こっちゃんと映画をみまちょ♪

レビューと呼ぶほど中身なし。しかし中身が無いのも中身のウチよのぅ。・・・なんちって。

THE MYTH/神話 (2005)

2006年10月28日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★

鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 120分
製作国 香港/中国
公開情報 劇場公開 (UIP)
初公開年月 2006/03/18
ジャンル アクション/アドベンチャー/歴史劇

紀元前220年前。モンイー将軍(ジャッキー・チェン)は秦の始皇帝の近衛将軍として、朝鮮から妃として迎えられるユシュウ(キム・ヒソン)の警護を任されていた。やがてモンイー将軍は国境で彼女の婚約者・チェ将軍(チェ・ミンス)と激しい闘いになり、命がけでユシュウを守り抜く。一方、現代。考古学者のジャック(ジャッキー・チェン:二役)は、インドの霊廟で財宝を発見するが、墓泥棒として国際警察から追われるハメになる。だが、追っ手をかわしてようやく香港に戻ったジャックの元に、邪悪で貧欲な恩師・グーがやってきて…。

(NTT-X store解説より抜粋)

始まって10分も経たぬうちに「もうクライマックスか?」というハイテンションなノリ。
ジャッキー・チェン主演の映画です。
香港/中国映画らしい衣装の”赤”と、空の”青”が惜し気もなく目に飛び込んできますね。

これはいつも思うことなのですが、中国の歴史って本当にこんな鮮やかな色彩で彩られていたのでしょうか?
中国映画は歴史モノになると、とりわけ発色が良くなるように思います。

この映画のポスターから連想させるのは、またまた中国うん千年の歴史が・・・というものでしたが、
そんな調子で観ると確実に腰を抜かす映画。
でもまあ、ジャッキーだからこれで良いのだと思います。

驚くことに彼は今年、52歳になったそうで。 ってエエーッ!Σ( ̄ロ ̄lll)
なんと、やんちゃなオッサンでしょうか!
そういう目で観れば、このアクションは驚愕に値しますね。
ハリソン・フォードの痛々アクションを楽々超えました。

とにかく、自分の体力の衰えをモロともせず、
尚且つお客さんを楽しませてやろうというこの心意気が嬉しい。

そんな姿が、一瞬、日本ハムの新庄選手とカブりました。
新庄は今年引退してしまいましたが、
ジャッキーの”サービス精神”に定年はないのでしょうか?

・・・それはともかく。(´⊆`*)ゞ

今回のそんなジャッキーのアクション映画には、もう一つのビッグな目玉が付きます。
それは韓国女優のキム・ヒソンのキャスティング。
おおっと、なんと豪華な添え物でしょうか!

彼女の魅力を讃える声は、演技力よりもその美貌に集中します。
巷では「韓国一の美女」とまで称されるキム・ヒソン。
もう「そこにいるだけで良いからお願いします。」というほどの存在。

彼女の出演するドラマや映画は、本国で必ずといって良いほどヒットし、
また現在では中国を初めとしたアジア圏でも絶大な人気を誇るといいます。
もちろん、わが国日本にも熱烈なファンが存在するのですよ。

そんな彼女を迎えて今回語られるのは、2000年の時を超えた壮大な愛とロマンの物語。

長い長い年月を超えても死に絶えることのなかった愛。
それが現代に神話となって蘇るといった内容でした。

ロケは香港・中国のみならずインドにまで及びます。
エンターティメント・ムービーとしては、必要十分な意気込みですね。
見せ場はもちろん、ジャッキーの武術アクションと、それに絡めたロマンスなので、
そこに入り込めない人にはちとキツイ映画。

紀元前の物語はシリアスに、現代の物語は比較的コミカルに。
このコントラスト感は確かに、彼のファンにとっては楽しめるかもしれません。
そしてそのコントラストは現代のシーンにおいて融合され、切ないラストへと向かって行きます。

ロマンスもののストーリーとしては「まあまあ良く考えられていたな」という印象。
演出的には、切ないシーンで流れる音楽が特に良かったですね。

ただ難を言うなら、上質でヌケの良い画質に持ってきて、VFX処理がかなり甘いという点。
これは、一大エンターティメントにはちょっとキツイ甘さです。
一方で素晴らしいクオリティを保ちながら、もう一方ではこの大雑把さ。
これもまた中国、といったところでしょうか? とにかく大甘でした。

身体を貫通する剣、崖を転落する馬車、露骨なワイヤーアクションもバンバン飛び出します。
無茶なシーンの連発。

あろうことか、アクションなどやったことのない(と思われる)キム・ヒソンまで吊って飛ばしてましたからね。
なんだか可哀想・・・。

神秘性の演出不足のせいか、”神話”というより、もはやタダの無茶話に思えるところが残念。

なぬっ?始皇帝が隕石を利用して無重力空間を作っていただって!?
これだけ聞けば、神をも恐れぬ大胆な脚本。
それもこれも全部「ジャッキーですから。」で押し切るこのパワーは凄いのですが。

それにしても、この映画のジャッキーのポジンションは如何なものでしょうか?
美しい王妃と禁断の恋に落ちる将軍の役とは。

鎧のヘルメットをカブった顔など、もはやコメディに近い面白さ。
真面目な顔をすればするほど、コミカルに映ってしまいます。
こんな二人が絶対に好き合うハズがない、と思いつつ・・・。
それでもなんとかこの二人を盛り上げようとするスタッフの努力は並々ならぬものだったのだろうと。
きっと夜も眠れぬ日が続いたに違いありません。

『二千年の時を超え今、“神話”の謎が明かされる―― 』そんなキャッチコピーの映画。
個人的には、『笑ってコラえて。』という部分が多く感じてしまいました。

早い話、今回は完全に鑑賞失敗です。(`Д´;)ハァハァ

こっちゃんのように、一度このワザとらしさに笑ってしまったり、ヒイてしまったりした人は、
もう二度と話に入って行けなくなるので、くれぐれもご注意下さい。(良い子はマネしないでねっ!)

あくまでこれはジャッキー・チェンの映画なのですから。

こっちゃんがこの映画で一番楽しめたのは、エンドクレジット中に流れるメイキングシーンでした。

ジャッキーよりも、ヒソンよりも、”馬”の方が芝居上手だったというのが、この映画で一番泣かせる話です。

 

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イルマーレ (2006)

2006年09月22日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★

鑑賞環境  試写会(ワーナーマイカル小樽) 
上映時間 98分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (ワーナー)
初公開年月 2006/09/23
ジャンル ロマンス/ファンタジー

湖岸に建っているガラス張りの一軒家へ引っ越してきたアレックス(キアヌ・リーブス)は、郵便受けに奇妙な手紙を見つけた。「新しい住人さん、新居へようこそ。前の住人からひと言、ここでの生活を楽しんでね。郵便局に住所変更届を出したけど、きっと配達ミスがあるわ。その時は新しい住所に転送して下さる?お願いするわ。」それは慣れ親しんだ湖の家から引っ越すことになった女医のケイト(サンドラ・ブロック)が書き残したものだったのだが・・・。

(goo映画より抜粋)

「スピード」でも共演していたキアヌ・リーブスとサンドラ・ブロック。
仲良しの二人が12年ぶりに再び共演することになりました。それが、これ。

モトは2001年の韓国映画で、
その時の主演は「タイフーン」のイ・ジョンジェと、「猟奇的な彼女」のチョン・ジヒョンです。

オリジナルがある以上、この映画は「リメイク」と呼ばれて当然なのですが、
その内容の設定には大幅な変更点がいくつも加えられ、
観終わった感想はオリジナルとはまるで違うものが残ります。

まず、設定の変更を余儀なくされたのは、
きっとこの二人を主演に迎えたということに全て起因するのではないでしょうか?

オリジナルの二人から見れば、ハリウッド版はあきらかにオッチャン、オバチャン世代。
(オリジナルから見ればです)
ここで、サンドラがジヒョンちゃんのように声優で成功の道を目指すという路線がまず絶たれます。
だって、この歳でそんなもの夢見ていたら、
「そろそろ目を覚ましなさい」と周囲に言われるに違いありません。

そして一番の違いは海辺の家だったイルマーレ(Il Mare:イタリア語で”海”の意味)が、
なんと湖畔の家になっていること。
ここでタイトルも無理矢理変更。
この映画は『THE LAKE HOUSE 』なのです。
しかも全面ガラス張り。これでは落ち着かないもイイトコです。
これはもう、ラブストーリーよりサスペンス映画の舞台になりそうな家ですね。
こんな家で殺人事件が起きたら盛り上がりそうです。
「丸見えなのに目撃者がいない!」、みたいな。
しかも屋上や、”オート花壇”まであるこの家のプチ仕掛けにはビックリしました。

さて。「湖の家なのに、何で邦題が”イルマーレ”なのか?」っていうことなのですが、
これはかなり無謀なコジツケ技を駆使してのネーミングであることが判明。
この映画で「イルマーレ」という舞台が登場するのはたった一度だけです。
これに関しては、いっそのこと邦題も変更してくれた方がオリジナルのファンもすんなり取り込めたのでは?
という気がしています。

あと、話の一つのカギとなる二人の愛犬に関しても大幅な変更がされていました。
韓国オリジナルでは「コーラ」という何ともスカッと爽やかなネーミングの小さな犬でしたが、
このリメイク版ではいきなり大きな犬に大変身。
しかもサンドラに「ジャッキー」なんて呼ばれ、
一歩間違えば殺人人形チャッキーと間違われそうな勢いでもあります。
しかもチェスを指す事が出来るという珍犬。なかなかの芸達者です。

ワンちゃんの設定で、韓国・ハリウッドどちらの作品にも共通なのは、
「人間みたいに寝る」ということと、クセッ毛だということくらいでしょうか。

 
   <クリックで拡大します>

この他にも変更点はまだまだ山ほどありますが、
良い悪いは別として、この映画は、モトのテーマだけを頂き、後はほとんど作りなおし
という感じも否めません。
頭と終わりを似せておいて、中身はほとんど入れ替え、みたいな。

それでもオリジナルを知らない方が観れば、
この映画はきっと五ツ星中、★★★個以上の評価がつくのではないでしょうか。
特にキアヌのファンの評価は高目に出ると思われます。
(キアヌに関してはなかなか高感度の高いキャラでした)

ただ、2年の時を超えて二人が出会う瞬間に至るまでを 上手に且つ繊細に描いているのは、
何と言ってもやはり オリジナルの方です。


 

  
  それでは、今日の一句。

そこまでして「イルマーレ」の名前にコダワル背景にナニやら”大人の事情”が見え隠れします。( ̄∀ ̄*)

 

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オリジナル版はとても良いですよ♪

 


ゲド戦記 (2006)

2006年07月31日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★

鑑賞環境 

映画館  
上映時間 115分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (東宝)
初公開年月 2006/07/29
ジャンル ファンタジー/ドラマ

 

竜が人間の住む世界に現れて共食いを始めるなど、異変が起こりはじめた多島海世界“アースシー”。異変の原因を探るべく旅に出た大賢者ゲドことハイタカは、その途中で父王を刺して国を飛び出してきたエンラッドの王子・アレンと出会った。2人はともに旅を続け、ハイタカの昔なじみ・テナーの家へ身を寄せる。しかしテナーと共に住んでいた少女・テルーは、心に闇を持ち自暴自棄となるアレンを嫌悪するのだった…。(goo映画より抜粋)

 

※ネタバレはしていませんが、酷評になってしまいました。
  まだこの作品に興味をお持ちの方は読まれない方が良いと思います。
  この作品を愛してやまない方もぜひこのまま素通りして下さいませ。
  でわでわ・・・。

 

「人間の頭が変になっている。」って?

言いたくはないけども、
この出来栄えのまま公開してしまったスタジオジブリの頭は
それこそ”変になっている”と思う。

言いたくはないけども、
もしこれをスタジオジブリのクオリティの中で生まれた作品と考えるならば、
明らかに”過去最低の出来”だと思う。

言いたくはないけども、
長回しの予告編でも使われた「テルーの唄」と優秀なジブリスタッフだけあれば
この映画が成功すると読んだ(わけではないだろーが)プロデューサー鈴木敏夫氏の
過去最大の失敗”であり”最悪の悲劇”だと思う。

言いたくはないけども・・・

言いたくはないけども・・・

 

などと言ってるうちに、あれもこれもと出てきてしまう。止まらない。
ちょっとこれは”痛ジブリ”。
『ゲド戦記』の”ゲド”は、「こんなはずじゃなかったんだゲド」の”ゲド”ですか?
それとも「次回は上手くやろうと思ってるんですゲド」の”ゲド”ですか?

スタジオジブリというより、”フカミニズブリ(深みにズブり)”という感じですね。

もはやこの作品の酷評をネットで探すのに苦労はしないでしょう。
ていうか酷評に当たる確立の方が絶対に高いと思う。
今さら付け加えて言う気など起こらないほど あちこちで嘆きの言葉が語られています。
いかに劇場に足を運んだ人の多くが今回、苦虫を噛み潰した表情で家路に着いたのか
という事が良ーく分かりました。

そういえば、公開前に『ゲド戦記』を取り上げたある番組を観ていた時のこと。
出演者の間でこんなやりとりがありました。

「あなたはどのジブリ(もしくは宮崎駿)作品が一番好きですか?」

「ナウシカ」「ラピュタ」「トトロ」「火垂るの墓」「カリオストロ」「猫の恩返し」...

皆、悩むことなく思い思いの作品の名をポンポンとあげています。
これが「どれが一番好き?」と聞かれず、「好きな作品全部どうぞ」だったなら
きっとほとんどの作品の名前があがるのだと思います。

言い方を変えれば、
ジブリとはそれほど多くの人を感動させる名作を数多く生み出してきたスタジオなのですね。
そして、ちょっとやそっとの出来では もはや傑作とは呼ばれないほど
そのクオリティは高くもなってきています。

ちなみに、こっちゃんの”駿ちゃんBEST5”はこんなカンジ。

そんなところへ持ってきて、人たちの期待を背に新たに産声を上げたこの作品。
しかし今後「一番好きな作品は?」という質問でこの作品に手を上げる人は果たして何人いるでしょうか?
ほとんどいないか、もしくはいてもかなり少数派に留まると思うわけです。

だって、観終わった後に満足感がほとんど残らないもの!
そして「また観たい」と思わせない。
自分にとってはそれが『ゲド戦記』のストレートな感想です。

致命的なのは、今までのジブリ作品のようにワクワクしないこと
できないんです。どうしても。
ストーリーを追うのは容易ですが、
登場人物に感情移入するのはかなり難しいと感じました。
それはキャラクターに観客の心をつかむほどの魅力がないから。
何しろ 感動を求めて足を運んだ観客よりも先に、
主人公がひとりで盛り上がって泣き始めるような状態ですからね。
「あれれぇ~?置いてきぼりかい?」と言いたくなります。

それとメインテーマはいったい何だったのか?これが一番つかめない。

「世界の均衡が崩れつつある」
   だから世直しするかと思えばそうでもない。

「命を大切にしない奴はだいっきらいだ!」
   だから命の尊さを強く訴えるかと思えばそうでもない。

「ボクは父を殺してしまった」
   だから罪を背負って生きるのかと思えばそうでもない。

「竜が共食いをしている」
   だからその原因をつきとめるのがメインかと思えばそうでもない。

「その昔、竜と人間は共に暮らしていた」
   だから再び同じ世界に暮らすだけの話なのかと思えばそうでもない。

見方を誤ったのだろうか・・・?何か大きな見落としがあったのか?

すでに鑑賞された方のレビューでは
「音楽は良かった」「声優は良かった」「絵は良かった」など
部分褒め”も見られましたが、こっちゃん的には
正直そんなことを語る前にもっと言いたいことが出てきてしまいます。

忘れてならないのは、
この作品の監督は、宮崎駿氏ではなく 息子の吾朗氏だということ。

過去のジブリ作品の制作スタッフではないどころか、
アニメやドラマとは全く無縁の建築設計事務所に勤務していた人。
言うなれば、生物学的には父親の血を引いているものの
要は”ただの息子”ではないですか。

この映画はそういう人が監督に立った作品だということです。

そんな彼が”初監督”になる経緯には色々あったようですが、
ひとつ言えるのは「鈴木敏夫氏が持ち上げて監督にした」という事。
想像するに、そこには色々な思惑があったのではないでしょうか?
ただどんな理由にせよ、そんなことは観る側には本来どうでも良いことで。
結果的に見れば、そこに無理があったのはこの出来から自然と分かります。

日本はもちろん、世界中の”ジブリ信者”や”ジブリスト”にしてみたら、
この作品に対する目が厳しくなるのは仕方のないところでしょう。
どうしても偉大な先人である父の作品と比べてしまいます。
もう駿氏の作品で目が肥えちゃってますからね。

「これは今までの”ジブリ定規”で測ってはいけない作品。」
そう言うに決まってます。
だから「スタジオジブリの作品」と思って観に行く人には
こっちゃんもこの作品はお勧めしません。

とは言っても、ほとんどの方がそう期待して行くのでしょうけど。

自分は今回 あえて自ら進んで”酷評”を散々読み、そして頭にインプットし、
相当覚悟を決めてから鑑賞に臨んだつもりですが、
残念ながら皆さんの酷評に納得してしまう結果に終わってしまいました。

「ミイラ取りがミイラの勉強をしてミイラになった」ようなもんですね。

観る前は、前売り1,300円でお安く鑑賞できたつもりでしたが、
観た後ではその価格に見合う満足感すら残りませんでした。
ボッタクリとまでは言いませんが。

とにかく全体的に作りが硬いのですよ。 これは肩の凝る硬さですよ。
なんでしょう?ここが父とは違う吾朗氏の気質なのでしょうかねえ?
設計士らしくというか、まるで図面のように線引きされた上に出来上がった
映画のようでもありました。
型どおりの運びにばかり目を奪われて演出が薄くなってしまった印象です。
もしかしたら、感情の希薄さを感じた原因はここかもしれませんね。

これでは人は感動できません。

ただ、こんな作品でも★(一つ星)にしなかったのは、
それでもGONZOのアニメよりはまだ面白かったから。
言い方は悪いですが「腐ってもジブリはジブリ」です。
やっぱり他のアニメよりは良い。
もっとも こっちゃんのこんな三流感想なんかそっちのけで
理屈抜きで楽しめた人だって、探せばいるはずです。

ええ。いるはずですとも。

宮崎吾朗氏はこの作品で教訓を得て、さらに勉強し、
また新たに作品を手掛けられるのでしょうか?
それとも今回でショゲて「オラ、もうやめた!」となるのでしょうか?

もちろん今回の作品だけで彼を否定する気はありません。
それはジブリに対しても同じです。
個人的にはあと5作品ほど手掛けた後の吾朗氏の作品を観てみたい
ような気もします。

もっとも、まだ続けてくれるなら・・・ですが。

公開日に劇場に足を運ぶきっかけになったほど惚れこんだ「テルーの唄」。
何よりあんなに良い歌が、
勿体無い使われ方に終わってしまったのが一番のガッカリでした。
テルーがただ歌って終わり。え?これって何?

そこだけが唯一の頼りで行ったのに・・・。

何にせよ個人的には、今回の失敗の原因は吾朗監督ではなく、
その周りで笛を吹き彼を踊らせた プロデューサー鈴木敏夫氏にあると思います。

頼むから、もう あまりガッカリさせないでくださいね、鈴木さん。

 

【作品】ゲド戦記

【制作】スタジオジブリ

【監督】宮崎吾朗

【原案/父】宮崎駿


ギャザリング (2002)

2006年07月22日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 101分
製作国 イギリス
公開情報 劇場公開 (ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2004/02/28
ジャンル サスペンス/ホラー

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イギリス郊外の村。アメリカ人旅行者のキャシー(クリスティナ・リッチ)は交通事故に遭い、運転手マリオンの自宅で安静することに。徐々に快方に向かうが、不吉な幻覚に悩まされた。一方、マリオン(ケリー・フォックス)の夫サイモン(スティーブン・ディレイン)は発掘された古い教会の調査を依頼され、驚愕の事実を突き止めるが…。

(NTT-X store 商品解説より抜粋)

発想はなかなかユニークに思ったなあ。
ネタバレになるから言わないけど。

でもホラーと呼ぶにはインパクト薄目でした、これ。
ホラームードが全くないわけじゃないんだけど。
どっちかと言えばミステリー色が強い感じ。

”本格ホラー”って聞いてたけど、それはビミョ~。

どうもね。
盛り上がると寸止め、盛り上がると寸止めの連続で、
イマイチ気分が高まらなかった。

一応、この世の者ではないお方が多数登場するのだけど、
幽霊、亡霊、怨念というよりは限りなく普通の人に近いし。
視覚的なインパクトに物足りなさを感じてしまいます。
だから怖いもの見たさのニーズにはイマイチ応えない作品でしょうね。

怖くないなら怖くないで もうちょっと面白く演出して欲しいところだけど、
残念ながらこの演出は好みからチョイ外れ。

なんでもかんでも説明っぽ過ぎるのが気になるなぁ。

それよりも、クリスティナ・リッチがまた痩せた!そっちの方に驚くから。
人間、ここまでスリムになると、カンペキに顔の輪郭が変わってしまう。
途中まで”彼女”がクリスティナであることに自信が持てませんでした。

自分的には、そこに気を取られて前半過ぎてしまったのが最大の敗因だと思う。

 

【作品】ギャザリング 【主演】クリスティナ・リッチ

天使 (2005)

2006年07月19日 | むむむMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境

★★

こっちゃんシアター

上映時間 117 分
製作国 日本
公開情報 松竹
初公開年月 2006/01/21
ジャンル ロマンス/ファンタジー/ドラマ

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東京のとある街。コンビ二店員のカトウは、彼女が欲しいと思いつつも、恋愛に対してなかなか積極的になれなかった。シングルファーザーの吉川は、愛娘のためにも再婚したいと思っているが、恋人のカスミからは子供が苦手だと告げられてしまう。そして、女子中学生のみずほは、ちょっとした誤解から、学校でイジメに遭うようになっていた。そんなこの街に、ある日、空から天使が舞い降りる。ジンライムが大好物だという、ちょっと風変わりなこの天使は、自由気ままに振る舞うものの、悩み苦しむ人々に寄り添い、その心をじんわりと温めていき…。

(NTT-X store商品解説より抜粋)

ジンライムが好きなのは天使じゃなくて深キョン自身でしょ?と思いつつ・・・。

もし深田恭子の出演作を追っかけ偶然にも『下妻物語』の次にコレを観てしまった場合、
「あれ?またコスプレ?」と思ってしまうこと間違いなしですね。
もはや深キョンの単なる趣味じゃん。
キラキラのイメージ作りすぎでしょー、ってね。(笑)

深田恭子といえば、出演作によって体格がまるで変わってしまうイメージがあります。
身体のどこかに調整レバーでも付いてるんでしょうか?
自由自在すぎます。
ハリウッドのクリスティーナ・リッチ、韓国のイ・ヨンエに並び、
ウエイト・コントロールが自由自在な女優さんですね。
ええ、そんなイメージあるです。

あ、この映画ではカノジョ、ごく”標準”でした。(だったと思います)
そんな深キョンが天使に扮するこの映画。
彼女のセリフは一切なし。ただ笑って見てるだけ。
それって楽なのか?逆に難しいのか?

どちらにしろ彼女のイメージUPに一役買った映画のようですね。

他人にちょっかい・おせっかい。 
ジンライムが大好きで、好奇心・イタズラ心の旺盛な天使
それにちょっと気まぐれ屋さん。

映画の中にはいくつかのエピソードが存在しますが、
子役が可愛いので父娘のドラマが一番良かったな。(*´ー`*)

天使が見える人。見えない人。 さて、違いは何でしょうか?

これって女の子が思い描く”天使”のイメージそのものなのかもしれませんね。

 

【作品】天使 【天使】深田恭子
【原作】桜沢エリカ 【パパ】永瀬正敏
【キーワード】”天使”(天使好きな人向き) 【カスミさん】永作博美
【おねえちゃん】西田尚美
【美帆】佐藤めぐみ

コアラ課長 (2005)

2006年06月27日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 86分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (トルネード・フィルム)
初公開年月 2006/01/14
ジャンル コメディ
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どこからどう見てもコアラのくせに漬物会社の敏腕企画マンで女性社員にモテモテの田村課長。韓国のキムチ業者との契約準備を進める彼に、ある日突然悲劇が襲った。彼の恋人、洋子が何者かに殺害されたのである。そのうえ、その殺人嫌疑が彼にかけられた。実は田村の前妻・由加梨も6年前に忽然と姿を消していたのだ。田村は連続殺人コアラなのだろうか?それとも…。

(NTT-X store商品解説より抜粋)

漬物会社に勤務する田村。しかも課長。さらに付け加えるなら敏腕サラリーマン。

でもコアラ。

そんな彼が身に憶えのない殺人事件に巻き込まれてゆく。
次々に明らかになる意外な事実。そして苦悩・・・。

ハッキリ言って、そんなものどーでも良いコアラ。
それよりもやっぱり言いたいことがあるコアラ。


こんなところで何をやっている、野村宏伸!そして黒田アーサー!ついでに西城秀樹!
もっと仕事選びなさい!

ま、全てにおいて確信犯的な映画ですからね。
笑えそうで笑えないところが、なんともムズガユイとこでもあります。

単発的に映画化される動物シリーズ(?)第三弾ですが、
これは2006年の正月映画。
今回も見事なくらいチープに仕上がっています。
それも、ビスタサイズで撮られてるのが不思議だと思えるほどチープ。
この映画で今年の”映画初め”をしてしまった人は、さぞやうなされたことでしょう。

主役のコアラ課長の他に、
うさぎ社長(上司)、カエル店長(ローソン勤務)、モモンガのモモちゃんなど、
異色豪華キャストも主演。

オープニングのアニメとテーマソングはまぁ良しとして、
肝心のコアラ課長が可愛くなかったのは致命的。
なんとも痛々しいキャラに終わってしまいました。

あと、演出・脚本どちらも問題ありすぎ。
ラストの登場人物たちの感情の変化も、到底納得がいくレベルには仕上がってはいません。

そもそもこれは「そこで文句を言うくらいなら見るな」という映画かもしれません。

コアラ課長と恋人の会話。
「ヨーコ。ヨカッタよ。」「課長もケモノみたい。」

この映画を鑑賞するなら、そんなギャグにお約束でツッコムくらいの心の余裕は欲しいところですね。

そもそもケモノじゃん! てか。(*`◇´*)/

 

【作品】コアラ課長

 


着信アリFinal (2006)

2006年06月14日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★

鑑賞環境  試写会 
上映時間 105分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (東宝)
初公開年月 2006/06/24
ジャンル ホラー

修学旅行で韓国に行くことになった高校2年生のえみり(黒木メイサ)。日韓手話交流会で知りあった韓国の男友達アンジヌ(ジャン・グンソク)との再会を心待ちにする一方、クラスでいじめを受けている幼馴染み・明日香(堀北真希)の不参加を残念に思っていた。そんな修学旅行の最中に、1人のクラスメートの携帯から聞き覚えのない着信メロディが流れる。未来の着信時刻に、持ち主の首つり画像が添付されて…!その生徒が“死の着メロ”の予告通りに死を遂げたのを皮切りに、生徒たちは次々と“死の着メロ”に襲われていき…。


 

(goo映画より抜粋)

明日香:「パムは私の隣に座ってるわ。」

えみり:「そんなワケないじゃない!だってパムは、パムわ・・・。」

て、まるで茶番のようなやりとり。
えみりさん、そんなに勿体つけても次の展開はミエミエです。ヾ(・ω・o) ォィォィ

映画の『着信アリ』シリーズはこれが3本目。そして、今回が最終章になるとのこと。
なるほどね。たぶん「最終章」にふさわしい締めくくりを飾れたでしょう。
だって、こんなカンジが今後も続くなら、もう誰も続編を望まないでしょうから。
はい、ドボン!ヘ(_ _ヘ)コケッ

さすがにネタが尽きたというか、ネタに苦しんだ感が見え見えの映画でした。
この”進化”はちょっと受け入れ難いものがありますね。

初めてあの”死のメロディ”がケータイから流れたのは、2004年1月。
劇場版「着信アリ」の誕生です。
「妖怪大戦争」「ゼブラーマン」「DEAD OR ALIVE」三池崇史監督によって撮られ、
柴崎コウさんの絶叫につられたみんなが、一斉に震え上がりました。

その続編「着信アリ2」は翌年公開。
後にTVドラマ「時効警察」などを手がけた塚本連平の手によって完成。
今度はミムラ(ミイラさんじゃないからね)の絶叫シーンが飛び出し、やはり恐怖のどん底へ。
瀬戸朝香との共演も一層盛り上げてくれました。

そしてこの度、最終章の「着信アリ Final」が、
2005年10月から放送されたTVシリーズの麻生学によって映画化されたというわけです。

さてと、今回の主演は・・・・

あ!堀北真希ちゃんなのねっ!

今やTVへ、映画へと、引っ張りダコの女の子。
先日観た「トリック 劇場版2」にも出てましたし、
あの「ALWAYS 三丁目の夕日」にもロクちゃん役で出演してます。
アイドルに疎い世代にも、その顔は大分知られてきたのではないでしょうか?

そしてもう一人の主役は、この人。

「誰や?」なんて言ってたら、これからの時代を生き抜けなくなるかもよ?
今上り調子の黒木メイサちゃんです。
「同じ月を見ている」でヒロインをやっていた彼女。
CMでもぼちぼち見かけるようになってきました。

今回はこの二人がツートップとなり映画が進行するのですが、
実はここに国外から強力な助っ人が加わります。

それが、彼。

ジャン・グンソク

なんでもこの子、韓国で人気上昇中らしいですね。
本国では、TVドラマ「プラハの恋人」などに出演のイケメン君。
オバサマの消えかかった韓流魂に再び火がつきそう。
このキャスティングには、ちょっと製作側のいやらしい思惑も見え隠れしますが。(笑)

しかし・・・。

こんなキャストで出来上がったこの映画自体、一体いかがなものでしょうか?

お話としては、韓国へ修学旅行中の高校生を「死の着メロ」が襲うという展開なのですが、
今回は前回までの設定に弱冠追加変更された部分があります。

なんと!いきなり新ルール誕生!

ちなみに前回までは
「お馴染みの着メロが流れてきて受けると、自分の死ぬ直前の声が聞こえてくるだ。
 その声を聞いちゃった者はみな確実に死ぬだ。」というものでした。
着信時刻は自分が死ぬ時間。しかも発信者はあり得るハズのない”自分自身”。

しかし今回の不幸の着信は電話だけではなく、何故だかメールも送信されてきます。
しかも親切に自分の死顔の画像付き。添付かよ!
キレイに撮れてんじゃん。v(。・ω・。)ぶい♪・・・ってコトは良いとして、
あれっ?これってなんか変。

いきなり「受信アリ」になってないか?

まあ、そこをツッコむとこの映画は先へ進めないのですが、これはちょっと如何なものでしょう?

さらにこのEメールならぬC(死)メール。
助かる方法が一つだけあることが即、判明。
それは「お友達に転送しちゃえばいいじゃん!」というもの。

もし自分にメールが届いても、死亡予定時刻までに誰かに転送すれば、とりあえず自分はセーフ。
ただし、今度そのメールを転送された者はもう他に転送は出来ない。
つまり、送られた人はそのまま死ぬしかないのですよ。

て、だから「転送アリ」になってないか?っての。

これってまるで、映画「リング」「ダビングシテ観セレバ、アナタ助カリマス」と似たものを感じますが、
メール転送は指先でチョチョイとケータイをイジれば出来るだけあって、非常にお手軽感覚。
結局、安易な”大転送大会”へと発展して行くわけです。

「アタシのところへ送らないでよ!」「友達だったらアタシの変わりに死んでくれる?」

・・・とまあ、こんなカンジ。
この辺の面白さを狙ったのでしょうね。

特定の人間をいじめることで繋がっているようなカタチだけの友情はあっちゅー間に崩れ、
皆自分の身を守る為にケータイの奪い合いになる。
この映画が”携帯版バトル・ロワイアル”と呼ばれるのはこのためです

それにしても、どんなに騒いでもノー・プロブレムな韓国ホテルの存在が不思議でならない。
日本の高校生どもが「テメーケータイよこせ!」「ウルセーバカヤロウ!」な感じでキャーキャー言いながら走り回っているというのに。
他の客の迷惑になるだろうが。

とにかく、この映画はちょっと演出不足。
ホラーとしての怖さもなければ、謎解きの面白さも見つからない。
そこに持ってきて、キャストの魅力も引き出せてはいない。
気がつけばダメダメ・モード全開です。
大人を惹き込むほどの魅力には完全に欠けていました。

あの明るい役中心イメージの堀北真希ちゃんが、
悪役をやるのはたしかに興味があるものの、
彼女が出せた精一杯の怖さは目が据わったあの時の顔だけ。
口から出る陰湿な恨み節には多少ドキ!とはしても、
そのセリフのトーンにどこかワザとらしい空気を感じます。

彼女に本気のホラーはまだまだ無理かも。荷が重すぎます。
キャスティング・ミス?それともカントクの力量不足?
堀北真希ちゃんは嫌いではありませんが、彼女が光るのは明るい役、
もしくはトボケタ役だと思います

こんな悪役をやるのは、まだまだ先で良かった感じがします。

一方の黒木メイサちゃんも可もなく不可もなしといった感じ。

なにより勿体無いのは、せっかく参加してくれた韓国スターの彼。
「日本語を勉強していた」というのに、今回はセリフが全く無い
手話のみの演技。つまり彼は言葉が話せないという設定なんです。
せっかくだから、ちょっと彼の声を日本語で聞いてみたかったですね。

シリーズ全ての原作者である秋元康さんは、この『着信アリ Finnal』がヒットしたら、
「続ファイナル」「最後のファイナル」「ファイナルの逆襲」という
この後の3部作を用意しています、と言われたらしいですね。

ぜひ、やめて下さい。

しかもそのタイトルって、「なんじゃそれ?」じゃないですか。
日本語にしたら「続・最後」「最後の最後」「最後の逆襲」だもの。

あ、それとこの映画。今までのシリーズ(せめて映画版だけでも)を観ていないと、
後半からクライマックスにかけて意味不明になること確実。

ご注意を。

それにしても、久々に全然怖くないホラーを観たなあ。

《2006.08.30記事一部改訂》


【作品】着信アリFinal


ヒューマン・キャッチャー/JEEPERS CREEPERS 2 (2003)

2006年06月13日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★
鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 102分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (FOX)
初公開年月 2004/05/22
ジャンル ホラー/アクション

amazonでCHECK! NTT-X storeでCHECK!

夕暮れ時のトウモロコシ畑で農作業に勤しむタガート。だがその最中、仕事を手伝っていた息子ビリーが突然カカシのような姿の怪物にさらわれてしまう…。その翌日、試合を終えた高校のバスケットボールチームとチアリーダーたちを乗せたスクールバスがハイウェイ東9号線で原因不明のパンクに見舞われる。それは、23年ごとに現われ、人間たちを23日間喰いつづける怪物“クリーパー”の仕業だった。やがて、バスの外に出た仲間たちが、一人また一人と消えていく。その頃、息子の復讐に燃えるタガートは長男と愛犬を従え怪物の行方を追っていた…。

(作品資料より抜粋)

100円入れて、ぬいぐるみをゲット? ・・・あのね。
アナタが言う「キャッチャー」とはたぶん違うと思います。 

 『ヒューマン・キャッチャー』とはいうものの、
一応これはフランシス・フォード・コッポラが製作総指揮をとったホラー映画
「ジーパーズ・クリーパーズ」の続編にあたります。

ジャケットを良く見るとそこには小さく小さ~く「ジーパーズ・クリーパーズ2」
と書いてある。(笑)
続編ならば続編らしく、むしろそっちをメイン・タイトルにして
「ヒューマン・キャッチャー」をサブタイトルにすれば? と思うのだけど。

もしかしたらこのタイトルのせいで、続編があると気がついていない人も
他にいるのではないのだろうか?

ま、それはいいとして。

23年ごとに現れる”都市伝説”の怪物
空からふわわっと飛んできて人を次々にさらって行く。
今回はスクールバスの若者が奴の餌食です。

製作総指揮は前作同様コッポラが担当しているのですが、
前作のようなサスペンス色が激減しているのが残念。

ひたすら人間を喰らうタダのクリーチャー映画になってしまいました。

そういうノリが好きな人なら、まあこれも大切なコレクションに入る映画か、と。

人間とバケモノの戦いに重点を置いた映画のようですが、
こっちゃん的には後半は結構どーでも良くなってしまいました。
締めくくりは「続きはまた続編でやりますから。」という分かり易いラスト。

あのね。
怪物でも幽霊でも、やっぱ出るまでが怖いんですよね。

最初から最後まで出っ放しでは、不感症になっちゃいますってば。

 

【作品】ヒューマン・キャッチャー/JEEPERS CREEPERS 2

 


連理の枝 (2006)

2006年04月07日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★

鑑賞環境  試写会 
上映時間 107分
製作国 韓国
公開情報 劇場公開 (東芝エンタテインメント)
初公開年月 2006/04/15
ジャンル ロマンス/ドラマ

若き青年実業家ミンス(チョ・ハンソン)は、数々の女性との恋愛を楽しむプレイボーイ。そんな彼が、ある雨の日に出会ったのは、病院へのバスを待つヘウォン(チェ・ジウ)だった。早速ヘウォンを口説きはじめたミンスだが、次第にその明るく純粋な姿に心を奪われていく。それは、ミンスにとって初めての恋だった。しかし、ある日出かけた動物園で、へウォンは突然倒れてしまう。彼女には、生きる時間がわずかしか残されていなかった。

(goo映画より抜粋)

ここで、いきなりぶっちゃけ発言。

こっちゃんはチェ・ジウが大の苦手なのね~! v(。・ω・。)ィェィ♪

これは最もイケナイ観方なんだと思いますが、時として俳優の好き好きが鑑賞に大いに”水をさす”なんてコトがあるわけで。この映画「連理の枝(れんりのえだ)」は正にそんな感情の下敷きになってしまった鑑賞結果に終わってしまいました。残念ながら入り込めませんでした。

はじめに言っておきますが、多分これ、こっちゃんのように「チェ・ジウ苦手意識」を持つ人には、ちょっとキツイ気がします。この作品「連理の枝」は、やはり彼女の為の映画に仕上がっているように感じました。逆に言えば、チェ・ジウが好きならこんな美味しい映画はないということでしょうね。

率直に言えるコトは、「コミカルな演技」から「泣きの演技」にいたるまで、まるで全てがチェ・ジウの為に存在するかのよう。この映画「連理の枝」には、ジウ姫の色んな素顔がギッシリと詰まっています。しかし、もうすぐ31歳になろうというチェ・ジウにとって、この映画のようなヒロイン役はそろそろ厳しいような気もしてきます。

相手役のチョ・ハンソンもまた、そんな彼女の魅力を最大限に引き上げようと頑張ってくれていましたが、どーも二人が釣り合って見えません。”彼自身の魅力”としてはイマイチ出し切れていないからなのかな?とも思えてしまいました。

まず、話の設定としては、プレイボーイ街道まっしぐらのIT関連の若い男が、ある日偶然出会った女性と本気の恋に落ちる。しかし彼女は重い病気で・・・という感じです。半ば”ありがち”に感じるこの設定でも「演出」と「演技」次第で、いくらでも”上物”になる可能性はまだまだ十分秘めているでしょう。特に韓国映画としては十分アリな設定ですよね、コレ。

そうです。この映画「連理の枝」は正統派のラブストーリー路線を狙っています。

一応、映画の試みとしては、コミカルな前半とシリアスな後半の二部構成仕立て。
と言っても、どどーん!と「前半戦」「後半戦」なんかのタイトルは出て来ませんが、(って、「猟奇的な彼女」じゃないんだから...)ジウ姫も↓こ~んな格好までして何ともコミカルな奮闘ぶりを発揮します。一応、これでもカンペキな変装のつもりだったというのが笑わせますが。(笑)バレバレも良いとこでした。

そして、そんな数々のコミカルな演技が、やがて一転してシリアスな展開に変って行くコトになります。こっちゃん的には、この後半になってからの作りの方が断然好きですね。実際、コミカル・ムード満点な前半シーンでは色んな面でイマイチ不完全燃焼気味に感じてしまいました。チョ・ハンソンのプレイボーイ気取りも、ちょっと空回り気味だったように思います。

とにかく話は「医師からの”告知”」あたりから、いよいよその「シリアスな核心部分」に迫っていくのですが、あのトリック的なストーリー要素は非常に気に入りましたよ。「ええー?そんなのって辛いよぉ!」と言わせるだけのモノはありました。

それも含めて、この映画の脚本的には伏線があちこち張り巡らされ、またそれらを一つずつ上手に展開していく印象も受けたのですが、その一方で煮え切らない「何か」も感じてしまいます。はて?いったい何でしょう・・・?

冒頭で書いた「キャストが好み外」という、自分の中だけの感情が災いしたのもありますけど、それを除いてもどーにも話に入り込めません。挙句の果てにはプレイボーイ役のハズのチョ・ハンソンの目元が志村けんに見えてきてしまう始末・・・・。(つД`)・゜・゜。コリャ、アカンガナ・・・。

スゴイですね。
キャスティングひとつでココまで覚めれるとは。
こっちゃんは、この映画を最初から完全に踏み外していたのでございます。

キャスティングに感情移入出来ないということは、結構致命的です。

こうなるともう、過去に観た”面白い韓国映画”などと比べてみても、セリフがどーもありきたり過ぎて面白味が湧かない。せめて、もうちょっとセリフに気を利かせて欲しかったですね。ニュアンスの出し方ひとつで伝わり方も大きく変りますからね。(もしかして翻訳が自分の趣向に合わなかったのかも?)

それと、悲しい悲しいラストに向けてのあの全体の”まとめ方”にも、さらにパンチが欲しかったトコロ。あれだけの設定を用意したのに何だか勿体ない感じがしてなりません。

本筋を盛り上げようとする各エピソードも、同じ映画の中で観せるにしてはちょっとバラバラに配置されている感じがしました。あのセンパイ役のチェ・ソングクさんや、病院での医師と看護師の関係など、楽しいエピソードがありながらそれらとチェ・ジウ&チョ・ハンソンメイン・ストーリーとの間に”自然な一体感”が感じられなかったのが残念です。その場その場は確かに面白くて笑えるのですが、後で振り返ると「あれって何だったんだ?」と思えてきます。

この映画の監督は、昨年公開された「スカーレットレター」などの映画で助監督を務め、様々なノウハウを蓄積してきたキム・ソンジュンという人らしいのですが、長編映画監督としてはこの「連理の枝」がデビュー作になるようです。(実際には過去に”短編”映画の監督はやっているらしいですが”長編”映画としては始めてらしいです)

監督は特にチェ・ジウに演技を要求しなかったと言います。「彼女の素顔をそのまま出したかった」というのがその理由らしいのですが、もしかしてこの人、チェ・ジウ姫に気を使いすぎたのではないでしょうか?だとしたらこの映画の出来の全てに納得がいきます。

何だかこっちゃん的には「TVドラマの延長」という印象に終わってしまいました。それでも、キャストを変えればもっと良かったと思ってしまうアタリ、「エラソーなこと言っても結局チェ・ジウが合わなかったのが全ての理由ジャン!」という結論にやっぱりたどり着くのでした。。。(*_ _)。o○

ちなみに、こっちゃんならこの映画、チャン・ヒョク(猟奇的な彼女、英語完全征服)とキム・ハヌル(彼女を信じないでください)を主役にキャスティングしてみたいです。
(でも、話の雰囲気はカンペキに変るでしょうねぇ)

この「連理の枝」。韓国では日本より2日早く公開されたようですが、果たして本国のみなさまの心にはヒットしたのでしょうか?

ストーリー的には決して悪くないのですが。

 

《2006.08.16記事一部改訂》

【作品】連理の枝  

  


チーム★アメリカ/ワールドポリス (2004)

2006年04月04日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★

鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 98分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開 (UIP)
初公開年月 2005/07/30
ジャンル アクション/アドベンチャー/コメディ
映倫 R-18

「チーム・アメリカ」は、平和を乱すテロリストに対抗するため結成された国際警備組織。「救済と称して破壊を繰り返しているだけ」と非難されようと、今日も世界のどこかで憎きテロリストを無差別に殺しまくっている。そんな彼らは、ある国の独裁者がテロリストに大量破壊兵器を売りさばこうとしているとの情報をつかむ。そこでおとり捜査を計画したリーダーのスポッツウッドは、その演技力を買って、なんとミュージカル俳優のゲイリーをスカウトする。

 

(goo映画より抜粋)

これ、やりすぎじゃない?

初めはブラックな「サンダーバード」を観てるような楽しい気持ちが、やがて段々不快感を伴うシーンも続々と・・・。ヒクわ、これ。( ̄∀ ̄*)

まぁ。公開前からホントにこれ大丈夫?って思ってたんですけど、とうとうDVD化までされちゃいましたね。で、観た感想は・・・色んな意味で想像以上でした。(笑)

この人たち(っていうかこの人形たち)は、『ワールドポリス』っていうくらいですから、世界の治安の為ならドコへでも飛んで行くという実に頼もしい団体。しかしながら、最大の弱点と言うべきか、「加減」というものを全く知りません。

まずは、中東某国の”ターバン頭テロリスト”のテロ行為を阻止するため、フランスに駆けつけた彼ら。そこで早速、ドンパチを始めちゃうのですが、彼らの「治安行為」は一挙にパリの街を破壊し尽くしてしまいます。

「”大量破壊兵器を持ってテロリストが逃げるぞォ!」そう言って”奴ら”に向けたミサイルランチャーは見事に外れ、なんと、あのエッフェル塔に命中!そして折れ曲がり倒れたエッフェル塔は凱旋門に大ヒット!凱旋門はもろくも粉々に崩れ落ちてしまいます。それでも更にテロリストを追い続けるチーム★アメリカは今度は空からミサイル攻撃。ルーブル美術館ごとテロリストを吹き飛ばすのですた。(* ̄◎ ̄*)・・・・あらま。

まぁ、このあたりは「どっちがテロやねん!」って誰でもツッコンじゃいますよね。

そこからメンバー同士の悲恋に行ったり、ハラハラの潜入作戦に行ったり、最大のピンチに陥ったり・・・おや?コレはどこかの映画で観たことがあるようなシーンでは?という場面を、全て”パペット”でやっちゃうというのが何とも笑えます。時に「トップガン」風、時に「ロッキー」風ですよ。往年のハリウッド・パターンをことごとくコケにしてるかのような作りです。

その発想は確かにユニークそのもの。
彼ら「チーム★アメリカ」の秘密基地だって、ホラ。こんなカンジで。(笑)ドコかで見たことある場所でしょココ?色んなところがパカッと空いてマシンが出たり入ったりする訳です。この辺の感覚もちょっとツボにきました。始まって早々、アイデアとチャカシの洪水ですね。

それにしても、この映画「チーム★アメリカ/ワールドポリス」。まったく、たいした根性ですね。

だって、出てくる人、出てくる人、徹底的に”実名”で登場ですからね。上の写真のお方も・・・。( ̄∀ ̄*)もう言わなくても誰だか分かりますよね?そうです。アナタが今思い浮かべた「もしや?」がそのまま答えです。(笑)しかもこの映画では、哀愁たっぷりに歌まで唄わせてます。(笑)

それに加えて、『ハリウッド俳優連盟』の筆頭、アレック・ボールドウィンを初め、ちィム・ロビンス(ティム・ロビンスのことです)、ショーン・ペン、ジョージ・クルーニー、ヘレン・ハント、スーザン・サランドン、リブ・タイラー、サミュエル・L・ジャクソン、イーサン・ホーク、マーティン・シーン、ジャニーン・ガラファロ、ダニー・グローバーなどなど....が、パペットで熱~く登場しちゃいますからね。ヘレン・ハントなんか、最後「キル・ビル」みたいになってました。

おっと!忘れちゃいけない、まっと・でいもん。・・・彼、ココでは完全に「アホ」扱いですね。( ̄∀ ̄*)
きっと彼のファンは観ないほうが良いです、この映画。

そんなこんなで、話が進めば進むホド下品さにも拍車がかかり、益々観る人を選ぶ展開へとなだれ込んで行くこの映画。もう誰にも止められません!

例えパペットでも「その描写」は露骨ですし、言葉もそれに準じたモノですから思わず目と耳をふさぎたくなること請け合い。この辺をどう取るかで「賛否」は大きく分かれるでしょうね。もちろん、もっと他にも問題はありますが...。Ψ( ̄∀ ̄;)Ψ

正直、部分部分こっちゃんには、ちょっとキツぅ~ございました。全部とは言いませんけどね。
笑えた箇所も確かにありましたから。マイケル・ベイの「パール・ハーバー」や、その映画に主演したベン・アフレックなんかを歌でケチョンケチョンにしちゃうなんていうのは楽し過ぎます。

心配なのは、一体この「チーム★アメリカ/ワールドポリス」を観て、どれだけの人が怒り狂ったか?ということ。果たして、マット・デイモンは抗議しなかったのでしょうか?もし金正日(キム ジョン イル)がコレを観たら・・・。(無い、無い)

まぁ、限りなくブラックなお話です。

こんな人はまずいないと思いますけど、”人形劇”だからと言って絶対お子さんには観せないようにお願いします。この映画を観てしまったコトがトラウマになる可能性があります。さすが「サウスパーク・シリーズ」のトレイ・パーカー監督ですね。何でもアリです。

この映画「チーム★アメリカ/ワールドポリス」が一番”攻撃”したかったのは結局「アメリカそのもの」だったのだと、こっちゃん的には無理矢理そう思うことにしました。

「9・11の100倍のテロだって?それってもしかして・・・・」「9万1100だ!」と言うあのギャグ。
それって、どうよ?どうなのよっ? (○ ̄ ~  ̄○;)ウーン....。

 

《2006.08.15記事一部改訂》

【作品】チーム★アメリカ/ワールドポリス

スペシャル・コレクターズ・
エディション(通常版)

DVD-BOX
(初回限定生産・20000セット)
 


ナイト・ウォッチ/NOCHNOI DOZOR (2004)

2006年03月25日 | むむむMovie
こっちゃんポイント ★★
鑑賞環境  試写会 
上映時間 115分
製作国 ロシア
公開情報 劇場公開 (FOX)
初公開年月 2006/04/01
ジャンル ファンタジー/サスペンス/ホラー
映倫 PG-12

特殊な超能力を持つ“異種”に生まれついた人間は、能力に目覚めた時に、光につくか闇につくかを自分で選ぶ。そして光の戦士は“ナイト・ウォッチ”として闇の異種の行動を監視し、闇の戦士は“デイ・ウォッチ”として光の異種を監視するのだ。予知能力を持つアントンは、光の戦士として危険な任務を行っていた。そんなある日、伝説の「災いを招く乙女」と思われる女性を発見する。魔女のオリガを相棒にしたアントンは、彼女の身辺を探るのだが・・・。

(goo映画より抜粋)

 

内藤サンも「うわっ!」と驚くという噂の新作、「内藤・うわっち!」を観てきました( ̄∀ ̄*)

し、しかしっ!
久々に「自分の肌に合わない映画を観てしまった」というカンジでございます。

これは、ロシアから届けられたとってもダークなファンタジ~。これまでのロシア映画の常識を打ち破った、文字通り”型破り”の映画というだけあって、その宣伝は凄まじいモノがありますね。日本でも公式HPはモチロンのこと、こんなサイトこんなサイトまで既に出来上がっていたりして、その加熱ぶりにはビックリでございます。

モチロン本国ロシアにおいては、更に熱の入ったプロモーション効果も手伝ってか大反響を呼んだらしく、その動員数は「半月で」600万人!600人じゃないですよ。600「万人」です!(笑)若者を中心に一種の”社会現象”にまで至ったというのですから、尋常ではありませんねぇ。

そんなコノ映画ですが、なんだかな~。まずストーリーが好きじゃありません。編集もこっちゃん向きじゃないんだと思います。

「予告編」はとっても良く出来ていましたね。スピード感があって。この映画にはあれ以上の予告編はいらないでしょうねぇ。今思えば、正直「あれにはヤラレタ!」と唸ってしまいますもの。決して「騙し」という意味ではありませんヨ。あの中の映像は本物です。言いたいのは映像の見せ方そのものが上手いってコト。ある意味「本編」よりも心得てるんじゃないでしょうか?

本編で良かったのは、惜しげもなくのっけから
  こんなモノや、こんなモノがバンバン登場するところ。「これがロシアのニューウエーブだぜぃ!」という作り手の意気込みをヒシヒシと感じます。

でもね・・・・でも。

どこか、固いんですよ、まだまだ。これじゃあダメなんです。こっちゃん的にはノレません。何といっても作り全体が暗い上に、そこに乗っかるセリフのひとつひとつもピンとこないんですよね~。笑えるセリフも一つもなかった。・・・って、なんでもカンでも「笑い」を求めるこっちゃんの体質が、もはやヘンタイの域に達してるとは思うのですけど。えぇ。ソレはソレで認めますよ。 <(`^´)>エッヘン ←威張るトコ違う・・・

もっとも、この映画がロシアでヒットしたのは分かります。色々調べて知ったのですが、この映画が公開されるまでロシアで公開された映画の最高興収は2460万ドル。ソコに持ってきてこの映画。封切りわずか半月で2,600万ドル(約30億円)に達したっていうのですからね。気温も映画も冷えきっているようなこの国でこんな映画が公開されれば、そりゃ若者ならずとも熱狂するのでしょうねぇ。

当然ながらDVDレンタル店なんかでロシア映画を探すのすら困難な土地に住むこっちゃんにとって、ロシア風味にどっぷり浸かるなんていうのはコレが初体験。観るまで「何が飛び出すか?」と期待と不安に胸ふくらませておったワケです。

でね、観てみたらね・・・・Ψ( ̄∀ ̄)Ψ

これは、なかなか派手ながらもカルトな臭いプンプンでわないですか!「B級」ではありません。「カルト」です。何よりモヤ~~~ッとしたヌケの悪いビスタサイズの映像が、その全てを物語っているようでもあります。このタイプの映画がお好きな人にとっては、ある意味ヨダレものかもしれませんね。でも音響は思ってたよりも良かったなぁ。

この映画の見どころは、宣伝にもあるように何と言ってもその”斬新な映像”にあるわけですが、ロシアの「国産VFX」と呼ばれるそのレベルは、こっちゃんが想像していたモノよりも遥かに上を行ってました。

技術レベルは決して低くないですよ。っていうかスゴイですね。日本のVFXよりもヘタしたら上かもしれません。とっても”自然な感じ”があり”インパクト大”です!違和感あったのは「バス前転」のシーンくらいかな。それ以外は概(おおむ)ねOKですね。進んできてるんですね~ロシアも。

何より面白いなと感じたのは、字幕。どうやらこの映画は、”英語字幕付き”で公開されるようです。タテに日本語字幕。下付きに英語字幕といった具合で。

この英語字幕がなかなか凝ってましてね。プールの中で流れる鼻血のシーンにあわせて文字も赤くなったり(さらに水に溶けるようにフワ~ッと消える)、文字の出る位置も左端だったり中央だったり。コミック漫画なんかの”ふきだし”のように飛び出したりと実に多彩。

これって、はじめからフィルムとして作られてるってコトですよね?マニアックですね~。手が込んでます。たぶんタランティーノはこの辺の感覚を絶賛したのではないでしょうか?なんか、そんな気がします。あ、ちなみに日本語字幕は”普通”でした。(笑)

ただ映画の中で話される言葉は、本国の言葉(たぶんそうだと思う)と英語がゴチャ混ぜだったんですが、英語のシーンでも同じ言葉が字幕で流れるのはチョット不思議な感じでしたけど。。。

この映画のモトとなったのは、ロシアの人気作家ルキヤネンコ,セルゲイという方の同名ファンタジー小説。実はコレ三部作らしいです。(四部作という噂もあるようですが)続編は「Day Watch」、そのまた続編に「Dusk Watch」が用意されていて、本国では2004年の夏、既にこの「Night Watch」が公開され大ヒット!今現在は、続編が公開されていてそちらもヒット中らしいですね。ちなみに原作者は、この「Night Watch」の共同脚本も手掛けてるんですね。

たぶん予告編を観て「え?コレってホラー?」って思っちゃった人も多いと思いますけど、実際は「ダークファンタジー」という括りで問題ないと思います。ホラーと呼ぶには質感が違いますものね。怖がらせる類の映画じゃありませんから。でも「血」は結構あちこちで登場します。豚の血を飲んだりするシーンなんかもありましたからね。
オエッ!ですよねー(>ω<)極端に血に弱い方は注意です!

とにかく、さすがロシア映画ってだけあって、出てくる人出てくる人、見事に知りませんでした。(笑)こっちゃんにしてみたら、「もしかして映画まるごとエキストラ?」状態に映ったんですけど、聞けばこの主役の男の人、ロシア国内ではヒッパリダコだそうで。

し、失礼ッ!スミマセン、ほんと。
こっちゃん、アナタが主役であるということにしばらく自信が持てませんでした。
「いつ主役が出るのかな?」と思ったら、なんと初めから出てたんですね。

チラシには”「マトリックス」を凌ぐ”なんて大っきく書いてありましたけど、「斬新な映像=マトリックス」、「意外なオチ=シックスセンス」という方程式が最初に使われたのは一体どの作品からなんでしょうかねぇ。そういう意味では今回もこれは単なる客寄せフレーズに感じてしまいました。

やっぱりもっと違った目で観た方がズーット楽しめる映画だと思います。

そうは言っても「オラ、どうしても何かと比べたいんだ」と言うアナタには、「マトリックス」よりは「ブレイド」を引き合いに出す方がまだ幾分マシとでも言っておきましょうか。ヴァンパイアが登場するというのもありますけど、なんかこっちの方がトーンが近いような気がするのですけど、どーでしょうねぇ?

ま、ここらへんは人それぞれ違うのだと思いますが、いずれにせよタランティーノや、ダニー・ボイルまでもが絶賛したのは間違いない事実のようですね。

この映画は、ロシア映画界において十分な「映像革命」であったと言っていいのでしょう。もちろん随所にハリウッドやその他の国の映画を思わせるシーンはあったのですけど、これを全部「今のロシアでやり遂げた」というそのスゴサは認めます。ただ、ストーリーと演出がなぁ。。。。(*_ _)。o○ やっぱしダメ...

ラストは心境的に意味不明な状態に陥りました ( ̄∀ ̄*) エ?ソークルノ?ッテカンジ
何とも、こっちゃんはロシア人の考えるコトは結局分からなかったという結論のまま「続編」へ持ち越しとなってしまいました。

あ!ちなみにこの映画のオフィシャルサイトでのプロモーションはチョット話題になりました。
それは「映画の全編を2分半で観れる予告編」。オモロイなぁ。
興味があれば、コチラもドーゾ♪・・・って、早くて意味分からんっっっ!(*`◇´*)/

そんなワケで、「オレは(ワタシは)カルト好き!」または「珍しいモノ好き」、もしくは「ロシア万歳!」な方にはオススメしてもいーでしょー。

ただ、こっちゃんには向いてません。

(あ!ちなみにこれ→「くもQ」というニックネームまでついてます)

 

《2006.08.15記事一部改訂》

【作品】ナイト・ウォッチ

 


絶対恐怖 Pray プレイ (2005)

2006年03月20日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★

鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 77分
製作国 日本
公開情報 劇場公開
(日本出版販売株式会社=
スローラーナー)
初公開年月 2005/10/15
ジャンル ホラー

身代金目当てに少女を誘拐したミツル(玉山鉄二)とマキ(水川あさみ)だったが、少女はすでに死んでいた……。

(Yahoo!ムービーより抜粋)

「絶対恐怖 Pray プレイ」って。す、すごいタイトルだな・・・Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン!

本日のチョイスはこれ。「絶対恐怖」シリーズの”第一弾”と銘打って公開されたらしいこの映画です。
「絶対」ったら「絶対」なんだろうなっっっ!(*`◇´*)/おぅ!上等だ!受けて立つぜぇ~ッ!
そんな風に鼻息をふんがふんがと荒くして劇場に足を運んだ人も、さぞや多かったのではないのでしょうか?

この「絶対恐怖」という言葉は、ホラー作品の宣伝においてはかなり挑戦的ですよね。

もっとも、世間はもう「絶対」とか「確実」という言葉を、さほど信じてはいないのでしょうけど。
だってねぇ。今までこんな言葉に良いだけ騙されてきましたもんネ。だというのに今またこんな風に「絶対恐怖!絶対だから。いやマジ、マジ!」なんて言われてしまえば、「もしかして本当?」なんて期待しちゃうこっちゃんも、こっちゃんなのですが。。。

そんなワケでこのホラーを観ないわけにはまいりませぬ。DVDでの鑑賞です。
怖がりこっちゃん、またしても性懲りもなくホラーを観てしまいました!(>ω<)

それにしても玉山鉄二サン、最近良く見ますネ。人気もうなぎ上りのようです。

タマテツ、タマテツぅぅぅん~♪(*´ー`*)なぁんて日頃からLOVE LOVEモードで名前を呼んじゃってるアナタ様からは、「トーゼンじゃない!バッカぁぁぁぁん♡」とお叱りを受けちゃいそうですが。

またしても気のせいでしょうか?

ほーんと、TVドラマでも、CMでも気が付けばチョコチョコ目にしますもんね。
そりゃあ何てったって”モテ顔”ですもんね、彼。トーゼンと言えばトーゼンですね。
離婚弁護士事務所では優柔不断だったようですけど、野球は熱いし、タオルの洗濯も上手そうで(笑)
・・・だからTVの話ね。
何だか彼の薦める目薬なら、ホント目がスッキリしそーに思えちゃいますから不思議ですよネェ。

この映画では「逆境ナイン」のバカ一直線な演技とは大違いの彼が見れますよ。
そして本作品では至ってシリアスなのでした。
まぁ、”ただ暗い”ちゅー見方もありますが・・・( ̄ε ̄ )  

さて、そんな「絶対恐怖」シリーズ第一弾。
恐らく観終わった人のほとんどが「別に”絶対的”に怖かねーヨ」とアッサリ言っちゃったのではないでしょうか?
おおよそ察しはつきます。

かといって、もちろん「ほのぼの」も出来ませんけど。。。
(〃 ̄ω ̄〃ゞ
だってこれは、ジャンル的には確実にホラー。

つまり「怖がらせてナンボやねん!」の方向でOKなのだと思います。

ところが。ところがですよッ!この映画では、肝心のクライマックスでの展開が「恐怖」とはおおよそかけ離れた方向へ向かって進んで行ってしまうではないですかっ!

あれっ?コレって言ってた「絶対的な恐怖」とはチョット違うんじゃない?
まぁ、何を持ってして「絶対的な恐怖」と言うか?ってコトもありますけどね。


夜の「廃校」ちゅーのは確かにコワイけど・・・

例えばですけど、今年公開されたハリウッドホラーの第一弾「悪魔の棲む家」。
アレなんかは、こっちゃん的にはモロ「絶対恐怖」のツボでした。

来るな、来るな~!と思ってると、いきなり背後から「ワッ!」ってきますからね!(つд⊂)キャー

ビクビクして観てるこっちの期待にちゃ~んと応えてくれる、そんな映画でございました。ジワジワ、ドカーン!ジワジワ、ドカーン!の連続です。そして散々いいだけ脅かしまくった挙句、結局主人公が逃げ出してそれで終わりっていうのもまた良かった。何の解決もしてないってトコがミソ。

ただ「怖い」だけの映画だもんね。それ以上は特別何も無いの。

この感覚がむしろ良くって(○ ̄ ~  ̄○;)ウーン、これこそ、真のホラーだわ!
とまぁ、そー思うワケですよ。

おっと!ここで言いたいのは、この「プレイ play」その恐怖感覚が足りないということではありませんヨ。恐怖シーンはちゃ~んとありましたから。結構不気味で怖い演出も随所に施されてましたしね。「プレイ play」は「プレイ play」でちゃんとそれなりには楽しめるんです。

この映画を作った佐藤祐市カントクは、何とTVドラマを中心に活躍されてきた監督さんなんですね。知りませんでした。「ウォーター・ボーイズ」や「大奥(2003年)」など幅広く手がけてらっしゃいます。

ココ最近では映画「シムソンズ」の監督もされてたようで。益々興味が湧きました。コチラも評判がヨロシイ映画のようなので、非常に気になっていたんですよー。

さて、そんな監督さんのこの作品なのですが。。。

お話は、「一晩で5000万円という大金を手にするにはお金持ちの子供を誘拐するしかない。」と思い立ち、本当に小学生の女の子を誘拐しちゃった二人のカップルが主人公です。

ところが、「いざ身代金ご請求」と親に電話をしてみたら「ウチの子は1年前に死にました...」と言われてしまう。「じゃあ、今誘拐してきたこの子は誰?」・・・と思って振り返れば、眠ってるハズの女の子の姿が消えているし!

何故?なぜ?何が起こってるの?大人でも眠ってしまうほどの量の”眠剤”を飲ませたハズなのに?しかも「誘拐した女の子は、もう死んでいる」だって?誘拐犯の二人はドンドン混乱し、精神状況はドツボにハマってゆく・・・とまぁこんな話。始まって早々のハラハラドキドキモードで、非常に急な展開ではあります。

夜の廃校を舞台に恐怖の深みにハマって行くのは、ホラーとしてはなかなか良いカンジ。とにかく暗いシーンが多くて、恐怖心を盛り上げてくれます。

現れたかと思えばまた突然姿を消す女の子と、数々の不可解な現象。不気味なトイレ。ふと背後に感じる人の気配・・・。

女の子は幽霊なのか?それとも違うのか?

話は終盤近くまで、ホラーとサスペンスの間にひかれたスレスレの境界線を綱渡りするかのように進んで行きます。

そして、この映画を「あ!やっぱホラーだった」と決定づけるのはクライマックス。
そこでようやく、ミツル(玉山鉄二)が何度となく襲われていたフラッシュバックの意味が紐解かれてゆくのです。

ところが、ここでちょっと演出が変ってくるんですね。それまで脅し一辺倒できていた展開から、いわゆるホラーなのに悲しい感じに路線が変更されちゃうんです。

あれっ?コレって・・・。

そうそう。韓国ホラーなんかで良く観るあのパターンじゃあ?

あらまっ?「絶対恐怖」がウリじゃなかったの?何よりこれがこの映画に対して一番戸惑った理由でもありました。

この映画は「絶対~」なんて言われなきゃ、そこそこ単純に楽しめるホラーだったかもしれません。そういう意味ではもしかして、「宣伝的につけられたフレーズ」の下敷きになってしまった可哀想な映画なのかもしれませんね。

まぁ、それでもこの脚本は内容的には随分欲張りすぎ。
幽霊、殺人、自殺、陰謀、裏切り、兄妹愛、親子愛を盛り込んだ、サスペンス、ミステリー的心霊現象みたいな。自分で言ってても、何が何だかその意味が分からなくなるほどのテンコ盛り状態です( ̄∀ ̄*)

その要素があまりに多すぎて、最終的にうまく繋ぎ切れなかった感は否めませんねぇ。
ヤリ杉っちゃーヤリ杉また逆に物足りないっちゃー物足りない映画でした。
ま、こういうのもたまには悪くはないんですけど・・・ね。

ただ、ラストの女の子のシーン。。。
あれだけはこっちゃん的には「台無し」の「ぶち壊し」でした。最悪のエンディングです。
だって、あまりに不自然ですよ。ワザとらし過ぎます!

こっちゃんは、あの一言で結局この映画が何を言いたかったのか、全然分からなくなってしまいました。

前半結構楽しめただけに残念です。

《2006.08.15記事一部改訂》

【作品】絶対恐怖 Pray プレイ

 


鉄人28号 (2004)

2006年01月10日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★

鑑賞環境  こっちゃんシアター 
上映時間 114分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (松竹)
初公開年月 2005/03/19
ジャンル SF/ドラマ/ロボット

東京でサイバーテロが発生、さらに「ブラックオックス」というロボットが飛来し、街を次々と破壊していく。ブラックオックスに対抗できるのは「鉄人28号」しかない。勇気をふりしぼり、小学生の金田正太郎(池松壮亮)は、鉄人28号とともに戦いに挑む。

(Yahoo!ムービーより抜粋)

予想通りのツッコミ箇所がボロボロ。
そして意外な発見がポロポロ。
更に、嬉しいキャスティングがボロボロ。

困ったことに肝心の”鉄人”がボロボロでした。・・・よ、弱すぎる。

突如東京の街に現れた、謎の黒い巨大ロボット!ジェット噴射でビルの窓ガラスを吹き飛ばし、Tokyoタワーをぐるんぐるんとネジ曲げちゃう。その背後にはかなり邪悪な力を感じずにはいられない。むむむ。不気味に光る鋼鉄のボディに向かってぱん!ぱん!と拳銃を撃つ日本警察の姿が涙を誘います。はじめから気がつきなさい。あなた方のしていることは全くの無駄です...。しょっ、正太郎クン!今だ!今こそ君が立ち上がる時なのらっ!

というコトで、ご存知、月刊少年誌「少年」に掲載され、ロボットマンガの先駆けとなった横山光輝の「鉄人28号」の実写映画版が、この作品です。

こっちゃんはモチロン、タイムリーでこの原作やアニメを読んでいたワケではないのですが、「鉄人28号」というロボットくらいは知ってます。

このメカ、何と言ってもスゴイのは、リモコン式だという点。今やロボットアニメは数あれど「人間がその中に乗らず外からリモコンで操縦する」なんていうパターンは、この作品ぐらいしかないんじゃないでしょうか?(もし他にあったら誰か教えて下さい)

言い換えれば、それだけ無謀な発想によるロボット漫画ということでしょうねぇ。瓦礫飛び散るその付近で生身の人間がロボットを操らなくてはいけないなんて、危険極まりない行為です。ええ。今日は、原作やオリジナルと呼ばれるアニメ(たしか白黒でしたよね)は、あまり知らないのでこの映画の感想ということで進めて行きますね。

主人公の金田正太郎池松壮亮)は、母親(薬師丸ひろ子)と共に二人で暮らす小学生の男の子。父親(阿部寛)は彼が幼い頃、死んでしまっていたのね。学校ではどーもクラスに馴染めずイジメられ気味の彼。特技は、ラジコン飛行機の操縦でした。そんな正太郎が、鉄人28号を操り、悪のロボット「ブラックオックス」と闘うことになるというお話しです。

それにしても、この操縦テクニックはいただけない!せっかくラジコンで鍛えた腕も何の役に立ってないジャン。そもそもこの子、ビビりすぎなんです

空振り、空振り、立ちすくみ・・・・。あらら鉄人。勝手に倒れてビルを壊しちゃってるよ。それでも何とか立ち上がるものの、今度は国会議事堂へ投げ飛ばされて大破壊!

「これじゃかえって被害を広げただけじゃないスか!あんなヘナチョコロボット!」と言われてもしょうがないですねぇ。

鉄人の取り得は何てったってその頑丈さ。どんなに打たれても、投げられてもヘコミはおろか傷ひとつ付かない。恐らくENEOSか出光のスタンドでかなり強力なフッ素コートでも施されているに違いない。更に付け加えるならば、鉄人には職人達の魂が込められているとの事。だから、どんな力にも潰れたりしない。う~む、なるほど。
でもね、さすがに設計時からのミスと思われる上半身ヘビーのウエイトバランスのせいか、やたら倒れるんですね、これが 何だか立ってるのが不思議なくらいのスタイルだもんなぁ。

さてさてそんなコトはともかく、この映画のストーリーは正太郎クンのメソメソ、オロオロに明け暮れる。なかなかイライラさせられます。肝心なトコで全然ダメな正太郎クンの奮闘記なんですね。

壊れてしまった鉄人を前に、「もっと改良してブラックオックスに負けないロボットに作り変えるのじゃ!」と意気込む防衛サイドのスタッフ。ん?・・・いやいや違うよ、違う。問題は鉄人よりも操縦している正太郎クンにあるんじゃないのか?ねぇ、みなさん。もっと考えましょうよ。

場面を移せば、正太郎クンは、敵に立ち向かわずして投げやり状態。「鉄人なんてサイテーだよ。あんなポンコツ」とグチってる。もう東京はダメなのか???日本の運命はどーなるんだ?????あろうことか日本の平和は今まさに、こんなひとりの小学生の勇気にかかってしまったのです。まったく、なんということなのでしょう?

そんな正太郎クンを知ってか知らずか、鉄人28号に加えられたハイパー改造はあまりに過激なものでした。なんと、サングラス型のモニターによって、鉄人の目線でヴァーチャルに戦うことができるのですっ!おおー!これはすごい進化だ!

し、しかし・・・!ちょ、ちょっとアンタたち!正太郎クンをご覧なさいッ!痛みまでヴァーチャルに感じてるじゃないですかぁ!パンチを打たれる度に悶え苦しむ正太郎。あああ。もう操縦どころじゃないモンなぁ。

・・・な、何故にこんな改造を?

わたしだけでしょうか?

あの改造は、脅える正太郎をさらに追い込む結果になったのだと思う・・・。

わたしだけ・・・?(by だいたひかる)   みたいな。

仕舞いには、鉄人が立ってるのに正太郎だけ倒れたりしてるし。(もしかしてこれはコメディなの?)果たしてここまで進化させる必要があったのだろうか?マサチューセッツ工科大学に在籍するという立花真美蒼井優)が口にする一言「体感したのね?ブラックオックスのパンチを。」は、あまりにも無責任な気すらしてきます(笑)

それにしても、この正太郎は見ていてもどかしくてたまらない。くじけて、くじけてまたくじけ。せっかく立ち上がってもまた挫けそうになる。そんな姿ばかり見せられ「チョットあなた!そのリモコンわたしに貸しなさいよっ!」って思ってしまった観客もさぞ多かったコトでしょう。

もっとも、ここまで鉄人を改良するならば、操縦者もついでに変えちゃった方がよっぽど話は早いんですが、それは絶対に出来ない理由があるんです。何故って?

それは.....それが『鉄人28号』というモノだから(笑)
正太郎抜きでは成立しないという、往年の名作だからです。

話はチョット反れますが、「鉄人28号」で画像イメージ検索すると、圧倒的にフィギア系がヒットします
中にはかなりの価値を持った「お宝」までちらほら。どう考えても今の子供世代が中心とは思えませんね。きっと根強いおじさまファンが大勢いらっしゃるのでしょう?

昭和40年に野村トーイから発売されたオモチャを復刻したものという「鉄人28号NO5」(画像右)ですら税込52,500円って!?復刻版がですよ!復刻版がこの値段なんです!!しかも限定販売だそうですコレ。スゴイ世界ですネェ~、しかし。こんなのを買う人がこの世に大勢いるという事にオドロキですよね。

そんなオジサマ世代の熱烈ロボットヒーローですが、この映画自体は多分、肝心のオジサマにはイマイチ指示されないでしょうねぇ。恐らく今の子供たちに向けた路線での作りなんでしょう。あくまで子供目線です。イジメ、親子の愛、友情なんかも半ば強引に盛り込まれ、こっちゃんとしては泣けないメロドラマ風に見えてしまった部分もありました。

ただ、この映画のキャスト的には十分楽しめましたヨ♪中でも香川照之のキモさはかなりのモノでしたし、阿部寛薬師丸ひろ子伊武雅刀蒼井優らの出演はとっても嬉しかったですね。
モーニング娘。卒業生の中澤裕子は・・・・この映画では割と目立ってましたけど、この方、役者にはあまり向いてないようですねぇ。ちょっと、チョットでした・・・。
あと、妻夫木聡クンと、田中麗奈ちゃんのチョイ役は一人で盛り上っちゃいましたけど。
ニコチン依存症と中澤裕子に言われ「うるさいねぇ、ちぃみはぁ」と返す柄本明なんかもサイコーでしたね。

そういえば、この映画で大変なコトに気がついてしまいました。

あんなに鉄人を改良してしまったんだったら、最終的に出来上がったこの鉄人は「29号」になってしまったんじゃないのか?

違うの?そういうコトじゃないの?

映画の中で多用されるCGは、ほとんどアニメ感覚。最近のVFXと比べちゃうと、まぁご愛嬌ってカンジです。質感までは感じませんでしたね。ただ、音はメチャメチャ良いですね。ど迫力で部屋の床と壁が振動で揺れました(笑)

こっちゃんの提案としては、どうせ、実写にするならこの人に色を塗り、着ぐるみ系、カブリもの系で鉄人に仕上げて欲しかったな。そうすれば、また違った意味で楽しめたはず♪

きっと、ぐっさんなら引き受けてくれたでしょ?(笑)

《2006.08.05記事一部改訂》

 

【作品関係グッズ】鉄人28号

 


奇談 キダン (2005)

2005年11月10日 | むむむMovie

こっちゃんポイント ★★

鑑賞環境 

試写会 
上映時間 88分
製作国 日本
公開情報 劇場公開 (ザナドゥー)
初公開年月 2005/11/19
ジャンル ミステリー/サスペンス

幼いころ神隠しにあったことのある里美(藤澤恵麻)は、そのときの失った記憶を求め「隠れキリシタンの村」を訪ねた。そこで、村に伝わる聖書異伝を調べるために訪れていた考古学者・稗田(阿部寛)と出会う。(Yahoo!ムービーより抜粋)

 

「みんなぁ!オラと一緒にパライソさ、行くだぁ~ッ!」・・・・なんのコッチャ?

諸星大二郎という方の漫画を素に作られたと言うこの映画。
何処のどなたかが「映像化不可能」と言われたそうな。

でも、この「映像化不可能」という言葉も”不可能”と言う割には、結構”可能”だったりして。
そう言われつつ出来上がった映画も結構あります。
(笑)
”不可能”って意外とチョロイもんなんですねえ。

スティグマータ/聖痕さてさて、手元に届いた一通の試写会招待状。その葉書に印刷されたポスター(画像上)は「スティグマータ/聖痕」(画像右)をも彷彿させるような物々しさを醸し出しておりました。

どうやらこれは、歴史ミステリーというジャンルに当たるようなのですが、いざ観るとこれが結構なホラー・モードでして。
途中、イスから飛び上がるホドの衝撃を受けるシーンが1箇所だけあります!その凄さは会場からドヨメキが起こったほど。こんなに飛び上がったのは「
フォーガットン」以来。(笑)
上映終了後も、「お前飛んだ?」「うん、飛んだ。」「何センチ?」「10センチ。」などという、「アンタ計ったのかいっ!」とツッコミたくなるようなカップルのほのぼのトークが炸裂です。

そんな意味では結構楽しめた映画ですが、他がちょっとよろしくない。
88分という短い上映時間でしたが、感覚的にはこれ以上長いとこの映画は正直アウトでしょう。
これ以上は必要の無い内容に感じてしまいます。

話としては、東北の山奥にある『隠れキリシタンの村』で起きた、「神隠し」を巡るミステリー

その悲運な歴史の流れによって、異教徒のようになってしまった信者たちの住む「ハナレ」と呼ばれる土地で起きた奇跡を描いた映画です。

信仰心によって新たなキリストが誕生すると言ったところでしょうか。

この物語の進行の中心にいるのが、幼い頃、この土地で「神隠し」にあったという佐伯里美(藤澤恵麻)。今は民俗学を専攻する大学院生に成長しているのですが、何故かしらその時の記憶が無いのです。しかも、ここ最近頻繁に不思議な夢を見る。謎めいた巨大な四角い穴と、少年の姿・・・・。どうやら、これは自分の「神隠し」と関係があるに違いない!と、彼女は再びこの村を訪れる。そして「妖怪は本当にいる」などという学説を発表をしたがために、『異端の考古学者』扱いとなってしまった稗田礼里(阿部寛)と出会い、一緒にこの地の謎を解いてゆくというお話。

この映画には、カトリックに纏わる人名や言葉が、コテコテの方言と混ざり合い、どーにも不思議な表現となっていっぱい出てきちゃうのですが、観ていると何となく分かるような、分かんないような。

「ぱらいそ」「いんへるの」など、ヘンテコな言葉が次々と飛び出します。

内容的には「期待しすぎてはいけないミステリー」な映画でした。
ラストで観られる「奇跡」の映像が最大の見せ場なのでしょうが、そこに至るまでの演出に、どーしてもパンチの無さを感じてしまいます。

キャストも、薄気味悪い草村礼子のおばあちゃん、ピアノを弾く和服女性のちすんなど、気味の悪い雰囲気ある面々もあったのですが、NHK連ドラのヒロインという映画初主演の藤澤恵麻に、惹きつけられるほどの魅力は感じることは出来ませんでした。他のキャストも個性的ではあるものの、いかにもTVドラマのサスペンス風。この映画、阿部寛がいなければどーなってたのだろう?と思ってしまいます。ただしこの場合の阿部ちゃんも『トリック』の上田教授とカブってますから。あらま。

特撮の画的にも、編集を含めチープに見えてしまうシーンがいくつかチラホラ。音響だけはそこそこ上手に仕上がっていた印象です。ま、トータル的には自分はほとんどにおいて演出不足を感じてしまったわけです。

最後までつき合わせておきながら、結局 謎は100%明かされる訳ではなく、あとは各々の解釈に委ねるといったようなエンディングもピンときませんでした。

この映画に1,800円は出せません。

《2006.08.01記事一部改訂》

 

【作品】奇談 キダン

汝、神になれ鬼になれ―諸星大二郎自選短編集

集英社

この漫画の中に収録されている「生命の木」というのが映画のモト。実に読みにくそうな漫画です!

トリック 劇場版

東宝

阿部ちゃん観るならこっちが定番♪


頭文字[イニシャル]D THE MOVIE (2005)

2005年09月07日 | むむむMovie

こっちゃんポイント

鑑賞環境 

★★

試写会 

上映時間 109分
製作国 香港/中国
公開情報 劇場公開 (ギャガ・コミュニケーションズ)
初公開年月 2005/09/17
ジャンル アクション

藤原とうふ店”を営む父・文太(アンソニー・ウォン)と2人暮らしをする、藤原拓海(ジェイ・チョウ)。友人の樹(チャップマン・トウ)と一緒にガソリンスタンドでアルバイトをし、自分の車を買うことを夢みる普通の高校生である彼だが、毎日水に浸された豆腐を、父のハチロク(AE86)に乗せ、それを迅速に、そして正確に配達することで、完璧なドライビング・テクニックをモノにしていた。それもそのはず。父・文太は過去に、秋名最速の走り屋と言われた伝説の男。つまり、拓海は知らぬ間に父の英才教育を受けていたのだ。ある日、チーム「妙義山ナイトキッズ」のリーダー、中里毅(ショーン・ユー)が拓海と樹が働く、スタンドにやってきた。中里の挑戦を威勢良く受けた樹は、拓海を助手席に乗せてバトルに挑むが、あえなく惨敗。だが、その晩、中里は峠で信じられないドライビング・テクニックを見せるハチロクに遭遇する。(作品資料より抜粋)

 

おいおい!親父、酒呑みすぎだろっ!原作でも綺麗とは言えなかったが、このデフォルメはひどすぎる。これではもはや廃人寸前。熱狂的なファンを持つこの『漫画版走り屋物語』が、ついに実写化されてしまった。しかも香港で。何故だ!何故、日本で作らなかったのだぁ~っ!この作品を観て、つくづくそう思っいました。残念でならないのです。・・・グスン。

この物語の中に出てくる『ハチロク』という車は、天下のトヨタ社が1983年5月から生産を始めたスプリンター・トレノという車の型名【AE-86】のことです。同型のカローラ・レビンも『ハチロク』と呼ばれますが、この2車種の一番の違いはヘッドライトの形状です。トレノはリトラクタブル(開閉式)で、レビンは固定式という点です。走りに関して突き詰めていけば、不利なのはリトラクタブル式のトレノの方。この形状のライトは重量がかさみ、尚且つ開いた時に若干の空気抵抗が生まれるからです。(かなり微妙な点ですが)ですから、走りにこだわる人はレビンを好んで購入していたように思います。実際にはそんな違いなど出るほどの走りはしないくせにネ。

トヨタ スプリンタートレノ 外観

でも、こっちゃんはこの不利なトレノ・モデルの方が好きです。特にこの映画にも出てくるカラーリングの白黒ツートンカラーのトレノが一番好きです。原作にも出てきますが、このトレノは白黒なので『パンダ・トレノ』なんて呼ばれちゃってて、どことなく愛嬌も感じるのデスよ。

もう一つ言わせてもらえば、この同じトレノの中にも、クーペタイプ(後ろにトランクがあるのネ)と、リフトバック(今で言うワゴンタイプみたいにガバッ!て後ろのドアが開くのネ)タイプがあって、この『頭文字D』で巧海が操るハチロクは後者のリフトババック・タイプです。これは親父の職業豆腐屋の営業車として使うため、豆腐を運びやすい形であるためなんですね。う~ん、実に理にかなってる。

トヨタ スプリンタートレノ 外観←リフトバック・タイプね

これが『ハチロク』というクルマなのですが、クルマに興味のない人にとっては「はぁ?」ってなモンでしょ?れっきとした名車なんですよ。一般大衆車ですが。この型のレビン・トレノ以降も、新型のレビン・トレノは作られてたんですけど、このモデル以降はFF(前輪が駆動して走るタイプね)になっちゃったので、一気に人気が無くなってしまっちゃったんですヨ。このハチロクはFR(後輪が駆動するのネ)なのと、チューニング(速くする為にあちっこっちイジくる事ネ)し甲斐があるヤツってコトで、絶版から20年経つ今日でも、その筋の方から絶大な支持を誇る車なんです。まだまだ走ってるの見ますもんね。これってスゴイことだと思いませんか?トヨタ嫌いのこっちゃんも、この車は大好きですモン。

そんな20年も前のクルマが、比較的新しいスカイラインGT-R(以下GTR)や、ランサーエボリューションⅣ(ランエボ・ふぉ~っ!って言います by HG)なんかをブッちぎっちゃうなんていうのは、これはもうたまんない感覚なワケでありますよ。

もちろん、ハチロクは峠の下りバトル専門。エンジンにターボもなけりゃ、排気量がデカいわけでもないので、登りは勝ち目がないんです。でも、この下りのバトルって怖いですよぉ~。度胸試しみたいなもんです。スピードはノルし、いざっていう時に中々止まりませんからっ!正に腕の勝負なんですよね~。

さてさて、映画の方ですが、当然のコトながら注目点は三つ。

①実車を使用してのバトル感
②キャスティング
③ストーリー展開、そして演出

この3点だけは、何としてもシッカリと押さえなければなりません。

この中で一番良かったのは撮影でしたね~。あのガードレール スレスレのとこでテールを振ってドリフトしていくハチロクなんかはさすがに「おおおおっ!ウメ~っ!」っと喜んでしまいます。クライマックスのハチロクvsFC(サバンナRX-7のことネ)vsランエボⅢのコーナーでのバトルシーンはさすがに迫力満点!クラッシュシーンが凄くて、正直ココは鳥肌が立ちました!

藤原拓海 茂木なつき 高橋涼介 中里 毅

キャスティングですが・・・・冒頭でも書きましたが、「コレはないだろ?」という点も多々アリ。一人一人行ってたらキリが無いほど。外観だけなら高橋涼介役のエディソン・チャンはアリかな。「インファナル・アフェアⅡ 無間序曲」でもそうだったけど、彼はカッコいい!鼻が好きですね、こっちゃんは。逆に中里毅ショーン・ユーはカッコ良過ぎて失敗って感じ。どーせなら彼には高橋啓介(涼介の弟ね)をやって欲しかったな。この映画には設定が無かったのが残念。

藤原文太 チャップマン・トウ ジョーダン・チャン ケニー・ビー

最後のストーリーと演出に関して言えば、これはもう別物です!設定や題材はそのまま使って、美味しいエピソードを加工して使用したみたいな映画ですね。まず高橋涼介と中里毅がフレンドリー過ぎるし、涼介に至っては同じバトルに臨む拓海の後押しまでしちゃってる。まるで「走リ屋ミナ ナカヨシ アルネ」みたいなノリ。しかも、全てのキャストの演技がハイテンション。キャラを超えちゃってる!(笑)香港の俳優が日本人の名を語り、日本の生活を演技しているのですが、やっぱり違和感が出てしまうモンですね。この映画の場面は日本じゃない。まさにコレは香港のノリなのです。

あのボヘラ~とした拓海のキャラが変わっちゃってるし、(いつき)もデカい。一番気になったのは須藤京一ランエボⅢの登場シーン。デコトラ・トラックで運搬はないだろっ!あんな高い荷台から、車高を落としたマシン、どーやって降ろすんだ?!そのシーンを見せてくれっ!そんな長~い橋げたでも積んであったというのか?いずれにせよ相当苦労するだろ、あれは・・・・・・。

クルマの走行シーンは良かったケド、アニメや原作と違い、バトルを行っている最中の心のセリフなどが皆無に等しく、バトルの駆け引き感が非常に乏しかったのも残念でした。あと、音楽が良くない。やっぱ、アニメのようにユーロビートでビンビンっていう方がこの映画には合ってる。あの「ワイルドスピード」的なズンドコ節はイヤだったな。

この映画に関して、原作者のしげの秀一先生のコメントがオフィシャルHPに載っていました。「原作と違う部分もありますが、映画自体がとても良く出来ていますので、原作と比べてどう、という見方はして欲しくないですね。原作を忘れて一度頭をフラットにして劇場へ行ってください。僕もそうやって楽しみました。」との事。

無理だヨォ~、それは。だってみんな原作に惚れこんでるんだもの。そういう人が多く足を運ぶ映画だと思うよ。これは「あちゃ~!やっちゃった!」って思ったしげの先生の社交辞令的コメントなんだろうか?こう思わなければ納得出来ない部分が、この映画には多すぎます。

原作は3,900万部を売り上げた人気コミック。その内の一ファンの心情としては、心にモヤモヤが残ってしまいました。たぶんこの映画はもう観ないでしょう。観るならアニメを選びます。それくらいモトモトは楽しい話なのよぉ~。ぜひ、日本の感覚で作り直してもらいたい。

会場を後にしながら、「楽しかったネ~♪」と言ってたオバちゃん達。
お目当ては分かります。

「あなた若いオトコしか見てなかったでしょ?」

《2006.07.22記事一部改訂》

 

【作品関連グッズ】頭文字[イニシャル]D THE MOVIE