けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

津波の田んぼ、大豊作の稲刈り

2011-10-10 00:13:35 | 野良あるき
震災で津波をかぶった学校田んぼが、復活。
10月7日に、地域の子ども全員による稲刈りの日を迎えました。

気仙沼市大谷地区では、幼稚園、小学校、中学校の子どもたちが力を合わせ、
有機無農薬栽培はもちろん、冬にも水を張ることで生き物がいのちをつなげる、
楽しくて美味しい「ふゆみずたんぼ」を作っていました。
ところが、3月の大津波は田んぼを飲みこみ、中学校の校庭と体育館まで浸水。
津波が引いた後の田んぼには、家や車など漂着物が残されました。

     

「今年の田んぼはもうだめだ」と、だれもがあきらめていましたが、
子どもたちの「今年も田んぼをやりたい」という声に先生たちが発奮。
農漁業体験の指導をしていた地域講師の先生が中心になって、
田んぼの片づけにボランティアを募ったところ…、ゴールデンウィークに見事に田んぼが復活。

      

内陸の小学校の協力で苗を作ってもらうこともでき、6月7日に田植えができました。
子どもたちは、泥んこになって大はしゃぎ。

      

時間が止まった風景の中で、学校の田んぼだけが息を吹き返しました。
中学校の校舎から見渡せる田んぼ。子どもたちは通学時も、校舎からも毎日田んぼの様子を見守ります。
手前は、津波で曲がった中学校のフェンス。

      

心配された塩害も病気もなく、稲はすくすく育ちました。
そして、「津波の翌年は豊作」という昔からの言い伝えどおり、見事な黄金の海に。
例年の2倍の稔だとか。
地域のひとたちは、子どもたちの元気な姿と稲の豊作に、励まされているそうです。

気仙沼の星

2011-10-10 00:12:31 | 浜あるき
星、といっても食べ物のお話。
「もうか(毛鹿)の星」という気仙沼名物があります。
言葉だけでは、想像がつかない。
これ、モウカザメの心臓(星)のこと。モウカザメは、和名がネズミザメ。
気仙沼にこういう珍味があるのは聞いていたのですが、初お目見え!!

      

ショウガ醤油で。さくさくこりこりした食感。思ったほど血なまぐさくなく、しつこさもない。
とはいえ、モリモリ大量に食べるようなものでもない。やはり“珍味”の部類です。

ネズミザメのヒレはフカヒレに。淡白な身は刺身、煮つけやフライで。カマボコの原料になるそうです。
気仙沼が日本一の水揚げ高。だから、食文化も加工や流通のルートもある。
裏を返せば、他地域の市場で水揚げしても、使い道のルートがないから安い値段しかつかない。
漁港と港町にはそれぞれ“得意分野”があって、微妙に住み分けをしているのです。

唐桑の漁船漁業漁師から「早く気仙沼の魚市場と水産業が復活しないと困る」と、聞いたことがあります。
メカジキやカジキの突きん棒漁(船首からモリを手投げで打ち込む漁法)で、
夏には魚を追って北海道までいきますが、現地の漁港で水揚げするとあまりに安い。
仲間の漁師と一緒に本数をまとめ、わざわざトラックを雇って気仙沼港まで陸送して水揚げしていたそうです。


さて。帰り道に立ち寄った、川崎町の直売所で「サメカツ」なるものを発見!!
わざわざ“元祖”と書かねばならないのは、どういう事情?
これといった強い味や香りがあるでもなく、さっぱり味ながらしっとりの食感、なかなかの美味でした。

川の珍味

2011-10-10 00:11:40 | 街あるき
サメカツを見つけた、一関市川崎町、道の駅かわさき内の直売所「ふれあいドンと館」。
ここは、通りがかれば必ず立ち寄らねばならない、大事なポイントです。
定番のお惣菜もあれば、季節限定の珍しいものにも出会えます。

まずは、いつも買ってしまう定番のご紹介。
“エビ餅”です。お餅と小エビの取り合わせがオドロキ!! しかも香ばしくて美味いんだ。
原料は“沼えび”と書いてあるのですが…。淡水のエビですね。ヤマトヌマエビのこと?
川崎町は北上川が流れていて、この道の駅は川のすぐそばです。
なので、右写真のような川の珍味も。

     

このカニは、モクズガニ。
上海ガニにごく近い仲間で、ふだんは川などに住んでいるけれど、秋の産卵期に海までおります。
こいつをつぶしたスープがこれ。「かにばっと」という食べ物があるんです。「はっと」はすいとんのこと。
だから、「かにばっと」はモクズガニのスープで作ったすいとん汁。
1000円という価格と荷物の多さで躊躇し、買わなかったけれど、今改めて写真を見ると後悔。
やっぱり買えばよかったな~。

買って帰ったのは、これ。ポポーというヘンな果物。
去年、盛岡の直売所で初めて見かけて、「だまされたと思って」買ったら、わりといけた。
シャカトウの仲間と聞いて納得。その系統の味と種の具合だ。
表現がむずかしいのですが、バナナの食感、ライチの甘さと香りマイナス酸味。かな?