南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

世界の大潮流

2007-06-19 19:00:47 | 政治

「消えた年金問題」と「コムスン問題」で日本中は大騒ぎだが、目を外へ転じても世界中が大騒ぎである。
イラクでは「敵の敵は味方」とばかりに米軍の武器がスンニ派に流れ始めた。
南アフリカのジンバブエでは年間4500%以上の超インフレで国家崩壊状態。
フランスでは、サルコジ政権への世論の反発が治まらない。
中国各地で住民と警察官が衝突。
時代は世界をどこへ流すのだろうか。

1945年2月、米国ルーズベルト大統領と英国チャーチル首相、そしてソ連スターリン首相の3人が顔を合わせて、大戦終了後の処置について話し合った。
このヤルタ会談が「冷戦」の始まりであったとされる。
それまでの世界はいくつかの小世界が並存するというシステムだったが、資本主義を標榜する国家群と、国家そのものの消滅をめざす世界社会主義革命を謳うマルクス主義国家群に分かれていく。

1991年12月、ソ連崩壊によって「冷戦」が終結。
強大になった米国は、米国の基準で世界を統一しようとするグローバリゼーションを拡大していく。
これが「冷戦後」の姿であった。
しかし米国がつくろうとした社会は勝者が常に勝者であり続ける世界であり、経済競争も勝者の考えた「ゲームのルール」の下で戦われた。
まさに日本的経営も、このルールのひとつである「キャッシュフロー経営」なるものによって沈んでいくのである。

「冷戦後」の時代は2001年9月まで続いた。
そして、あの米国同時多発テロにより終焉を迎える。
9・11後の世界は「冷戦後」とは区別されるが、いまだ明確な姿は見えず「ポスト冷戦後」の時代と呼ばれる。
(その姿をハンチントンは「文明の衝突」と予見しているが・・・・。)
9・11テロ以降、大巨人米国の力は確実に失われつつあり、資源ナショナリズムが蠢き始めた。
戦後、米国が築き上げてきたドルを基軸通貨とする世界の経済システムも根底から揺るぎ始めている。
力をつけたユーロ、そしてロシアのルーブルもプーチン大統領の下で巧妙に「米ドル1極支配」への対抗策を練り始めた。

いずれにしても、そんな時代に私たちは生きていることを忘れてはならない。
歴史は繰り返すのである。