










長く伸びだして、花を形づくっているのは、細い糸のような雄しべの集まりで、

雄しべに混じって、先まで白いものが花に1本ずつ
細長い雌し べの根元には、どんな子房がついているのかなぁ

1つの花の中におしべとめしべが両方混ざった両性花です。
めしべの先端を柱頭(ちゅうとう)と呼び,ここに花粉がくっつくことで受粉する仕組みです。
花粉は何本もあるおしべの先端の葯(やく)と呼ばれる袋状の部分に詰まっています
ネムノキの場合は「雄性先熟」と呼ばれ,
おしべがまず成熟してきて枯れた後にめしべが成熟することで自家受粉を避けているそうです。
そして,両性花は基本的には自家受粉(同じ個体の中で受粉すること,近親交配)を避けるために
めしべとおしべが物理的に離れていたり成熟速度が異なっていたりするのです。


・ネムノキは朝鮮半島や中国にも自生するが、重なり合う葉の様子から中国では家庭円満、夫婦円満の象徴として庭に植える風習がある。葉は薄曇りの日や暑さが酷い時にも閉じるが、オジギソウのように手で触れると閉じるような性質はない。
・花期は6月~7月。開花するのは夕方で、短時間のうちにピンクの筆のような花が10~20輪ほど枝先に集まって咲き、ほのかな甘い香りを放つ。かつてはネムノキの開花時期に合わせて、アズキ、ヒエ、アワを蒔き、農作業の目安としていた。筆の毛に見えるものの多くは雄しべ。根元は白く、先端には黄色い葯がある。
・雌しべには葯がなく、雄しべよりもやや長くて全体が白い。多数の雄しべに紛れて花の中央付近に数本あるが、雄しべが役割を終えてぐったりする頃にようやく姿を現す。また、花には目立たないが花弁や萼もある。花弁は合体しており、上部が5つに裂けている。
・ネムノキはマメ科であり、9~11月になると画像のとおり、平たい豆のような果実が黒褐色に熟す。サヤの長さは10~15センチで、中には10~15粒ほどの種子が入っている。
・樹皮は灰褐色で滑らかだが、皮目と呼ばれる点々が目立つ。幹はまっすぐに伸びるものが少なく、乱雑な株立ち状になりやすい。成長が早いわりに材は硬く、器具や細工物に使われる。
・樹皮を煎じた汁は捻挫の湿布に、乾燥させた枝葉を煎じて焼き塩を加えたものは、手荒れや水虫の治療に使われた。竹林の七賢人である嵆康(けいこう)が記した養生論によれば、ネムノキの樹皮には鎮痛や精神安定の作用があり、家に植えれば家族が怒らなくなるという。
・別名をネブタノキ等というが、青森などの「ねぶた祭り」は、ネムノキやマメの葉で目を擦ることで眠気(=悪霊)を消すという伝統行事「眠た流し」に由来するという(諸説あり)。
