けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

修了っ!

2012-03-27 21:54:55 | 日記
学位授与式(卒業式)に出なかったので、
きのう大学に行って「学位記」を受け取ってきました。
日本語と英語の賞状みたいなものが2枚入っています。
修士(海洋科学)の学位を取得したらしいです。
しかし、これを今後の人生や仕事にどう活かせるのか…。
まったく目途が立っていません。困ったものです。

ささやかな文章を書いて生計を立てている身。
お金(授業料)を払って、原稿(修士論文)を書いたのは、初めての経験でした。

お世話になった、多くの方々に深く感謝です。
ありがとうございました。

「モール」って何?

2012-03-27 21:53:57 | 浜あるき
三陸の船大工さんから電話で、相談されました。
「気仙沼の船具屋が流されたから、モールがないんだけっど」
モール? 何だろう。「ボートと呼ぶこともある」らしいが、形状は不明。

電話でもネットで調べてもわからなかったので、鞆ノ浦の老舗船具屋さんに電話しました。
電話に出た年配らしいお母さんが「あー、ボルトじゃなか?」
結局、船釘の鍛冶屋さんに相談。そしたらドンピシャ。ボルトのことだった。

瀬戸内では「モール」とは呼ばないらしいけれど、そこは蛇の道は蛇。
さすがです。
太さと長さ、ワッシャーの有無を伝えるだけで、齟齬なくこういう品が届きました。
注文してあった船釘と同封です。左手前のが「モール=ボルト」。

     

船大工さんに確認すると、「うん。これだ」
造船技術と道具、船具には、全国共通の品と言葉もあり、まったく違う品と言葉もあり。
これはやっぱり、日本の海の多様性からきているバリエーションの豊かさだと思わされます。

三陸、新しい漁業の形

2012-03-26 21:58:41 | 浜あるき
個人経営ではなく、数軒の漁師さんが組合を作って一緒に養殖事業を行い、
コストダウンと作業の効率化を図る「共業化」。
三陸漁業の復興のために、国がすすめる新しい漁業形態ですが、
その「優良モデル」といわれているのが、南三陸漁業生産組合。

   

グループの力でいち早くワカメの加工施設を作り、目下塩蔵ワカメの生産に追われています。
収穫したワカメを生で出荷するよりも、付加価値をつけることで収益幅が大きくなります。

先日、生ワカメのおすそ分けがあり、東京の自宅にどーんと送ってくださいました。
感謝!!! ひたすら感謝!!
今年のワカメの出来は、ワカメ養殖30年のベテランが「これまでで一番いい」と絶賛します。
香り高く、柔らかだけれどコシもある、見事に美味しいワカメです。

たな上げ神酒

2012-03-26 21:57:15 | 浜あるき
三陸の木造船。
シキの焼きためから1週間、タナ(舷側の板)をとりつける作業に進みました。
終了後、作業が一段落した感謝と今後の無事を祈る「タナ上げ神酒」の神事がありました。

船大工がとり行い、船主が立ちあいます。
大工道具を並べ、塩と日本酒で清めます。

     

神事のため、船大工と船主は船に上がりますが、
とり舵(左舷)から上がり、おも舵(右舷)から降りる決まりです。
大海原で漁師がいのちを預ける船には、建造時から神様の守護を願う信心に満ちています。

「焼ぎだめ」

2012-03-21 22:05:21 | 浜あるき
ごぶさたしました。
先週からまた、三陸に行ってきました。
南三陸町の船大工さんが造っている木造船。最大難関の作業を見せてもらいました。
シキ(船底)を火であぶって、反らせる作業です。

津波前は、海辺の造船所でやっていたのですが、高台の仮造船所では田んぼのあぜ道での作業。
火を扱うため、風のない穏やかな日の「朝凪」、まだ薄暗い5時半から行いました。
焚き物は、稲藁です。写真に写っている大工さんの実家の田んぼ産。「地産地焼」だ!

シキは、厚さ2寸5分の杉材。2時間半かけて、じわじわと「ため」ていきました。
読み通りの穏やかな日和で「うまくいった」と、大工さんはほっと会心の笑顔。

    

鞆ノ浦の船釘鍛冶屋さんから、立派な船釘が届いていました。
「船釘が足りない」と大工さんから相談を受けていたので、ご紹介。
広島弁とケセン語の間を、東京のわたしが中継してつなぐやりとりです。

焼きだめ作業の日の夕方、シキ(船底)を造船所内に戻し、作業台に固定。
その後、シキの船首に穴を開けました。「ぎょうのめ」という水アカを出す穴だそうです。
漢字や由来の意味は不明…。めは目かな?