「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ジョージア大統領が「スパイ法案」に拒否権発動<2024.05.20

2024-05-21 21:57:57 | ヨーロッパ

ジョージア大統領、「スパイ法案」に拒否権発動
2024.05.19 Sun posted at 13:05 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35219084.html

この手の記事は、ほぼ西側のプロパガンダと言えます。
相当悪意があると思えるのは、「スパイ法案」と書く点です。
『法案は、資金の20%以上を外国から得ている団体に「外国の代理人」としての登録を義務付け、違反者に罰金を科す内容。』
これを「スパイ法案」と書けば、間違いなく法案が悪い法案だと思うでしょう。

例の「自由化潰しだ!」と言うわけです。
日本で同じことを考えてください。
親中国団体や親ロシア団体が、ロシアや中国から多額の金銭的支援を受けて、親中国政策や親ロシア政策を主張し、かなり過激なデモ活動をしているとします。

日本政府がそれを許すと思いますか❓
日本国民の多くがそれに賛成すると思いますか❓

中国やロシアを、EUやアメリカに置き換えれば全く同じです。

ジョージアは、アメリカの傀儡の親アメリカの独裁者を追放して現在のジョージア政府があります。
だからと言ってジョージア政府が親ロシア政策を取っているわけではありません。
どちらかと言うとロシアを嫌う傾向の方が強いと思います。
しかし反ロシア政策を取れば確実にロシアから介入を受けます。
と言っていわゆる民主化勢力に国を乗っ取られれば、ウクライナと同じことになります。
ロシアの軍事介入を招くかもしれません。
実際、親アメリカ政権の時に2008年ロシアが軍事介入しました。これはフランスが素早く介入して早期に戦争が終わりました。

だからジョージア政府の立場は、ロシアからもNATOからも中立である政策を取っています。
民主化や自由化が良い訳でもありません。
民主化や自由化のまねごとをして国内がぐちゃぐちゃになった国は、結構あります。
そもそもジョージアは、それなりに民主主義的な国です。

主に今、親EU的な活動をしているグループは、EUの影響を大きく受けており資金的な援助も受けています。この勢力が政治的な権力を握れば、EUの傀儡政権と言えます。

ジョージアは、自分たちの政府を持ちたいから際どい綱渡り中立政策を取っています。
別に自由主義的でないから民主主義的でないから、そうしているわけではありません。
ロシアやEUとアメリカの介入を防ぐためにそうしているだけです。

このようなジョージアの国内政治環境、それを取り巻く国際環境を一切無視して、ジョージアのEU取り込みを画策しているのがEUでありアメリカです。
ウクライナにしていることをジョージアにもしようとしています。だからジョージア政府はそれを拒否しています。
誰もウクライナのようになりたいとは、思わないでしょう❓

(2)ジョージアのズラビシビリ大統領
民主的な良い大統領に思うかもしれません。
しかし、フランスの代理人です。
元々長くフランス人で、ジョージアが共産主義から民主主義に移行する過程で、ジョージアに招聘されました。ジョージアの役職に就きながら、しばらくフランス外務省から給料をもらっていたくらいです。
そして多くのヨーロッパの大統領がそうであるように政治的な権力はありません。名誉職的な役職です。
次回からは、国民の直接選挙で大統領が選ばれることはありません。
その意味でジョージアは、完全に議会制民主主義に移行したと言えます。

名誉職的なジョージア大統領が拒否権を発動しても大した意味はありません。もう一度議会が議決すれば法案は法律になります。
だから大統領は拒否権を行使するべきではありません。
単なる大統領個人のスタンドプレーに過ぎません。

『ジョージアは長年、ロシアと欧米の板挟みになってきたが、2022年にEUへの加盟を申請し、昨年12月に加盟候補国となった。』

このような事情があり、国内ではEU加盟を求める国民もいるようです。しかしジョージアの地理的な位置や経済取引の相手方を考えるなら、EUに加盟するメリットは、ゼロに近いと思います。
ロシア経済や中央アジア、中東との関係の方が圧倒的に大きいからです。

ズラビシビリ大統領は、フランスの代理人と言える人物です。
サロメ・ズラビシュヴィリ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%A1%E3%83%BB%E3%82%BA%E3%83%A9%E3%83%93%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AA

ジョージアがロシアの軍事侵攻を受けた時にはジョージアに尽くしたと思います。その後、ジョージアの独裁者を政権から追い落とす過程でも貢献がありました。
しかしジョージアが独裁者を追放して、中立の現実的な現在の政権運営をするようになってからは、親欧米色の強いズラビシビリ大統領は、むしろジョージア政府の政権運営にとって、マイナスになりつつあります。ジョージア政府の中立政策と対立してしまうからです。

ジョージアは、今新しい政治の時代を迎えています。
古い親ロシアか親欧米かの二元論的な政治家は、もう要らないと言うことです。

そのような背景を知るならジョージアに関する西側のニュース報道は、相当プロパガンダ色の強いものであることが分かります。
「EU加盟が絶対正しい」
それは、国によって違います。
個人的には、ジョージアはロシアとの関係を重視するのが正しい政策だと思います。それがジョージアの国家としての成長と繁栄につながるとおもいます。
EU加盟は、ジョージアの未来を閉ざすものです。

※関連日記
『アメリカの属国になりたくないジョージアと属国化に協力するヨーロッパ<ウクライナ紛争2024.05.19』
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/3b497146f4358bbfeadb10e713943952


※関連記事目次
項目「ヨーロッパ」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d


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