こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

UDON (2006)

2006年08月28日 | いかすMovie

こっちゃんポイント ★★★★

鑑賞環境  映画館(マイカル小樽)
上映時間

134分

製作国 日本
公開情報 劇場公開 (東宝)
初公開年月 2006/08/26
ジャンル ドラマ/コメディ

「世界を笑わせてやる!」と一流コメディアンを夢見て単身NYに渡った松井香助(ユースケ・サンタマリア)が、返し切れないほどの借金を抱え、一度は捨てた故郷・香川に舞い戻ってくる。製麺所を営み、日々黙々とうどんを打ち続けるがんこ一徹な父親(木場勝己)は「なにしに帰ってきた」とにべもない。それでも、親友・庄介(トータス松本)の紹介でタウン情報誌「さぬき」に職を得た香助は、香川名物さぬきうどんのコラムを企画し、やがて空前のうどんブームが巻き起こるのだが…。

 

 
(goo映画より抜粋)

”UDONにコシのある限り、悪の栄えたタメシなし!”キャプテンUDONのこのセリフが気に入った。

「踊る大捜査線」シリーズを世に送り出した本広克行監督の作品、「UDON」。
てんこ盛りです。大盛りです。UDONの”麺”じゃなくて、”具”が。

ユースケのハイテンションぶりは予想していましたが、正直いつも戸惑います。
最初からはすーっと入り込めない。
地に足がついていない浮き足立ったキャラが多いから。
彼のお調子モノでいい加減な感じは、まるでヌルヌルしたウナギのようで、掴みどころが分からない。
でも、そこが面白いところで。
あ、「UNAGI」の話じゃなかったね。「UDON」だよね。

とにかく本広監督は、ユースケを上手に料理できる調理人の一人だと思うわけで。
今回はユースケでうどんのダシを取った、ってカンジ。

当然、濃い。

美味いかマズイかは別として、この味は食べ終わった後もしばらく口の中に残る味。
オマケにあれもこれもと色んな具材がその上に乗っかるものだから、お腹もキツクてたまらない。
腹八分どころか、完全に十分越し。

舌にも残る、腹にも残る。これを満足と取るか、やりすぎと取るか。

もしかして現代人は、ここまでやってもらわなければ満足出来なくなっているほど、
味覚音痴になってきているのかもしれません。
  だから、これは時代が望んだ味なのかも。
  だから、作り手も観客の舌に合わせた料理を作る。
  で、こんな映画が出来上がる。  そういうことなのだと思います。

でも、まあ良いでしょう。こっちゃんは楽しめました。

ユースケの「なんじゃこりゃあ!」あたりから徐々に体がヒートアップしてきて、
小西真奈美の日産マーチ乗り継ぎ伝説が3台目に至るころには、
もうあちこちで笑えるようになっていましたから。
そして泣きどころもシッカリ盛り込まれてましたし。
仏壇のどんぶりが汁までなくなっていたのは、とても嬉しかったですね。

ところで、、、舌の確かな人の評価は厳しいのでしょうか?
ちまたのレビューでは「駄作」「マズイ」「客をナメるな」などの声も上がっているようですが。
こっちゃん的には、本広監督の作品の中では”中の上”といった感じ。
特にケナす気もありません。
もしかしてこっちゃんも味音痴かな? 確かにそうかもしれません。

もっともフジテレビジョンは、いつも宣伝過剰なんですよ。
だから、観る気のない人まで無理矢理取り込んでしまう。
ここ一、ニ週間、TVでユースケをいったいどれだけ観たことか。
しかも口を開けば「UDON」「UDON」。さすがにウザい。
いくらなんでも、やりすぎです。
そりゃあ、CMや告知に引っ張られて観ちゃった人のなかには、
「言うほどのものか!」と不満を漏らす人も出てきて当然だ、と。

だからこの映画に”過剰な期待は禁物”なのだと思いました。
実際、それほど期待していなかった人ほど、楽しめているようです。
それで良いのですね。

冒頭で”具沢山”と言ったのは、まずキャストの多さがあげられます。

かつての本広ワールド常連サンが多数ご出演。
「サマータイムマシン・ブルース」を観ている人なんかはあちこちで
「おおっ!」とか「うほっ!」とか奇声を上げたくなるでしょう。
ヴィダルサスーン一派がうどん巡礼者で登場する他、未来人やホセまでちらりと顔を出しますからね。
うどんタクシーの運ちゃんなんかもオッカシイですよ。

あと、”もう一つの具沢山”は、このテーマの多さにあります。

讃岐うどんを中心に、父子の繋がり、そして家業を継ぐということ、
はたまた人を笑わせるということ、
さらにはブームが人に与えるもの 奪うもの 変えてしまうもの、
あとキャプテンUDON VS 寺島進とか、
トータスとユースケのバンザイ・コラボ・ステージとか、
タクシー代の出世払いとか、ずーっとそこにある奇跡とか、麺通団とか、
「殺す気か!ダレと争ってんのや!」とか、
「うどん屋を探すなら煙突を探せ」とか、
あと、あと・・・・。

とにかくテーマは一杯あります。(それってテーマとは言えないだろ?)

ただそんな数多いテーマ(まだ言うか)の中で、
一つだけ見失ってはいけない重大なテーマ(だから違うだろって)を見つけてしまいました。

それは・・・、小泉孝太郎の食い方を真似しちゃアカン!ということです。
あの人、汁まで飲んでからに。 早死に確定です。

まあラストに関してだけは、個人的には納得が行かないっていうか、
「どーせなら、ニューヨークでうどん屋を開いて繁盛して終われ!」などと思ってしまうのですが、
それじゃあ在り来たり過ぎるんでしょうね。 にしても、どーでしょう?この終わり。
確かに「カミング・スーン」でも悪くはないのだけど、無理矢理すぎやしませんか?

でも、楽しめたからそんなコトどーでもいいや。 結局、そんな気分になりました。
この映画で人生を学ぶつもりもありませんしね。
今回こっちゃんは、”前売食券”購入で一杯1,300円のうどんとなりました。
安くはないけど、食べて美味けりゃその日はOK!ってなもんです。
明日はまた別なものを食べるわけですから。
だからトータルでは満足、満足。

どうでしょう。
フジお得意の過剰CMでまだお腹一杯になっていない人は、一度この映画食べてみては?

ただし、食べる前からくれぐれも期待なさらぬよう。
お腹こわしちゃいますからね。( ̄ー ̄;)b

 

【作品】UDON 【松井香助】ユースケ・サンタマリア
【監督】本広克行 【宮川恭子】小西真奈美