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舞鶴港と敦賀港の連携を 舞鶴でシンポ

2008-10-15 | 舞鶴市

京都新聞(10月15日付)より

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環日本海「国際物流の明日」探る ロ、東アジアとのルート開発急げ

シンポジウム「変わる!環日本海国際物流」が13日、舞鶴市浜の市商工観光センターであった。参加者は、経済発展が続くロシアや東アジア地域との物流ルート開発に向け、国や自治体、地元経済界が連携して取り組む必要性を確認した。

日ロ間の貿易額が最近の5年間で36%増加、中国が日本の最大貿易相手国となっている現状を踏まえ、舞鶴港と敦賀港の物流活性化策や地域振興策を探るため、国土交通省と経済界でつくる近畿と北陸の国際物流戦略チームが初めて開いた。

宿利正史国土交通審議官は「対岸諸国との貿易額は急増しているが、府内の外国貿易コンテナのうち、舞鶴港経由はわずか3%」と指摘。シベリア鉄道を活用したロシアや欧州との物流が注目されていることも話題にした。

パネル討論では、京都府の山田啓二知事が「港湾管理者を一本化するなど、舞鶴港と敦賀港の連携が地域の発展には不可欠。日本海側の港湾整備は太平洋側に比べて遅れている」と述べ、更なる支援を国に求めた。

パネリストからは「船会社や荷主が関心を持つ独自の施策を打ち出すべきだ」「物流を変えるという強い意気込み大切」などの意見も出て、約340人の来場者は熱心に議論を聞き入った。

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舞鶴港では中国航路やロシア航路が好調に推移するものの、今年4月に韓国航路が休止し、コンテナ取扱量が減少している他、敦賀港でも韓国航路は順調に推移しているものの、中国航路は昨年休止して以降、コンテナ取扱量はピーク時の3割まで落ち込んでいます。

舞鶴港と敦賀港で共通する課題は、航路の確保と府(県)内の集荷に苦戦している点。主因は舞鶴港の場合、強力なライバルである神戸港の存在と、ハード面での整備不足。敦賀港の場合、北陸の雄・金沢港の台頭と、今までの主要利用先だったブラウン管テレビの輸出全廃による航路の廃止が大きく響いているとのこと。

そんな両港ですが、舞鶴港の場合、和田埠頭が2010年に完成し、ようやく勝負できる体制になりますし、敦賀港も滋賀県米原市の建設中される西日本最大規模の統合物流センター「SILC」など明るい話題もあり、今後に大いに注目していきたいです。