南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

私を感化した言霊たち(13)

2013-09-16 15:53:31 | ユニオン
“座った椅子が人を育てる”という言葉がありますが、椅子が人を育てるのではなく、役職が人を育てるのでもなく、立ち位置がワンステージ上がることで人が育つという意味だと私は思います。
しかしなぜワンステージ上がると人が育つのか不思議ですね。
それはおそらくその立ち位置に立つことで見えてくる風景や、交わる人々の違いだと私は思います。

単組委員長時代よりも地方産別代表者の時代の方が格段に見える風景が広がりましたし、連合静岡代表者の時代の方がさらに大きく広がりました。
しかしそのステージに立って慢心すると逆効果、育つどころかたちまちのうちに置いてけぼりを喰らいます。
高みに行くと信じられないくらいの人格者と遭遇しますから、一目でこちらの本質を見抜かれます。
いくら自分を飾りたてたり取りつくろっても誤魔化すことはできません。

「ソクラテスの対話」という言葉があります。
ソクラテスは対話を通して相手を育て上げていきました。
まさに「聴く力」=「聞き出す力」で人を育てたといいます。
そしてその対話は自らの内なる心にまで及びました。
「無知の知」というものを唱え、自分自身が知ったかぶりすることを戒め、「自分は“知らない”ことを知っている」、つまり常に「内に向かって本当の知を知ろうとする意識」が大切だと教えました。

昨日は「傾聴ボランティアネットワーク」の集会に講師として参加させていただきました。
それぞれ大きな組織ではありませんが、5つのボランティア団体で構成されております。
とかくこういう団体は個性が強くてライバル意識が強いのですが、このネットワークのみなさんは向上心や学習心が強くてびっくりします。
まさに「無知の知」を地で行くみなさんでした。

名刺の肩書きが人を育てるのではありませんし、肩書きが人間のランクを表すのでもありません。
世の中は本当に広くて、未知の領域は無尽蔵に広がっています。
「無知の知」の言霊を今、噛みしめています。


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