10時ごろのNHKニュース番組だったと記憶しているが、信じられないような光景がテレビに映し出された。
深夜までテレビの前に釘付けとなっていた覚えがある。
あれから6年、世界は当時の混乱状況から今だ抜け出せないでいる。
米国ブッシュ政権はテロの犯人はオサマ・ビンラディン率いるアルカイーダと断定。
アルカイーダをかくまったアフガンを米国に敵対する勢力とみなし、2001年10月7日、米英軍によるアフガニスタン侵攻を開始した。
アフガンといえば映画「ランボー3“怒りのアフガン”」が思い出される。
1979年、ソ連はアフガニスタンに成立した共産主義政権を支えるために軍隊を派遣した。
アメリカCIAは、ソ連に対して抵抗運動を起こしたイスラム諸国の義勇兵たちを全面的に支援する。
(後に9・11テロ首謀者とされたオサマ・ビンラディンもその1員であった。)
映画ランボーはスタローン扮する主人公が、ソ連軍の捕虜となった軍の上司をアフガン・ゲリラと協力して救出するという物語である。
まさに“昨日の味方は今日の敵”、しかし歴史とはこんなものである。
9・11テロ発生の翌年、ブッシュ大統領は、イラク・イラン・北朝鮮を「悪の枢軸」と非難して、2002年9月5日、米英軍によるイラク空爆を決行する。
2003年3月21日には地上部隊がイラク国内に侵攻し、本格的戦争状態に突入。
フセイン元大統領も拘束したが、国連査察による大量破壊兵器は見つからずイラク戦争もますます泥沼化していった。
日本も2003年年末に小泉首相の下で自衛隊派遣を決定。
それが本当に正しいことなのかどうかの議論も国民の耳には聞こえないまま、圧倒的な与党の力でそれは決まっていった。
そして9・11テロ発生から6年が経過。
アメリカ国内でもイラク戦争終結に向けての動きが見え始めた。
韓国は年内にアフガンからの撤兵を決定した。
英軍もイラク南部から徐々に撤退、各国が米国の動向を横目に見ながら撤収に向けて動き始めている。
米国が「悪の枢軸」と呼んだイランと北朝鮮との関係も微妙に変化し始めた。
外交の世界に正義とか悪とかは存在しないと見たほうが賢明である。
その国家にとって損か得かの勘定世界であることを歴史は証明してくれている。
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