南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

ものづくり教育シンポジウム

2011-05-14 18:09:00 | ユニオン
袋井の「月見の里 学遊館」に出かけました。
JAMと日教組主催のシンポジウム会場です。
このシンポジウムは全国持ち回りで開催されており、今回で3回目ということでした。
ものづくりの大切さを学校教育のなかに取り入れていくことを目的としているそうです。

なかなか工夫がされたシンポジウムで、JAMの構成企業の協力で「ものづくり体験」や「ものづくり展示」もありました。
新聞に紹介されていた榛葉鉄工所の「障害者用のサイクリング競争車」も展示されており、実際に乗せていただきました。
またこの榛葉鉄工所の協力を得て、プレス機や溶接を体験して「ペン立て」をつくりあげた中学2年生の経験談も発表されたりしました。

講演も2本あり、1本は川勝県知事です。
平太節は健在で、静岡県の県知事“川勝平太”が考える「ものづくりの哲学」を話されました。
日本古来から大切にされてきたものづくりの哲学、それは「製造技術の平和利用」「自然と共生する製造技術」「美しい工芸品」などです。
それらのものづくりの哲学は、第2東名の建設にも応用されていることなど、興味深い話がいくつも聞かれてあっという間に45分間が終了しました。

私は挨拶の中で次のようなことを述べました。
『久しぶりの仲間と会えて嬉しく思います。
一方でものづくりの危機を心から心配しています。
岩手県の被災地へ行って思うことがありました。
想定できない自然災害の威力、制御できない自然の力、そして制御できない技術があったこと。
私の中の安全神話ももろくも崩れ去りました。
帰宅してからずっと考え続けました、どうすればいいんだろうか。
このふたつの大災害が起こった意味は、そして日本に起こった意味とは?
それに対する答えはふたつでした。
ひとつは覚悟を決めること、ひとつは今を一生懸命生きることです。

小松左京の小説「日本沈没」が、巨大隕石が地球にぶつかるという映画、ブルースウィリスの「アルマゲドン」が絵空事ではなく起こりうるという覚悟を決めなくてはならないですね。
そのうえで「だから今を一生懸命生きなければ」と思いました。
そして製造業で働く仲間たちよ、本気になって「ものづくり」を考えよう。
人の手によって成った技術を、人の手によって制御できないはずはない。
本気になって取り組まないと、この国の製造業の多くは、海外に流れていきます。
もうあまり時間が残されていない。
どうぞ、よろしくお願いします』