熊野大社本宮は、明治時代の大水害で熊野川の中州にあった社殿が流失。
高台に現在の社殿を建てて、遷宮しました。
旅の最終日に、たまたま遷宮120年祭が行われていて見学。何というラッキー!!
日本の信仰は、もともと神仏混淆。とっても懐が広く深かった。
…のですが、明治以降に国策として廃仏毀釈や、神仏分離、神社合祀などで、
信仰の形がどんどん規制され型枠にはめられ、力を削がれていったそうです。
(→ 詳しくは「み熊野ネット」へ http://www.mikumano.net/keyword/jinjagosi.html)
熊野は、衰退しながらもなお、神道・仏教(時宗)・修験道の「和」を保っているそうです。
遷宮120年祭も、宮司さん(熊野大社)、お坊さん(神奈川藤沢の遊行寺)、山伏(京都の聖護院)が、
それぞれの神事仏事を執り行いました。
神道のお供え物。海の幸と山の幸を並べるそうです。
右は一遍上人が興した時宗の「踊念仏」。
盆踊りの原型といわれるそうで、可愛いステップと謡曲のような念仏の節回しが心地よい。
大僧正は、声が大きく元気な93歳!!
正面は「南無阿弥陀仏」と彫られた石碑。神社に仏教の石碑が存在出来ること自体がすごいことです。
修験道の護摩焚きは、お芝居のようでとても面白かったです。
幕あきは歌舞伎の勧進帳そのもの。四方を払う矢を本当に放ったり、斧や宝刀の小道具も。
ヒノキの生葉を焼くもうもうたる煙、ホラ貝の響き。いちいち芝居がかっています。
最後に、時宗の大僧正がお手ずから授けて下さったお札を、
神官や山伏も列に並んでありがたそうに押し頂いていたのが、とっても和やかで印象的でした。