けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

気仙沼からサンマ

2010-10-20 23:58:10 | 浜あるき
昨日のサケに続き、今朝はいきなりサンマのクール便が届いてびっくり。
気仙沼は唐桑半島で、「民宿砂子(すなご)」を営む漁師さんからの贈り物。
箱の中には、氷詰めされた、こんなピカピカのヤツが20匹も!!!

         

申し訳ないやら、うれしいやら。涙ちょちょぎれです…。ただただ感謝。
さっそく、朝食からサンマの塩焼き。
新鮮だからか、焼くときにひっくり返してもお腹の皮が破れません。
さて、今日はだれにこの幸福(口福)のおすそ分けをしたものか…。

民宿砂子は今、息子さん夫婦が切り盛り。復興作業関係で連日貸切状態の満室です。
ご当主は、間もなく80歳というのに、現役ばりばりの漁師。ご自身で7代目という漁師の家系です。
15歳で、当時は花形だったカツオ一本釣りの船に乗り、
4月から9月までは日本沿岸でカツオを釣り、10月から3月までは近海でマグロを追うこと数年。
その後、何度か船を乗り換え、南太平洋の遠洋マグロ漁船や、
北洋のさけ・ます漁船で船長をつとめます。サンマ船の船長だったこともあるとか。
文字通り“七つの海”をまたにかけた前半生です。

お父さんが亡くなったため、40代なかばで沿岸漁業に転換。
この地域ではよく聞く、代替わりの形です。
沿岸漁業の内容は――。季節の魚の刺し網漁、はえ縄漁、春先のコウナゴの棒網漁、マンボウの突きん棒漁、
はたまたウニ・アワビ・天然ホヤなどの磯漁…。
そのほかに、冬場はワカメの養殖もやっているそうです。

3月の津波では、養殖施設は全滅。漁船の1艘は台車ごと高台に打ち上げられ要修理。
船外機も必要です。それだけではなく、目の前に広がる高田湾は多くの犠牲があった海。
そうそう漁業再開をする気にもならず、共同作業で小規模ながらワカメ養殖から漁業再開の準備中。

毎日海に出ていた生活から一転。ただ海を眺める生活。
「1日も早く海に出たい」とじれるような思いでいっぱいだそうです。