けろろの「浜あるき・野良あるき」

漁あるところ、農あるところへ、風土のにおいに誘われて、いそいそ出かけています

3日連続、魚のクール便

2011-10-22 23:57:19 | 浜あるき
昨日、夕方家に戻ると、またまた白いトロ箱が届いていました。
先日、海宝漬のお土産をいただいた、釜石のYさんからです。

           

うわわわーっ!! なんと豪華…というか豪快なんだ~。
箱にぎっちり「詰めるだけ詰めた!」という感。
サケが2本分(右の袋に頭などのアラや白子)、豆アジが50匹、ソッコ(ブリの若いの)3本。
それから自家製イクラの塩漬け。釜石では塩で漬けます。イクラそのものの味がひきたつ絶品!

先日ご紹介したように、例年なら4月からの小型定置網漁を今年はようよう9月に再開。
漁期の許可は一昨日まで。その最終日の漁獲を、おすそ分けしてくださったのです。
しかも、お忙しいのに捌いてまでくださって。その思いと手間とに、お礼はいいつくせません。
「サケは期待したほどたくさんは入らなかったけど、お世話になった方皆に送れた」と、
電話のむこうで奥さんのI子さん。
「わずかだけれど、また漁ができたという報告にもなります」と、ほっとしたような晴れ晴れとしたお声。
被災したからと「世話になりっぱなし」をよしとしない気持ちも、あったのではと感じます。

漁家でも農家でも、お話していていつも感じるのは、
「日本のみなさんの口を養っている」という(恩着せがましいのではない)誇りと責任感のようなもの。
食べることは生きることの基本。これほどシンプルで強く尊い職業はありません。
とはいえ、今の日本ではおかしな逆転現象が起きているわけですが…。
自分を含め、食べ物を全部作ってもらっている人間は、生き物としての弱さを自覚せねばなりません。

話がそれました。
釜石のYさん。小型定置網は本来“楽しみ半分”のようなもので、本業はホタテなどの養殖業。
11月にはホタテの稚貝を海に入れなくてはならないのですが、ロープなどの資材が手に入らず目途が立ちません。
本格的な復興は、まだまだこれからです。