「追い出し部屋」

新潟で開催された労働委員会の事例研究会で、液晶パネルの製造大手企業の実例が出されました。

それまで一度もリストラしたことのない会社でしたが、得意先の注文が激減したために経営合理化を迫られます。
そこで一時金のカットや月２日の一時帰休を実施します。

それ以上のノウハウがないために会社は、某転職支援会社の指導を仰ぎ、５００名の希望退職を募りました。
退職勧奨の面談を行った結果、約２０００人の従業員のうち募集人員を超える６３０人の応募があり、退職していきました。

一方、会社は退職勧奨に応じなかった社員３０人について自宅待機を命じます。
そして転職支援会社にその後を丸投げします。
会社は社員３０人に対して転職支援会社への在籍出向を命じます。
そこで社員たちは自らの転職先の開拓を業務として行うよう指示されます。

労働組合は団体交渉を申し入れ、出向の撤回を申し入れますが、会社は経営難を理由に応じません。
しかし経営難とはいっても、連結決算では黒字を計上しています。
結局、県労働委員会に調停を求めて解決の道すじを見出します。

「追い出し部屋」などは単なる週刊誌ネタだとばかり思っていましたから、こんな酷い実例を聞いてびっくりしました。


口直しに早朝の信濃川風景をご覧ください。