「北の山・じろう」日記

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ドネツク州の戦い、ロシア軍は補給路を攻撃❓(ScalpelとFAB3000)<ウクライナ紛争2024.06.22

2024-06-22 19:23:32 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

「ドネツク州の戦い、ロシア軍は補給路を攻撃」
と言う記事は、まだ見ていません。
しかし、ロシア軍が積極的に攻撃してきた方面は主に二つあります。
アウデイーイウカ市街とチャシブ・ヤールChasiv Yarです。
ドネツク州南部でも同じ意図で攻撃しています。
今回、南部は省略。

アウデイーイウカ市街を攻略したロシア軍は、オチェレティネ:Ocheretyneを制圧し、更にその北西方向のノヴォオレクサンドリウカNovooleksandrivkaをほぼ制圧しました。
その北西方向にヴォズドヴィジェンカVozdvyzhenkaがあり更にその先が幹線道路のT-0504です。ロシア軍の現在の位置から直線距離で7km程度です。
榴弾砲の射程距離内(20kmくらい)ですが、まだ榴弾砲を進出させるのは反撃を考えるとリスクがあり無理だと思います。
しかし❓
ランセット型ドローンなら❓
試作機の段階で航続距離40km程度とされています。

2024.03.5
圧倒的に安価なLancetの類似品、ロシアは2024年末までに数千機を生産
https://grandfleet.info/russia-related/by-far-the-cheapest-lancet-analog-russia-will-produce-thousands-of-units-by-the-end-of-2024/
「ランセット攻撃」などと言われることが多いです。
実際には廉価版の「Scalpel」だと思います。
ざっくり1機50万円です。
自爆型の攻撃ドローンです。
これで戦車から装甲車、榴弾砲にロケットランチャー、大抵の兵器を攻撃できます。

上位機種の「ランセットLancet」だと約500万円ですから同じ価格で10機供給できます。
3月の初めに実用実験も済んでいますから、すぐに大量生産に入ったと思います。
理由は、4月ごろからやたら「ランセット攻撃」が多くなったからです。
<Scalpelの外観やスペック>
(最大重量10.5kg/弾頭重量5kg/巡航速度120km/航続距離40km)
これは最初の試作品の性能であり、その後性能が向上している可能性もあります。
<Lancet-3の基本性能>
(Lancet-3/最大重量12kg、弾頭重量3kg、巡航速度80~110km/h、最高速度300km/h、滞空性能40分、航続距離40~70km、)

このタイプの廉価版も製造しているとすると航続距離は更に長いです。

チャシブ・ヤールChasiv Yar方面の距離関係です。
コンスタンチノフカКостянтинівкаまで地図上の距離で約10数km地点までロシア軍が進出しています。
ウクライナ軍の北の大補給基地のあるクラマトルスクКраматорськから南に下ってくる幹線道路のH-20は市街地のど真ん中を通っています。

こう書くと大分、分かってきましたね❓
西のウクライナ軍の大補給拠点のポクロウシクPokrovskから東への補給経路は幹線道路T-0504です。ここまで距離約7km。
北のクラマトルスクКраматорськから来る補給経路のH-20まで10数km。

両方とも「ランセット攻撃」(=射程40kmと仮定)の範囲内に入っています。

当然、ロシア軍は両方の補給路を既に攻撃していると思います。こうなると❓

大雑把にロシア軍の支配地がバフムト~ゴルロフカГорлівка~アウデイーイウカです。この勢力の境界線のうちで・・
幹線道路のT-0504の南側からH-20の東側に位置するウクライナ軍の支配する地域は、全部補給が苦しくなっていることが推測できます。補給用のトラックは、「ランセット攻撃」で簡単に破壊できるからです。戦車さえ行動不能にする威力があります。

補給を苦しくしてウクライナ軍を弱らせながら攻撃するのが、次のロシア軍の狙いだと思います。

※こうして考えるとロシア軍が、チャシブ・ヤールChasiv Yarを無理攻めしない理由も分かります。チャシブ・ヤールの東まで進出すれば、ルートH-20を攻撃するには十分です。
更には、コンスタンチノフカ:Костянтинівкаの攻撃目標も攻撃を始めたようです。
https://www.sankei.com/article/20240621-4B3EDA762BILVLZ37ZNEMXHXPM/

※大きくロシア軍優勢の流れを作り出した兵器が二つあります。
格安で量産のできる「Scalpel」(ドローン)です。
もう一つが、滑空爆弾です。
ついには恐ろしい破壊力を持つ3トン爆弾(FAB3000)まで登場しました。
ハルキウ北部のリプツィを爆撃したようです。
https://www.sankei.com/article/20240621-4B3EDA762BILVLZ37ZNEMXHXPM/
この爆弾はネットの書き込みによると・・・
『半径200メートル以内の生命体は壕に入っていようがなんだろうが圧力波で効率100%で殺害可能』
と言う恐ろしい破壊力があるそうです。
ただし、これは書き込みを読んだだけで確認したわけではありません。

※もう去年とは、戦争の次元が異なります。
速く、停戦交渉を始めるべきだと思います。
勝てない戦争をいくらやろうと、国土の破壊が進み人命が失われるだけです。

☆追記
ウクライナ軍の補給ルートについてやや詳しいコメントがあったので紹介します。下記のサイトが情報元のようです。
WARNews247
https://warnews247.gr/#google_vignette
航空万能論の記事のコメント欄の最後に「冬戦争 」という人のコメントがあります。補給ルートが書いてあります。
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-situation-is-extremely-difficult-ukrainian-forces-deploy-24th-brigade-to-chasib-yar/
概略
ドニプロ~ポクロフスク
北方面
ポクロフスク~T-0504道路でコンスタンティノフカ
コンスタンティノフカ~H-20でクラマトリスクやリマン
南方面
ポクロフスク~クラホボ~ウグレダール

と言うことのようで現在、ロシア軍はT-0504道路まで7kmの地点まで迫っています。ここを遮断されると北方面の主要物流ルートが失われます。私が日記に書いた以上に深刻な状況です。


※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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