土曜日のこと、曇。今週の一山はいつもトンネルを通るばかりの「甲子(かし)山」と決めていた。先週の地元紙では紅葉真っ盛りの報道。観音沼に行く途中それを直に確かめておいた。よってごらんのとおり。

大黒屋登山口から登り始めると、まもなく雨が降ってきた。

実はまだまだビギナーの私はしっかりとした雨を登り始めから経験したことがなかった。これは良い機会と思い、レインウェアを着て登り始めた。

下から見た甲子トンネルも雨で煙っていた。

一歩一歩いつも以上に自分の息遣いに「生」を感じながら、そう悪くない心持を感じていた。

雨だからこその美しさにも目が留まる。いつもよりゆっくりした足取り。

2㎞歩いて残り400mの分岐点。リックを下ろしのどを潤す。しかしここからがかなりきつかった。

落ち葉と雨そして急斜面。鎖とロープに助けられた。

約2時間半。1549mの山頂に着いた。

すると、その時を待っていたかのように雨もやみガスも流れて目の前に「旭岳」が姿を現し、茶臼からの稜線がはっきりと目に映ってきた。山は素晴らしいなあ、と感動に包まれた。

帰路は日の光が差し込む色とりどりの木々の中を香を鼻からいっぱい吸いながら戻った。
甲子大橋を徒歩で渡り大黒屋まで行く途中橋の真下に行ってみた。ここからの眺めも壮大であった。