「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

(アルメニア・アゼルバイジャン)再燃するナゴルノ・カラバフ問題<2023年9月

2023-09-23 10:14:03 | ロシアと周辺国

アゼルバイジャン、係争地で「対テロ作戦」開始 アルメニア系勢力に降伏要求
2023年9月20日
https://www.bbc.com/japanese/66862311

旧ソ連時代から続く争いです。
アゼルバイジャン領内にあるアルメニア系住民の多いナゴルノ・カラバフ地区が、アゼルバイジャンからの分離とアルメニア編入を求めて行動を起こしたのが、始まりです。
かなり血なまぐさい事件が頻発しました。

その後、旧ソ連崩壊とアルメニア・アゼルバイジャン独立のどさくさに紛れて、アルメニアが傀儡世間を作りました。それが、アルツァフ共和国です。

国際的には、ナゴルノ・カラバフ地区はアゼルバイジャン領と認められています。それをアルメニアが傀儡政権を使って実効支配し軍事力を使って、かなり周辺のアゼルバイジャンの領土を侵略しました。その過程でアゼルバイジャン人にはかなりの残虐行為が行われ、また居住地から追い出されました。
一時期までは、アルメニアが優勢でした。

その後、アゼルバイジャンでは国内の混乱が収まり徐々に秩序が回復されるとともにアゼルバイジャンの国力も強くなりました。トルコの支援を得て軍事力を強化してアルメニアに侵略された領土の回復を行いました。

それが「2020年ナゴルノ・カラバフ紛争」です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/2020%E5%B9%B4%E3%83%8A%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%90%E3%83%95%E7%B4%9B%E4%BA%89

その結果、アルメニアが侵略した領土は回復されました。しかし、ナゴルノ・カラバフにはアルメニア軍が駐留して実効支配したままです。

これに対して、アゼルバイジャンがアルメニア軍の追放に動き始めたのが、今回の事件です。
1991年の前から継続している紛争ですので、今となってはどう解決するべきかは、難しい部分もあります。

しかし、法律的にはアゼルバイジャン領(ナゴルノ・カラバフ地区)にアルメニアが軍隊を派遣して不法に実効支配を継続したままの状態です。

これに対する国際社会の対応は、非常に疑問のある部分が多いです。アゼルバイジャン領をアルメニアが不法に実効支配している現実があるのに、それを追認するような気配が見えます。ロシアは、当然ですがアメリカや西側のヨーロッパ諸国は、アルメニアを支持する国が多いです。

これに対し周辺諸国には、アゼルバイジャンを支持する国が多いです。

これがこの問題の解決を妨げる大きな原因です。特にアメリカや西ヨーロッパ諸国は、おかしいと言わざるを得ません。少なくとも普通に考えるなら、アルメニアに非があると思います。外交音痴の日本はアメリカに右習えでアルメニア支持です。

やはり周辺諸国の多数意見は、アゼルバイジャンの領土の回復を支持しています。ただ、それを平和的に行ってほしいと言っているだけです。アルメニアが正しいという国は、周辺諸国にはほとんどありません。

地域の多数意見を、大国であるロシアやアメリカが無視しているのが問題の解決が進まない大きな原因だと思います。

アゼルバイジャンの方が軍事的に優勢になった今は、平和的な解決を模索しないと武力による解決になり、それは報復を伴うものになります。アルメニアがアゼルバイジャン人に対して行った残虐行為は、そんなに軽いものでも少ないものでもありません。

それを考えても、アメリカの態度は極めておかしいと言わざるを得ません。人権の得意なアメリカですが、過去にアゼルバイジャン人の人権は、全く守られませんでした。アメリカの人権は、ご都合主義かと言われると思います。

人権侵害した側の人権が守られて、人権侵害された側の人権が無視されるなら、非常に不公平な話です。

アルメニアが正しいというなら、武力で他国の領土を奪うのが正しいと言っているのと同じことになります。ロシアがウクライナを軍事侵略するのも、全然問題がないことになります。

ロシアは悪くて、アルメニアは悪くないというなら?
相当、おかしな話でしょう?



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