ~♪
だってなんだか だって だってなんだもーん♪
おぉっと、思わず歌ってしまいましたが、こんな光景は、恐らくこっちゃんが生きているうちに目にすることはまずないでしょうね。
でもね、この話しの見るべきところはもっと他にあります。
それは・・・・
それはね・・・・・
前田亜季の作ったヘンテコなお弁当...アテッ(*o☆)\バキッ!
じゃなくて、奇妙な設定がもたらす不思議な恋愛感情の揺れ動きです。
不器用な二人が交換日記によって互いに本心で向き合い始める。「メールのほうが早いジャン。それってウザくねー?」って言っちゃった人はまだまだ甘い。
こういう小道具が後で効いて来るんですよ。あと、カセットテープとかね。
iPodのこの時代に、カセットテープウォークマンだからこそ強烈なインパクトが植えつけられるってなモンです。「好きな曲ダウンロードしてあげるでも5曲までね♪」じゃプレゼントにならない。手渡すならやっぱりカセットでしょ?(笑)だからコレで良いんです。
恋愛ドラマでもあり、SFでもありのこの映画。
本来こういった設定はやはりアニメの方が上手く行くような感じもしますね。といいながら調べてみると、既にアニメになっちゃってるんですね。
そんな話を今回あえて実写化したのか?
なにゆえ?
でもね、彼女が兵器に変って行くトコロの映像は、既に漫画世界を超えた美しさを感じさせるものがありました。この辺りは実写化して正解という部分でしょう。クライマックスでの「彼女」の飛翔シーンも美しかったですよ。
残念だったのは戦争に関する部分の描き方かな。自衛隊は出てくるけど、結局誰と戦っていたのか?会話の中で「世界を敵にまわした」という状況は分かりますが、映像的には一切説明なっしんぐ。また生身の彼女が兵器になってしまった経緯も語られはしないのです。
ルーツを知りたい。ルーツを。
この手の映画にしては、パニックシーンも少ないのも残念賞。もちろん過剰過ぎる必要も感じませんが、逃げてるエキストラの人が笑顔なのは大問題でしょ。(笑)
映画に出れた嬉しさを隠し切れなかったか。
それでも、あちこちに散りばめておいた恋心のカケラを拾い集めるような演出は、思わずぐっ!とキテしまいました。おや?あちこちですすり泣きも。
ああ、この切ないシーンをやりたくて映画にしたんだなあと。
見ようによっては茶番劇。でも、「これは漫画から生まれた世界観」とはじめから思えば、案外楽しめます。主役の二人は、ちょっとこれからの活躍に期待したいところですね。
《2006.08.05記事一部改訂》
【作品】最終兵器彼女