きときと日記

「きときと」とは富山の方言で「ぴちぴち(新鮮な)」という意味。きときとな日々の記録を更新中。

死神の浮力

2013-11-08 | 


曇ったり、雨が降ったり、パッとしないお天気。ようやく今週も終わりました。図書館で借りて、伊坂幸太郎の「死神の浮力」を読みました。前に「死神の精度」という本を読みましたが、死神の千葉にまた会えました。「死神の精度」の時は、それほど面白いと思わなかったのですが、「死神の浮力」は長編で、かなり面白かったです。伊坂幸太郎らしい世界観に引き込まれました。

担当した人間を一週間調査し、死の可否を判定するのが仕事の、死神の千葉。今回は、娘を殺された山野辺夫妻の元に現れます。人の痛みを感じないサイコパスの犯人、本城にも別の死神がついています。人のいい山野辺が復讐を試みますが、凶悪な本城に、逆に振り回されます。重くなりそうな話ですが、千葉のずれた会話が面白くて、クールなのに温かさを感じます。千葉の活躍で迎える結末、千葉が最後に本城にかける一言が最高で、本城の行く末には、ゾッとしました。人は必ず死ぬ、それは絶対の決まりだ、その恐怖を前に、山野辺と父親とのエピソードが泣けました。とても面白かったです。

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