「北の山・じろう」日記

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アウデイーイウカ戦線、ロシア軍ソキルSokilとボスポート制圧後南下<ウクライナ紛争2024.07.06

2024-07-06 20:01:43 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

2024.07.6
侵攻863日目、ロシア軍がホルリウカ方面とアウディーイウカ方面で前進
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/on-the-863rd-day-of-the-invasion-russian-troops-advance-towards-horlivka-and-audiivka/

地図上で見ると大きな変化はありませんが、ソキルSokilをロシア軍が攻略したのが大きなポイントです。
この方面のウクライナ軍の強力な要塞だったようで、ロシア軍は2~3週間ここで戦闘を続けていたと思います。
ついにソキルSokilが陥落し、その西のボスポートVoskhodは直ぐに陥落しました。
ロシア軍は、更に西に進み貯水池に流れ込む川の東まで進出して、その後南下する気配を見せています。

この方面ではウクライナ軍最後の大きな拠点のノボセレフカ・ペルシャNovoselivka Pershaを北と東から攻撃する態勢が出来ました。
その南にあるウマンスキーUmans'ke周辺はロシア軍が完全に制圧し、その南のヤスノヴォロデイフカもロシア軍が最近制圧しました。
ノボセレフカ・ペルシャの南にウクライナ軍の友軍は、もういません。

問題がありノボセレフカ・ペルシャの西の川を渡る橋のすぐ北までロシア軍が迫っています。この橋を渡って撤退するのは、既に危険だと思います。
南に下って川淵のメジョフMezhoveの南西にある橋を渡って撤退するしかなくなると思います。
撤退を遣り損なうと大きな貯水池の北に追い込まれます。
こうなると全滅か降伏です。

そのような狙いがあってロシア軍は、あえてウマンスキーUmans'keの西側を攻撃せず放置していたようです。
ウマンスキーUmans'keを攻略したのは、5月だと思います。その段階から今の戦況を予測していたのだと分かります。
ロシア軍の作戦計画は正確で緻密だと分かります。
2022年には考えられなかったことで、2023年の半ば過ぎからロシア軍は優秀な士官将校を他の方面軍から抜擢して配属してきたのであろうと思います。

ちょうどスロビキン大将が軍籍を失いロシア軍から追放された時期と重なります。
はっきり書いた記事がないので確定的には言えませんが、いったん左遷され2023年1月に陸軍総参謀に配属されたラピン大将が、去年の6月から特別軍事作戦の事実上の司令官を務めているのではないか・と思います(現:陸軍総参謀長)。訂正あり
人事がニュースで見えるのはラピン大将だけです。

※訂正>ただし、これは間違いかもしれません。ラピン大将に関する別の記事を読むと、ロシア軍にとって大失敗に終わった2022年のドネツ川渡河作戦を指揮したとあります。そして今回、やはりロシア軍の作戦としては失敗に見えるハルキウ州北部のボルチャンスク攻略の指揮を執っているのもラピン大将のようです。(ロシア人ミルブロガーのRomanov)

そうなるとラブロフ参謀総長の補佐をして特別軍事作戦を指揮しているのは、別の将軍であることになります。

ソース

https://grandfleet.info/russia-related/russian-milblogger-bolchansk-casualties-are-1-3-of-audiivka/


これは余談ですが、2022年のロシア軍と今のロシア軍は別物に見えるほど指揮命令系統が改善されました。
作戦計画の立案も妥当で優れていると思います。

何故かウクライナも西側もこのロシア軍の大きな変化を無視しています。だから、あちこちの戦場でウクライナ軍はロシア軍に蹴散らかされています。

ウクライナ軍のやっていることは、大体この正反対です。
だから兵力差・火力の差以上に戦力差が大きいと思います。
言うならばプロの軍隊がロシア軍で、素人集団がウクライナ軍です。この違いは、どうにも埋めようがないと思います。
その上、相手を軽視して馬鹿にするウクライナ軍の態度は同じです。
その差を埋めるために「根性論」で行くので、ウクライナ軍の損害が大きくなるという構造です。

これで二つの大きな貯水池の東側は、ロシア軍が全面的に制圧する事になると思います。
略図では、ピンクのロシア支配地の西にぽっかり空いている空白地帯がピンクになります。

その後、西に向かうのか・北に向かうのか・はロシアの将軍しか知りません。
ノヴォオレクサンドリウカNovooleksandrivkaの北西方向の大動脈のT-0504を目指すのも有力です。

他でも複数の戦場でロシア軍は活発に攻撃していますが、今回はここまで。

※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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