「戯言の部屋」

セピアス、戯言を語るの間

The Sky Crawlers(ネタバレあり)

2008-08-02 03:47:07 | Weblog


 本日「スカイ・クロラ」公開。
 もともとはそんなに興味があったわけじゃないのですが。
 原作の森博嗣別に好きじゃないしね(-ω-)
 いや、彼の作品のストーリー構成とか内容とか好きは好きなんですが。

 女性の描き方がなっちゃない(;´Д`)y─┛~~

 というか、ハッキリ言って彼の描く女性って読んでいてムカつく
 だもんで、「森博嗣か~なんて思っていたわけですが(←失礼)
 しかしねえ、監督が押井守じゃないですか。
 押井守氏と森博嗣氏のタッグ・・・あーこりゃ絶対面白いだろうなと思ったわけです。
 何しろ私は押井守氏の大ファンで、監督作品の殆どを持っています。
 恐らく「攻殻機動隊ほどの完成度の高いものを、絶対に作れないだろうと思いつつも。
 やっぱり押井作品だけに、きっと「美しい作品」だろうと思いまして。
 なんだかんだで。

 公開初日に観に行きますた(ノ∀`)ペチョン

 地元に映画館があるって便利~w
 チャリで行ける距離にMOVIXがあるって素晴らしいです
 レイトショー¥1200で、終電気にせず堪能させて頂きましたとも!

 さて。話を戻して「スカイ・クロラ」
 つか、「スカイ・クローラー」じゃなくて「スカイ・クロラ」と読ませるあたり。
 い か に も 森 博 嗣 (-∀-)ヘッ
 さすがは『封印再度(Who Inside)』を書いただけある、このネーミングセンス。
 いやいや、こういうセンス好きですじょ?(-∀-)ノシ
 この『スカイ・クロラ』シリーズは、ぶっちゃけ読んだことないんですが。
 草薙水素の過去のあーたらこーたらを知っていて映画を見ると、それはそれで感慨深いのでしょうけども。
 個人的にはですが。
 そういうのを知らないで見た方が、「映画を見る」という目的においてはよかったんじゃないかな?
 ・・・と思います。
「イノセンス」みたいにバックボーンを全く知らないと。
 台詞ひとつひとつに「?」となるよーな作品ではなく。
 極めてシンプルに且つ華麗にまとめあげている映画なので。
 原作の「予備知識」がなくても充分に楽しめる。
 オープニングシーンとか、あまりに凄くて鳥肌が立ちましたしね
 多分原作知ってたら、どーしても草薙水素にばかり目がいってしまうような気がする。
 この映画は、函南優一視点だからいいんじゃないかと思うんですよね。
 それでこそ、ラスト間際の
「いつも通る道でも、違うところを踏んで歩くことができる。
 いつも通る道だからって、景色は同じじゃない。
 それだけでは、いけないのか。
 それだけのことだから、いけないのか。」

という台詞なり。
 まさにラストの
「I Kill My Father」
という台詞が際立って生きてくるように思います(・3・)
 
 しかし函南優一はいいです。
 かなりグッジョブです。
 原作も同じかどうか分かりませんが。
 彼は「普段通り過ぎてしまう言葉」に対して、ひとつひとつ問いかけるんですよね。
 事前通告なしのラウテルン社の空爆を目にして、店を飛び出そうとするところに。
 マスターが声がける
「気をつけて」
という言葉。
 普通はここで、「うん」とか「ありがとう」とか言うのに。
 函南優一は振り返って
「何を?」
と問いかける。
 その問いかけが卑屈なものではなく。
 あまりに純粋に問いかけられているので、マスター達は言葉を失ってしまう。
 そりゃそうだ。
「仕事」とはいえ、戦争を演出する立役者の彼らに一体何を気をつけろというのだろう。
 死んでも、再生する。
 恋も生も死も、連動して再生する。
 ラストとオープニングがしっかりと決まっている、定められた舞台の上で。
 多少のアドリブはあっても、同じ演出を繰り返す「役者」達に一体何を「気をつけろ」というのか。
 函南優一は、全てをとても冷めた目線で見つめている。
 その「諦観の眼差し」が、見ている側の胸を激しく突くのだと思います。
 目の前にいて、そこに生きて存在しているのを見たら。
 たとえ行きずりの人間だとしても、どうしても「愛着」も「親切」も「情」も湧くというもの。
 でも、彼に定められたものを変えることは出来ないし。
 何より彼が全てを受け入れている。
 だからやっぱり、フーコのように
「空飛ぶの好き?・・・よかったね。」
としか言葉をかけられないと思うんですよね。
 そんな函南優一が、「終わり」を望む草薙水素に
「君は生きて何かを変えろ。」
と言うのが、物凄く胸にきました。
 変化を求めるものは、生きて変えていかねばならない。
 少なくとも、彼らの世界では。
 そして、函南優一が出来る「変化」は彼女の傍にいることではない。
「ティーチャー」を殺すことしかない。
 同じものだけど、同じじゃない。
 ということを受け入れられる彼だからこそ、その「選択」しかない。
 その「選択」しかないことが、あまりに哀しい。
 透き通った哀しみの美しさに、見ている側は胸を突かれ「言葉を失って」しまう。
 
 こういう「諦観の眼差し」は個人的には大好物です。
 自分が書いた小説『浅い眠り』でも、題材のひとつとして取り上げたくらいです。
 で、やっぱり「間の演出家」と勝手に呼んでいる押井守が、絶対好みそうだなあ~と思いました。
 ささやかな一瞬の「言葉の無い間」のハシバシ。
 もうね~、さすがは押井監督!と思える演出のてんこ盛りでした。
 素晴らしかったです!!d(>∀<)b

 しかしどーにも原作が気になって気になって。
 家に帰って速攻AMAZONで全作大人買いをしてしもいますた(ノ∀`)テヘ
 当然のことながら、『スカイ・イクリプス』まで買いました。
 途中でつまらなくなったらどーすんだい!って感じですがw
 続き物は一気に読めないと嫌なんです(-ω-)
 6日に概ね届くとのこと。
 来週一週間はきっと恐らく。

(妄想の)蒼空を駆け巡っていることでせうwww

 アアン、楽しみだわんキャー