ビタミンP

苦心惨憺して書いている作品を少しでも褒めてもらうと、急に元気づく。それをトーマス・マンはビタミンPと呼んだ。

“宇宙冷蔵庫”FPSC(フリーピストン・スターリング方式冷凍機)の量産化秘話

2020年11月13日 08時16分34秒 | Weblog

宇宙冷蔵庫誕生秘話――ツインバードの冷蔵庫はいかにして宇宙へと羽ばたいたのか? 

(2014年04月11日 17時55分 公開 ITmedia NEWS)

 ツインバード工業という企業をご存知だろうか? 新潟県燕市に本社を置く中小家電メーカーで、最近では“ジェネリック家電”をテーマにした雑誌記事などで名前を聞くことも多い。だが、実際はそれとは逆に、高い独自技術を持ち、他社が実現できないスゴイ冷凍冷却ユニット「FPSC」(フリーピストン・スターリング方式冷凍機)の量産化に成功したメーカーであることは意外と知られていない。

 同社の技術力は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)のお墨付き。その冷凍冷却ユニットをベースに作られた宇宙実験用冷凍冷蔵庫「FROST」は、2013年8月に、種子島宇宙センターから補給船「こうのとり」に積み込まれ、国際宇宙ステーションへと打ち上げられた。

 国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」では、宇宙飛行士たちが実験サンプルなどを保管するため、現在も活躍中の冷凍冷蔵庫「FROST」の開発をJAXAから依頼され、ベースとなる冷凍冷却ユニット「FPSC」の技術を提供した経緯などについて、ツインバード工業の担当者であるSC事業推進部の藤野仁氏に話を聞いた。

■地場産業の加工技術

 「FPSC」(フリーピストン・スターリング方式冷凍機)という聞き慣れない冷凍冷却ユニット。これは、2002年に世界に先駆けてツインバードが研究開発、2004年に量産化に成功した冷凍冷却ユニットである。一般的な冷蔵庫などで使われている「コンプレッサー式」とは違い、冷媒ガスは液化せず、潤滑油も使わず、安全で環境に優しく、省エネでコンパクトなのが特長だ。

 「基本原理は1816年にスコットランドのスターリング博士によって発明されました。ヘリウムガスを冷媒に使い、“スターリングエンジン”の逆サイクルで圧縮と膨張を繰り返すという次世代の冷凍冷却ユニットです。内部にはヘリウムガスが充填されたシリンダーがあり、その中には2つのピストンを上下直列に設置。下のピストンはリニアモーターで稼働し、上はその稼働に伴うガスの圧力変動によって間接的に動きます。ヘリウムガスを圧縮させると温度が上がり、逆に膨張させると冷えるという、気体ならではの自然の性質を利用します」(藤野氏)。

 1990年代の終わりぐらいまで、この「FPSC」はアメリカなどでも研究され、製品化もされていたが、構造が複雑でほとんど手作業で作られていたという。このため、技術が優れていることは分かっていても、量産は難しいというのが専門家の常識であった。だが、そんな常識を打ち破ったのが、ツインバードの技術力と、地場産業の加工技術であったという。

 「『FPSC』を作るのには高度の金属加工技術と精密な組み立て技術が必要です。例えば、シリンダーとピストンの隙間はわずか0.01ミリと、“自動車エンジンの10倍の精度”が要求されます。われわれはそれらの専用機械を開発することで、量産化を実現しました。ただ、もちろんその機械を社内だけで作るのは到底無理で、新潟県内の地場のステンレス加工業を始め、15社ほどにさまざまな部品の開発を依頼することで、なんとか実現にこぎ着けました」(藤野氏)。

 藤野氏は、「おそらく日本の中小メーカーや職人たちしか持ち得ない緻密(ちみつ)な加工技術がなければ、今でも量産化はできなかったでしょう」と振り返る。この低価格で小型、かつ省電力で良質な同社製の「FPSC」は、最初は主にアウトドアメーカー用のポータブル冷蔵庫という“B to C”製品に使われる。だが、その後、当該アウトドアメーカーが買収などに遭うと、今度は理化学分野や医療分野など、次第に“B to B”製品へと用途がシフトしていったという。

冷蔵庫が足りない!

 時は2012年。国際宇宙ステーションは「MELFI」と呼ばれる大型の冷凍・冷蔵庫を完備していた。「MELFI」はステーション内に全部で3台あり、そのうち2台は日本実験棟「きぼう」に設置。1台につき4つの保存室を搭載し、そのなかには宇宙飛行士たちが実験で使うサンプルや、実験が行われた後、地球に戻すためのデータ採集用の検体などが保存されていた。

 だが、国際宇宙ステーションは世界15カ国で運営されているため、いくら「きぼう」内に設置されている「MELFI」といっても、それは世界各国の宇宙飛行士全員が使用するもの。よって、それらはすでに飽和状態にあり、日本は独自で使える冷凍冷蔵庫を新設することが急務だった。

 一方、JAXAはツインバードの高度な冷凍冷蔵技術の価値に早くから気づいていた。なぜなら、これまで各種試験装置の冷却用途でツインバードの「FPSC」を購入していたからだ。そこで、国際宇宙ステーションに設置するための新たな冷凍冷蔵庫の開発をツインバードに依頼する。しかし、ツインバードは何度か依頼を断ったという。

 藤野氏は当時を振り返ってこう語る。「やはり宇宙ステーションという場所に設置する冷凍冷蔵庫を作るとなると、大きな責任を負うことになりますし、これまでにそんな経験ありません。さらに自社だけでやるとなったら、それなりの体制を作らなければ到底実現できません。現実問題として、それだけの人員を割くのは難しかったのです」。

 それでもJAXAはあきらめなかった。ツインバードに断られた後、知る限りのメーカーに声をかけたものの、高度な技術力が求められる「FPSC」冷凍冷蔵庫ということもあり、すべて断られてしまった。当たり前である。冷凍冷却ユニット「FPSC」の量産化にまで成功していたのは、日本国内でもツインバードだけだった。

 「何度かお断りしたのですが、それでもJAXAから何度も開発依頼をいただきました。もうこうなると根比べですよね。そこで、最終的な妥協案として、社長などと協議した結果、『要素技術の開発とFPSCの供給についてお受けする』ことになりました」(藤野氏)。

 新潟県の中小家電メーカーの技術で、宇宙ステーションの未来が決まる! まさに池井戸潤のヒット小説「下町ロケット」のような話が、現実に展開されていたのだ。

■なぜコンプレッサー式ではダメなのか?

 まず、宇宙を知らない多くの人にとって、宇宙用の冷凍冷蔵庫とはどういうものか気になるところだ。なぜ、JAXAはここまで「FPSC」をベースに、宇宙用の冷凍冷蔵庫を開発することにこだわったのだろうか? 無重力とはいえ、一応空気はある宇宙ステーション内である。素人からすると「別に地上で多く使われている『コンプレッサー式』の冷凍冷蔵庫でもいいのでは?」と思ってしまうのも無理はない。これについて、藤野さんは簡潔に答えてくれた。

 「市販のクーラーや冷蔵庫で使われている一般の冷却システムは、ノンフロンガスを使います。そのガス冷媒を液化してから蒸発させて冷却する方式です。冷却システムの配管内で液体冷媒とガス冷媒が混合されたり、コンプレッサーの内部にある潤滑オイルなどが配管内に混入すると、故障して破損することがあります。家庭用の冷蔵庫など、引っ越しして設置場所を変えた後は、静かに時間をおいてから再度運転を開始しなければいけないのはそのためです。無重力状態の上下が変わったりする宇宙ステーション内で、上下逆さまに設置すると壊れてしまう冷凍冷蔵庫は使用できません」(藤田氏)。

 冷媒ガスが液化せず、潤滑油なども使わない、安全で環境に優しく省エネでコンパクトな冷凍冷却ユニット「FPSC」は、宇宙ステーションという特殊な環境での使用に最適だった。だが、そんな高度な冷凍冷却ユニット「FPSC」を作れるツインバードにとっても、JAXAから提示された条件は、とても厳しいものだったという。

 「2012年6月に正式に受注し、それからというもの試作機の基本構想を机上で検討するなか、JAXAの担当者とメールや電話で情報交換しました。そこで、この仕事の難しさをあらためて痛感しました。要求条件が多数あり、解決するのが非常に大変なものだったからです」(藤野氏)。

 例えば、要求条件には以下のような項目があった。

要求条件の例

  • ロケットで打上げるために必要なサイズと質量が決まっていたため、冷凍冷蔵庫と冷凍機のユニットを分離して打ち上げて、宇宙で結合して運転できる構造にしなければならない
  • 収納する内容物が各種あり、その内容積も決まっているため、庫内寸法と断熱材の厚さを確保するとともに、軽量化を図らなければならない
  • 宇宙ステーションでは停電があり、最長8時間まで冷凍冷蔵温度を維持する蓄冷剤を入れて、庫内で凍結させる必要がある

 こういった条件が、作っている過程で後から後から提示されてくる。その解決策を求め、藤野氏は冷却ユニットを再設計しながら、他社の協力もあおぐ。週末どころか、盆や正月もない状態で約10カ月を費やした。ツインバードの主な仕事は冷凍冷蔵庫の肝となる「FPSC」を宇宙用に作ることであったが、実際に関わった人たちは全員、さまざまな実験や検証を繰り返した。そこには、“誰がどこを担当する”といった垣根はなかったという。

 藤野氏は語る。「例えば宇宙ステーションでは使用する消費電力が制限されるため、要素試作でも省エネかつ-70℃以下までの冷凍が要求されます。このため、すでに市販していた『80W型FPSC』をベースに開発を進めました。この冷凍機は-100℃まで冷却が可能。要求される仕様に一致するとともに、外形がコンパクトにできていて、小型低温冷凍冷蔵庫には最適です」。

 本番用では、付属する駆動基板は、宇宙用として使用ができない電解コンデンサーを固体コンデンサーに置き替えた。また、温調器と組み合わせて使用することにより、地上からの遠隔操作で庫内温度の設定/変更、庫内温度のモニタリングも可能にしている。

 「庫内の温度差は常に±0.5℃以内に抑えるようにと、高い精度を求められました。同時に、ディープフリーザーという-40℃まで保冷できる冷凍冷蔵庫があり、この『真空断熱構造の技術』がここでは応用されました。また、宇宙船内という環境で使うため、エッジの尖ったものは万が一の宇宙船本体の故障や、宇宙飛行士の怪我を誘発させるため使えません。このため、保管するための冷凍冷蔵庫本体や『FPSC』のカバー部分など、外にむき出しになっている部分のエッジというエッジは、すべて丸みを帯びた形状に変更しました」(藤野氏)。

 気が遠くなるような多くの要求事項を全て満たすために1カ月ほどの時間がかかった。また外注先での詳細設計や部品調達、要素試作に3カ月程度。さらに30項目以上の評価試験を2回行い、5カ月ほどの時間をかけた。全体でおよそ10カ月という期間は、実は常識的には考えられないほどの短期間ではあるものの、それが実現できたのはひとえにツインバードを中心とする中小企業の人たちの並々ならぬ情熱と高い技術力にある。

 2013年2月末までに試作機と試験報告書を完納して、この要素試作のミッションは完了する。本番は、宇宙産業の企業者が入札し、試作機と設計資料と試験データをもとに、打ち上げ用の宇宙用冷凍冷蔵庫を製作。出来上がった宇宙用冷凍冷蔵庫は、JAXAにより『FROST』と名付けられた。2013年8月に、前述の通り、種子島宇宙センターから補給船「こうのとり」に積み込まれ、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」へと打ち上げられた。なお、打ち上げ前に冷蔵庫本体と冷凍冷却ユニットを地上で合体させて打上げて良いと許可が下りたため、宇宙での結合作業は避けられたという。

 「いくら地上で試験検証を繰り返しても、最終的に宇宙で動かなければ意味がありません。実際に宇宙空間に打ち上げられ、使うことができたと聞いた時は本当に安心しました。自分たちの技術が宇宙で役立っているということは、会社全体の励みにもなりますし、そういった高い技術をあらゆる分野で生み出せるようにこれからも頑張りたいですね」(藤野氏)。

■いわゆるジェネリック家電ではない

 ツインバードの企業プロミスは、「家電製品を通じてお客様の健康と笑顔を創造するために、お客様の声に耳を傾け、あったらいいなという思いをカタチにしていく」である。そのうえで、独自設計のハネの形状とDCモーターで、子どもの素肌にもやさしい思いやりの風を実現する扇風機『コアンダエア』や、スタイリッシュなミラーガラスデザインが美しい『ミラーガラス フラット電子レンジ』などが生み出されている。

 これらは一見、単なるコストパフォーマンスの良い生活家電に思われるかもしれない。が、こういったツインバードの生活家電には、実は地道な研究開発とともに、こういったFPSCのようなオリジナリティと、高い技術開発力が背景にあることが分かる。つまり、ツインバードの製品は、世の中でいう“ジェネリック家電”とはまったく違うものだと、ここで断言したい。

 「弊社では“B to B”の分野で技術開発をしていた人間が、その後“B to C”の生活家電などの開発に携わったり、逆の場合も多くあります。だからこそ、“B to B”でも“B to C”でも、全社的に常にお客さんのマインドに答える気持ちを持つことで、分野に関係なく、要望に応えられるのです」(藤野氏)。


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ファイザー等のワクチンはメッセンジャーRNA技術に基づいており、−70度C以下で保管する必要

2020年11月13日 07時59分25秒 | Weblog

ファイザーのコロナワクチン、供給のネックは「超低温保管」

(ロイター 2020年11月10日1:50 午後2日前更新)


 米製薬大手ファイザーPFE.Nと独バイオ医薬ベンチャーのビオンテックBNTX.Oが共同開発した新型コロナウイルス感染症ワクチンは、臨床試験(治験)で高い有効性を示したことが9日に発表され、供給網構築の取り組みが加速している。しかし保管に超低温の温度管理が可能な設備が必要なため、供給網がすぐに地方の薬局にまで広がることはなさそうだ。

 公表データによると、ファイザーの新型コロナワクチンは臨床試験で有効率が90%を超えた。発表を受けて米株式市場は過去最高値を更新。ファイザーとビオンテックは安全性に関するデータの収集を続けており、今月内に結果が出るとみられる。
 市中への供給には当局の承認が必要。承認後は政府が供給の優先度を判断し、医療従事者や老人ホーム入居者などが最優先されそうだ。
 ただこのワクチンは複雑な超低温保管設備が欠かせない。この点は米国で最も高度な医療体制を持つ病院にとってすら供給を受ける際のネックで、資金など資源が乏しい地方や貧困国ではワクチン入手の時期や範囲に影響が生じるかもしれない。
 ファイザーらのワクチンはメッセンジャーRNA(mRNA)技術に基づいており、セ氏マイナス70度以下で保管する必要がある。
 ジョンズ・ホプキンス大学ヘルス・セキュリティー・センターのアメシュ・アダルジャ氏は「このワクチンの供給面における最大の課題の1つが低温の維持だ」と述べた。「大都市の病院でさえ超低温でワクチンを保管する設備を備えておらず、あらゆる面で厄介だ」という。
 実際に米国で最も権威ある病院の1つであるミネソタ州ロチェスターのメイヨー・クリニックによると、今はこのような設備はないという。


 メイヨー・クリニックのワクチン研究者、グレゴリー・ポーランド氏は「このワクチンはセ氏マイナス70-80度で保管しなければならない。米国のみならず西側諸国以外でも物流上の重大な問題だ」と述べた。「メイヨー・クリニックは大病院だが、このような保管設備は備えていない。どの病院もそうだろう」という。
 ファイザーの広報担当者によると、同社は米国やドイツ、ベルギーなどにある拠点からワクチンをどのように出荷するかについて、米政府や州当局と密接に協力している。ドライアイスを使い、推奨温度で最長10日間のうちに空路もしくは陸路で凍結したワクチンを輸送するといった具体的な計画も含まれているという。

<氷で冷やす>

 ワクチンの配送後は州や地方の医療機関が保管や投与の責任を負う。ファイザーの広報担当者によると、このワクチンが保管できる期間は超低温で最長6カ月間、病院で普通に入手可能な冷蔵庫のセ氏2-8度で5日間。ファイザーの保管設備は最大15日間にわたり氷を補充できるという。
 しかし氷点をやや上回る普通の冷蔵庫の温度では5日間程度で傷んでしまう。ビオンテックのウグルー・サーヒン最高経営責任者(CEO)によると、同社とファイザーはこの期間を2週間に延ばすことができるかどうか研究を進めている。
 一方、ファイザーと同じ技術を使うモデルナMRNA.Oの新型コロナワクチンは、このような超低温で保管する必要がない。ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)JNJ.NとノババックスNVAX.Oが手掛けるものなど、他の新型コロナワクチンは普通の冷蔵庫で温度管理可能なセ氏2-8度で保管できる。

<超低温設備は奪い合い>

 ニューヨークの大型医療機関ノースウェル・ヘルスは、超低温保管能力の拡充に取り組んでいる。ノースウェルの担当者によると、ファイザーのワクチンを品質を保った状態で届けることは可能だが、冷凍設備の導入によって円滑な供給が確保されると判断した。
 専門家によると、超低温保管が欠かせないことで、ファイザーは地方の医療機関や老人ホーム、貧困国など超低温設備を備える資金を持たないかもしれない場所への供給能力に支障が生じる恐れがある。
 予防接種管理者協会(AIM)のクレア・ハンナン氏は「今後数カ月以内に承認を得るのがファイザーのワクチンだけなら、地方にも平等に供給されるかとても心配だ」と話した。
 ノースウェルの担当者によると、超低温設備は病院が在庫の確保に殺到したため、すでに手に入りづらくなっている。
 州が米疾病予防管理センター(CDC)に提出した文書によると、一部の州では超低温設備が不足している。この文書によると、ニューハンプシャー州は超低温設備を追加で購入しており、トランプ政権に対して資金支援の強化を求める動きもある。


 カリフォルニア州も、超低温設備の供給が制限されていると指摘。州の医療当局の半分程度が超低温設備の販売業者やリース業者を探している。
 カリフォルニア州はワクチンが届きにくい地域向けに、移動式のワクチンクリニックを配備するなど、超低温設備による供給網を構築することを提案している。超低温設備を持たない機関にはワクチンを提供しないという。
 超低温設備がないと医師は非常に困難な事態に直面する。AIMのハンナン氏によると、ファイザーのワクチンを普通の冷蔵庫で保管する場合、1コンテナが975回分なので、そのすべてを5日以内に接種するか、ワクチンの使用期間を延ばすためにドライアイスで保管し、保管庫のふたを開けるのを1日2回にとどめなければならない。「大変なことになるが、重要な仕事だから最善を尽くす」と話した。 
(Carl O’Donnell記者)


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新型コロナワクチンの治験で「深刻な事態」があったとして治験中断(ブラジル)

2020年11月13日 03時17分21秒 | Weblog

 

中国のコロナワクチン、被験者自殺でブラジルの治験中断

(ロイター 2020年11月11日2:42 午後1日前更新)

 ブラジルの保健当局は、中国の製薬大手、科興控股生物技術(シノバック・バイオテック)の新型コロナウイルスワクチンの治験で「深刻な事態」があったとして治験を中断した。ボルソナロ大統領はこれまで、このワクチンの信頼性を疑問視しており、連邦政府はこのワクチンを購入しないと表明している。

 保健当局は10月29日に深刻な事態が起きたとして9日に中断を発表した。治験が行われているサンパウロ州政府は、被験者が死亡したとし、死因は自殺として報告され、調査中であるとしている。警察の報告書をロイターが確認した。

 このワクチンはサンパウロ州の研究所も提携して開発しており、同州のドリア知事は1月にも連邦政府の支援なしに州民が接種できるよう治験を後押ししていた。今回の治験中断を受けてドリア氏とボルソナロ大統領の対立が激化した。

 ボルソナロ大統領はこれまで、シノバックのワクチンの信頼性を疑問視しており、治験の中断を受けて10日フェイスブックに「ボルソナロのまた別の勝利だ」と投稿した。

 保健当局は10日、この件に関してより多くの情報が必要だとし、治験の中断を続けると発表した。一方、治験の中断は政治的な動機による判断ではないとしている。

 シノバックは10日の声明で、ワクチンの安全性に自信があるとし、この件についてブラジル側と協議を続けるとした。

 


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