けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

「ウニアワビ」という名の家庭料理

2011-10-19 00:03:09 | 浜あるき
北海道の積丹半島に行ってきました。
漁業に関わる仕事のおかげで、漁師さんには本当にお世話になりっぱなしです。
「夕食を食べにおいで」と、お呼ばれしたJさんの食卓は…。

       

あまりのすごさに気絶しそうなわたしを見やって「ごく普通の食事だけれど」とおっしゃる。
10月からアワビの漁期。ちょうどこの日は海がナギで出漁。
“おこぼれ”というには有り余るぜいたくにあずかった次第。
アワビのフルコース。右上のはアワビの丸ごとフライです。そんなんありえへんっ!でしょ?

さらに信じられないことに、「ウニアワビ」なる名前の一品料理があるのだ。
夏の間に作って冷凍しておいた塩ウニを焼酎か日本酒でのばしたタレで、
刻んだ生アワビを和えたもの。

      

「そんなぜいたく、今日だけの演出なのでは?」。半信半疑だったので、翌日会う人ごとに聞いてみた。
すると「ウニアワビ?、ああふつうの家庭料理だよ」と…。積丹って、いったいどういう土地なの~!

帰りに漁師のSさんが、自家製塩ウニと自家製イクラ醤油漬けをごっそりお土産に持たせてくれました。
さらに追い打ちをかけるように、東京に帰ってきた今朝、Jさんから新巻きサケが1本届き…。

     

実家の母におすそ分けで送ると電話したら、「そんなにたくさんもらい物をして大丈夫なのか」と心配されました。
そりゃそうだわな~。“怖いぐらいの幸せ”って、こういうことでしょうか。

カボチャピラミッド

2011-10-19 00:02:05 | 野良あるき
積丹のつづきです。
海が大荒れで、予定していた海中取材ができず、車でぶらぶら歩き。
通りがかったビニールハウスの中に、すごい光景を発見して思わず「すいませ~ん」と声をかけた。

     

ハウス2棟にカボチャが山積み。まるでピラミッド!
じつは、積丹はカボチャの名産地。ただし、ほとんどが東京に行ってしまうので地元には出回らないようです。
これを作っている農家さんは、お父さんの時代に和歌山県の田辺から入植したそうです。
開拓の苦労はものすごいお話ばかりなのだと思います。
そうして拓いた畑は現在、6ヘクタールの広さ。さすがは北海道。

お話しているうちに、ウニの殻を肥料にしている、ということがわかりました。
ウニの取材でそのことは知っていたのですが、実際に使っている農家さんに会うのは初めて。
しかも、このMさんは最初にウニ殻を肥料に工夫、導入した方なのだそうです。

「ウニの殻を使うようになってから、野菜の出来も味も見違えるほどよくなったんだよ」と大絶賛。
「カボチャはたくさん実がつくようになったし、トマトも葉っぱの色からして違うからね。
樹に元気があるから、農薬もすごく減らせるようになったんだよ。ウニの殻のおかげだよ」

    

試食させていただいたミニトマトは、なるほど!フルーツみたいに甘くて美味しい!
本当に素晴らしい出会いでした。

で、やっぱりカボチャとミニトマトをお土産にたくさんいただいちゃったのです…。
それをいうとまた、母が心配いたします。